







211は曙光製(Golden Dragon)では中域的な円やかさがポイントでヴォーカル等に最適な球として人気がある訳ですがPSVANE 211は高域のトランジェントがよく明るい音でベールを1枚剥がしたような鮮度感が非常に魅力があります。これまで聴いてきたどのアンプとも違うフレッシュな音は彼にも新鮮だったようです。従来の211よりも高域方向のリニアリティを高めた音で彼は”キラキラした音”と表現していましたが、言い得て妙です。

従来の211/845はかなり明確な個性を有していた訳ですが、PSVANEではその差分が抑えられながらも211的な円やかさ,845的なフレッシュネスを残した良い球といえるでしょう。あとは被検査数を増やして個体差(バラツキ)がどの程度あるのか、耐久性はどうか、という点を検査していきたいと思っているところです。正式採用も近いと思います。
8種類のアンプを聴いたAクンがいちばん気になったアンプは果たして何だったのか…事前の予想では多極管プッシュプル系じゃないかと何となく思っていたのですが、結果はSV-S1616D/300B仕様でした。300Bの魅力は今更申し上げるまでもない訳ですが、300Bの寛いだ豊かな響きが世代や経験を超え受け入れられるんだと分かって何だか少しホッとして気持ちになりました。
オーディオという趣味、真空管アンプで聴く音楽の歓びを次の世代にも伝えなければならない…常々そう感じている訳ですがAクンと出会って組立取材や比較試聴の収録でご一緒させて頂き、真空管アンプの灯はこれからも消えることなく、ますます輝き続けることを強く実感できた収録になりました。とても楽しかったです。