(7/16)デカチョーさんのA5

久しぶりのオフ会。6041のSさん,第九のIさん,デカチョーさん,タケさん…私がこの仕事を始めて一対一の関係性だったのが次第にお客さん同士の交流に繋がっていく…その最初のカタチがこの五人組でした。演奏会に一緒に行ったり、お互いのリスニングルームを訪問し合ったり、お気に入りの音源の情報を交換しあったり。仕事も違えば聴く音楽ジャンルも異なる人たちがオーディオで繋がっていく…この楽しさを教えてくれた方々です。10年以上変わらずこういうお付き合いが出来るのも同好の士の誼(よしみ)。大切な先輩たちであり仲間です。

今回デカチョーさんがメインスピーカーとしてA5を導入されたと伺ったのは2ヶ月ほど前でしょうか。それまでてっきり英国党だと思っていた私たちには少々驚きでした。そして”これは聴かせて頂かないと!”ということになって久しぶりにデカチョーさんのリスニングルームにお邪魔させて頂いたという訳です。
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恐らく50年代後半の個体。エンクロージャーは米松製825。写真では分かり難いですが側面の”Voice Of The Theater”のロゴはステッカーでなく手書きです。ウーハーは515,ドライバーは288C,ホーンは1005B,ネットワークはN500CというA5の中でも最もヒエラルキー上位の組み合わせ。

私がお邪魔した時には既にタケさんがおられ、音が鳴っていたのですがいわゆるALTEC的なメタリックな高音は微塵も感じられず、極めて繋がりが良いだけでなく高域までスッキリ伸びた非常に癖のない音が印象的でした。ポイントは825エンクロージャーと1005Bホーンでしょう。後期のパーチクル製828では得られ難い自然な響きと、311B/511Bのようにピーキーなホーン鳴きがなく、ALTECにありがちの”元気は良いが聴き疲れがする”というネゲティブな面は殆どありません。左右で音色の違いや定位の偏移もなく非常によく調教されている個体であることが直ぐ分かりました。
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そしてこの高い天井。吹き抜けのエアボリュームの大きさがこの屈託のないスケール感に大きく寄与していることは間違いありません。

”どうしてステントリアンからALTECに宗旨替えしたんです?”と少々イジワルな質問を投げかけたところ、ステントリアンもALTECも中域的表現力が優れている点で違和感は全くなく、以前からALTECもターゲットに入っていたとのこと。確かに極上のミッドレンジを楽しむという点では両者は共通した個性を持っている訳で一同納得。というかこの音を聴かされれば納得せざるを得ないという説得力のある音です。

因みに増幅系の布陣は以下の通り。
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SV-91B(オールウエスタン仕様)。確かデカチョーさんが91Bを組んだのは2004年ごろだったと思います。当時お納めしたJAN 274Bも健在。A5の能率が100dB(以上)あるので入力VOLをつけゲインを適正化されていました。
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プリは91Bの純正組み合わせSV-310(オールウエスタン仕様)。ヴィンテージ系スピーカーには抜群の相性を示すペアというだけでなく、骨太でコクのある音を指向する方にとって唯一無二ともいえる最強の布陣の一つです。
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となればフォノイコは当然SV-310EQ。これもオールウエスタンで固められています。私どもの製品のなかでこのSV-310EQは例外中の例外ともいえる存在で、いわゆる海外製ハイエンドシステムと一緒に使われる方も多い異色のフォノイコ。この情報量と密度感は他のフォノイコからは得られません。
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ターンテーブルはSV-A2(改)。第一アームが替わっています。非常に滑らかでノイズフロアの低い再生音は健在でした。

色々と聴かせて頂いて感心したのはこの手の大型ホーンシステムにありがちな”ビッグマウス”になっていないこと。定位がシャープなだけなく音像の大きさも適切でA5/A7系ユーザーの皆さんが最も苦労されているこの点も見事に克服されていました。ピアノのトランジェント,ヴォーカルの温度感と湿度感,ブラスのキレが得意なのは勿論、ヴァイオリンの高域のニュアンスもよく出ており、フルオケも混濁せずにTuttiまで駆け上がる爽快感も大変印象に残っています。

人間は不思議なもの。一度こういう高みに触れてしまうと、”よし!いっちょ俺も!!”という気持ちになります。帰宅してから思わず同じ音源を自分のシステムで聴き直したりセッティングを弄ったり。きっと他のメンバーも家で同じ状態だったのではないかと(笑)。これだからオーディオは止めらない訳です。最高レベルのA5を聴かせて頂いただけでなく、懐かしいメンバーのとも再会できて素敵な週末になりました。



by audiokaleidoscope | 2016-07-17 14:48 | オーディオ

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