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11.2MHzダイレクトカッティング

先日”潮目”というタイトルでポストした件。セールスも好調ということで間接的に関わらせて頂いた者として大変うれしく思います。今日はその続報です。

先週の音展で井筒さんの新譜から3曲をピックアップした45rpmのLPが限定販売されたことをご存じの方もおられると思います。今日は有志でその音源を聴く会を催しました。
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直筆サインが入っている以外は全く何の装飾もない、添付資料以外ライナーノーツすら入っていないLP。これは音展の主催者である日本オーディオ協会さんが出来るだけコストを抑えて良い音を楽しんで欲しい、という想いから決まったこと。今年の音展が大成功裏に終わったのも単なる商業主義だけでない、次世代へ良いオーディオと良い音楽を伝えていこうというメッセージが随所に見られたからに違いありません。
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このLPの重要性はそれに留まりません。単に既出のCDのアナログ化というだけではない、ということをどれだけの方がご存じでしょうか。実はCD版とこのLPではマスター自体が異なるのです。

CDが制作されるまでには様々なプロセスが介在します。レコーディング,ミキシング,マスタリング…様々な電気的処理を経てマスター完成に至ります。それ自体にはもちろん意味がある訳ですが、その一方でエンジニアとしてはなるべく触りたくない、生音の鮮度そのままで届けたい…という想いがあるのも事実です。オーディオマニアに人気の井筒さんの音源ですから尚更です。

今回高田さんが行ったのはCD用のマルチとは別の環境を整えたこと。CD用の192k/32bit PCMとは別に11.2MHz/1bit DSDのダイレクトカッティングを並行して行うという離れ業に挑戦されました。ご存じの方も多いと思いますが、DSDは基本あとから編集出来ません。いわゆるSACDはDSD 2.8MHzですがPCMベースのマスターをDAW(デジタル・オーディオ・ワークテーション)で1bitに書き換えたものも少なくありません。

今回高田さんが行ったのは、その場限りの一発録。あとからダイナミックレンジを拡張あるいは圧縮したり特定チャンネルにリヴァーブをかけたり僅かな演奏上の瑕(きず)を除去したりすることが当たり前のレコーディングとは全く異なるスタジオライブ録音を行ったのがこのLPという訳です。さらに言えばノーマスタリング ,ノーエディットのままDSDワークステーションのプレイバック信号をSX-74(ノイマン・カッターヘッド)へダイレクトに伝送しラッカーカッティングを施しプレス原盤にはメタルマスターを直接投入してスタンパー製造工程を省略するという拘りようです。

今回協会さんに無理をお願いして枚数限定ながらこのLPを頒けていただけることになりました。私どもからの販売価格は協会さん直販と同じ(本体税込2,000円:送料972円)で月曜からホームページで販売させて頂きます。二度とプレスされることのないダイレクトカッティング盤の鮮度を井筒さんファンだけでなく全てのオーディオファンにも体験頂きたいと思います。私たちはどこまで”生音”に迫れるか…これはその一つの証拠として永く語り継がれることでしょう。

私どものお客さんの中には既にたくさんのポイントを貯めて下さっている方もいらっしゃいます。ぜひご活用下さい!




by audiokaleidoscope | 2018-06-23 23:59 | オーディオ

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