古くて新しいWestern Electric 300B再生産の話題。最初に復活!?の情報を聞いたの確か2018年1月20日頃だと思いますので既に1年以上前のこと。そして
国内の代理店決定のリリースが出たのが4月です。その後何度となくメーカーリリースが更新され今日現在は…

既にしばらく前からオフィシャルHPで予約受付開始がアナウンスされています(ペア1,499USドル)。このページのAUTHORIZED DEALERSにも当該国内代理店が明記されているのですが、不可解なのはその代理店のホームページの扱いブランドにWESTERN ELECTRICがいつになってもラインナップされないこと。メーカーは作ってます、予約も受付中ですと言いながら正規代理店は何も発表していないという不自然さは何に因るものでしょうか。当然国内ルートでの情報は現在も皆無です。
私どもとしては昨年夏頃から当社北米代理店にアメリカ国内ではどんな状況なのか?と何度となく照会してきました。しかしながら一度も具体的な情報がなく、昨日届いた返信でも「まだ誰も知らない」とのこと。アメリカ国内の業界関係者ですら現物を見ていないのに予約受付は粛々と進んでいるというのも少々不可解です。普通はサンプルが出て大手オーディオ雑誌など大々的に告知や試聴記事が出てから予約や販売に進むというのが一般的です。
よくよく見ると上の画像の300Bのデートコードは0839。私の知る限り市場に流れた最後のロットは0626(2006年第二四半期)ですので、この08というロットに果たして実体があったのか、もし再生産しているならどうして最新の画像を載せないのか…謎は深まるばかりです。最近よく「当然予約したんでしょうね」とか「幾らで販売するのですか」というご質問を頂くのですが、上記のような様々な状況に鑑み、今のところ私どもは一切動いておりません。もう少し状況を見極めたいと思っています。
そんなこともあってか最近とみに
PSVANE WE300Bが好調で、一度買って下さった方のリピート購入が多いのが特徴です。また
WE274Bとのセット購入も増えていて
SV-91Bの完成品注文はPSVANE WE仕様が大半という状況であるのも、その品質と音質がこれまでの中国真空管のレベルを遥かに超えていることの証左であろうと思います。
そんなPSVANE WE300B絡みで昨年暮れから一部で話題に上っている或るモノを取材してきましたので少しレポートを…まずこの写真をご覧下さい。

PSVANE WE300B(左)と最近並行ルートで入ってきているそっくりさん(右)

右はNATURE SOUND 300Bというニューカマーです
最初に現物を見た時、単なるロゴ違いだろうと思ったほどの近似度。上の写真では分かり難いですが電極構造やカシメ方法,ジュメット線の引き出し方法まで瓜二つです。プレートは両方ともカーボンスートされています。

ベース裏面のゲッターの状況とシリアル刻印状況。下三ケタの数字が同じなのは偶然でしょうか?

ゲッターリングの形状や位置関係もマンマ同じです

管頂部のマイカ形状とフィラメントのフック構造もほぼドンズバです。ひとことで言ってロゴ以外は外観上の区別は殆ど不可能であることから両者の間には浅からぬ関係性があることは間違いありません。そこで少々調べてみると…
贵族之声(PSVANE)
社名 长沙恒扬电子有限公司
住所 湖南省长沙市开福区
設立 2011年5月
林籟之音(NATURE SOUND)
社名 长沙强胜电光源有限公司
住所 湖南省长沙市岳麓区
設立 2015年11月
場所的には近所であるものの社名も設立時期も違う会社であることが分かりました。一説にはPSVANEを辞めた人が立ち上げたのがNATUREという話もあるようで、真実は現地へ行って自分の眼で見ない限り分からないのが中国式。2,3年ほど目を離すとすっかり様相が変わっていることを何度も経験してきましたので現時点では全てが想像の域を出ていません。
ちなみに価格はNATUREがPSVANEの約2/3。既に一部都内で販売が始まっていますのでご興味ある方は是非手に取ってご覧下さい。実は中国真空管事情で非常に気になる情報がもう一つ入ってきていますが、今のところ箝口令が敷かれており私からは何も申し上げることが出来ません。要はあるうちに手に入れておかないと気が着いた時には既に遅し…という事が往々にしてあるということがあるのがこの業界の習わしでることは間違いなさそうです。