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真空管オーディオフェア2018出展レポート

真空管オーディオフェア2018、ぶじ終了しました。全体の来場者数は把握できていませんが感覚的には年を追うごとに増えているんじゃないかという気がしています。それほどに賑やかで楽しい二日間でした。
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今年は私どもの20周年。ミュージックバード,ディスクユニオン,立東舎(リットーミュージック),エレキット等の仲間とのコラボイベントにしようと思ってスタートした今回のフェアでした。今まで100回以上こういうデモをやってきた訳ですが、今までで一番お客さんとの距離感が近かったように思えた二日間でした。
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今回のデモスケジュールですが、これから真空管アンプを使ってみようという方にも理解頂けるよう、”真空管・オーディオ 本当のはなし”の第一章(知識編)をエッセンスをパワーポイントにまとめて説明させていただきました。
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例えば上のような図画(書籍P.11)を使い、二次高調波(倍音)成分が豊かな真空管アンプの”そもそも”を理解頂きながら、三極管,多極管,シングル,プッシュプルで倍音の量も違えば出る帯域も異なることを音で実感しながら説明出来て良かったと思っています。皆さんウンウン!と頷いて下さっていましたね。
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自分でもちょっとビックリだったのですが、本が二日間で100数十冊もお求め頂けたこと。少々照れましたがご希望の方にサインをさせて頂いたり…とてもいい思い出になりました。ひとこと入れて…「300Bは七難かくす!」(笑)。

会場には沢山の業界の大先輩や著名人の方がお顔を見せて下さいました。ついお呼びしてお話をしていただく局面も…
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我が国のスピーカーの父、佐伯多門さん(ダイヤトーン)です。佐伯先生は毎年福島からフェアに合わせて上京され、お元気なお姿を拝見できるのが大変嬉しいことなのですが、最近は執筆がお忙しいようで近著「スピーカー技術の100年」が話題になり、早くも続編の構想中ということでした。久しぶりに大放談のゲストにもお呼びしないといけませんね!
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そしてご存じ平間至さん。ちょうどSV-P1616D/KT120仕様の音の解説をしているときに平間さんのお姿が見えたので、まさにご自身がお使いのアンプの音を熱く語って頂きました。平間さんとの対談は本の第三章でもお楽しみ頂けますので是非ご一読を!

そして今回のハイライトといえば両日ともおこなわれたイベントタイム。両日とも大入り満員で凄い熱気でした。
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初日は世界的ヴァイオリニスト、渡辺玲子さんをお招きしての”真空管・オーディオ大放談”公開収録。玲子さんの楽曲を聴きながら会場の皆さんと一緒にどのアンプ,どの球の音が玲子さんのヴァイオリンを一番美しく聴かせるかをその場で決めてしまおう!という企画でした。使ったのは1616シリーズ全4機種です。
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スーパースターでありながら飾らずフレンドリーにお話しされる玲子さんのトークと音に対する的確な論評に一同魅了されっ放しだった訳ですが、結果として玲子さんがナンバーワンに挙げられたのがSV-P1616D/6550仕様。これは奇しくもスタジオでも8月オンエアのスタジオ収録版と全く同じ結果でした。対して会場の皆さんにインタビューしたところではSV-S1616D/WE300B仕様が良かったという声多数。演奏者とリスナーでは少し聴きどころが少し違うのかもしれないですね。大変興味深い結果です。

そして素晴らしかったのが玲子さんのミニコンサート。超本気モードで体全体を使って演奏されたパガニーニの「ネル・コル・ピウ変奏曲」は背筋がゾクゾクしっぱなし。左手で弦をはじくピチカート。笛の音色のようなフラジョレット、旋律と伴奏の一人二役など、あらゆる超絶技巧がちりばめられたヴァイオリン曲屈指の難曲を会場で一発で弾き切ってしまう玲子さんにその場の全員がKOされてしまった感じです。

1736年ガルネリ・デル・ジェス”ムンツ”の音色は重厚で陰影感に満ちながらいぶし銀のような色彩と芳香を放っていました。この場所でこんな事、二度とないということが分かっていながら、もっと聴きたい、ずっと聴きたいと全員が思った筈です。10/17(水)に代々木の白寿ホールで玲子さんのレクチャーコンサートがありますので、皆で参加して続きを堪能しましょう!

二日目のメインイベントはオーディオマニア必見&必聴のトークショー。日本最高峰のレコーディングエンジニア高田英男さんとカッティングエンジニアのハイエンド、北村勝敏さんが手掛けた井筒香奈江さんのLaidback2018の音作りの全てを公開してしまおうという空前絶後の企画です。
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椅子が全然足らずに急きょ補助席を追加。立見の方も含め100名以上の方に参加頂きました。前半は高田さんと井筒さんが昨年7月に乃木坂のソニースタジオで行ったレコーディングのお話。
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スタジオにおけるマイキングからミキサー/レコーダー等のアサイン状況まで写真を交えて全公開!
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こんな写真がズラズラ…ここでしか見ることの出来ない、聴くことのできない秘蔵映像,秘蔵音源続出でした。高田さんワールド全開で皆さん大いに満足されたことでしょう。

そして後半はLaidback2018プロジェクトの最後章を飾るアナログレコードのリリースの仕掛人、ディスクユニオンjazz TOKYOの生島さんとLP化のカッテイングを担当された北村さんのトーク。
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ミキサーズ・ラボ/ワーナー・マスタリング 北村勝敏さん
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ディスクユニオン 生島昇さん

なんとこのLPのために6回もカッティングをやり直して7回目に初めてOKが出た(!)という裏話など、私も知らなかった新事実だけでなく、CD,192k/32bitマスター,11.2MHz/1bitダイレクトカッティングマスターいずれとも異なるアナログならではの深みと密度感、そしてリアリズム…その境地に至るまでのプロセスも披露されました。

そして…
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10/10発売に先駆けて製品版LPの試聴。そしてなんと!
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門外不出のラッカー盤が登場。すごい鮮度感が部屋全体を満たしました。この試聴のために用意したアンプはもちろん
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SV-91B/WE300B(9952)仕様

このアンプでしか聴けない、このタマでしか聴けない音を二日間の最後に楽しんで頂けてよかったです。そして自然と流れはサイン会へ。
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アーティストのみならず陰で音を作り、支えた匠のサインも入ってバリューはプライスレス。皆さんのお宝盤になったことでしょう。50枚以上のセールスに香奈江さんも驚いておられました。
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トライオードの山崎さんも!
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すべて終わって記念撮影!素晴らしいトークショーでした!!
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最後になりますが、わたし的に今回とても嬉しかったのが会場でMUSIC BIRDのPRをして頂いて、かつてない件数の加入申し込みがあったこと。絶好調のコミコミLightプランはもちろんチューナーのグレードアップも何件もお話を頂いたそうで本当に嬉しかったです。これで毎週真空管・オーディオ大放談をリアルタイムに聴いていただけますね!

…という訳で、今年の真空管オーディオフェアは出させて頂く側にとって何から何まで最高の二日間でした。この勢いに乗って年末まで突っ走りたいと思っております。ご来場いただいた全ての皆さんに心より御礼申し上げます。どうも有難うございました!



by audiokaleidoscope | 2018-10-08 23:59 | オーディオ

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