月イチ,土曜を使ってショールームを開放しよう。いつもの予約制じゃなくて好きな時に好きなだけ居られる気楽な試聴もいいじゃない!…そんな感じで始めて2年半あまり。実際続くんだろうか?…と思っていましたが、気が付けばスッカリ定着して欠かせない月例行事になったようです。
今回も新旧の仲間達がたくさん集まって、とても楽しい一日になりました。再生させる曲も話題もいつもと違って楽しいオフ会のような土曜日。

たとえば懐かしい昭和歌謡が流れたり(笑)。これはTさんが持ってもられた雪村いづみのEP。

Sさんが持ってこられたスタビライザーで試聴したり…。

こっちはお手製の重量級スタビ。プロ真っ青の加工精度!!

正面にはYさんとジョン・マクラフリンの2ショット写真(サイン入り)を置いて。LM69(量産版試作)とReference35(近日詳報:LS3/5aサイズの新ブックシェルフスピーカーの聴き較べをしたり。

別のYさんが持ってこられたWE618B input transformerとSV-310EQの特注MCトランスを聴き較べたり。この618Bが登場するのは3回目。
前回は”上品でトロッとした音だったのですが、どうも入力インピーダンスが最適値でなかったらしく、今回三度目の正直ということで再度道場破りにいらっしゃったという訳です。
今回聴いた音は今までの618Bの印象を大きく変えるものでした。ワイドレンジでないものの、中域の鮮やかさの比類のないこと!同じパーマロイコアでもこうも変わるか!というほどのインパクトがありました。

デュ・プレのボウイングのゾリゾリ感。ホールの最前列で聴くような近い音。

これはブレンデルのバッハ。クリアだけれども粗くない、近いけれども煩さがない…そんな音。前回はAWA(オーストラリア)のトランスの方が正直良かったように思ったギャラリーの皆さんも今回は”さすがウエスタン!”という納得の表情でした。
そんななか、今回の開放日の真打ちが登場。また別のYさんが持ってこられた自作のDAC。これが凄かった!

まあ何とも勇ましい外観でありますが、音は実にアナログ的繊細感に満ち満ちていて実に麗しい音。

これはCDトランスポートからAES/EBUでデジタル入力し、それを内部でDSDに変換していることを意味しています。クロックは
GPS10MHzをダイレクトに入力。

これが音のキモ。伺うところでは基板単位で頒布されている”DSD原理基板”というもの。DSDがPCMと根本的に異なるのはDSD信号が基本原理的にはアナログLPF(ローパスフィルター)を通すだけでアナログ信号に変換できる事。この基板はまさにそのローパス部分な訳で、SRC(サンプリングレートコンバーター)出力をダイレクト(言い換えればデジタル処理レス)にアナログ音声信号に変換しているという訳です。
この音がいわゆるデジタル臭さや音の硬さと言われるデメリットを殆ど感じさせないもので聴いている皆もそれまで蜂の巣をつついたようにワイワイガヤガヤしていたのがすっと水を打ったような静寂になって聴き入っていたのが印象的でした。
1ビット処理をした音はやや細身でパワー感が損なわれる…こういう意見が多かった訳ですが、この原理基板を使うとそういうネガティブな印象は殆どありません。

Yさん曰く、”案外この音はI/V変換用トランスが効いてるかもね”と言っていました。恐らくこれもマイクトランスでしょうから上の618Bと同様にトランスによる音の変化は極めて大きなものです。昇圧比1:5という低めのアサインもYさんの一つの拘りだったかもしれません。
こんな感じで毎回閉店予定時刻を超えて盛り上がるショールーム開放日。次回は3月5日(土)を予定しています!是非遊びにいらっしゃって下さい!!