(2/11)SV-Pre1616D 予約受付開始です!
2018年 02月 11日
これまでPre1616Dについては折に触れて様々書いてきました。開発のきっかけは2002年から販売してきたSV-722の製造終了。製造委託先の業務終了に伴い2002年から私どもの基幹プリとして活躍してきたSV-722を失う痛手は大きく、自力で後継機種を開発するにあたって1616パッケージにSV-722の回路をコンバートすることに何ら迷いはありませんでした。
先に売り切れとなったSV-722マランツタイプのフラットアンプ(ライン)部分を基本的に完全移植して整流素子はダイオードと整流管を選べる形にしよう、というところから開発が進んでいった訳ですが、試作を重ねるなかで”ひょっとしてタマを替えられるんじゃないか…”という気がしてきたのが暫くあとのこと。パワーアンプで出力管を替えて楽しむのは今や極めて一般的なことになってきていますが、プリアンプの、それも増幅率(μ)の異なる球を無調整で差し替えて音を楽しむ、という発想自体が真空管アンプの歴史のなかで果たしてあったのか…少なくとも私は今まで一度も見たことがありません。そんなことを考える技術者が今まで誰もいなかったのでしょう。
そこで増幅段は変えずにカソフォロ段のみ替える12AX7-12AX7-12AU7を検討。これが実に上手くいって特性や安定性はもちろん、音も骨格感のしっかりしたSV-722マッキンを彷彿させる音に変化することが分かり遂にはオール12AU7仕様にも対応できる回路とすることに。結果オールU7仕様の円やかで倍音豊かなSV-310的な音になることが確認できたので、これも迷わず正式採用することになりました。
更にはキット標準のダイオードモジュールを整流管(5AR4)に変更するのも大いに楽しみなチューニングの一つです。オールX7仕様でシャープ&ハイコントラスト系サウンドを狙う方はダイオードが合うかもしれませんし、X7-X7-U7で実体感や厚みを重視したい方、またオールU7仕様で潤いと響きを求める方には5AR4が大きな武器になるでしょう。
竹 :Gold Lion
松 :Mullard CV4003(12AU7)
となります。コストパフォーマンス優先であれば梅セット,個人的には現行X7/U7でダントツの音質を誇るGold Lion(松セット)をお奨めですが、増幅段(12AX7)2本が梅,カソフォロ段(12AU7)が竹でもかなり音質向上が認められることが分かっていますので、この辺りはご自身の狙う音をよく考えて決定されると良いでしょう。倍音感を重視される方はカソフォロ段をMullard CV4003に替えると別世界。オールMullard CV4003の音はSV-310もかくや…と思わせる桃源郷です(実は上のyoutube収録時にはオールU7仕様が固まりきっていなかったので音が聴けませんが、発売前には別動画でご紹介出来る見込みでです)。
はやくも電話やメールでお問い合わせが相次ぎ、真空管の状況が不安定ではありますが随時商品ページに情報アップをしていきますのでご注目頂ければ幸いです。