今年最後の"
大橋慎の真空管・オーディオ大放談”の録りが終わりましたので、その報告を…。前回の
”タマ&コンデンサー交換公開実験”が非常に楽しかったので、今回も無理をお願いしてTさんにゲストで参加いただきました。
前回の収録は2016年新春特別企画としてテーマ:「
真空管アンプの魅力~タマや部品を替えて音を楽しむ~」(放送は前半:1/8,後半1/22)と題して行い、Tさんの超貴重なヴィンテージチューブの数々も含め挿し替え実験を行い、当事者である私にとっても極めて大きなインパクトがありました。放送で真空管アンプの球やパーツ交換による聴き比べというのは過去一度もなかったのではと思いますので、MUSIC BIRDに加入しておられる皆さんは是非聴いて下さい(MUSIC BIRD加入を検討されている方は
こちら に本ブログ読者限定の特典が書かれていますのでご一読を!)。
今回はその続編の二回シリーズ、題して「廉価帯キットアンプ総まくりテスト」と題してキットメーカー各社の人気モデルを何と10台(!)スタジオに持ち込んで聴き比べを敢行しました。
登場したアンプを羅列してみますと
(1本目:2/5放送)
①エレキットTU-8100(PCL86シングル)
②エレキットTU-8200(6L6GCシングル)
③アドバンスHC-2SE(2A3シングル)
④アドバンスHC-1SE(300Bシングル)
⑤アドバンスHC-5SE(EL34プッシュプル)
(2本目:2/19放送)
①トライオードTRK-3488(EL34シングル)
②トライオードTRK-300(300Bシングル)
③サンバレー9Tse(6GW8プッシュプル)
④サンバレーSV-19D(6V6/6L6系プッシュプル)
⑤サンバレーSV-S1616D(KT88系シングル)
という流れになります。正直機材の準備だけでも大変なことでしたが、リファレンス曲(
リーリトナー/サンワン・サンセット)で聴いていただくことで前回とは違う意味での成果…つまりメーカーによってこんなに音が違うんだ!(メーカー固有のサウンドがあるんだ)ということを感じて頂けると思います。ある意味リスナーの皆さんにとってかなり衝撃的な内容…”大放談”ならぬ”大砲弾”炸裂といえるかも。
Tさんも真剣に其々のアンプの音に向き合って下さいました。どちらかいうと"300Bの音",”KT88の音”という管種あるいは"シングルの音”,”プッシュの音"という括りで真空管アンプのサウンドをイメージしてきた事に加え"メーカー(作り手)の音”の差がこんなに大きいとは思っていらっしゃらなかったようでした。
現時点で各メーカーの音調がどうだ、とは書きません。ただニュートラル派と個性派という大きな二つの流れに大別できることは間違いなく、電圧増幅段(初段/ドライブ)のゲインの持たせ方とNFBの有無(あるいは深さ)がかなり影響しているなと感じました。どうしても定量的視点で評価しがちなオーディオ機器ですが、本質は全く違うところにあることを理解する大きなきっかけになるかもしれません。球の挿し替えなどにもトライして所謂"廉価帯"ゾーンのアンプにもこれだけの百花繚乱が存在することも理解いただけると思います。
アンプや球の入れ替えで兎に角バタバタで写真も抜け漏れがありますが…
小兵ながらキレのある音を聴かせた
TU-8100。先代TU-870で真空管アンプの素晴らしさに目覚めた方も多いはず。爆音は望むべくもありませんが、デスクトップあるいはニアフォールドで驚くほどのパフォーマンスを発揮してくれます!
続いて
TU-8200(標準仕様)。EL34,KT66,6550,KT88等の無調整挿し替えが魅力のベストセラーです。ヘッドフォン出力があるのも嬉しいですね。TU-8100同様色づけのないクリーントーン。
そして標準の6L6GCをKT88に差し替えて
TU-8200SVへ早変わり!KT88で聴くTU-8200はTさん曰く”タマが太くなった分音も太くなった!”。6L6GCよりもハイコントラストな音に変化。
アドバンスHC-2SE (2A3シングル)。個性派トーンの代表格と言えるかもしれません。音の厚みと膨らみに要注目!
こちらは
HC-1SE(300Bシングル)。キャリア20年近い大ヒットモデルです。
HC-5SE(EL34プッシュプル)。アドバンス唯一のフォノ(MM/MC)付プリメイン。ドライブ段を替えると音がずいぶん変化することを改めて教えてくれました。近日取扱い開始決定!
トライオードTRK-3488。非常にニュートラルで多極管シングルらしい音。
トライオードTRK-300。300Bシングルとしてはスッキリして端正な味わい。
音を聴いてTさんが”小さな巨人”と名付けてくれた
SV-9Tse。三役揃い踏みの中でウチのアンプはどう鳴ったか?…お楽しみに!!
これは
SV-19Dですね。TungSol 6L6Gとの相性バツグンでIプロデューサーが唸る一幕も。GD350B仕様と共に必聴!!
目下人気No.1の
SV-S1616D/KT150仕様。スカッと抜けながらも円やかさがあってTさんが持ってこられた
ジャシンタ”Here's to Ben”(LP)とのマッチングの良さは最高でした。…そんな訳で1月に続いて2月のMUSIC BIRDはファイヤーです。ご興味ある方は私どもの試聴室で是非リターンマッチをやりましょう!