今日は群馬と埼玉の県境のMさん宅へ。Mさんとは電話では何度かお話していたのですが会ったのは6月の
アナログフェアが最初。アンプのご機嫌伺いを兼ねてお邪魔させていただきました。
白亜の豪邸という言葉がありますが、まさにそれを体現したような邸宅。吹き抜け6.5m。ヨーロッパ各地から取り寄せた調度品に囲まれたその大空間はMさんの拘りそのもの。


リビングの先に漆黒の空間が。めざすリスニングルームがそこにありました。

大空間に足を進めると先ず目を奪うのはフランス
SUPRABOXの巨大なスピーカー。フロントエンドはアナログ中心でアンプは全て真空管。211,KT88,PX25…ヴィンテージ球を使ったゴージャスなアンプが居並ぶ様は壮観としか言えません。そこに今回私どものアンプが仲間入りしたという訳です。


パワーアンプはSV-8800SE/KT150仕様。数あるMさんのアンプのなかでマッキン275と共に多極管PPの存在感を主張しているかのようです。

スピーカーは後面解放で励磁ユニットを使用した3ウェイのシステムです。早速音を聴かせていただくと付帯音の全くないハイスピードな音像を聴かせるタイプの音で、いわゆる箱鳴りや付帯音は全くありません。WE396ボストウィックツィーターとの繋がりも素晴らしくマルチウェイでありながら巨大なフルレンジのような位相特性の良さを感じる音でした。

部屋の反対側は主に映画観賞用のシステム。ALTECとJBL/K2を支えるのは半導体ハイエンドアンプ群が中心です。

映画でも…ということでスイッチが入ったのはフロントL/R用のMC2500。そして140インチのスクリーンが降りてきます。

映画館以上の映像と音響。いかにもサラウンドという鳴り方でなく特に台詞の定位が拡散せずにスクリーン中央に定位するのは見事というほかありません。
この感じ…どこかで感じた雰囲気に似てるな、と記憶を辿っていくとその昔某誌の編集者に連れられたお邪魔した
池田圭さんのスタジオの光景が思い出されました。新旧という概念を超え、真空管,半導体という概念すら超えたMさんにしか出せない極めて自然な音で外連(けれん)のない音作りはMさんの穏やかな人柄そのもののようでした。是非また伺いたい夢の空間でした。