QUADと1616とミニマリズム
2019年 03月 03日

QUADというメーカーについては多くの方がご存じでしょう。現在はIAG(China)の傘下ですが、その歴史は長く設立は1936年にまで遡ります。創始者はピーター・ウォーカー。QUADという社名は「Quality Unit Amplifier Domestic」の略で”家庭という最も身近な場所で音楽を楽しむためのハイクオリティなオーディオ機器”という意味が込められているとか。この”Domestic”という言葉が最も現代の趣味のオーディオに欠けている概念かもしれません。
これについて2011年の旧店主日記(現在非公開)に関連する記載がありましたので抜粋してアーカイブしておきます。
(ザ・キット屋店主のひとりごと 2011.04.02より)
そしてもう一つ。QUADの創始者ピーター・ウォーカーは「もっと大がかりでハイグレードなアンプを作らないのか」という質問に対して次のように答えています。
このDomesticという概念はシンプルというよりも”Minimal"(ミニマル)という感覚に近いかもしれません。余計なものを削って削って最後に残ったエッセンスを磨き上げる…これこそが当初から1616プロジェクトの根底にありました。その結果としてS1616D,P1616D(多極管仕様)では殆んどのビーム管,五極管を無調整差替えが出来ますし、Pre1616Dでは世界初のプリ管ECC81~83(12AT7, U7, X7)の自由選択を可能として大ヒットとなりました。そしてEQ1616Dでは各種EQカーブに対応するその自由度の高さを最大の強みとしてAll Purposeを標榜して開発を進めています。これらの特徴も突き詰めればミニマルであるが故の産物です。
この凝縮感、サイズ感、そして機能美…QUADの足元にも及ばない私たちですがQUADに通じる精神性を真空管で実現したかった。とかく教条的で〇〇でなければならないという呪縛に溢れたオーディオだからこそ、このドメスティック的感覚がいま求められているように感じています。その意味でQUA33+FM3、そして写真には写っていませんが303(パワーアンプ)は永遠の憧れであり究極の目標です。

