

しかしその倍音感は出力管によっても勿論変わるし、シングル/プッシュでも変化することをお知らせしたうえで、じゃあ実際に比較してみましょう!ということで最初に聴いたのがS1616D/KT88と300Bの比較です。



もう一点大切なことはスピーカー側からの要求によって真空管アンプにも大出力化の波が来ていること。例えば能率92dBのスピーカーで得られる音量を能率86dBのスピーカーで出そうと思うと出力は実に4倍も必要であり、仮に能率92dBのスピーカーで2Wで聴いていたとすると86dBのスピーカーでは8W必要ということになりシングルアンプではギリギリである現実は押さえておかねばなりません。現在市場のスピーカーの能率を平均すると恐らく86dB~87dBあたりではないかと思いますので、最近特に多極管(KT88等)プッシュプルがシェアを伸ばしているのは考えてみれば当然のことなのかもしれません。

