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(9/11~12)チェリストとヴォーカリストが選ぶナンバーワン真空管

今回の上京は弾丸一泊二日。まずはKさん宅へ納品からスタート。
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SV-91B(オールPSVANE/WE仕様)。最近91BはPSVANE指定がずいぶん多くなってきました。音のイメージとしてはノーコンプの音源に近い感じ。音の粒立ちが細やかでピークでも頭をぶつけないヘッドルームの高さが最大の魅力です。本家ウエスタン300Bが復刻(1997以降)で20万オーバー。オリジナル(1988以前)で軒並み30万オーバーという状況の中で現実的選択としてPSVANE/WEに需要が集中するのは或る意味当然なのかもしれません。

続いてはHさん宅。前回お邪魔してから約一ヶ月。今回は出力管をKT120→KT150に変更して且つプレート電圧を上げる”裏コマンド”発動が目的です。KT120のソリッドでハイコントラストな表現を一層スケールアップして中低域の量感を増すにはKT150がぴったり。短期間でビーム管の四番打者になりました。
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これが裏コマンド作業中のスナップ。SV-128Bは基本KT88/6550/KT120/KT150コンパチの固定バイアス(推奨バイアス電圧0.65V)でありますが、KT120/KT150専用のハイオペレーションモードが用意されています。出力管のプレート電圧が上がり、更に骨太でドライブ力がアップ。
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バイアス電圧の最終調整中。B&W805からフロアスピーカーのようなスケール感が出てHさんもご満悦でした。

二日目はMUSIC BIRD”大橋慎の真空管・オーディオ大放談”の収録。今回は2本録りでいずれもスペシャルゲストをお迎えして楽しい収録になりました。一本目はチェリスト四家卯大(しか・うだい)さん。
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テーマは”チェリストが選ぶナンバーワン出力管はこれだ!”。様々な出力管で四家さんの新譜「犬とたまねぎ」(10/10)発売をリファレンスソースとして使用し、最もチェロが良い音で歌う出力管とアンプの組み合わせを見つけていこうという企画です。使用アンプは

SV-S1616D/KT66,KT150
JB-320LM/2A3,300B
SV-P1616D/KT88,KT120
SV-2300LM/2A3,300B

の8パターン。いつものようにアンプの出力端子とミキサーを直結する方法でオンエアで比較試聴できるというゴキゲンな企画です。ソースは6月にレコーディングしてから三ヶ月、やっと出来上がったCDです。
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音の面からお手伝いをさせて頂いたこの作品。私のミッションはコンプ,EQ,ディレイは基本的に排除して、出来るだけ”生のチェロの音”をパッケージすること。その点では今までのチェロのアルバムとは少し音の景色が異なって聴こえるかもしれません。そして最も音が変化するA/Dプロセスにおいて真空管を使って音の質感を損なわないこと。となれば登場するのは当然SV-192A/Dを他においてありません。このCD、発売日は10/10。真空管オーディオフェア会場でレコ発記念のミニコンサートも予定しています。

チェロといえば直熱管。チェロといえば300B…というほど定着した組合せで、収録前は私も内心”きっと四家さんは300Bを選ぶんじゃないかな…お使いのアンプもJB-320LM/300Bだし”と思っていたのです。しかし!です。計8通りの比較試聴を終えて四家さんが選んだアンプ、選んだ球は私の予想を遥かに超えるもでした。ちょっとビックリして”どこが良かったですか?”とお尋ねすると”最も生のチェロの音に近いと思ったのがこの組み合わせだったから”という回答。オンエアは10/14(再放送10/21)。是非皆さんも自分の耳でスピーカーから出る百花繚乱の音の違いをチェックしてみて下さい!

そして二本目のスペシャルゲストは井筒香奈江さん。
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テーマは”真空管ブースターアンプの魅力を検証する”。ブースターアンプの本当の効果はパワーアップでなく増幅系のゲインの適正配分によるローレベルの解像度,聴感上のダイナミックレンジのエキスパンドであることを実際聴いて頂こうという企画です。リファレンスソースは井筒さんの新譜”リンデンバウムより”(9/14発売)。
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これまでの”時のまにまに”シリーズとはずいぶん変わってますから!と以前から伺っていたこの新譜。従来の”ささやき系”からライブネスを重視した音作りに変化しています。でも彼女の良さは失われていないナカナカの佳作。選んだアンプは

SV-S1616D/KT66
JB-320LM/2A3
SV-P1616D/KT120
SV-2300LM/300B

の4通り。そしてそれぞれでSV-284Dありとなしで計8通りの比較試聴です。結論から先に申し上げてしまうと、ここまで放送で違いが出るか!というほどの差異が現れました。ニュアンス,空気感,余韻…あらゆる音の要素が全く異次元にまだ高まることを皆さんの耳で感じて頂けることでしょう。これまで何種類もの845アンプを使ってこられたTさんも”ここまで変わるんですね!これは危険なアンプです!”と仰るほど。これまでいろいろなパターンでオンエア比較試聴をやってきましたが、変化の大きさでは三本の指に入る変化の大きさだったと言えるでしょう。
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これはSV-S1616D/KT66+SV-284Dの接続風景。SV-284Dは図体もデカいが効果もメガサイズです。香奈江さんが興味深いことを放送のなかで仰っています…”この変化はマイクの違いに似てる。良いマイクほどフッとした息遣いや楽器の僅かなニュアンスを良く出します。良いマイクほど歌い手は無理しないで声を出せるんですが、このブースターを繋ぐとまさにそんな感じに近い何かを感じます”と。

多極管シングルのクリアなエッジ。三極管シングルの繊細さ。多極管ブッシュプルの制動力。三極管プッシュプルの豊穣な響き…それらにSV-284Dを追加した時の差異とその美音を是非みなさんご自身の耳でお確かめ頂ければ幸いです。オンエアは10/28(再放送11/4)です!サンバレーのアンプは刈谷に行かないと試聴できないじゃないか!という方、是非放送で、自分の部屋で、自分のスピーカーでお楽しみ頂ければと思います。



by audiokaleidoscope | 2016-09-13 13:44 | オーディオ

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