King Of Analogに会って
2019年 04月 28日



撮影が終わったあとは対談の収録。お相手は真空管アンプ界の神、King Of Analogと呼ばれるレジェンド、Tim de Paravicini(ティム・デ・パラビッチーニ)さんです。

そしてティムさんといえばポール・マッカートニー,ピンク・フロイド等のアーティストのレコーディングシステムのカスタマイズをはじめグローバルに活躍するアーティストから厚い信頼を集める方でもあります。最近ではAdele(アデル)の”When We Were Young”のPVにティムさんの機材が写っているのをご存じの方もいらっしゃるかもしれません。
実はティムさんに会ったら是非一度訊いてみたいことがありました。それは幾つかのインタビューでティムさんが設計思想として仰っている”装置そのものに独自のカラー(個性)を持たせないこと”という発言や”真空管の持つ独自の個性や音色に多くを頼っている間はまだアンプの設計のツメが甘い”というコメントに対する真意の確認でした。これは私の主張とはやや異なるものです。
2016年の大放談で当時の担当者であったKさんにゲスト参加いただいたEAR特集の回を聴かれた方も多いと思います。
この時の印象から言えばEARの真空管アンプはどれも非常に個性豊かで強烈な個性を感じましたし、真空管アンプは究極的にシンプルな回路に追い込んでいくと最後に残るのは真空管の個性であり、それこそが”真空管アンプは楽器の如き存在である”ことをずっと提唱してきた私としては、ティムさんのコメントが意図することは何なのか、ぱっと見、大きく対立するティムさんと私の考え方を議題にして大いに議論したいと思ったのです。