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(11/2)ご開帳!

さきほどS1616(シングルいろいろ)アンプをホームページにアップさせていただきました。最低でも1年近く、長いものでは2年以上かかって陽の目を見るこの瞬間の感激は何度味わっても他に代えがたいものがあります。

前にも書きましたが、このアンプは私ども(というか私)の原点そのもの。理屈も何も分からずにその昔、初めて作った6L6GCシングルの”作る歓び”,”完成の感動”を一人でも多くの方と改めて共有したいという想いから企画したものです。私が苦労した大昔、回路図と白黒の手書き実体図が一枚ついていただけで、分からないところを訊こうと及び腰で電話すると”絶対に作ってやろうと言う気持ちがあれば必ず出来る筈だ!”と喝!を入れられて”なにくそ!”と奮起して組み上げたあのアンプがくれた感動があったからこそ、今日のキット屋が存在すると言い換えてもいいかもしれません。モノづくりという言葉がだんだんと私たちから遠ざかっていくような気がしてならない昨今。今だからこそこういう製品があってもいいように感じています。

ホームページにアップするにあたって、改めて3台(2A3/300B/多極管)を鳴らし較べています。その印象は各製品ページに認(したた)めさせて頂きましたので改めてご覧いただければ幸いです。
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左からWE300B,GD 2A3 premium,KT150仕様の三役揃い踏みです。
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2A3仕様はとても懐かしい音。決してナローとか旧い音という訳ではなく内向きの渋い倍音がとても良い感じです。これで50年代~70年代辺りのフロアスピーカー辺りで鳴らすと、まさにヴィンテージな薫りに包まれる筈。それはまさに”真空管アンプのアジ”と言い換えても良いかもしれません。

どちらかいうと300Bの陰に隠れて目立たない存在の2A3。JB-320LMで評価を頂いた張りのある輝かしい2A3サウンドとは対極的な枯淡の境地、”ガス燈”のような仄かな音の揺らぎを感じて頂けると思います。
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続いて多極管仕様です。多極管で人気ナンバーワンは言わずと知れたKT88な訳ですが、今日はKT150で鳴らしています。これが実に素晴らしい!以前KT120はシャープなエッジで聴かせる球であるのに対しKT150は中域的な厚みのある球であることは申し上げた通りですが、このアンプでは更にその特徴(魅力)が明示的に表出しています。

敢えていえば三極管的な量感と倍音。ただその倍音は300Bの二次高調波タップリの300Bサウンドとは少し異なって、濾過されたような美しい空気感とでも言えばいいでしょうか…密度感とは違うたなびくような音場が現れるさまはまさにオーディオ的快感に満ち満ちています。これは是非聴いて頂きたい音です。
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そして横綱300B。標準のダイオードモジュールを整流管(5AR4)に替えて聴いていますが、出力ではない量感の豊かさでは”さすが300B!”と唸らざるを得ない何を持っていることは間違いありません。

嘗て”巨人,大鵬,300B”と云った人がいます。決して物量投入型ではないこのSV-S1616Dが実は最も真空管それぞれの”素材感”をそのまま出しているのかもしれない…と感じさせるほどの300B,2A3,そして多極感の持ち味を満喫しています。

再来週あたりから出荷前チェックでいち早く1台組むことになっていますが、早くも作りたくて腕が鳴る鳴る!ここのところ基板アンプが多かったので、久しぶりに若かりし頃に戻ってモノづくりの素晴らしさを満喫させていただくつもりです。

皆さんも一緒にどうですか?この素晴らしき趣味の王様の魅力を心ゆくまで楽しむひと時。まさに私がキット屋という屋号を考えたその意味がこのアンプに凝縮されています。



by audiokaleidoscope | 2015-11-02 17:56 | オーディオ

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