(1/20)プリアンプの深み

今日は午前中会社で自主トレ。その後Hさん宅へ。
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このシステムの原型が構築されたのが確か6年ほど前。MIDが深い飴色に変わっていて時間の経過を感じました。Hさんのリクエストでハイグレードプリの比較試聴を行おうということに。
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今まではVP-2500SE(PX25パラシングル)でドライブいたHさんですが昨年夏にSV-284Dをブースターモードで追加。これが実に音色的に大きな変化をもたらしていました。PX25という球は最も可憐で繊細な音を聴かせる球で、いうならば瘦身の美女のような表現であったのがSV-284Dが加わって筋骨隆々の男性的な張り出しを感じる音に変化。嘗ての音がたなびくような音場的表現が今や中域のエネルギーがグッとせり出すような変容ぶりで、私のなかでH邸=クラシックやヴォーカルが美しく鳴るというイメージがあったのですが俄然ジャズが良く鳴るシステムに進化していました。

私が触らせて頂いたのは大きく言って三つ。一つは特殊な信号をスウィープして行ったシステム全体の消磁(デマグネタイジング)。長い間通電されることでオーディオシステム全体が帯磁した結果、音が鈍る、曇る等の劣化を起こす訳ですが、何年かに一度消磁信号を流すことで隅々までリフレッシュすることが出来ます(ただし過度な使用は逆効果になる場合が多く要注意)。

二つめは超高域のリニアリティを補完する目的でスーパーツィーター(パイオニアPT-R4)の位置の微調整。今までの経験からMIDの場合はフロントバッフルから120mm後退された辺りがPhase Coherent(位相が整合した状態)なのですが中域に対して僅かに引っ込んで聴こえたので約60mm前に移動してエネルギーバランスを整えました。

最後はAbsolute Phase(絶対位相)の反転。これはある意味禁じ手の一つでもあるのですがアンプの出力のプラスマイナスとスピーカーの入力のプラスマイナスを逆にすることで音のチューニングを行う方法です。言い換えればアンプのプラス(HOT)出力をスピーカーのマイナス(COLD)に接続…つまりアンプとスピーカーの極性を逆にするのです。

これが意味すること…例えばキックドラムがドン!と入った時、ウーハーの振動版は前方にグッと動くのが通常なのですが、これを敢えて反転させることでアコースティックフィードバック(スピーカーシステムから放射されたエネルギーがリスニングルームに及ぼす反射,回折等の影響)が大きく変化し、結果生成される音場も変わります。Hさんの場合も効果覿面で僅かに違和感のあった低域のスピード感が揃い以前のHさんのシステムの良さを残しながらSV-284Dの追加効果が最大化される結果となりました。

ここまでやったうえで今日の本題。ターゲットはSV-310SV-300LB。いままでのSV-722(マランツタイプ)から打って変わった2機種ともトランス出力のプリです。
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SV-310は重心が下がり緻密な響きを醸し出すプリ。2004年デビューで気がつけば最古参の機種の一つになりました。それだけ実績があり多くの方に使って頂いてきたヒストリックモデルです。
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一方でSV-300LBはプリに300Bを奢ったニューモデル。SV-284Dを直接駆動できるバランス出力と通常のプリとして使うアンバランス(RCA)出力を持っています。300B=スウィート系というイメージがありますが、音は真逆で真空管プリとして異例ともいえる高解像度&クリアな音場型プリ。Hさんのシステムでは両者の性格の違いが如実に現れ、試聴に立ち会われていた三人のお仲間も”プリでこんなに変わるんだ…”と仰っていました。Hさんは円やかでリッチな表現のSV-310が気になったご様子でした。確かに涼やかなPX25に厚みと寛ぎを加えた表現で両社の個性を絶妙に足し算した感じが良かったです。

今日はその後の予定が詰まっていて全てのパターンを制覇出来ませんでしたが、近いうちにもう一度伺って今度はSV-300LB+SV-284D直結の音やSV-310+VP-2500SE+SV-284Dの音も聴いて頂けたら…と思っています。実に楽しみです!



by audiokaleidoscope | 2018-01-20 23:45 | オーディオ

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