
私がお邪魔した時には既にタケさんがおられ、音が鳴っていたのですがいわゆるALTEC的なメタリックな高音は微塵も感じられず、極めて繋がりが良いだけでなく高域までスッキリ伸びた非常に癖のない音が印象的でした。ポイントは825エンクロージャーと1005Bホーンでしょう。後期のパーチクル製828では得られ難い自然な響きと、311B/511Bのようにピーキーなホーン鳴きがなく、ALTECにありがちの”元気は良いが聴き疲れがする”というネゲティブな面は殆どありません。左右で音色の違いや定位の偏移もなく非常によく調教されている個体であることが直ぐ分かりました。

因みに増幅系の布陣は以下の通り。




色々と聴かせて頂いて感心したのはこの手の大型ホーンシステムにありがちな”ビッグマウス”になっていないこと。定位がシャープなだけなく音像の大きさも適切でA5/A7系ユーザーの皆さんが最も苦労されているこの点も見事に克服されていました。ピアノのトランジェント,ヴォーカルの温度感と湿度感,ブラスのキレが得意なのは勿論、ヴァイオリンの高域のニュアンスもよく出ており、フルオケも混濁せずにTuttiまで駆け上がる爽快感も大変印象に残っています。