(4/16)初めての真空管アンプ選び~開放日編
2016年 04月 17日
そんななか、月一回の開放日。最初は奈良から車でいらっしゃったMさんと会社の先輩。真空管アンプは初めて。ハンダ付けの経験はあまりないが自分で作ってみたいと仰る…まさにこういう方をサポートして仲間を一人でも増やしていくのが私の務め。KT88ppをお使いの先輩のアドバイスのもと試聴が始まりました。試聴に使ったスピーカーは目下沸騰中のReference35。
Reference35はVienna Acouctic用に供給されているユニットをベースにモディファイされたものでネットワークとエンクロージャーは完全オリジナル。見かけ上のインピーダンス,能率は決して高くないものの真空管アンプで鳴らすことを前提に組み上げた私どもの文字通りリファレンススピーカーの一つです。2月の試聴会でトラブルが発生したのが不幸中の幸いで問題点発見し対策することが出来、6月の出荷開始に向け目下工場はフル稼働中です。

話は戻ってMさんのアンプ探し。まずは製作の再現性(成功率の高さ)からTU-8200SVをお奨めしました。TU-8200SVはベースモデルTU-8200で標準装備されている6L6GCを人気球KT88に最初からアップグレードした別注モデルな訳ですが、シャープなエッジ,コントラストの高い鮮度感を楽しむことが出来るローコスト,ハイパフォーマンスなプリメインアンプです。もちろん真空管の差し替えも出来ますが、KT88から下位の球に差し替えることは少ないでしょうから、これ一台あればノンジャンルで音楽を楽しめ、スピーカーも選ばない自由さがベストセラーたる最大の要因です。一枚基板で製作も容易ですから”はじめの一歩”には最適です。
真空管アンプには三極管/多極管とシングル/プッシュプル,2つの大きな分水嶺があり、これをどう選ぶかで結果が大きく変わります…というお話をさせて頂いて、ではシングルの三極管を…ということになり、登場したのがSV-S1616Dです。これは作るのはTU-8200SVと較べるとはるかに手数が多いですが、真空管アンプづくりの原点と嘗て多くの自作派が必ず通った道であることをお伝えし、いい機会なので…ということで開腹して内蔵を見て頂きました。

S1616Dで最初聴いたのが300B仕様。立ち上がりの早くキレの良かったKT88から一転、風船が膨らんだような量感と響きが残る豊かな間接音成分が特徴的な300BのアジをMさんはすぐに理解できたようです。よく”叩く音”(ドラムスのアタックなどの表現)向きの多極管と”擦る音”(弦楽器のボウイングなど)向きの三極管なんて言ったりもしますが、内声部の密度感や陰影感(三極管)を重視するか、エッジやクリアな抜け(多極管)を重視するかは優劣や向き,不向きを超えて完全に好みの世界と言っていいでしょう。
300B仕様と2A3仕様をS1616Dで聴いてみて、Mさんは2A3のザックリした音触(音にケバが生えたようなリアリズム)が気になった様子。中域の厚み,リアリズムこそが三極管の妙味である訳ですがキット標準の2A3(Golden Dragon 2A3 premium)を使えば出力的にも十分でReference35も十分ドライブ出来ることが分かり、作り易さを取るか、音を取るかで今後検討されることになりそうです。
昨日第一報をお伝えしたSV-396EQ(予価:球つき完成品で税別16万円)については使用真空管5670がWE396A互換であることからのネーミングであることをお伝えしました。

そんな訳でいつものメンバーに加えて新しい方も沢山お迎えしながらあっという間の一日だった4月の開放日。真空管アンプってどんな音がするのかな?という方からマニアックなチューンアップの方法まで、どんな内容にもお応えできるように準備していますので、まだ行ったことがない、という方のご来場をお待ちしています。勿論道場破り(自作機器や他社製品との聴き較べ)も大歓迎!次回も是非お待ちしています!!
