(4/12)CV4003/M8136の魅力
2015年 04月 12日
昨日は午前中、会社ショールームにHさんをお迎えし、真空管の差換えによる音質変化の確認試聴。午後からは「オートグラフを聴く会(その1)」でした。後者については改めて書きます。
ところで皆さんは真空管の差換え(グレードアップ)というとどんな球をイメージされますか?多くの方がまず出力管…とお答えになるのではないでしょうか。勿論それで間違いないのですが、では電圧増幅管(初段/ドライバー)の差換えについてはどういう意見をお持ちなのでしょう?「そんなに変わらないよ」と思っておられる方も多いのかもしれませんね。
これについてはアンプの設計とも関連してきますので、効果の有無を一概に言えるものではありません。他方、適正なオールオーバーゲインを有し、各増幅ステージのゲイン配分が適正なアンプでは必ずと言っていいほど効果を体験いただけると考えています。
最近は音質評価の高い所謂ヴィンテージ球については10年で価格が約倍になるというインフレ状況で且つ今後の入荷も期待薄というなかで、例えば12AX7(ECC83)系ではTelefunken辺りで一本300ドル前後で推移しているものも出てきています。高域がクリアで締まった音をお好みの方はTelefunken、対してMullardは評価は中域の円やかさという感覚が受けているのでしょう。
そんななかで12AU7(ECC82)系でずっとNo.1の人気をキープしているのがMullard CV4003/M8136です。この球を取扱いだして、もうじき10年位になると思いますが、「U7系はこれで決まりですね!」という方がとても多く、ここ数年はオーディオ系だけでなくギターアンプのチューニング用にお求めになる業界関係者も随分増えています。ギターアンプに関しては出力管以上に初段管の音のニュアンスを重視する傾向が強いのは興味深いところです。
先日H邸を訪問した際にも愛用のVP-2500SE(完売)に関して「初段をCV4003に換えたらどうなるんでしょうねえ」と興味津々というご様子でしたので、ご自身の耳で確認してごらんになっては?とお奨めし、昨日アンプ持込で会社にいらっしゃっいました。チェック用の音源はDiana Krallの「The Girl In The Other Room」。ショールーム出現率の高い音源の一つです。その他にもアルゲリッチのライブ盤なども携えておられます。



オーディオ的にこれを説明するなら、よりアナログ的な密度感と言うのでしょうか。分かりやすく言えばキメ細やかで倍音が全帯域に亘り揃っているリッチな音・・・この球でHさん自らがその感覚を体験されたことは私にとってもとても嬉しいことでした。
VP-2500SEではPX25を4本使っています。もしこれをOsrum PX25/VR40に替えると今や約40万円の投資。その約1/10の投資で音のグレードアップが図れるというのは私どもにとっても嬉しいこと。中でも12AU7系のなかで不動の4番なのが、このCV4003/M8136なのです。
