(2/12) TU-8500(プリアンプ)キット販売決定!
2015年 02月 12日
昨日、待望のTU-8500(エレキット新製品:プリアンプキット)のデモ機が届きました。早速試聴させて頂きましたので、その印象を報告したいと思います。
同価格帯のプリとしてSV-3がありますので、その音質との比較を意識して試聴した訳ですが、真空管プリアンプとしては極めてフラットな音質で、高域の明るさが印象的です。


元々はパワーアンプがハイゲインだったりスピーカーが高能率だったりして音量調整がクリティカルである場合にプリ側のゲインを抑えて音量調整を容易にする目的で設置されたものですが、ここの入/切で大きく音質が変化する非常に重要なポイントであることを理解する必要があります。
回路的にはNF(帰還)量を切り替えている訳で、ゼロゲインモードの方が当然のことながらNFが深い状態ですが、このモードではほとんど真空管プリであることを意識することのない音です。非常にスッキリしていて量感にも変化がありません。良い意味でサラサラした音というと分かりやすいかもしれません。
ゲイン10dBモードでは音の元気が出て音質的にも真空管らしさが出てきます。僅かに高域に滲みが出ますが、基本的にTU-8500の音はこのモードであると理解する方が良いでしょう。PHONO入力では試聴室のSV-A1(DENON DL-103SA)で試聴してみましたが、SNの良さが際立つ音でフォノEQとしてはかなり優秀だと感じました。


これは12AU7族でも球によって出力インピーダンスが異なることから球を交換した場合に最適化できるという意図と思われます。プリアンプのカップリングは通常はリニアリティ重視でフィルムコンを使うのが基本ですが、個人的には少し音を作って真空管プリらしさを出す為にC15/16は敢えてオイルコン化もあり・・・と感じています。
SV-722の出力コンデンサをJENSENに替えると効果絶大というネタが嘗て非常に流行りました。基本的な音調がかなり明るめですので、この部分は音作り的には重要な部分です。SV-3の場合はASC X363辺りと交換して音を締めるチューニングをする場合が多いので、或る意味対照的で面白いですね。

ここはPHONOの昇圧部分ですのでOPアンプによってノイズ特性が変化することに注意が必要ではありますが、皆さんご存じの通りOPアンプでかなり音質が変わりますので、手持ちがある方は替えてみて変化を確かめるのは決して無意味ではありませんが、元々真空管派でOPアンプと言われても???という方はこのままで良いでしょう。
個人的にはゲイン10dBモード,真空管はMullard CV4003,終段のカップリングをオイルコン化することでかなり音質向上が見込める素性の良いプリだと感じました。今日じゅうにホームページでアップを予定しています。作り甲斐,触り甲斐のある良いキットです。