(1/18_1) UESUGIアンプの魅力

毎回放送を通じて真空管機器の試聴が出来る「真空管・オーディオ大放談」。昨年から登場した”コミコミLight" の効果もあって新しいリスナーさんが増えているというのは大変嬉しいニュースです。実際はやる側が一番楽しんでいるのかもしれまんが、私も毎回発見や気づきや驚きがあり、オーディオの奥深さと面白さを多くの方と共有させて頂けるのが何よりの歓びです。

今回の録り一本目(3/30オンエア)は”UESUGIアンプ大研究”。創業47年目の老舗でありながら極めて限られたオーディオ専門店でしか見ることも出来なければ聴くことも出来ない存在。昨年からオファーを重ねてやっと念願かなってMUSIC BIRD初登場いただくことが出来ました。絹のヴェールに包まれていたその存在を体験することが出来る絶好のチャンスです。

現在の上杉研究所についてはホームページをご覧ください。1971年、兵庫にて創業された真空管アンプ専業メーカーで創業者 上杉佳郎(よしお)さんの名前はオーディオ評論家としても多くの愛好家に知られた存在でしたが残念ながら2010年に逝去され、現在は横浜事業所で今回のゲストFさんが上杉イズムの全てを継承されており、新製品の開発はもちろん旧製品のメインテナンスまで幅広く活動していらっしゃいます。

元々Fさんは大手オーディオメーカーの開発チーフとして辣腕を振るわれた方。そのFさんに対して上杉さんご自身から生前いっしょにやらないかと声を掛けられて今に至るという話や様々な上杉さんにまつわる逸話の数々をここで書き尽くすことは出来ません。かつて上杉さんの様々な著作、とりわけMy Handy Craftから少なからず学ばせて頂いた私にとって、UESUGIの理念やサウンドが余すところなく現在に引き継がれていることが分かり大変嬉しくまた音を聴かせて頂けた感動に包まれたひと時でした。

今回音を聴かせて頂いたのは4機種。
b0350085_13142778.jpg
EL34モノラルプッシュプル U・BROS-2011M
b0350085_13143217.jpg
300Bシングル U・BROS-300(高槻/UESUGIダブルネーム300Bつき)
b0350085_13142133.jpg
フォノEQ: U・BROS-220, プリ:U・BROS-280

音を聴いて思ったこと…まず2011Mは三極管接続/UL接続の切替SWが装備され、最初は三結,その後ULで聴かせて頂いたのですが、その三結サウンドのクリーミーなこと!EL34=元気闊達というイメージとは大きくことなる豊かなサウンドにレギュラーゲストのTさんも”こんなEL34の音は聴いたことがない!”と目を丸くされていました。真空管の寿命と安定動作を優先された生前の上杉さんの設計ポリシーを垣間見た気がしました。
b0350085_13345749.jpg
2011MトランスはTANGO
b0350085_13391896.jpg
出力は三結で20W, ULで38W。全ての真空管はUESUGI伝統の全盛期のNOS球です
b0350085_13143740.jpg
一方U・BROS300はカソフォロ直結ドライブで出力12W!!(固定バイアス)。無帰還でありながらクリアで伸びやかな音を聴かせてくれました。トランスは私どもと同じ橋本特注に変わっています。

収録音源に乗っているどうかは分かりませんが、Fさんのお話で私が一番印象に残ったのは

”開発者の価値観や信念に基づいた製品づくりをすること。大企業的な合議制では引き算の発想になって欠点のないモノは出来ても一番大切な魅力も損なわれてしまう。突出した個性や魅力は欠点をカバー出来るんです。オーディオは文化ですから純粋に音楽を聴く感動を分かち合いたいという上杉さんの想いを引き継ぐことこそがUESUGIにとって重要なんです。”

という言葉。1%のマイナスが99%のプラスを覆すこともある現代において無から有を産み出すモノづくりの大切な根幹を改めて教えて頂いた気がします。今回の収録は業界の大先輩に色々と教えを乞う弟子のような気持ちで終えることが出来ました。私にとって忘れられない2時間になりました。
b0350085_14333149.jpg

by audiokaleidoscope | 2018-01-19 14:36 | オーディオ

SUNVALLEY audio公式ブログです。新製品情報,イベント情報などの新着情報のほか、真空管オーディオ愛好家の皆様に向けた耳寄り情報を発信して参ります。


by SUNVALLEY audio