モノの先
2018年 04月 28日
まず最初のお知らせ。時期は未定ながら大阪試聴会を再び行うことになりました。次回も逸品館さんとの共催という形で開催します。
オーディオに限らずこの20年でモノを販売するという行為の在り様(責任)は激変しました。家具でも洋服でもクルマでも多くのモノが価格に関係なく基本機能はそれほど変わらなくなっています。Tシャツでも500円から1万円以上のものがありますし、テーブルでも数千円から100万円を超えるものがある…もちろん基本機能は同じです。では皆が500円のTシャツで満足できるかといえば必ずしもそうではありません。
ただモノとしての優位性(価格や品質)だけを喧伝する時代はとっくの昔に終わっています。値段だけでもない、性能だけでもない。これから私たちに求められているのはライフスタイルの提案…オーディオでいえば音楽と共にある生活の豊かさや寛ぎ、言い換えればモノでなく「心の充足」である筈です。
最近はクルマのCMも随分様変わりしてきました。何馬力とか燃費何リッターというスペックで勝負する時代が終わったことをメーカーも分かっているからです。例えばこれ。
かつて”安かろう悪かろう”という言葉がありました。安いモノは粗悪品というイメージは過去のもので、一時期言われたBOP(Base of the Pyramid=底辺商品)という概念や製品カテゴリーはすっかり無くなったと言っていいでしょう。つまり機能も品質も大差なくなった今こそモノを超えた何かを提供しなければならない…私どもで言えば”作る感動”というコンテンツが最も重要であることは間違いありません。
今日歩いているなかで大阪モノづくりの殿堂、共立電子さんを買い物がてら覗いてきました。秋葉原でもこれだけの規模,品揃えをしているところはあまり思い当たりません。
二日間でかなり歩いて疲れましたが、やはり人と会って自分の目で見て感じなければ分からないことが沢山あります。今回大阪で色んな気づきがありました。性能や価格だけでは語れないバリュー(Value=価値)の大切さを改めて感じられた出張でした。今後大阪行きの機会が増えそうです。