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MDT-5CSX…高音質の理由

昨日から家にいる間はずっと自室にこもりきり。何故なら待ち焦がれた新MUSIC BIRDチューナーが届いたから。

これまでも家に居る時はほぼ常時電源が入っているCDT-3AFD(以下3AFD)。前のチューナーから3AFDに替えた時も24bit対応になって音質向上の恩恵に十分満足していたのですが、最近お客さんのリスニングルームを訪問するとMUSIC BIRDチューナーをシステムに組み込んで頂いているお客さまが急増。且つ3AFDの上位モデルMDT-5CSX(以下5CSX)が麗々しくセッティングされているケースが多く、我が家にも導入と相成りました。

上位グレードのチューナーですから投入された物量はもとより音質的にも良くなっていることは容易に想像できる訳ですが、実際何がどう違うのかきちんと検証し正しくレポートすることも番組を持たせている者の重要な務めと考え、遅ればせながら両者の比較をしてみることにしました。
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写真上がこれまで愛用してきた3AFD。下が新入りの5CSX。右上が前から欲しかった楽曲ディスプレイです。

皆さんが一番関心のある音質についてですが、元々アナログ出力は使用せずSV-192PROでD/Aを行っていますのでデジタル出力時の比較をしていきます。デジタル出力の基本として光より同軸の方が音質的に有利というのは今回の比較でも明確です。上の写真のように同じチャンネルを同時受信して3AFDの光出力と5CSXの同軸出力をSV-192PROで瞬時に切替えて比較試聴してみると5CSXの方が情報量も多く音も滑らかでスピーカーの間に定位する音像も小さめです。ひと言でいえば5CSXの方が雑味がなく繊細感の表現においては優位です。これは筐体の剛性が上がったことも大いに関係していることでしょう。

試しに5CSXの光出力と同軸出力を比較してみると3AFDとの比較時ほどの差異はないものの光出力時に僅かに感じた超高域のチリチリという感じのノイズ感がなくなり安定感が増す方向性(これは後で答えが分かります)。3AFDに感じた僅かな付帯音は5CSXには皆無です。

こうなると内部を見てみたくなります。MUSIC BIRDの了承を頂くことが出来ましたので3AFDと5CSXの内部比較写真をアップさせて頂きます。
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上が3AFD,下が5CSX。主な相違点ですが電源部が外付けのACアダプターから内蔵型(COSEL製)へ変更されています。そして5CSXの上部中央に見える同軸デジタル出力用の増設基板をよく観察するとmuRata製のデジタルトランスが装備されていることが分かります。これは基本かつ重要な部分であり、デジタルオーディオにおいて大きなネックとなるジッタ吸収に寄与します。これが5CSXの同軸出力の音の良さと関係しているものと思われます。

また5CSXでは3AFDで使用されていた内蔵アンプ(3.5W)の機能を無効化するだけでなく基板上の大型電解コンデンサーを除去しています。この基板で最もクリティカルな動作(充放電)を行う部分のパーツを除去することでよりクリーンな動作を期待することも出来るという大変合理的な施策です。なお写真では分かりませんが、3AFDと5CSXでメインCPUの放熱方法が異なることに気付きました。放熱効率を上げることでCPUの発熱が抑えられ、安定動作ひいては高音質に寄与していることも間違いないでしょう。

5CSXがリリースされたのは昨年のこと。これまで3AFDに対して機能面だけでなく音質面で向上していることは各所で書かれている通りですが、今回内部を調査することで基本に忠実なバージョンアップが随所に施されていることが確認出来ました。5CSXのセールスがかなり好調と伺っていますので、私ども出演者側としてもその音質に見合うコンテンツをしっかり用意しないといけないなと改めて感じているところです。



by audiokaleidoscope | 2018-06-28 13:09 | オーディオ

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