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SV-S1616D/300Bコンバージョン(続)

昨日の続報です。早速整流管を5AR4に戻すべくコンデンサーインプット容量を10uF→50uFに変更し測定した結果を示します。
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これを昨日の274B仕様のデータと比べてみますと大きな差異(B1電圧で50V)に驚かれる方もいらっしゃると思います。整流管で音が変わるというのはこの数字からも明らかです。ただ何でも替えれば良いという訳ではない、というのが今回の結論です。

S1616Dにおける300Bの稼働率(プレート損失)で計算してみますと

274B仕様: (402V-67V)×(0.067A÷1.2kΩ)=18.7W

となります。402-67(V)は300Bのプレート電圧からカソード電圧を減じたもので実効プレート電圧=335V。0.067A÷1.2kΩはプレート電流=56mA。プレート電圧とプレート電流を乗じたものがプレート損失=18.7Wとなります。300Bの最大プレート損失は40WですのでS1616Dの274B仕様は300Bの最大プレート損失に対して約47%にしか達していないことが分かります。

対して5AR4で見てみますと

5AR4仕様: (444V-75V)×(0.075A÷1.2kΩ)=23.1W

となり、23÷40(W) =57.5%となります。機種によりますが私どものアンプで最大プレート損失に対して75%を一つの目安としていますのでS1616Dがかなり余裕のあるオペレーションでありことが分かります。

今回の実験は整流管アンプのコンデンサーインプット容量を下げることでどの程度残留ノイズに影響が出るかを実験してみたかったというのが発端です。実測値で言うと274B仕様(C input=10uF)で1.5mV/8Ω, 5AR4仕様(C input=50uF)で0.7mV/8Ωでした。直流点火アンプで残留ノイズが1mVを超えるのは好ましいことではありませんので、S1616Dに関して274Bは相応しいチョイスではないことが明らかで、これをクリアするためには電源部の再設計が必要となります。

このようにアンプの設計は最初に求める動作条件があって、それに応じたデバイスの選択と動作条件の決定がなされます。S1616Dは5AR4でこそ良さの出るアンプということが出来るでしょう。
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いままで頭では分かってみてもコンデンサーインプット回路における容量変化と残留ノイズの相関について確認したことがなかったので大変参考になった今回の実験でした。



by audiokaleidoscope | 2019-05-05 23:59 | オーディオ

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