いまは大阪。今日はFさんのお宅にお邪魔してきました。
このスピーカーをパッと見て直ぐ分かる方はかなりの通。YGアコースティックの
Sonja XV Jr。驚くなかれ価格は2,700万(ペア)だそうです(驚愕!)。
日本上陸は3ペア。Fさんのが初号機のようです。
Fさんによれば、これも日本には3ペアのみという貴重品。上のYGとMagicoあわせてちょうど5,000万…ってなんだか金銭感覚がおかしくなりそうですね。
そのYGとMagicoを迎え撃つ今日の布陣…
以前大放談でも聴かせて頂いたフェーズメーションの300Bシングル
MA-1500。そして
SV-8800SE/KT150です。音を聴かせて頂きましたがフェーズメーションMA-1500は瑞々しく繊細にして流麗。素晴らしい音でした。ただYGの能率が88dB/w/m(4Ω)ということで
拙著にも書いた通り、パワーとしてはギリギリ。ましてやこの大空間ですので僅かに力感や厚みという部分において違う表現を狙いたいとお考えになったのは無理からぬことでしょう。そんなFさんが当社ショールームをお訪ね頂いたのはまだ最近のことでした。
ご存じの通りSV-8800SEはKT88,KT120,KT150が選択頂ける訳ですが、スピード感と豊潤さの両立したKT150がFさんには最適と判断しました。音を聴くと眼前からスピーカーが消えて音だけが空間に浮かぶイリュージョンが出来(しゅったい)。これぞオーディオのマジックです。
フロントエンドはデジタル回りが
dCS。フォノEQはフェーズメーション
EA-1000。ターンテーブルは
SL-1000R。そのほかハイレゾ再生用のNASや電源コンディショナーなどが整然と並んでいます。
プリはフェーズメーションの
CA-1000。Fさんの狙う音にピッタリのプリです。
そういえば
本の対談でオーディオ評論家の鈴木裕さんのリスニングルームを初訪問させて頂いた時のこと。鈴木さんがこんなことを仰っていました…半導体アンプでこの音を出そうとすると恐ろしい金額になるけど真空管アンプだと選択さえ間違わければあるレベルまではパッと行っちゃうんだよね。そして良い真空管アンプはオーディオアクサセリーなどの細かい対策にも敏感に反応するんです、と。
Fさんのリスニングルームは多くのオーディオファンにとって夢のような空間でしたが、単に値段の高いものを寄せ集めた訳では決してなく、Fさんが出したい音、聴きたい音のために集められた必然の組合せのように感じました。SV-8800SEも頑張ってくれていたと思います。