通信販売という性質上、今日(今月)は何が何台出荷という情報は分かっても案件ごとに注文主が誰で、どんな内容かまで把握することまではなかなか出来ません。お名前をみて”ああ、いつも買って下さる方だなあ”と思ったり、顧客IDからどの辺りにお住まいで世代はこの辺り…というところまでは分かっても、実際お会いしていない方も多く顔もお仕事も分からない方が大半です。
とはいうものの狭い趣味の世界。あとで”え!そうだったんですか!!”という事も結構あったりします。業界の方ですとペンネームをお使いになる方も多いのでお相手がご自身で名乗らない限り分かりません。le Guide Michelin(ギド・ミシュラン)ではないですが普通のお客さんだと思ってサーブしていたら実はプロの方だった…みたいな事も何度もあります。
ゴン川野さんもそんな一人。熱心に色々とご質問を下さる方だなあ、という印象は残っているのですが、ご購入から時間が経ってからオーディオ等のガジェット系ライターさんであることが分かった次第。
川野さんを素晴らしいな、と思うのは”取材したいからデモ機送ってくれます?”ような姿勢でなく、お仕事とはいえ自分で買って自分で組んで自分でレポートするというその真摯な姿勢。川野さんの最近の当社絡みのレポートを検索してみると…
ところで皆さんがオーディオを買おうとする時、何を参考になさるでしょうか?
1990年代までその中心的役割を果たしたのはオーディオ雑誌でありました。いわゆるオーディオ評論家といわれる方々の新製品や年末のアワード等のコメントを頼りに私たちは文字を通して製品を夢想する時代だったと言ってもいいかもしれません。
2000年以降はネットの普及によって様相が大きく変わりました。”評論からクチコミの時代へ”世の中が大きくシフトしたのがこの頃。時期を同じくしてオーディオが二極化して雑誌にページを割かれる製品の多くが私たち市井の一般人から見ると何ともリアリティのない高級(高額)製品中心になってきたのを多くのオーディオファンが残念に感じたのもこの頃からだったかもしれません。
目に見えない音を文字で表現する難しさもあるとは思います。文章としての美しさが印象に残るレビューはあっても肝心の製品イメージが湧き難い極めて定性的表現だったり、製品を評価しているのかしていないのかが判然としないようなレビューも中にはありました。そんな事もあってオーディオも急速にクチコミが重視されるようになった訳ですが、一方でクチコミも様々ですから自分で適正にフィルタリングして重視するべきものとスルーすべきものを見極める眼力も必要な時代です。
川野さんが書かれているご自身の体験に裏付けられた等身大の目線…一人のオーディオファンから見た”
リアルオーディオ”的目線こそが読む方にとっての最大の魅力であると感じています。
6/30(土)の出前開放日(市川編)にもいらっしゃるということですので、お会いできるのを楽しみにしているところです。