を予定しており前作「
大橋慎の真空管・オーディオ 本当のはなし」(在庫僅少)をしのぐボリュームとなる見込み。二冊併せて読んで頂くと真空管アンプの免許皆伝…かもしれません。
今日は最後に本書の編集者が書いてくれた前書き(抜粋)を添えさせて頂きます。身に余る光栄とはこのことです。
まえがき
本書は「真空管アンプを使ってみたい」「真空管アンプの音を楽しみたい」という方に向けて、ミュージックバードの番組「真空管ワンダーランド」の中からノウハウ系のコンテンツを集め、再構成したものになります。
2018年10月に刊行された『大橋慎の真空管・オーディオ 本当のはなし』を知識編とするならばこちらは実践的とでも呼ぶべき内容で、20年以上に及ぶ大橋氏のアンプメーカーとしての知見と経験(そしてもちろん、オーディオファンとしての知見と経験も)がぎっしりと詰まった“リアル”なものになっています。
大橋氏が店主を務めるSUNVALLEY audioのイベントに参加すると、いつもたくさんの聴衆が詰めかけていることに驚かされます。そして皆さん、とても真剣に大橋氏の言葉に耳を傾けておられる。
ではなぜ、SUNVALLEY audioのイベントにはこれほど多くの人々が駆けつけるのか?
それはやはり、「真空管アンプで音楽を楽しんでほしい」「真空管の良さを知ってほしい」という大橋氏の熱い思いが伝わっているからだと思うのです。
ミュージックバードの番組も同様で、番組名は「球で聴く! 大橋慎のハイレゾしばり」、「大橋慎の真空管・オーディオ大放談」、「大橋慎の真空管ワンダーランド」と名前を変えながら2014年から現在まで連綿と続き、大きな人気を博しています(「大橋慎の真空管ワンダーランド」は前半1時間が新録の「真空管一本勝負」、後半2時間が「大橋慎の真空管・オーディオ大放談」のアーカイブという構成)。
大橋氏は、真空管アンプメーカーの店主として音にこだわった製品を作るのと同じくらい(あるいはそれ以上?)、真空管アンプで音楽を聴くことの楽しさを広めることに情熱を傾けていると言えるかもしれません。
その情熱が人を打ち、人を動かす。
真空管アンプキットの製造販売、しかも通販のみという特異なビジネスモデルでありながらSUNVALLEY audioが長年多くのユーザーに愛されてきた背景には、この大橋氏の情熱があるのだと思えてなりません。
近年「D to C(Direct to Customer)」ということがよく言われますが、イベント、メール、電話、訪問、そして放送を通じて直に顧客とコミュニケーションをとっている大橋氏は、まさにその先駆者でしょう。
あらためて本書は、そんな氏の「真空管・オーディオ」にまつわる実践的なノウハウをまとめたものになります。
とはいえ、何も難しいことはありません。番組の雰囲気をなるべく損なわず、楽しく読み進めていただけるように配慮しています。大橋氏の言葉のマジックを、存分にお楽しみください。
本書で何度も言われているように、オーディオにたった1つの正解なんて存在しません。人の数だけ、正解があるのです。まさに「音は人なり」ですね。本書を通じて、真空管アンプで音楽を聴く楽しみに新たな側面を見つけていただけたら、これに勝る歓びはありません。
立東舎編集部