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ELROG 300B from Germany

ちょっと面白い300Bがドイツから入ってきましたのでご紹介します。

ELROGというドイツメーカーの300BでDeutsche Elektronenröhren Manufaktur GmbHが製造しています。元々ELROGというメーカー自体は80年代からあったようでルーツを遡るとテレフンケン/ウルム工場とも繋がりがあった会社のようですが現在は会社の持ち主が変わって製造を継続しているという経緯のようです。

この300Bには以前から注目していて「真空管・オーディオ大放談」のオンエアで皆さんに音を聴いて頂きたいと思い何度かサンプル入手に動いたのですが、その時は入手がうまく在庫が確保出来ず、そのままになっていました。

状況が動いたのは暮れのこと。当社製品を扱って下さっている海外のディーラーにWestern Electric 300B再生産の最新情報を訊いていたところ、アメリカ本土でも確たる情報は何もない一方でELROGが高い評価を受けているよ…と教えてもらい、おお!ELROGか…そんなお話もあったな、と思い出して現地からサンプルを取り寄せたという訳です。
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これがそのELROG 300B。いわゆる300Bの形とはかなり違います。どちらか言うと845に近いイメージですね。
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サイズ的にも私たちが見慣れている300Bより背が高いですが太さは変わりません。ボンネットとの干渉さえ問題なければ通常の300Bと差替えが出来るサイズです。
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造りはさすがドイツ製という感じで堅牢そのもの。ピンは金メッキでプレートもWesternよりも大きいことから定格もかなり大きそうですが、ELROG側のアナウンスは通常の300Bと同じプレート損失40W。添付されていたデータシートでは本家Westernの選別条件と同じプレート電圧300V/グリッドバイアス-58Vで65mA以上流れているので大変優秀なEp/Ip特性を持っているといえましょう。

この手のタマで一番気になるのはフィラメント定格がオリジナルと違っていて差し替えが出来ないことですがER 300Bは本家と同じ5V/1.2Aですのでこの点も心配無用です。
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詳細な特性確認は改めてじっくりやるとしてSV-91Bで最大出力がどの程度か簡易的に測定してみました。91Bの出力に8Ωのダミーロードを接続し、その両端に現れた電圧を見ているのが上の写真ですが軽く10Vを超えていることがお分かり頂けると思います。これをワット(w)に置き換えると10Vの二乗÷8=12.5w。本来は波形観測をしたうえで最大出力とすべきですが、少なくとも一般の300B以上の出力は期待出来そうです。
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早速試聴室に移動して試聴。製品に添付されている説明書によれば最大定格環境下で24時間バーンインされているということなので音もそれなりに落ち着く頃ですが、本家Westernと比較するとかなり剛の音。本家のふくよかで温かく或る意味で解れた中低域とは趣を異にしており、しっかりと制動され踏ん張りの効いた音です。

特筆すべきは密度感。制動は効いていてもそこは300B。餅のような粘りを感じる美音です。敢えて低能率なスピーカーを使い一般的な300Bシングルでは歪みを現れる音量で鳴らしてもER300Bでは音の崩れが些かも出ないことから、300Bシングルの表現をお好みで出力を更に伸ばしたい…という方にはピッタリのタマといえるでしょう。
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この写真を見るとフィラメントの輝度が一般の300Bよりも少し大きい(=明るい)ことが分かります。ELROGでは211/845や274Bもラインナップされているということですので、ちょっと試してみたくなっちゃいますね。商流的に問題なければ是非きちんと取扱いブランドです。

このER300Bについては4月からの新番組(詳細は後日発表)でもしっかり取り上げてみたいと思っています。是非ご期待下さい!



by audiokaleidoscope | 2019-01-26 14:06 | オーディオ

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