二日間の試聴会が終わって会社に戻ってきました。何回やっても飽きることのない、そして毎回楽しかった!と思える私にとっての大切なイベントが終わってしまって少し寂しさもありますが、会場で回収させていただいたアンケートや感想メールなどをジックリ読ませていただきなから楽しかった2日間を反芻している…いまはそんな感じです。
会場にお越しいただけなかった方にも会場の雰囲気を味わっていただきたいと思い、写真を交えて少しレポートします。今回は三部構成でデモを組立てようと考え、一部:エントリーゾーン~中級モデル,二部:SV-300LB+SV-284Dダイレクトドライブ,三部:中級モデル~ハイエンドモデルという流れを設定しました。いつものように時間配分が下手で予定時間を大幅にオーバーしてしまいました。どうしても想いが募って”あれも知ってほしい”,"このことも伝えたい”…という気が勝り、いま思うと少し試聴会というよりもセミナーみたいな感じになってしまったかもしれません。それが反省点です。何回やっても難しいものです(笑)。
いただいたアンケートやメールを拝見していると今回も東北から山陽地方まで幅広い地域から東京に集まって頂けたことに本当に感謝している訳ですが、皆さんが興味を持たれたベスト5を挙げておきますと、
SV-300LB(左:
3/1予約受付開始)、そして300LB+
SV-284Dの直結の音に大きなインパクトを感じていただけた方が一番多かったようです。やはり300B+845は皆さん憧れの組み合わせという事なんだと改めて思いました。

そして予想通りの
SV-P1616D(
6月発売見込み)。かつてのSV-275のサウンドイメージの復活という点に古くからのキット屋を知って下さっている方にも歓迎していただけました。目標タマ別10万以下!!を目指して頑張ります。
そしてこれ。

Reference35…5インチポリプロピレンのクリア(透明)ウーハー+1インチシルクドームツイーターの組み合わせが織りなす量感と繊細感の融合を狙ったニューモデル(6月新発売見込み:
3/1予約受付開始)。実は初日一回目のデモの終わり頃に片chから異音が発生し、2回目のデモで音出し出来なかったのが返す返すも残念でした。次回6/25(土)~26(日)の東京試聴会ではリベンジさせていただきます!
そしてちょっと意表を衝いたのが
SV-192PRO(左下)。2008年に初代モデルSV-192Sを発売してから8年目。もう皆さんよくご存じ…と思ってあまり説明しなかったのですが、2日目に
ORT音源の音源を何曲かデモする時間を設けた際に、単なるサンプリングレート競争ではない本質的な音の自然さやダイナミックレンジ感の大切さをご説明し、現代のデジタルオーディオを我が物にする為には良質のD/A環境なくしては語れないことを改めてご説明出来たのは良かったと思います。

デモ後、会場にお越し下さっていたORTマスタリングを自ら手掛けていらっしゃるFさんとTさんから192PROをスタジオで試したい…と嬉しいオファもいただきました。ひょっとしたら…ORT+サンバレーのコラボが実現する…かもしれません。
そして
LM69(写真中央:
3/1予約受付開始)。昨年10月に試作を聴いていただいた訳ですが、その後ユニットのマウント方法を変更し、低域再生の品位が大幅に向上しました。6インチのスピード感と9インチの量感をフルレンジでお楽しみいただける私どもの新定番スピーカーです!

会場の様子も何枚かアップしておきます。

これは初日の開場直前に最終のサウンドチェックをしているところ。いつも一番緊張する瞬間です。

いよいよ開場。デモ開始までは”
真空管・オーディオ大放談”の収録音源でお楽しみいただきました。

いよいよデモが始まりました。私の言葉を真剣にメモして下さる方や気になった機器の資料にチェックを入れながら聴いて下さる方の熱意に負けないよう、私も真剣です。ちょっと気合が入りすぎて技術タームが多すぎたかも…次回への反省点です。

デモ終わりで質問に来られた皆さんと。此方が気づきを頂くことが多い大切な時間です。

金曜に
オートグラフを聴かせて下さったKさんと。SV-310の音をしっかり心に刻んで下さったかな?…またお邪魔させていただきます!
2日目は前日の雨と強風も収まってひと安心。恒例5時間デモの始まりです!

初日のデモの後、お客さま有志と食事会をやった際に伺ったご意見やご要望を心に秘めながらデモしました。いま思うと余りにネタが多すぎてポイントが絞り切れなかった部分もありましたが、次回への改善テーマとして課題としたいと考えています。

試聴会のフィナーレは恒例のプチコンサート。今回も
四家卯大さん(Vc),原田百恵実さん(Vn)のデュオ。四家さんの円熟のチェロはもちろん、四家さんが”この人はすごいですよ”と太鼓判を押すだけあって原田さんのヴァイオリンも実に素晴らしかったです。

原田さんがご自身の楽器の説明をされているところ。綺麗なだけでなく芯のある実に良い音色(ねいろ)でした。

それぞれソロを弾かれたあと、二人でラヴェルを弾かれているところ。チェロの胴鳴りとヴァイオリンの冴え冴えとした美音を間近で聴ける絶好の機会になったのではないでしょうか。こういう取り組みも継続して行っていきたいと思います!
最後に今回出品させていただいた機器群を改めて振り返っておきます。

SV-284D。いずれもステレオモードで左はブースターとして、右は300LB直結用に2台用意しました。

キット屋の歴史の中で初めて多極管の出荷が300Bを超えた記念すべき人気モデル、
SV-S1616D(多極管仕様)。メーカー完成品ではハイエンドモデルにしか採用されていない
KT150がキットで使えるところが人気の秘密?

そして同じく
300B仕様。
PSVANE 300Bのクセのない美しく揃った倍音を堪能いただけたのではないかと思います。女性ボーカル,クラシックに最適なアンプです。

今回が恐らく最後のデモになる
SV-19D。真空管アンプの多様性をここまで1台に凝縮したモデルは嘗てありませんでした。後継機SV-P1616Dにも頑張ってもらいたいと思います。

そしてこれがキット屋の標準機、
SV-501SEです。
Prime300Bver.5で300B群のなかで最も拡がる音場感を楽しんでいただけたのではないかと思います。

昨年のトップセラーモデル、JB-320LM。今回300Bは
Prime300Bver.4を奢りました。2A3/300Bコンパチ,ドライバーEL34/6L6系交換可能による多彩な音づくりが可能なモデルで、今回も注目を集めていたようです。

そして320LMのお姉さん?
SV-2300LM(2A3仕様)。全段交流点火のゾリっとした倍音を楽しめるプッシュプル/プリメインです。現代版ヴィンテージサウンドを奏でるアンプといえばコレ!

対照的に最も現代的な音を聴かせる
SV-128B(
KT120仕様)。低能率,低インピーダンスな現代スピーカーを完全に制動するドライブ力を秘めたレーシングカーのようなアンプです。

アメリカン5リッターV8のような余裕とスケール感で聴かせる
SV-8800SE。今回はKT88仕様で。いまや完成品で私どもから出荷されるアンプの約半数がこのモデルというまでにメジャーな製品に育てていただきました。

そして最後は押しも押されぬ私どもの4番バッター、
SV-91Bです。300Bの倍音と音の締まりと艶っぽさを高次元で両立させたモデル。ノンジャンルに楽しめ、一般的に三極管シングルでは到底制動できないスピーカーを鳴らし切るムチのような強靭さも兼ね備えたリファレンスモデルです。ファーストロットからはや13年…キット屋が続く限り91Bは不滅です!

最後に…今回もたくさんの方から陣中見舞いやお土産を頂いてしまいました。この場をお借りして改めて心より御礼申し上げます。”
打たないシュートは100%はずれる”…蓋し名言!!迷ったら止めるのではなく、迷ったらやってみる…これからもそんなキット屋でありたいと思います。
今回寒く足元の悪い中、お越し下さった皆さん、いつも遠方から応援して下さっている皆さんに心より感謝申し上げます。こんな私たちですが、今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます(拝)。