モノづくりも本づくりも番組づくり同じ
2019年 06月 20日

書籍であれ製品であれ独りで出来る訳ではありません。書籍であれば編集者,デザイナーさん,挿絵を描いて下さる方、DTP担当さん…自分は会っていない方も含めての協働になる訳です。一旦直した原稿に更に手を入れるというのは関係者にとっては指示通りに作ったものを再度手直しするという追加作業を要求される訳で結構大変なこと。でも皆が”良いモノ作ろうじゃないか!”というマインドの面で一致しているからこそ作業も進むし、結果的に良いものが出来る…そういう関係性が出来ているから私どもの製品も今回の書籍もカタチになるのだなあ、という感謝に包まれながらの再校正作業となりました。
もともと私どもの製品は直熱三極管シングルが多く、お客さんが使われるスピーカーも高能率のものが中心でした。それが近年、様相がだいぶ変わってきて現行のハイエンド系スピーカーを真空管で鳴らしたいという方がどんどん増えてきている状況です。スピーカーの低能率化,低インピーダンス化が進む中で年々そのシェアを伸ばしている多極管プッシュプル。私どもにおける最上級機種がこのSV-8800SEという訳です。



(画像提供: e-onkyo music)
アンプや真空管を替えてそれぞれの音のニュアンスが変化するのをリスナーの皆さんが自宅のオーディオシステムで楽しめるところが”一本勝負”の最大の面白さではないかと思いますが、全てのパターンでゲインを完全に一致させてもTung Sol KT150仕様の彫りの深さ、聴感上の音量の大きさにまで影響を及ぼす音の厚みにIプロデューサーも”これは違いが出ましたねえ”と思わず感想が漏れるほどでした。

今回はハードの話は基本なし。トークテーマも特に決めなかったのですが、Yさんの”何かヘンだぞ、オーディオ業界”的なお話はオーディオを盛り上げていきたい、一人でも多くの方にオーディオを楽しんで欲しい…というピュアな情熱に満ちていたと思います。かけた曲も全てYさん選曲。アナログしか聴かないというYさんが家から持ってきたロックやゴスペルを聴きながら次第にトークもヒートアップ。ぜひオンエアでその全貌を聴いて頂きたいと思います。

MUSIC BIRDで番組を担当させて頂いてもうじき5年半。毎回あれこれ考えて”どうしたら聴いて下さる皆さんが楽しいか”…これだけ考えてきました。その点ではアウトプットの形こそ違えどモノづくりも本づくりも番組づくりも同じ。要はやる以上自分のベストを尽くすという他ないなあ、と感じているところです。