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(10/26)管球PA & ライブレコーディング

今日は名古屋のカフェでライブ。とはいえお客さんとしてでなく裏方として。
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きっかけはひょんな事から。今から三年ほど前、名古屋のとあるバーに飛び込みで入った時に偶々聴いたアコギ一本のライブ。そのライブがとても良くてCDを買ってからご本人とSNSでも交流させて頂いてきました。全国津々浦々で年間300本以上のライブをやるそのアーティストは森香さん。その森さんから数か月前、”名古屋のカフェで真空管のPAを入れてライブをやりたいんですが…”とご相談を頂きました。この手のノウハウはありますし真空管アンプの響きとアコギの相性の良さは自分が一番よく分かっていますので二つ返事で”喜んで!!”ということになり、当日を迎えたという訳です。
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会場について早速セッティング開始。マイクは空気感を重視しギターでダイナミックマイク2本。一本はネックエンドを狙い、もう一本はサウンドホールを狙います。ヴォーカルはコンデンサーマイク。あともう一本コンデンサーマイクをアンビエンス(残響用)にも立てました。
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アンプはSV-P1616D/KT150。スピーカーはY-25ver.2です。とりあえずセッティングして森さんに弾いてもらって音の感じを掴もうと思ったのですが、ここからが大変。非常に広いカフェで極めてライブな空間であることは良しとして、レイアウト上どうしてもスピーカーを森さんの後ろに置かざるを得ません。これは通常あり得ないことでスピーカーから出た音をマイクが拾いフィードバック(ハウリング)が極めて起きやすい環境です。事実フェーダーを微妙に突くだけで見事に大きなフィードバックが発生します。更に今回は森さんが音に拘ったライブを…ということでギターは曲に合わせ3本持ち替え。ギターを弾く方はよくご存じだと思いますがギター毎に鳴り(音量)が全然違うので、ギターそれぞれでフィードバックレベルも異なるという状態でした。

通常はイコライザーやコンプレッサーを使ってピークを抑えて対策するのですが、今回のチャレンジとしてライブの模様をハイレゾ(96k/24bit)でライブレコーディングすることにしていたので、なるべく余分なプロセッサーを通さずピュアな音で録音する事を優先。とにかく全てを耳と指先に託して本番に臨みました。後から一切いじれないミキサーアウト直のダイレクトカッティングなのでギターとヴォーカルのバランスも極めてクリティカル。幸い本番では一度もフィードバックが起きず本当にホッとしました。

少々意外だったのが、こんな感じでPAを真空管でやっても興味を持たれる方はそんなに多くないのですが、今回は前半と後半のインターバル時にP1616Dの写真を撮られる方や”やっぱり音が違いますねえ”と声を掛けて下さる方が多かったこと。中には真空管アンプのユーザーさんもいて大変心強く感じた次第です。

ライブが終わって同録音源を直ぐプレイバックすると多くの方がライブの余韻に浸るように、森さんのライブを反芻するようにじっと聴いて下さっています。バランス的にも良好で自分としても満足のいく音響担当のお手伝いができたかな、と思っています。

PAは鳴ってないようで実はしっかり鳴っているのが理想。ラウドであるほどクリーンである必要もあります。オールマイク録音の難しさと美しさを体験させていただき、とても楽しい夜になりました。
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マスターのOさん(左)、森さんと一緒に記念撮影。また一緒に出来る日を楽しみにしています!!有難うございました!




by audiokaleidoscope | 2017-10-27 11:57 | オーディオ | Comments(0)

(10/12)これぞまさしくモノづくり

ショールームも元通りに戻って今日から試聴室オープン。最初のお客さんは先月SV-P1616Dの試聴にいらっしゃって早速キットを組まれたUさん。早くも次のターゲットということで今回はSV-S1628Dをショールームで受け取りがてら完成したばかりのP1616Dを持ってお越しになられました。

Uさんは喜寿。40年くらい前に作ったきりでアンプ作りは超ひさびさ…とのことでしたので何らかのサポートが必要かも…と内心思っていたのですが、アンプを拝見して驚愕!!
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左が”素”の状態。右がUさんが組み立てたP1616D。回路変更は全くされていないとのことですが、別のアンプと見間違うほどシックにドレスアップされていています。伺えばトランス類は自分で手塗り、シャーシも黒く塗った上に特注の金メッキの板金を重ねて、サイドにはウォールナット特注の化粧板をお付けになった由。そして銘板もご自身でパソコンでデザインを起こして追加されていらっしゃいます。

驚きはこれだけではありません。フロントパネルに標準にはないスイッチとLEDがあるので「これは?」と伺うと謎が解けました。初段とドライブ段のMT管をLEDでライトアップされたとのこと。
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これがライトアップされた状態。試聴室のダウンライトを少し落とすと更にきれいにグリーンが浮かび上がってきます。Uさんは「1628Dもこんな感じにしようかと思ってるんです」とニコニコされていらっしゃいました。このような言い方が適切かどうかは分かりませんが、傘寿を3年後に控えられた大先輩のどこからこのような情熱が沸き上がってくるのか…先月お会いした時に「手配線なんて出来るだろうか」と仰っていたUさんが別人に見えました。1628Dが出来上がったらまた見せて下さいね!とお願いしておきました。

今日のひと言…人間って凄い!!心からそう思った私でした。




by audiokaleidoscope | 2017-10-12 12:06 | オーディオ | Comments(0)

(9/14)徹底研究シリーズ SV-91B, SV-P1616D/多極管仕様

今日はMUSICBIRD収録。今回は”徹底研究シリーズ”としてパート1:SV-91B,パート2:SV-P1616D/多極管仕様を取り上げました。
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まずはSV-91Bの回(オンエア11/10)では真空管アンプの音を決定づける重要な要素として

・出力管の選択(三極管,多極管)
・回路形式の選択(シングル,プッシュプル)


以上で人間でいえば骨格が決まり、そのうえで音に重要な影響をおよぼすものとして配慮すべきは

・出力管の動作点の決定
・ゲイン配分
・十分な電源回路


が基本です。ここでアンプのキャラクターの約70%が決まり、特性的な部分はほぼ決まってくるということになります。一方で残り30%をどう追い込んでいくかが実は最も重要で楽器であれば”鳴り”に直接大きな影響を及ぼす”キモ”の部分と言い換えることもできます。料理でいえば立派な厨房設備と最高級の素材と完璧なレシピがあっても最後は人の手でいかに食べる方に美味しく食べて頂こうという”思いやり”があって初めて本当に美味しい料理が出来るのと一緒です。

オーディオでも同じで特性は素晴らしくても音に魅力がない…言い換えれば心に響いてこないものも沢山あります。今日はSV-91Bを素材に使い残り30%の味付けによって音がどう変わるかを実際にスタジオで検証実験を行いました。まずはNFBの変更による音の変化(無帰還,帰還量(小),帰還量(大)の比較)です。

NFBとは

増幅回路のなかで歪みが生じていると、出力側に歪んだ波形が現われます。歪んでいない入力波形と歪んだ波形とが比較され、引き算の結果である差分を入力に戻すことで出力波形に現れる歪み分をキャンセルしようというのがNFBの基本です。

①無帰還
②帰還1.7dB(Rnf=47k) 初期モデル標準
③帰還4.5dB(Rnf=15k) 現行モデル標準


理論上は帰還量が多ければ多いほど諸特性が改善する筈ですが、実際はそうならない訳でむしろ深すぎる帰還は音の鮮度が失われるだけでなく、最悪の場合アンプを破壊する極めてクリティカルな部分です。

続いて行ったのがカップリングコンデンサーの交換による音の変化をリアルタイムに聴く実験です。これは面白かった!

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標準DEL RITOMO

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グレードアップ JENSEN 0.1uF(銅箔)

カップリングコンデンサーとは

真空管同士を繋ぐコンデンサカップリングコンデンサーと言います。コンデンサーは交流電流は流しますが直流電流は流しません。音楽信号は交流なので次の真空管へ流れますが、真空管の出力電圧は直流なのでカップリングコンデンサでカットされる仕組みですが、ここが音質に与える影響は極めて大きなもので一般にパワーアンプではオイルコンを用いることが音質改善に与すると言われています。SV-91Bでは標準でもオイルコンが採用されていますが、更に音質を向上させるための決定打がJENSENです。

①標準(デル・リトモ オイルコン 0.1uF)
②JENSEN 0.1uF
錫箔
③JENSEN 0.1uF銅箔

を比較した訳ですが、錫泊と銅箔の比較はこの番組でも初の取り組みです。繊細感重視の場合は錫,エネルギー感重視の場合は銅になる訳ですが、その如実な音の違いがスタジオで確認できました。

以上を比較した結果、帰還量4.5dB(Rnf=15kΩ),カップリングJENSEN銅箔が最も好ましいという結果が出たので、これをデフォルトとして次に

真空管による音の変化を確認しています。

①標準(LM310A-Prime300Bver.4-GD274B)
②PSVANE WE仕様
③オールWE(刻印)

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標準仕様

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オールWE仕様(WE310Bメッシュ-WE337Aメッシュ-WE300B-WE274B)すべて刻印40’s

この部分に関してはオンエアでその差を感じて下さい、としか申し上げようがありません。あえて言葉で表現するとすれば標準,PSVANE WE,オールWE(刻印)と聴き較べていくなかで深み,懐の深さ,陰影といった部分において明示的な違いが現れていることを理解頂けると思います。

続いてはパート2(オンエア11/24)ではSV-P1616D/多極管仕様の最大の魅力であり特徴である様々な出力管の無調整差し替えを通じて真空管アンプの最大の魅力である豊かな楽器性を楽しんでいただきます。従来と異なるのは電圧増幅段(初段/ドライブ段)の差し替えを行ったこと。大変興味深い結果が出たことをお知らせしておきます。

1.電圧増幅管の変更
①GD12AT7/GD12AU7(標準)
②JJECC81/JJECC82
③JJECC81/Gold LionECC82
④TelefunkenECC81/Mullard CV4003

ここで素晴らしいパフォーマンスを発揮したのはGold LionECC82でした。正直あまりマークしていなかっただけに、その見事な力感とレンジ感にスタジオにいた全員が唸ったというのが正直なところです。

続いて行ったのが

2.出力管の変更
①Golden Dragon EL34/6CA7
②TUNG-SOL 6L6GC STR
③Gold Lion KT66
④Gold Lion KT88
⑤GD 6550C
⑥TUNG-SOL KT120
⑦TUNG-SOL KT150
⑧GEC KT88(オリジナル)

の比較。電圧増幅段は評価の高かったJJ ECC81/Gold LionECC82に固定して各種出力管の音を比較した訳ですが、同ブランドの強みかGold Lion KT88のパフォーマンスが非常に印象に残りました。その他TUNG SOL 6L6GC STR,GD 6550C,TUNG SOL KT150なども好表現であえるなかで、やはり別格だったのはオリジナルGEC KT88の音でした。

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TUNG SOL 6L6GC STR

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Golden Dragon 6550C

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Telefunken ECC81,Mullard CV4003,GEC KT88


…こんな感じの収録でした。私自身にとってもいくつかの気づきがあり、楽しい収録になりました。詳細は是非オンエアで!!現在コミコミLightが大好評ということでリスナーさんもドンドン増えているそう。出る側も更に頑張ります!!




by audiokaleidoscope | 2017-09-15 08:26 | オーディオ | Comments(0)

(8/21)夏休みレポートと久々のショールーム開放日!

今日から全員そろっての業務再開。考えてみると西や東にこれだけ動いたお休みは久しぶりだったと思います。色々と大変ではありましたが無事終わったなあ、と。残念だったのが自分のモノづくりが殆ど進まなかったことで、組みたいアンプのパーツが3台分も家で待っているので、何とか時間を見つけて早く仕掛かりたいものです。

キットを購入いただいた皆さんからはこのお休みの成果をメールや電話でたくさん頂戴しています。初めてのキット製作で苦労するかと思ったけど意外とスンナリ行ったという方もおられれば、原因不明のノイズに悩まされて散々探した挙句アース配線を一つ忘れてることに気づいたとか、バイアス調整の方法がイマイチわからん!とか何百キロも離れた仲間と一緒にアンプを覗いているようなイリュージョンを味わった日々でありました。

そんな中でMさんから届いた一枚の写真。SV-P1616D/多極管仕様をベースにモディファイされている実例です。
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ざっと着手部分を伺うと…

【シャーシ】

信号伝送系と電圧増幅系シャーシ部に銅箔追加(非磁性化対策)。電圧増幅段が乗っている部分は表と裏全て銅箔で包み込んでみました

【信号伝送】

高性能Audioケーブルで配線(6N系で伝送方向指定ケーブル)

【入力信号処理】

470kシャント抵抗はAudio用リケノーム品に変更。入力抵抗は2.2kに変更の上、金属抵抗(誤差1%品)に変更

【Power段の結合】

0.47μ品のAudio品に変更(耐圧650V)

【カソード抵抗のシャント用コンデンサ】

今回はメタルクラットの代わりに高域改善用フィルム系コンデンサを並列挿入

【電圧増幅段のデカップ処理】

マロリー社製電解コンデンサ50μFを追加

【GNDラインの引き回し】

6N銅+金メッキ+絶縁スリーブ品の単線で処理。SP端子からのリターン線は6N線材を使用

【ヒータ配線系】

電圧増幅段のヒータ配線は非磁性化処理を施し、電力増幅段のヒータ配線は要所に非磁性化処理してシャーシに固定

【シャーシGND】

シャーシGNDポイントの位置を変更してみました。GND点の塗装は剝して菊ワッシャーを介して1点GND処理しました。電源ケーブルのGND端子も、当該GND点に配線してあります。非磁性化処理した銅箔フィルムはシャーシ本体と電気的には多点で接続されております。

【電源トランスの固定】

トランスとシャーシの間に干渉材を挿入し、シャーシ側は銅箔を追加

【出力トランスの固定】

トランスとシャーシの間に銅箔を追加。銅コアーリング材を追加。防振材を内部に追加


…という内容で車でいえばフルチューンに近い改変がなされているようです。フルチューンとはいっても車でエンジンだけチューンナップしても足回りがついてこなければ何の意味もないように、アンプもすべては極めて微妙なバランスの上に成立した適切なヴォイシングあってのもの。Mさんのように基本を押さえながら経験に裏付けられた様々な施策はなかなか出来ることではありません。キットというのは一つの素材であって皆さんそれぞれの「オレ流」を存分に発揮されるのも趣味ならでは。パーツを替えないまでも何年か前の自分の配線を見て、「よし!もう一度やり直してもっと美しく仕上げるぞ!」というのも立派なグレードアップであろうと思います。自分で責任が負えるというのが大前提ですからね。こういうガッツある仲間もいるんだ!という一つの事例としてご紹介させていただきました。たいへん光栄なことです。

ところで久しぶりのショールーム開放日を9/2(土)10時~17時に行うことになりました。たくさんの方から「次はいつ?」とお問い合わせをいただきながら殆ど土日なく動いていた数か月間でした。少し涼しくなって時期的にも良いタイミングですので一日多くの皆さんと交流させて頂きたいと思います。

いつものように道場破り大歓迎!キットの鳴き較べや自作機器の持ち込みも大いに楽しみです。ネタは皆さん次第!楽しくやりましょう!お待ちしています!!



by audiokaleidoscope | 2017-08-21 14:09 | オーディオ | Comments(0)

(10/4)TU-8340 vs SV-P1616D/多極管仕様 (序章)

まだ一般の皆さんには告知前ゆえ密かに弄っていたのがこのアンプ。メーカー担当M氏から情報解禁のお触れが出たのでまずは第一報を…。写真(右)がエレキットの新製品”TU-8340”です。今週末の真空管オーディオフェアで我がSV-P1616D/多極管仕様と公開比較試聴をする予定なのですが、形式的には同じ多極管プッシュプルパワーアンプでありながら回路設計の考え方やキットとしてのモノづくりの在り様は大きく異なっています。両機は色んな意味でこれから比較されていく存在になるでしょう。
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サイズはTU-8340の方が少し大きめ。トランスカバーが一体化されています。サンプルには12AT7,EL34ともにJJが付属していました。量産でもこの組み合わせになるようです。
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これがシャーシ上側を外したところ。私どものアンプは昔ながらの機構設計になっていて、いわゆる”弁当箱シャーシ”の内側にパーツを取り付けワイヤリングするのですが、TU-8340は底板にスタッドを立てて基板やトランス類をマウントするところが独特です。大きな一枚基板が目を引きますね。
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対してこれがSV-P1616Dの外観とシャーシ内部。半世紀以上前から何も変わらないハンドワイヤリングが”サンバレー流”と言えるでしょうか。同じ真空管パワーアンプでも随分違うものだと改めて思います。

違うのはこれだけではありません。TU-8340は固定バイアスでありながらバイアス調整が不要(半自動)というところが斬新です。テスターも要らない固定バイアスアンプというのは画期的。対してP1616Dは自己バイアスですので、使う出力管の内部抵抗の違いによってプレート電流等の動作条件が異なることを利用して其々の真空管の音の違いを味わって欲しいというアンプですが、TU-8340はある種の定電流アンプといえるのかもしれません。当然のことながら音も違う訳で、結果はフェアのデモで皆さんの耳によって判断頂くことにしたいと思います。

以下にTU-8340の特徴と仕様を分かる範囲でお知らせしておきます。

■ ボタンを押すだけの簡単設定 半自動バイアス調整システム搭載

真空管のバイアス方式は大きく分けて「固定バイアス式」と「自己バイアス式」があります。AB級プッシュプルアンプにおいては「固定バイアス式」の方が効率が良く、また特性が異なる真空管にも対応できるというメリットがあります。しかし、通常であれば真空管1本1本に対してメーターを見ながら手動で調整する必要があり、大変面倒です。また調整に失敗したり手間取ると、出力管にダメージを与えたり出力トランスを磁化させてしまう、などのリスクも伴います。そこで、弊社では固定バイアス方式でありながら調整をワンタッチで行うことができる、革新的な「半自動バイアス調整システム」を開発してTU-8340に搭載しました。バイアス調整を行う重要なブロックは多くの部品によって構成されるため完成済のモジュールとし、組み立てを容易にしています。
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■半自動バイアス調整システムと余裕の電源トランスで他の出力管に交換可能

バイアス調整が簡単な「半自動バイアス調整システム」によりデフォルトのEL34系(6CA7, KT77等)以外にも6L6GC系(5881, KT66等)やKT88系(6551, KT90等)の出力管との交換使用も可能です。 それに加え、電源トランスの容量にも余裕を持たせ、KT88系の中でも近年人気が高いKT120やKT150などヒーター電流が大きな真空管も使用可能、真空管による音色の違いをお楽しみいただけます。
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■ 2種類の接続方式に切り替え可能

本機は基本的にUL(ウルトラリニア)結線ですが、ワンタッチで三極管結線(三結)に切り換えできるモードスイッチ付きです。三結では最大出力はULより大幅に小さくはなりますが、三極管ファンにうれしい機能です。(モードスイッチの切り換えは電源OFF時に行うことが基本のため、不用意に切り換わらないように背面にあります。)
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■ 大型コンデンサにも対応の余裕のスペース

アンプ回路の中で音質に大きな影響があるカップリングコンデンサをお好みのものに交換ができるように十分なスペースを確保しています。 最大57mm×φ31mmの筒型までOK。
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■ 仕様

●付属真空管 : EL34×4本、12AT7×4本
●定格出力  : EL34:45W+45W(UL), 24W+24W(三結)
         6L6GC:32W+32W(UL), 18W+18W(三結)
         KT88:42W+42W(UL), 24W+24W(三結)
         KT150:50W+50W(UL), 28W+28W(三結)
●入力端子  : LINE × 1
●出力端子  : スピーカ出力端子(4~6.3Ω、8~16Ω)
         金メッキネジ式ターミナル (バナナプラグ使用可)      
●本体寸法  : W450×H200×D336mm(突起部を含む)
●本体重量  : 約17kg (カバー含む。電源コード含まず)

私どもとしては”TU-8340SV”(別注モデル)の販売を予定しています。デフォルトのEL34に替えて別の出力管を用意するか、はたまたカップリングコンデンサをグレードアップするか?…最終的には音を聴きこんでから決めたいと思っています。大放談でも一騎打ちをやってみたくなりますね(笑)。ともあれ素晴らしいライバルの登場を心から歓迎したいと思います。



by audiokaleidoscope | 2016-10-04 19:56 | オーディオ | Comments(2)

(4/29_2)現行ナンバーワン300Bはこれだ!

という訳で、収録2本目。今回は現行300Bの比較試聴です。アンプはSV-P1616D/300B仕様の登場です。このアンプについて情報を出すのが今回が初めてだと思います。6月末に多極管仕様が先行発売される訳ですが、この300B仕様は7月末~8月初めのラインオフを目指して現在既に生産に入っているニューモデルです。

昨年暮れに登場して現在ダントツのナンバー1ヒットになっているSV-S1616Dは300B仕様,2A3仕様,多極管仕様の3パターンが用意されています。対してSV-P1616Dは多極管仕様(前回のブログで登場)と今回の300B仕様の2パターンになります。今回初出しの300B仕様は無調整で差し替えが出来る自己バイアスのプッシュプルで出力は18W+18W程度。約10WまでA級動作の手配線キット(完成品なし)で価格は真空管別売で10万円を切りたいと思っています。まだ試聴会でもお見せしていない製品ですが、今回は300Bの比較試聴ということで折角なので少し早めですがプレビュー的にご紹介出来たらと考え、収録に使用しました。

では早速いきます。今回は価格順ということで最初はElecro Harmonix 300Bです。私どもでも以前扱っていた球でロシア製300Bとしては最も廉価帯に属します。写真を撮り忘れましたが、300Bというカテゴリーの中では明るく快活な表現が特徴的です。300Bの最大の魅力である内声部の倍音の厚み、ふくよかさ、ザックリとした音のケバが十分に表現出来ており、300B入門用の球としては良いチョイスだと思います。

二番手はPSVANE 300B。現在私どもの定番300Bです。まず作りが素晴らしい。価格も妥当。且つ300Bらしさが十分に発揮されています。迷ったらPSVANE…それほどの信頼感を寄せている300Bの新種です。
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今から15年ほど前の中国,ロシア製の真空管の中にはお世辞にも良いとはいえないものが混ざっていました。歩留りが悪く(選別落ちする個体が多い)だけでなく、印刷の向き,電極の向きにもかなりバラツキがあったのですが、最近は随分精度があがり不良率も極めて低くなっています。そういう新世代の現行真空管の際たるものの一つがこのPSVANE 300Bである訳です。エレハモ300Bと比較すると、重心が下がり、音の粒立ちが細やかで、音圧感はエレハモよりも下がりますが、しっとりとした質感が大変好印象でした。この価格でこのクオリティは大いに賞賛に値すると思います。

続いて登場するのはGold Lion PX300Bです。元々イギリスでGold Lionブランド下で300Bは生産されていませんでした(少なくとも私は知りません)。そしてPXというプリフィックスは恐らくPX4,PX25などから引用されてものでしょう。つまりこのGold Lion PX300Bはニューセンサー社(NY)がアメリカでGold Lionブランドの商標権を入手し独自に命名したもので、最初に出てきたエレハモ300Bの上位球という位置づけと考えると理解しやすいかもしれません。

音質的にはエレハモよりも密度感、音圧感があり、闊達さが身の上の300Bであることが分かります。300Bと言うとクラシック向きで嫌いな方は茫洋としていてメリハリがない、というような事を伺うことも稀にありますが、このPX300Bはそういう要素は全くないと申し上げて良いでしょう。ジャズやロックにも好適な表現でした。

続いては当社オリジナル300Bの登場です。Prime300B ver.4が現行300Bのなかでどんな個性を見せるのか、私自身も興味を持って試聴に臨みました。
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過去手がけてきた300Bのそれぞれの個性を踏まえ、集大成として企画した300B(当社専売品)がこのver.4。メッシュプレートが特徴的な一品ですが、恐らく現行300Bのなかで最も太い音のする300Bといえましょう。

課題曲:ANIMA ETERNAモーツァルト41番第一楽章は重厚にしてスケール感の大きさが際立つ表現。弦のTuttiが実によくハモる感じを楽しめます。自分のなかではそれぞれの300Bの特質を理解したうえでこのPrime300B ver.4の音を評価してきたつもりですが、改めて自分の感覚が音での確認出来、Tさんの意見も全く同じでちょっと安心しました。最も300Bらしい300Bとしてこれからもご提供出来ればと思っています。

続いて登場するのは今回唯一の東欧製300B、JJ300Bです。
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この300Bは外見的にも従来の300Bとは異なり写真でも分かる通りひと回り大きくガラスも厚く、どっしりとした重量感のある球です。フィラメント定格が通常の300B=5V/1.2AのところJJ300Bは5V/1.4Aと少し大きめですが、この程度であれば電源トランスの過負荷になることは少ないでしょう。

SV-P1616D/300Bで聴くJJ300Bは独特な表現の球でした。言葉で申し上げるのは難しいですが、濾過された倍音とでもいいましょうか、聴感上の偶数次の倍音が多めで非常にシルキーなタッチで見通しの良い音と感じました。恐らくこれはガラスの厚みから来る振動のフィードバックによる影響かもしれませんが、他の300Bとは一線を画す表現であることは間違いありません。

続いては当社オリジナルの限定バージョンPrime300B ver.5です。
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これは先ほど出てきたver.4と同じメッシュプレートを持ちますがフィラメントの固定をウエスタン300Bと同じフック(吊り)形状としていると同時にガラス形状をベルシェイプ(洋梨型)とし、ガラスを薄くすることに成功。結果として300Bでは異例ともいえる高域の抜け,伸びがあり、音場的表現に長けている私どものスペシャル300Bです。価格的にはかなり高級ゾーンに入ってきますが私どもでは最も人気のある300Bで特に中,高級モデルで使って下さっている方が多い球です。

ver.4と比較すると端正で輝かしい音がする訳ですが、特に弦セクションの高域がスーっと拡がって抜けていく感覚と小音量時の再現性の高さが特筆に値します。TさんはSV-91B,SV-501SEに使って下さっているとのことでした。

そしていよいよ最後に登場するのが現行最上級の300Bとして異彩を放っているPSVANE WE300Bです。これは本家ウエスタン300Bの完全復刻を目指して製品化されたもので、ペア約90000円という現行300Bのなかで破格のプライシングですが、では実際音はどうなんだろう?ということでTさんも私も固唾をのんで音に集中しました。

結果は…正直言葉を失ったというのが正直なところ。ちょっと他の300Bとはレベルが違う…全く混濁した感じがなく倍音が解れていて実に響きが自然。世界がガラッと変わってしまいました。よくよく考えてみると本家ウエスタン300Bの最後の売価がペア定価88000円だったことを考えると中国製真空管もここまで高くなったかというのが偽らざる印象ですが、この音を聴くと認めざるを得ない何かがあることも事実。この球の開発時(2011年ごろ)、現地でその過程を見守っていた者としては”よくぞここまで仕上げた!”という賞賛を送りたいと思います。素晴らしい音でした。

…という訳で今回の”現行300Bナンバーワンはこれだ!”の一位,二位の発表はオンエアを待ちたいと思いますが(文面から透けて見えますけどね)、今回の2回シリーズはぜひオンエアを録音していただいて皆さんのリファレンスにして頂ければと思います。実はまだMUSIC BIRDの契約をされていない方にスペシャルなオファが出来ることになりました。詳細は5月下旬のお知らせになると思いますが、私の番組を一人でも多くの方に聴いて頂けるよう頑張りましたので、もう少しだけお待ち頂ければと思います。


by audiokaleidoscope | 2016-05-01 14:29 | オーディオ | Comments(0)

(4/29_1)現行ナンバーワン多極管はこれだ!

今回の”大放談”収録は現行出力管14種類の大競演!SV-P1616Dをテスト機として多極管を7種類,300Bを7種類用意し、私とゲストTさんの独断と偏見で現行球のナンバーワンを決めてしまおうという企画。放送は第一回(多極権編)が6/24(金),第二回(300B編)が7/8(金)の20時~22時です(翌週は再放送)です!
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SV-P1616D(多極管仕様)は6L6GC~KT150まで大半のビーム管,五極管を無調整で差し替え出来る自己バイアスアンプ。出力は6L6GCで25W前後,EL34からKT150で40W前後の出力が取り出せるUL(ウルトラリニア)接続のプッシュプル。定格出力の50%程度まではA級動作で出力よりも音質を重視した手配線のキット専売品です。多極管仕様は真空管別売で88,000円(税別)。6月末の出荷開始予定です。

よくオーディオ雑誌などで同種出力管の聴き較べ特集などが編まれることがありますが、書き方が曖昧だったり音を言語化するプロセスにどうしても無理があったりして、参考にはなっても決め手に欠ける、というお話をよく伺います。その意味でこの番組は実際の音の変化を皆さんのスピーカーでダイレクトに聴けるという点で画期的というか後にも先にも聞いたことがない最もリアルなオーディオガイド。リスナーさんからの感想メールも沢山いただけて出る側としても大いに励みであり、毎回この収録をとても楽しみにしているのです。

では番組を聴きながら一緒にこのブログを読んで頂くことをイメージしながら内容をお知らせしていきましょう。
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まずはTung Sol 6L6GC STR(ロシア製)から。6L6GCはKT88やEL34の陰に隠れて今一つメジャーではありませんが、このTung Solは非常に中庸の美を感じさせる音で高域の尖鋭感がなく、中域の量感も十分で非常に好印象。ジャンルを問わず楽しめる魅力的な球であることが分かりました。
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続いてGolden Dragon 6CA7/EL34 。EL34には太管と細管がありますがオーディオ用途では太管が使われる方が6L6GCと比較して若干モノトーン的な表現で若干音の粒立ちが大きめ。少し旧めのヴォーカル等をフルレンジスピーカーなどで聴くと渋さが出て良い雰囲気になるだろうな…という音でした。
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続いてGolden Dragon KT66 retro。これは英GEC KT66のレプリカバージョンな訳ですが、KT66というとスーパー6L6的な電気的性格を有しながら、その音は繊細にして上品。帯域、高域の開放感とレンジの広さに加え、音の粒立ちの細やかさが出てきました。聴感上のレベル(音量感)は僅かにEL34より下がるのですが、奥行感と繊細感が表に出てTさんがお持ちになってハーンのバッハ/無伴奏がとても良い感じで鳴っていて好印象でした。

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続いてはTung Sol 6550。6550というとKT88互換球という理解されている方が多いと思いますが、実際はKT88よりも最大定格が低く、音質的にも異なることを理解する必要があります。ひとことでいえばKT88よりもしなやかで弾力性のある音です。私どもでは定番化していませんがクラシックコンポーネンツでお借りしてきました。

音を聴いて気づくのはこれまで出てきた球と比較して最も大きな違いは低域の量感。グンと沈み込む感じはオーディオ的快感に満ちています。パワー感を殊更ひけらかすのではなく、スケール感を持ちながらも品位のある表現が印象的でした。ペアで1万円を切るお求め易さも魅力です。
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続いて登場するのはGold Lion KT88。SV-P1616Dの音決めはこの球を使って行ったこともあり、KT88らしさがよく出ました。多極管のなかでダントツの人気球な訳ですが音のエッジがシャープでハイコントラストな表現に人気が集まるのも頷ける音。リファレンス曲”ミスター・ボージャングル”のピアノがグッと前に出るとともにウッドベースのローエンドが曖昧にならずにクッキリと出る快感は他の球にはないものです。陰影感よりもステージの隅々にまで光を当てて細大漏らさず情報を拾い上げるキャラクターが人気の背景にある球です。
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残すところあと二つ。最も多極管らしい音のイメージをもつTung Sol KT120の登場です。スーパーKT88ともいうべき上位互換球です。注意すべきはヒーター定格がKT88よりも20%ほど大きいことで、KT88用に設計されたアンプでは使えない場合がありますから注意が必要です。ヒーター一本あたり2A以上流せるアンプ専用の球です。

音質的にもKT88の特徴を更に推し進めたもので駆動力も抜群。現代の低インピーダンス,低能率なスピーカーを鳴らすのに最適な球です。KT88との比較で言うとベースのボリューム感がグッと増え、余裕綽々という感じで大型スピーカーをスケール感タップリに風圧を感じる低域を楽しんで頂ける球です。
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そしてトリはTung Sol KT150。プレート損失なんと70W!現行多極管のキングです。KT120と同じスーパーKT88的ポジショニングでありながら実際の音はかなり異なります。極めて明晰で近い音を聴かせるKT88/KT120に対してKT150は空気感を含めた音場表現が実に素晴らしい。同じCDを聴いてもホールの天井が高くなって楽器の余韻が非常にリアルに聴こえる快感はKT150ならではのもの。KT150はその意味で他の多極管とは性格の異なる球と理解した方がいいでしょう。トリに相応しい音でした。

…という訳で縷々語って参りました現行多極管の聴き較べ。独断と偏見でナンバーワンはこれだ!と番組のなかで言い切った訳ですがTさんと私は一位が別の球。二位は同じ球という結果になりました。ネタバレになってはいけませんのでここでは触れませんが、OA後にでも改めて書きましょう。

今回SV-P1616D/多極管仕様を使って代表的な現行多極管を総まくりした訳ですが、改めて比較してみると私のなかでも幾つかの大きな発見がありました。番組収録というより試聴室で好き勝手喋っているような楽しさがありました。このあとSV-P1616D/300B仕様で現行300Bの一斉比較試聴になだれ込んでいきます。


by audiokaleidoscope | 2016-05-01 11:26 | オーディオ | Comments(0)

(2/15_1)SV-P1616Dファーストサンプル見参!

ブロック注射の効果もあって立ったり座ったりが出来るようになって現場復帰。今日は待ちに待ったSV-P1616D(多極管仕様)の試作が上がってくる日ですから、感動の対面を逃がす訳にはいきません(笑)。
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これが本邦初公開!のSV-P1616D。既出のS1616Dの姉妹機でPはプッシュプルの略称です。EL34/6L6GC/KT88/KT120/KT150等の多極管のコンパチブルプッシュプルパワーアンプです。自己バイアス回路のAB級動作、試作ベースで出力はEL34で20数W。KT150で30数Wというところです。実質的にSV-19Dの後継機として現在準備しているニューモデルですが、私のなかでは”SV-275の再来”という位置づけです。
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S1616D同様、オール手配線のキット専売モデルですが、今日チェックしたところで電源部(左奥:チョークコイル周り)の配線密度が高くコテが入り難い為、SV-8800SE同様ここだけ基板化することを検討しています。全体に混み入っているように見えますが、S1616D同様、増幅部はサブシャーシ化されていますので成功率は極めて高いアンプになるものと思います。

今日は午後から収録だったため、KT88(Gold Lion)で音を聴く時間しか取れませんでしたが、チャート的にはかなり右上系…つまりシャープ&ハイディフィニションな音でクリアでダンピングの効いた表現。オールオーバーのNFBを過度に深くせず、ローカルNFBとのトータルチューニングが奏功したと言え、試作段階では異例に仕上がっていると申し上げて差し支えないでしょう。

今週末の試聴会の一つの目玉と言えるSV-P1616D。是非ご期待下さい!!



by audiokaleidoscope | 2016-02-15 22:38 | オーディオ | Comments(0)

本ブログ掲載内容は私人の見解であり、(株)サンバレー(ザ・キット屋)の立場,戦略,意見を代表するものではありません。


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