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(3/17)パッシブバイアンプの具体的アプローチ

先日ご紹介したパッシブバイアンプについていろいろと質問を頂いていますので、少し補足しておきます。

Q1:パッシブバイアンプの前提条件は?
A:2台の異なるアンプでパッシブバイアンプを構築する場合、
①スピーカー側に高域,低域それぞれの入力があり、ジャンパーが外せる(分離できる)こと
②少なくとも1台のアンプにゲイン整合用の入力アッテネータ(VOL)が装備されていること
③プリアンプに2系統のプリアウトがあること(プラグで分岐しても可)

が望まれます。

Q2:2台のアンプの出力が大幅に異なりますが問題ありますか?
A:圧倒的にエネルギーを消費するのはウーハー帯域ですので、出力の大きいアンプをウーハー側に持っていくのが一般的セオリーとなります。家庭用途ではツィーター帯域用アンプが1~2W出力で十分なケースも多々あります。

Q3;宗次ホールでは低域側を多極管,高域側を三極管としていますが、その理由は?
A:一般的に低域側に多極管アンプを使用し、しっかりした骨格感とダンピングの効いた低域を引出し、高域側に三極管アンプを使用し真空管アンプならではの繊細感と音場感(拡がり)を得る方が良い結果を得やすいですが、使用するスピーカーによって逆の方が好ましい場合もありますので聴感で決めて問題ありません。

Q4:半導体アンプと真空管アンプの混成パッシブバイアンプは問題ありますか?
A:特に問題ありません。一般的に低域側に半導体アンプ,高域側に真空管アンプを配する方が良い結果が出ますが、注意すべきは半導体アンプの方が入力インピーダンスが著しく低いケースが殆どですので、2台のパワーアンプの合成入力インピーダンス(オームの法則によって求められます)がプリアンプの出力インピーダンスの少なくとも10倍以上は必要なことです。

仮に

真空管パワーアンプの入力インピーダンス=100kΩ
半導体パワーアンプの入力インピーダンス=10kΩ

とすると2台のアンプの合成入力インピーダンスは約9kΩにまで下がり、プリアンプの出力インピーダンスを仮に1kΩすると差分は9倍ですので、最適なマッチングが図られているとはいえません。

Q5:片方のアンプがプリメインなのですが…?
A:プリメイン=複数入力を持つハイゲインなアンプと見做せば電気的な不整合はありませんが、片方に半導体アンプを使った場合、稀に誘導ノイズを引くこともありますので実際接続してみて確認が必要です。またプリメインアンプに”MAIN IN”(パワーアンプ入力)が装備されている場合は、積極的に使用すべきです。

…FAQ的にはだいたいこんな感じです。ひとつ具体的事例をお見せします。これは半月ほど前、東京のYさん宅で撮らせて頂いたスナップですが、元々全帯域をSV-275でドライブされていたのをSV-91Bを高域用としてパッシブバイアンプを実践した事例です。ちなみにプリはSV-722(C22)。
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SV-275単体ではかなりシャープでキレの良い音であったJBLが、パッシブバイアンプ化によって弾むような低域に支えられた豊かな音場が現れ、艶(つや)と奥行き感の圧倒的向上が得られました。繰り返しになりますがパッシブバイアンプはネットワークをそのまま使うことで、元々の音のバランスをキープしつつ確実に音質改善が図れる極めて現実的で再現性の高い手法です。ぜひお試し頂きたいと思います。





by audiokaleidoscope | 2016-03-17 09:41 | オーディオ

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