(11/2)ご開帳!
2015年 11月 02日
前にも書きましたが、このアンプは私ども(というか私)の原点そのもの。理屈も何も分からずにその昔、初めて作った6L6GCシングルの”作る歓び”,”完成の感動”を一人でも多くの方と改めて共有したいという想いから企画したものです。私が苦労した大昔、回路図と白黒の手書き実体図が一枚ついていただけで、分からないところを訊こうと及び腰で電話すると”絶対に作ってやろうと言う気持ちがあれば必ず出来る筈だ!”と喝!を入れられて”なにくそ!”と奮起して組み上げたあのアンプがくれた感動があったからこそ、今日のキット屋が存在すると言い換えてもいいかもしれません。モノづくりという言葉がだんだんと私たちから遠ざかっていくような気がしてならない昨今。今だからこそこういう製品があってもいいように感じています。
ホームページにアップするにあたって、改めて3台(2A3/300B/多極管)を鳴らし較べています。その印象は各製品ページに認(したた)めさせて頂きましたので改めてご覧いただければ幸いです。
どちらかいうと300Bの陰に隠れて目立たない存在の2A3。JB-320LMで評価を頂いた張りのある輝かしい2A3サウンドとは対極的な枯淡の境地、”ガス燈”のような仄かな音の揺らぎを感じて頂けると思います。
敢えていえば三極管的な量感と倍音。ただその倍音は300Bの二次高調波タップリの300Bサウンドとは少し異なって、濾過されたような美しい空気感とでも言えばいいでしょうか…密度感とは違うたなびくような音場が現れるさまはまさにオーディオ的快感に満ち満ちています。これは是非聴いて頂きたい音です。
嘗て”巨人,大鵬,300B”と云った人がいます。決して物量投入型ではないこのSV-S1616Dが実は最も真空管それぞれの”素材感”をそのまま出しているのかもしれない…と感じさせるほどの300B,2A3,そして多極感の持ち味を満喫しています。
再来週あたりから出荷前チェックでいち早く1台組むことになっていますが、早くも作りたくて腕が鳴る鳴る!ここのところ基板アンプが多かったので、久しぶりに若かりし頃に戻ってモノづくりの素晴らしさを満喫させていただくつもりです。
皆さんも一緒にどうですか?この素晴らしき趣味の王様の魅力を心ゆくまで楽しむひと時。まさに私がキット屋という屋号を考えたその意味がこのアンプに凝縮されています。