(4/22)あるパーティにて
2015年 04月 22日
スピーカーはLM755 Classic Floor System。アンプはSV-2300LM(2A3)で恐らく実出力は2.5W~3W程度。ボリュームの位置は試聴室と殆ど変らないのに、実にゆったりと朗々と鳴る。こういうのを「部屋全体が鳴る」感じというのかもしれない。ゾクゾクするほど気持ちいい。
BGM担当ではクラシックを小音量で鳴らすことが多い。今日はクライアントの要望もあってハードバップとジャズヴォーカル中心で、BGMとしては少し音も大きめ。そのせいもあってか、硬めのパーティの割には賑やかで話も弾んでいる。
主催者事務局も「去年よりもお酒も食事も進んでいるみたいですね」と嬉しそう。そのうち少しアルコールが入った人たちが機器の前に集まって来て”私なんか耳が悪いから良さが分からないけどね。でも良いもんですね」という感じで声をかけては去っていく。
…耳が良いからオーディオが好きになる訳じゃないし、耳の感度もきっと大差ない。オーディオが好きな人は耳じゃなくて心の感度が高いんです…そう思いながら次々に選曲していくうち、だんだん自分が高揚してくるのが分かる。まるで自分の出している音と会場の方々の笑い声がシンクロしているようで嬉しい。
沢山の人の耳に入っているこの音がどう届いているのか…それは分からない。でもこの部屋の天井のシーリングスピーカーからいつも出ている音と何が違うか。それは「良い音で鳴れ!」とどれだけ思って鳴らすか…だけかもしれない。
この想いを共有できる人を捜し求めるような気持ちでこの仕事を初めて、気が付いたら17年。今日も一人でも良いから「心で音を感じられる」人との出会いを待っている自分。
明日はMUSIC BIRD収録。マイクに向かう、その想いも真空管アンプを鳴らす時と全く変わらない。求めるのは「心で音楽を楽しめる人」…。