音像(ダイナミズム)と音場(パースペクティブ)の競演
2018年 06月 16日
裕さんが当社製品をお求め下さった時は全く面識もなくオーディオ評論家として活躍されていることすら知らなかった訳ですが、その後MUSIC BIRD”オーディオって音楽だ!”のゲストに呼んで頂いて意気投合。それがきっかけで私も番組を持たせて頂くようになりました。”転機に人あり”とはよく言ったもので、私ごときが今こうしてマイクの前のお喋りさせていただけるのも裕さんのお陰ですし、現在進行中のプロジェクトも裕さんが道筋を引いて下さったことがきっかけ。そういう意味では私にとって裕さんは私にとってかけがえのない恩人ともいえる方です。




早速音を聴かせて頂きます。ThielもAvalonも決して鳴らしやすいスピーカーではありません。インピーダンス,能率とも公称値よりもかなり低く特に低域の量感を引き出すのが難しいスピーカー。パワーアンプに相当のドライブ力が求められ、SV-2PP(2009)の導入前はKRELLの600Wをお使いだったそう。事実私が以前聴いたことのあるSentinelは高域の音場感は素晴らしかったものの音の傾向としてはスタティック(静的)でかなり音場的であったことを記憶しています。
しかし裕さんのEidolonは丹念なチューニングによって可聴帯域外まで伸びた超低域は部屋全体を揺るがすほどの量感でありながら些かも緩まずウッドベースの音像が極めて立体的に浮かび上がります。全帯域に亘って極めてハイスピードなトランジェント(立ち上がり)を聴かせながらも以前感じた神経質な感じは全くありません。音像リアリズムとパースペクティブ(音場)がここまで高度に融合した音を聴いたことは殆どなく、全ての機器,全ての対策が足し算方向に効いているような、それは凄い音でした。

明日の音展最終日には先日の収録でも大きな音質改善効果が確認できたアンダンテラルゴのTMDについて裕さんが講演(G403号室 12時頃~)されるそうなので、音展に行かれる方は裕さんの講演を聴いてからD棟5階ホールD5でウイリアムス浩子さんと私のトークショー&ミニライブを是非お楽しみ頂ければ幸いです。会場でお待ちしております!!