(10/29_2)二人の聴講生
2015年 10月 30日
多少なりともオーディオに興味と知識がある方であれば、必ずご存じの”DIATONE”(ダイヤトーン)ブランドを作り上げた方、言い換えれば日本のHiFiスピーカーの父と呼ぶべき佐伯多門先生がわざわざ収録のために郡山からお越し下さいました。

そしてもう一人…。知る人ぞ知る、元祖”女子オーディオ”、元祖”リケジョ”(ご本人は厳に否定されていましたが)のAさんにも声をかけました。Aさんとはかれこれ10数年のお付き合いで知り合った当初からDIATONEをこよなく愛し、自宅は或る意味”ミニDIATONEミュージアム”の様相を呈しています。何度かオーディオ雑誌等にも登場されているのでご存じの方もいらっしゃるかもしれません。そのAさんから”佐伯さんは私の神”、”一度でいいから直接お話を…”とずっと前から伺っていたので、このチャンスを逃したらAさんとの約束が反故になってしまうと思い、連絡申し上げたところ収録に駆けつけて下さいました。
佐伯さんが三菱に入社したのは昭和29年とのこと。まだ70代半ばでいらっしゃると思っていたのですが、既に傘寿を迎えておられると伺ってびっくり。半世紀近く前のことを昨日のことのように淀みなく話される佐伯さんを前にして、瞬時に”今日は佐伯さんのDIATONE物語をAさんと二人で聴講する感じでいこう”と構成を変更しました。私が途中で変な茶々を入れて話が迷走するのを避けたかったという想いもありましたし、何より”これは2時間じゃ足らないかも…”と思ったからでもあります。
P-62F(’48)に始まり真空管アンプファンにもお馴染みのP-610(’58),60万台の大ヒットDS-251(’73),DS-505(’80),DS-5000(’84),DS-10000(‘85)等…それぞれの時代を彩った名機の数々の特徴や思い出話を色々と聞かせていただきました。
佐伯さんはDIATONEの歴史そのもの。DIATONEは日本のスピーカーの歴史そのものといっても良いなかで、DAITONEが他社のスピーカーと一線を画するのはモニタースピーカーという背景を常に持ち続けたこと。その徹底した拘りが半世紀もの間、些かも揺らぐことなく受け継がれたというのはまさに”MADE IN JAPANの誇り”とでも言うべきものであることを改めて学びました。
Aさんが言っていました。DIATONEの音は結局佐伯さんのお人柄そのもの…日本人的な精密さや生真面目さがDIATONEサウンドの基本である、と。まさにその通りだと思ったひと時でした。素晴らしい講義を聴かせていただけてとても感謝しています。
放送は12/25。是非お聴き下さい!
