極限状態に自分を置くと対峙する相手も自分になる…そういう二日間でした。周りは”逸品館 vs サンバレー”というところに反応したけれど、形態やアプローチは違うものの目指すところは同じ…共にオーディオ業界にいて音楽を聴く人にハッピーになってもらうための仕事という意味において私のなかでは全く違和感のないコラボレーションであったと思っています。とても楽しく学ぶべき点の多いイベントでした。関西地区だけでなく東京から九州のお客さんまで集まって下さいました。
”はじめての真空管アンプえらび”(シングル編,プッシュプル編)は皆さんメモを取られながら真剣にデモを聴いて下さいました。
SV-P1616D”タマを替えるとこんなに変わる!”、SV-S1628D”211/845比較試聴”も好評。多くの方が初めて聴くアンプで皆さん真剣そのものでした。SV-Pre1616DのX7/X7/X7→X7/X7/U7→U7/U7/U7の音の変わり様も痛快な経験だったようです。
現行300Bの聴き較べではGold Lion300B, Golden Dragon 4-300BC, JJ300B, KR300B, PSVANE WE300B, Western Electric300Bが勢ぞろい。PSVANE WE300Bの音の良さが印象に残りました、その他、関心が高かったのがフォノEQの聴き較べ。SV-396EQの高域の抜け,SV-310EQの中低域の響き。同じCR型でもこれだけ表情が変化するオーディオの楽しさを多くの方と共有できる歓びは試聴会最大の魅力です。
そして今日の合同イベント。昨日はB&W 800D3を三極管シングル2台で鳴らした訳ですが今日のお相手はウィーン・アコースティックのThe Music.
極めて大型のトールボーイで見るからに鳴らなそうな外観ですが、実はさにあらず。今まであまり申し上げてこなかったことですが、実は私どものReference35はウィーン・アコーステイックと同じ工場で生産されていて過去別の大型モデルの音を聴いた感じでは真空管で鳴らした時のマッチングは非常に良いことも経験済。その時のイメージから今日はSV-310+SV-8800SEの組合せで行くことにしました。音の狙いはプリで響きをつけ、パワーでガッチリ制動を掛ける考え方。多くのお客様が現行ハイエンドスピーカーを真空管で鳴らす際のTypicalケースを実演するイメージで臨みました。曲は昨日と同じ。Best Audiofile Voices VI, シーネ・エイ , ギター・ルネサンスV, Hotel Carifornia Liveなど。全てのオーディオマニア必携のソースで聴いた頂きました。SV-8800SEがオーバーパワーに感じるほどの量感と制動力を感じて頂けたのではないでしょうか。約30分のデモをさせて頂きましたが、音楽に対する想いを共有できて楽しかったです。合同イベントやって良かったなあ!と思える今回の試聴会のハイライトになりました。
対して逸品館さんはマンレイのEL84パラプッシュで鳴らされました。爽やかで解像力のある精緻なサウンドが大変印象的でした。
…という感じで二日間の大阪合同試聴会、ぶじ終わりました。逸品館の清原さんとスタッフの皆さんの温かいサポートのお陰で6年8ヶ月ぶりの大阪試聴会は大成功ではなかったかと感じています。そして何より会場にお越しいただいた皆さんに支えて頂いた今回の大阪。また必ず戻ってきます。どうも有難うございました!