モノの先

ゴールデンウィーク初日。久しぶりの大阪は眩しいほどの快晴でした。業界の方、お客さん、行ってみたかったギャラリー…さまざまな人と会って色んな話をして少し背筋が伸びたような気がしています。

まず最初のお知らせ。時期は未定ながら大阪試聴会を再び行うことになりました。次回も逸品館さんとの共催という形で開催します。

オーディオに限らずこの20年でモノを販売するという行為の在り様(責任)は激変しました。家具でも洋服でもクルマでも多くのモノが価格に関係なく基本機能はそれほど変わらなくなっています。Tシャツでも500円から1万円以上のものがありますし、テーブルでも数千円から100万円を超えるものがある…もちろん基本機能は同じです。では皆が500円のTシャツで満足できるかといえば必ずしもそうではありません。

ただモノとしての優位性(価格や品質)だけを喧伝する時代はとっくの昔に終わっています。値段だけでもない、性能だけでもない。これから私たちに求められているのはライフスタイルの提案…オーディオでいえば音楽と共にある生活の豊かさや寛ぎ、言い換えればモノでなく「心の充足」である筈です。

最近はクルマのCMも随分様変わりしてきました。何馬力とか燃費何リッターというスペックで勝負する時代が終わったことをメーカーも分かっているからです。例えばこれ。
クルマを単なる道具して描くのでなく、自分が結婚して子供をもって共に成長していく過程におけるクルマとヒトの関わり。オーディオ(特に趣味性の高い高級品)がこの20年低迷してきたと言われるその要因の一つに余りにモノにフォーカスし過ぎたからかもしれません。だから逸品館/サンバレーのコラボでは製品を売ることを目的とせずオーディオを使う歓びと音楽のある生活の楽しさをシェア出来るようなイベントにしよう…今日の話はそんな内容だったと思います。

かつて”安かろう悪かろう”という言葉がありました。安いモノは粗悪品というイメージは過去のもので、一時期言われたBOP(Base of the Pyramid=底辺商品)という概念や製品カテゴリーはすっかり無くなったと言っていいでしょう。つまり機能も品質も大差なくなった今こそモノを超えた何かを提供しなければならない…私どもで言えば”作る感動”というコンテンツが最も重要であることは間違いありません。

今日歩いているなかで大阪モノづくりの殿堂、共立電子さんを買い物がてら覗いてきました。秋葉原でもこれだけの規模,品揃えをしているところはあまり思い当たりません。
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店外に貼ってあるPOP。店内は小学生から年配の方まで賑わっており店員さんも若い方が多く活気があります。パーツ関係だけでなくキット類も充実しており3階にはものづくり工作室があって今日は小学生向けのハンダづけ体験が開講されていました。ここにはモノを買うという行為を超えたヒトが根源的にもつDNAを刺激する何かがあります。規模的には全く違いますが、敢えていえば間口をグッと絞り込んで真空管アンプだけを扱う代わりに楽器屋的な奥行きを目指したのが私どもの姿…と言えなくもないかもしれませんが、目指すところは全く同じです。

二日間でかなり歩いて疲れましたが、やはり人と会って自分の目で見て感じなければ分からないことが沢山あります。今回大阪で色んな気づきがありました。性能や価格だけでは語れないバリュー(Value=価値)の大切さを改めて感じられた出張でした。今後大阪行きの機会が増えそうです。


by audiokaleidoscope | 2018-04-28 23:29 | オーディオ

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