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昔ウエスタン、いまアヴァンギャルド

今日はインストーラー…つまり機器を使える状態にするための据付とセットアップのためのお仕事で東京へ。
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まず目を奪うのは印象的なスピーカー。ドイツのavangarde(アヴァンギャルド) です。
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かなり大型のモデルですが、これでもアヴァンギャルドでは小型のUNO Fino Edition

いままで何度か手合わせしてきたアヴァンギャルドですがスピーカーとリスニングポイントが少なくとも数m以上ないと音がフォーカスしない側面があり、なかなかその本質的な魅力を引き出すことが難しいスピーカーです。

ここでOne Point Knowledge。スピーカーのセッティングで覚えておきたいノウハウを…。
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これは「真空管・オーディオ ほんとうの話」からの抜粋でスピーカーセッティングについて言及した部分です。今日は”ベター”パターンでインストールを行わせて頂いた訳ですが、ここでOne Question!

皆さんのご家庭で音を聴いていて前に首を突き出したら音が良く聴こえた…或いは少しのけぞったら(首を後ろに下げたら)音が良かった…そんな経験はないでしょうか?そしてそんな時はどうスピーカーのセッティングを変更されますか?

結論から先に申し上げると…

頭を前に出した方が音が良い→スピーカーの内振りを弱める(二等辺三角形の高さを伸ばす)
頭を後ろに下げた方が音が良い→スピーカーの内振りを強める(二等辺三角形の高さを縮める)

が一般的なソリューションです。90年代後半以降の一部のハイエンドスピーカー群のなかには自分の手前で交差させるくらい内振りを強めにした方が良いものも結構ありましたが、ここで気をつけたいのが内振りを強くすればするだけサービスエリアが狭くなる=良い音で聴ける場所が限られてくるという二律背反です。簡単に言えば二等辺三角形の高さが低いセッティングほどスイートスポットが小さくなるということ。

部屋のアコースティック(反射や回折)から逃れるための内振りは極めて重要なノウハウですが、一方で両刃の剣だということですね。

アヴァンギャルドは家庭環境ではかなりセッティングにノウハウが必要な部類のスピーカーですが、逆にセッティングが決まると他のスピーカーでは出ないエネルギー感と浸透力が現れます。特に音が拡散しがちな広大なスペースにおいては圧倒的な存在感を示しますので、オーディオショーなどで咆哮するように鳴るアヴァンギャルドを聴くとその音が忘れられないという方もたくさんいらっしゃるスピーカーです。

ここは都内某所のサロンで天井高も恐らく10m近くある数百平米の超大空間ですが、アヴァンギャルドで聴くと離れた場所でも音が混濁することなく隅々まで拡散する図抜けたパフォーマンスを発揮。音を追い込む作業も実に痛快でした。
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フロントエンドは2Xperience+オルトフォンSPU。デジタル系はDENONのSACDプレーヤーにしました。
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その他はアヴァンギャルドのキャラクターを最大限に活かすため全て284Dシリーズで統一。

フォノイコライザー: SV-396EQ
プリアンプ: SV-300LB
パワーアンプ: SV-284D(×2) バランスドシングルMONOモード

という構成です。実はこのUNOは何と公称107dB/w/mという超高能率。一般的にはステレオモード(30W+30W) で全く問題ない訳ですがアヴァンギャルドの持つ浸透力を最大限に活かすため敢えてバランスドシングル(55W/台)としてセットアップした訳ですが結果的には大正解でした。

昔ウエスタン、いまアヴァンギャルド…一旦ホーンスピーカーの魅力にはまるとなかなか抜け出せないと言われる訳ですが、今日はその真価を改めて自ら体験してきた感じです。エージングが終わった頃に再度お邪魔して更なる高みを目指すことにしたいと思っています。



by audiokaleidoscope | 2019-03-20 23:59 | オーディオ

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