戻りつつある振り子

昨日、6月はオーディオ関連のイベントが多い時期と書きましたところ、北米地区の代理店が”こっちも同じですよ!”と写真を送ってくれました。
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約100のオーディオブランドが出展する大規模なショーですが、アメリカではこのクラスのイベントはあちこちで行われており業界的にもかなり活況であることが分かります。オフィシャルHPに”500ドルのヘッドフォンから50万ドルのセットまで!”と書かれていますが、北米地区は自作派も多くキットメーカーも元気です。

上の写真ではSV-S1628DとエレキットTU-8600が見えますが、もし16シリーズをフルラインナップで展示できればかなり話題になるのではないかと思います。オーディオだけでなく生活にDIYが根付いている国だということなのでしょう。

何事にもスケールが大きいアメリカのこと、少し前までは真空管アンプでもプッシュプル,パラレルプッシュプルが中心で数十W(以上)の出力のものが大半だったのですが近年小出力でも音が良いと言われるアンプが急速に台頭してきているようです。それまでは直熱三極管シングルは日本かイタリアかアジアの一部に需要が限られていたのですが近年状況が変わりつつあって、スピーカー関連でも低能率,低インピーダンスのマルチウェイに混じって高能率のフルレンジやバックロードホーンスピーカーなども復活しつつあるとのこと。真空管の音の良さに拘ってきた者としては何とも嬉しいお話です。

先日業界紙の特集記事を読んでいたら国内のオーディオ市場は近年縮小傾向にあったものの2015年から反転して3年連続で伸び続けているということでした。これには2つの大きな要因があって一つはヘッドフォン,ポタアンそしてもう一つはアナログ関連の急伸が大きく影響しているようです。こうやって考えてみるとグローバルに見ても振り子が少し…でも確実に此方側に戻りつつあるのは事実のようでリーマンショック,震災などで苦しい時期を頑張ってきた業界の仲間にとっても明るい兆しが見えてきているのは大変に有難いことです。

一方で課題もまだまだ沢山あります。一つはオーディオの価格の”地すべり”が止まらないこと。最も健全なのは正規分布した富士山のような形のプライスラインである訳ですが、今は完全に”ふたコブ駱駝”状態の中抜けがますます顕著になってきています。3万円以下か数十万以上かのどちらかで、私たち市井の一般人が求める”品質の良い適正価格”の商品が少なくなってしまったことは残念でなりません。

オーディオ全盛期の”ゴッキュッパ戦争”、”ナナキュッパ戦争”と言われた当時…メーカー各社が鎬(しのぎ)を削り全エネルギーを投入して製品開発合戦を行うことで素晴らしい品質の売れ筋商品がつぎつぎに登場し、市場も同時にどんどん活性化するような現象が再び来ることはないかもしれませんが、私どもで言えば2015年から始めた1616シリーズ、そして今般の2Xperienceのように”頑張れば手が届く”世界であることが必要だと感じる方も少ないないのではないでしょうか。

明日は東京でMUSIC BIRDの収録。音楽制作界のドンがゲストにいらっしゃることになっていますので復活著しいアナログ関連の話も含めてたっぷり伺ってこようと思っているところです。ソフト,ハードともに明るい兆しが見えてきていることは間違いありません。




by audiokaleidoscope | 2018-06-03 23:59 | オーディオ

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