オーロラサウンド大研究

収録2本目はハイエンドブランド大研究の第5弾。オーロラサウンドの唐木さんをゲストにお招きし目指す音、開発ポリシーなどを伺いました。オンエアは7/6(金)です。
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オーロラサウンドの音を初めて聴いたのは昨年のアナログオーディオフェア。そのユニークな設計思想と音の自然さが印象に残っていて今回スペシャルゲストにお越しいただくことが出来ました。これまでハイエンドブランド大研究はフェーズメーション,オーディオノート,ウエスギ,ウェーバックを取り上げて来た訳ですが、今回のオーロラサウンドを含めて三者三様ならぬ五者五様…それぞれのブランドには明確な個性(楽器性)があり、オーディオという趣味が決して原音再生だけを目指したものでなく、”こういう音で鳴って欲しい”という意志を明確に投影したもので開発者とユーザーのコラボレーションによって生まれる唯一無二のアートであることを改めて認識しました。

オーロラサウンドのユニークなところはフロントエンド(フォノEQ, プリ)はソリッドステートでパワーアンプが真空管であるということ。定価はいずれも100万円弱と高価ですが相対的価値からすればハイエンドアンプのなかでは大変良心的な価格設定であることが分かる物量の投入,多彩な機能,洗練されたデザインと操作性がこれまでの大研究シリーズの中でも際立っていたと感じます。

今回オーロラサウンドの音の魅力を理解いただくために比較用としてサンバレーの管球機器を用意し両者の音の違いを感じて頂くことにしました。まずはVIDA Supreme(フォノイコライザー)。比較対象はSV-310EQです。
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フォノEQはNF型とCR型の二つに大別されヴィンテージ系フォノEQの多くがNF型でCR型は一部の高級品に採用されるケースが多い訳ですが、VIDAはLCR型といってL(コイル)を使って音作りをしているところが極めてユニークです。コイルはリアクタンスのバラツキが多く高度な製造技術と選別が必要ですが、オーロラサウンドではルンダール(スウェーデン)のコイルを採用することでこれをクリアしています。

CR型のSV-310EQとLCR型のVIDA Supereme…SV-310EQが中域の密度感を重視しているのに対しVIDA Supremeは極めてワイドレンジで透明度の高い描き出しです。特筆すべきは多彩なオプションスロットによるバランス,アンバランス入力の双方に対応,昇圧トランス/ヘッドアンプによる音の違い、逆RAAAフィルターによるデジタル音源の音の改善など大きな発展性。前作VIDAがグローバルに評価されオーロラサウンドの名声を不動のものしたというのが頷けるグレードアップモデルでした。
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続いてはプリアンプPREDAです。写真を撮り忘れましたがここではSV-310との比較を行っています。トランスアッテネータによる低音量時の音質劣化防止、デュアルモノーラル構成によるチャンネルセパレーションの向上,鋳鉄製の制振インシュレータの採用,リモコンによる操作性の高さ…非常にスマートで洗練された製品です。

音は非常にシルキーでニュートラル。そして高いSNが大変印象的です。エネルギーロスのないトランスアッテネータの素性の良さがそのまま音の良さに現れていると感じました。私がこれまで使ってきた半導体プリのなかではGoldmund 27.3MEに最も近い音質。プリアンプは最もメーカーの技術力が出る製品な訳ですが、オーロラサウンドの周到で細部まで手を抜かない完成度の高さが印象的でした。
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そしてハイライトはPADA(EL34パラプッシュ)。オーロラサウンドに興味を持ったのはこのPADAがきっかけだった訳ですが、EL34を三極管接続にして且つパラPPにすることで三極管なみのリニアリティと内部抵抗の低さを獲得し、この規模(43W/ch)で無帰還アンプというのは他に類例がありません。加えてこのアンプのユニークなところは電圧増幅段は半導体、それを真空管出力段とカップリングしているのがインターステージトランス…つまり半導体回路を前段にもつトランスドライブの真空管アンプというところです。

比較用に用意したのがSV-P1616D/EL34。こちらはUL接続でNFアンプのCR結合。出力管が同じなだけでタマの動かし方もアンプトータルの考え方も全く異なる2台のアンプの音の違いには要注目です。EL34PPというと元気が良く音像的な表現力に長けた、どちらかいえばジャズ,ロック系向きの音になる訳ですがPADAを含めオーロラサウンドの音には共通した上品さとクリアネスがありました。今年のアナログオーディオフェアでもオーロラさんと当社は同じ部屋でデモを行いますので、是非オーロラサウンドの魅力の一端にも触れて頂きたいと思います。

私が唐木さんにシンパシーを感じるのは元々ラジオ少年で小学校の頃からラジオや無線機を作っていたというオリジンの共通性。唐木さんはオーロラサウンドの他に自作キットサイト”音松”も運営されています。片やハイエンド、片やキット…片や100万円、片や1万円…そのダイナミックレンジの広さも大変魅力的であると感じました。オーロラサウンド、素晴らしきMADE IN JAPANの逸品です。





by audiokaleidoscope | 2018-04-12 23:57 | オーディオ

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