(5/18)続編~では何故真空管アンプを選ぶのか?
2015年 05月 18日
昔からオーディオには色々な「神話」があります。トータル予算が100万なら半分(50万)をスピーカー,4割(40万)をエレクトロニクス,のこり1割(10万)がケーブル…的な。これはこれで一つの目安としては間違っていないと思いますし、オーディオにおける主役がスピーカーであるという店には共感も出来る主張です。
しかしながら、そう考えると昨日のNさんのパターンで言えばSV-8800SEの価格では桁が一つ足りません(笑)。プリ,パワーを同額で計算してもそれぞれ200万ぐらいの機器が必要になる計算になります。皆さんもそう考えられるでしょうか?

そんなOさんが真空管アンプを選ぶに至った経緯…それは”半導体機器で真空管のような音を出すことが出来ないかというと私は出来ると思います。ただ非常にコストがかかるんです。あと機器の組合せが極めて難しい…。”と仰ったことが非常に印象的でした。確かにOさんのシステムはケーブル1本で大きく音が変化する高忠実さを有しながらも、極めてクリティカルなバランスの上に成り立っている…そういう側面がありました。その点、真空管アンプの音の自然さ、鷹揚さが多くの現代ハイエンドスピーカーのユーザーさんにとってOさんと同様に大きな魅力であることは容易に想像ができます。それは”音楽との距離感”の違いと言い換えてもいいかもしれません。
結果OさんはSV-310EQ+SV-310+LM91Aの真空管システムを構築されました。”既存の半導体システムも良いが、タマの音も非常に気に入っている”…というご連絡を頂いて本当に嬉しかったことを覚えています。
真空管アンプの良さはその”素材感”にあり、と言えるかもしれません。オーディオを料理に喩えるならば、満艦飾のフルコースも良いけれど、精進料理の一汁二菜にこそお米や野菜の本当の味わいや、その時々の季節感を感じる…という方も少なからずいらっしゃる、というお話です。
オーディオを物理特性や価格という呪縛から離れることで見えてくるものがあります。それは「真空管アンプの楽器性」という言葉で総括出来るのかもしれません。
ちょうどこのブログを書きながら電話が鳴りました。Wilson AudioのSystem5用の真空管アンプは何か良いだろう?…というお問い合わせです。皆さんならどのアンプをお奨めになるでしょうか。それぞれの答えにその人の音楽観,オーディオ観が秘められているのです。
