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(2/29_1)EAR VS サンバレー!

厳しい改編を乗り越えて4月から”大放談! ”も2クール目に。リスナーさんのアンケート結果では何故か上位に入っていると伺って嬉しいなあ、と。毎回何台もの機器を積んで往復800km弱の旅ですが、仕事というよりも誰かに会いにいくようか感じでワクワクしながらやらせて頂けるのは本当に有難いことです。

今回は4月放送分の収録で2本録り。最初はプロフェッショナル用のレコーダーやアナログレコードのカッティングマシン、マイクロフォンアンプ、イコライザー等々を含むレコーディング機器のみならず、ハイエンド民生用真空管機器で知られるイギリスのEAR(Esoteric Audio Research)の音をたっぷり聴いてみようということでヨシノトレーディングのKさんにゲストでお越しいただきました。設計者ティム・デ・パラビッチーニさんの主張やEARの音の魅力を実際自分の耳で聴いて確認できる2時間です。
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スタジオに登場した最上級真空管プリEAR 912。レコーディング/マスタリングスタジオでのプレイバック用にデザインされた多機能プリアンプです。スタジオ常設の我がSV-192PRO+SV-192A/Dも少々肩身が狭い(?)
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写真に写っているターンテーブルは同じくヨシノさん扱いのClear Audio。我が社も早く次モデルを立ち上げないと!!収録ではラックスマンのベルトドライブターンテーブル+オーディオテクニカAT33をリファレンスに使いました。
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最初に登場したのはEAR V12。EL84の3パラPPで50W/chのプリメインです。面白いと思ったのは電圧増幅段にECC83(12AX7)が5本/ch使われていること。回路図がなく詳細は分かりませんでしたが、Kさんによれば前作V20の回路の名残りとのことでした。Kさんの指示で単独でなくプリ(912)を使って音出し。やはりプリは必要なんだよね!という点で激しく同意!!

EARの音というと暖色系でしなやかさと艶があり、Kさんはこれを”Moist”(湿度感のある)と表現されていましたが、まさにそんな音。或る意味個性的でありながらも、一度この妖しい音に魅せられると他のブランドのアンプの音では物足らなくなる…そんなコアなファンに支えられているEARの世界観です。フワッとしたヴェールを一枚被ったような空気感が独自の世界観を作り上げています。
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続いて登場はEAR 890。ここからはアッテネータレスのパワーアンプです。このアンプはKT90のパラPPでステレオ70W/モノ140Wの切り替えが可能。EARのアンプは東欧製の現行球を使っていることが多いのですが、ボンネット越しに見えるKT90はJJ製かな?…という感じでした。もちろんEARマーク入りの選別品です。
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これが上からのショット。電源トランスが全面中央、出力トランスが背面左右にレイアウトされた独特のデザインです。これを見るとパラヴィッチーニさんが70年代に設計したマイケルソン&オースチンTVA-1に共通した何かを感じます。ちなみにパラヴィッチーニさんは一時期、ラックスに招聘されていたことをご存じの方も多いかもしれませんね。

この890はひと言で言えば更に”熱い音”。ざっくりと大きめの粒立ちを際立たせながら豪放磊落に鳴らすのに向いているアンプと感じました。日本製の真空管アンプでは決して聴けない何か…それが何かと言っても適当なワードが思い浮かびませんが、ある意味”追い込み過ぎない”良さというか、磨き上げすぎて音ばかりに耳が行ってしまいがちな現代オーディオに一石を投ずる存在としてこのパワーアンプの存在は愉悦的ですらあります。
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そして3機種目はEARのファーストモデルにして今でもリファレンスとして君臨するEAR 509。スタジオユースのために設計されたPL519のモノラルPP(100W/ch)です。PL519は元々TV用の水平出力管。私もこのアンプを聴くの初めてだったので興味津々でしたが、この509は他のEARアンプとは全く違った表情を見せました。

暖炉の前で人々が集うようなリラックスを感じさせるEARのイメージとは一線を画すシャープでハイディフィニッションな音。低域の締まり具合も他のモデルとは全く異なります。スタジオでのモニター用途というだけあって他のモデルよりかなり客観性のある表現で、V12や890からは聴こえてこなかった音のエッジも現代スピーカーとのマッチング上、有利といえます。初めてMarantz9を聴いた時のことを思い出しました。そんなリリシズムを感じさせる表現です。

Kさんとの対談のなかで、EARというブランドはオーディオ用途以外の真空管をファイナルに使ったり、Enhanced Triode Modeというある種エキセントリックな動作回路を発明したりされていますが、コンベンショナルな回路や真空管はなぜ使わないんでしょうね、300Bや2A3というタマは決してEARからは出てきませんね…という風に水を向けたところ、Kさんが仰るには既にあるものを焼き直したり改善して何かを良くするという発想ではなく、パラヴィッチーニさんば常に他にないもの、新しいものを指向しているんです…と仰っていました。ナルホドそれは素晴らしい!では半世紀以上前から基本は全く変わっていない真空管アンプと聴き較べてみたら面白くありません?…ということになって出てきたのがSV-192A/D+SV-91Bの組み合わせ。
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さあ、結果はどう出たか?…答えはオンエアを聴いていただく皆さんお一人お一人に伺うしかありませんね!放送は4/1(金)22:00~です!!

パラッビチーニさんはこう言ったとか…。

「オーディオ装置は独自の音を持ってはいけない。」
「入ってきた音を、そのまま出してあげるだけ。」

際立った個性を持った音として多くの愛好家に支えられてきたEARが、実はそんなことを微塵も意識せずに、自らにとって自然な音を追及してきただけ、というところが実にオーディオという趣味の深さを感じさせて素晴らしい!…心からそう思えた2時間でした。

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Kさん、素晴らしいプレゼンテーションどうも有難うございました!ご自身をデモンスレーターでなく”DJのような存在”と仰っていた言葉がとても印象に残りました。また秋のショーでご一緒出来るのを楽しみにしています!



by audiokaleidoscope | 2016-03-02 16:28 | オーディオ

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