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エレクトロスタティック(静電型)スピーカー

最近、試聴室にいらっしゃったお客さんが”ナンですか…?”と仰ることが多いコレについて。アンプのラックの両脇に立っている衝立(ついたて)のような物体。
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色々な出力管、さまざまな形式の真空管アンプが並んでいるのはショールームがオープンしてから15年来変わっていませんが、スピーカーに関しては昔と較べてずいぶん雰囲気(+客層)が変わってきました。

この仕事を始めた頃は高能率なフルレンジ一発でバスレフかバックロード。或いは高能率な大型ヴィンテージスピーカーがメインでした。もちろん今でもそういうお客さんが沢山いらっしゃいますし、そういうスピーカーこそ真空管アンプで鳴らしてこその味わいがあることは私自身ここで身を以て体験してきた訳ですが、2010年代に入って別の流れが生まれ、その潮流は年々大きなものになってきています。
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このスライドは何年か前、某スピーカーメーカーの要請で”真空管アンプから見た現代スピーカーに求められるもの”というテーマでセミナーを行った時に作ったもので、各所の試聴会で”はじめての真空管アンプえらび”のデモ時にも使っているもの。写真はすべて当社アンプのユーザーさんの装置です。

B&W, FOCAL, GENESIS...それについ最近のYG鈴木裕さん宅のAVALONなども含めて一昔前には凡そ真空管アンプで鳴らすことなど有り得なかったスピーカーをタマで鳴らす方がずいぶん増えてきました。一方でこの手のスピーカーを鳴らす為のアンプが存在することも事実で、その辺りの機微を私どもの試聴室で実体験したいという方もかなり増えています。そこで少しでも参考になれば…と思い私物ですがMARTIN LOGAN(マーチン・ローガン)を家から引っ張り出してきて試聴室に置いているという訳。パッと見てこれがスピーカーだと分からない方も結構いらっしゃるんですね。

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この形式は真空管アンプユーザーにはあまり馴染みがないエレクトロスタティック(静電型)と呼ばれるもので、QUAD ESLと同じ形式といえば納得という方もおられるかもしれません。当時はQUADII(by courtesy of Wikimedia Commoms)で静電型を鳴らしていた訳ですから何も変ではないのですが、一般的なスピーカーと比較すると

①電源が必要なこと
②インピーダンス,能率が低いこと(概ね88dB/4Ω以下)
③セッティングがシビア(背後に通常のスピーカー以上に空間が必要)なこと
④低域のレスポンスが悪いこと(マーチン・ローガンは低域のみダイレクトラジエーターとし回避)

という側面からマイナーな形式であることは否めませんし通常のスピーカーが抵抗負荷(アンプからみて抵抗と見做すことが出来る)であるのに対して静電型は容量負荷(アンプからみてコンデンサー的な挙動を示す側面がある)ことからアンプの設計がプアでNFBが不安定だったりするとアンプが最悪発振するリスクがあります。

一方で音的には静電型+半導体アンプはいわゆるフィルムチックなチリチリした音となりがち。自然な質感を得るためにヴィンテージ半導体アンプや真空管アンプを使うことで音を纏め上げるテクニックも腕の立つオーディオファイルの間で多用されてきました。上手組み合わせると静電型ならではの分解能や透明感に真空管アンプならではの滑らかさと適切な温度感が現れて他の形式のスピーカーを使う気がしないというマニアも少なくありません。

静電型+真空管アンプの音の良さを体験いただくため暫く試聴室に置いておこうと思いますのでご興味ある方はこちらをご参照のうえお気軽にお申し付け頂ければ幸いです。真空管アンプで聴く静電型スピーカー。結構オツなものです!




by audiokaleidoscope | 2019-02-10 21:28 | オーディオ

SUNVALLEY audio公式ブログです。新製品情報,イベント情報などの新着情報のほか、真空管オーディオ愛好家の皆様に向けた耳寄り情報を発信して参ります。


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