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オールド274BとGolden Dragon 274Bの音の差

今日はFさんとIさんがいらっしゃいました。Iさんは以前TU-8600SVをキット初挑戦で見事制覇され、先日Pre1616Dで手配線デビューした素晴らしき若者。今日はそのお披露目会です。
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キット製作にあたりIさんが選んだのは”竹セット”。Gold Lion12AX7-12AX7-12AU7+Golden Dragon 274B+ASC X335 4.7uFのセットアップ。一聴して通常バージョンよりも明らかに高域の抜けの良いGold Lionならではの表現が現れました。アナログで何曲か聴いてから球を替えてみましょう!ということでオール12AU7に替えたのが上の写真。グッと密度感が上がるその変化に状況を見守っておられたFさんも”こんなに変わるんですねえ”と驚いておられます。
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続いてトライしたのは整流管の変更。東芝NOSの5AR4の音を聴いてみます。以前にも書いたことですが整流管の世代的には5AR4よりも274Bの方が古く、整流管としてのレギュレーション(整流効率)は5AR4の方が優れている訳ですが、真空管アンプというのは面白いもので効率の悪い(管内電圧降下の大きい)274Bの方が腰の据わった音で好き、という方もたくさんおられます。

一方でGolden Dragon 274Bは私たちの知る274B系サウンドとは少し傾向の異なる音がします。皆さんの中で同一アンプで整流管をオールドの274BからGD 274Bに差し替えて試しにアンプの各部電圧を図ってみたらGDの方がプレート電圧が30~40Vも上がって驚いた、という経験をされた方もいらっしゃるのではないでしょうか。そしてご自身のオールド274Bが劣化した?…と心配して連絡を下さる方もいらっしゃいますが、実はそうではなくてGD 274Bの方がオールドに較べて内部抵抗が低く出力電圧が高いのです。言い換えれば同じ274Bでもレギュレーションが異なるという訳ですね。

それもあってこの実験ではGD 274Bの方が東芝5AR4よりもむしろハイ/ロー共に伸びた代わりに中域が僅かに薄めという通常とは逆の結果。もっともASC 4.7uFのリニアリティの高さも関係していることは間違いありませんが、改めて同じ中国製の274BでもPSVANE WE274Bが如何に本家ウエスタン274Bに近い音作りがなされているかを知る良い機会にもなりました。

ジャズを聴くならオール12AU7+5AR4。ノンジャンルに聴くならIさんが選んだ12AX7(2本)+12AU7+GD 274Bもイケます。プリは要らない…という方にこそ聴いて頂きたいPre1616D。その本領は自分で音を作り込める楽しさにあるに違いありません。




by audiokaleidoscope | 2018-06-21 01:25 | オーディオ

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