(4/7_2)いまCDを一番良い音で聴くための幾つかの選択
2016年 04月 09日
オーディオは一般に”出口ほど音が変わる”と言われます。オーディオの主役はスピーカーで、これを車のシャーシに例えれば、パワーアンプはエンジン,プリアンプはトランスミッション…という風にチューニングが進められて一つのパッケージとしてのオーディオシステムが完成される訳ですが、例外的にLP再生におけるカートリッジの選択がシステム全体の成否を分けるように、デジタル再生においてはD/Aコンバーターに何を選び、どう使うかが極めて大きな分岐点となります。
今回はスタジオ常設、SV-192PROを使ってCD高音質化の3つのアプローチについて実際OAで音の違いをリアルタイムに体験していただくことにしました。曲の再生中にアサインを変えて音の違いを確認するなんて、今まで誰がやったでしょうか。今まで何度となく比較試聴をやってきた私も少々緊張が走る収録となりました。

この差はSV-192SあるいはSV-192PROをお持ちの方は日々その違いを聴いておられる訳ですが、スタジオのモニターでも明らかな音の違いを確認できました。いや音が変わるというのは正確ではないかもしれません。エアが変化するいうのか、音の拡がる空間の大きさが格段に変化するというか、いわゆる奥行感の再現において誰もがアップサンプル後の再生音の方がオーディオ的に優位であることを理解頂けると思います。これはヘッドフォンでなく、是非スピーカーでチェック頂ければ幸いです。情報量が増えて音量が1dBくらい上がって聴こえるほどの差異をご確認いただけるでしょう。勿論電気的なレベルに変化はありません。

余談ですがマスタークロックを使う場合のノウハウとしてソースの周波数の整数倍クロックにアサインすることが重要です。MC-3+を使う場合、CDであれば44.1kHzの4倍である176.4kHz。48kHz系の音源(例えばハイレゾ)では192kHzを選ぶことによって最良の結果が得られます。

Tさんが選んだのはアリス=紗良・オットのピアノ,私は諏訪内晶子のヴァイオリンで総仕上げの音、つまりマスタークロックあり、アップサンプリングあり、CV4003仕様で聴く極上の音はいわゆるCDの音のキメを整え、音のヘッドルームを上げ、更に奥行き,拡がりを改善した一つの終着点ではなかったかと思います。
デジタルオーディオにおける危うさは音質でなく量子化レート競争が主体になっていること。現在の主流は192kHz/24bitですがR&Dレベルでは768kHz/32bit,11.2MHz/1bitに対応したチップも出始めています。この収録の最後に参考試聴として
オーディオは決して特性だけで語れない…それが今回の結論であったかもしれません。OAは6/10(金)20時~です。是非お聴きください!
