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(3/26)プリ選びの要諦

週末は関西へ納品行脚。メインは滋賀のKさん宅でした。
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瀟洒なマンションの高層階。前回書いた通りのまさに新リビングオーディオを実践されているKさん。写真では液晶TVが見えますがスイッチを入れると130インチのスクリーンが下りてくるプライベートシアターに早変わり。アスペクト比の異なる2種類のスクリーンを用意され4Kプロジェクターで楽しまれているそう。

ピュオーディオ系はLINNのDSを基軸としたものでスピーカーもB&Wの802だった訳ですが、別に使っておられるタンノイを

第一に、バイオリンの倍音が豊かに響くこと。
次に、女性ボーカルが艶っぽく歌うこと。(Kさん談)

を目指した結果、選ばれたのがLM91A(PSVANE WE300B仕様)。ショールームでじっくり比較試聴されたうえで出された結論です。今日はその音を堪能させていただきつつ、音のバランスの確認や更なる高みを目指す為のイメージ作りを一緒に考えました。
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LINNのプリ+LM91Aの組み合せは、ある種、濾過されたような美しさを感じる音でタンノイが非常に清涼な音で鳴ることを確認しました。これはこれで一つの美しさである訳ですが、一定以上のところまでLINNのボリュームを上げないと風船が膨らまないというか、音圧だけでなくタンノイならではの艶めかしさを伴って歌わない感じがあるのは事実です。

どうしてもマンションでは一定以上の音を連続的に出し難い訳で、ここをどうするかがKさん宅の音の成否を分けることが分かってプリをSV-300LBに変更して聴いて頂きました。
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仮置きではありますが、プリをSV-300LBの替えたことでグッと重心が下がり、それまで僅かに感じた中域~中低域の密度感の希薄さが向上することを確認。LINNにはLINNの良さを勿論認めつつ、300Bプリの音の在り様をしっかりご自身の耳で体験頂けたのは良かったです。

プリは単なる入力,音量を制御するコンポーネントでは決してありません。車でいうところのトランスミッション。乗り心地(フィール)全体を司る、言い換えれば音色そのものを作り上げる極めて重要なキーコンポーネントです。先日のMUSIC BIRDでのプリ交換実験の記事を読んで頂ければその要諦を再確認いただけると思います。

Kさん宅を出て日本三大商人の一つと言われる近江商人発祥の地を見学。近江商人の教え”三方よし”(「売り手良し」「買い手良し」「世間良し」)を再度学びに、次の目的地までの僅かな時間を使って資料館等を回りました。
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温故知新な美しい街並みが非常に印象的。これは近江八幡観光物産協会。次回は時間をかけて再度じっくり巡りたいと思います。

その後大阪へ。食事は通天閣近くの串カツ屋さんで舌鼓。
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幸福の神様といわれるビリケンさんがあちこちに居て…Oさんとの打ち合わせも弾みます。
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次回の納品スケジュールも決まって、翌日は京都へ。桜の満開には一週間早かったですが、観光客でごった返す清水寺へ寄ってきました。4月中旬には納品を兼ねて改めて京都へ来ることになりそうです。
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参道から臨む三重塔。美しい!
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恐らく小学校の修学旅行以来…の清水の舞台。素晴らしい眺めでした。

この週末は関西方面を回って、非常にタイトなスケジュールではありましたが、色々な意味で気づきのある有意義な2日間でした。以前にも増して関西通いが今後増えそうです。



by audiokaleidoscope | 2016-03-28 13:13 | オーディオ | Comments(0)

(9/24)金木犀の薫りと共に

皆さん、こんばんは。毎年お盆明けから9月下旬までは比較的ゆったりした時間が流れるものですが、突然後ろから蹴っ飛ばされたように忙しくなるのもこの時期。ついに今年もやってきたなあ…という感じです。年末に向けてノンストップで走る覚悟を決める時期でもあります。

そんななか、今日は埼玉からSさんご夫妻が試聴にいらっしゃいました。Sさんとこういう感じで親しくお話するのは今回が初めてですが、メールではずっとやりとりさせて頂いてきて、ハイエンド上がり(私は崩れですが…)という部分で共通点もあり、一度ちゃんと私どものの音を聴いて頂きたいと思っていたのです。

現代スピーカーを真空管で鳴らした時の音の自然さ、小音量時の生々しさに開眼されて数年。SV-310EQに次いでSV-310をお求めになって今回は本丸パワーアンプをどうしよう?というテーマでした。

SV-501SEのマッスの響きの円やかさ,SV-91Bの抜群のソノリティの良さを体験されたあと、SV-284Dに話が移って、”出来れば一番小出力のアンプで284Dを追加するとどうなるかを聴いてみたいんですけど…”とSさんが仰るので出してきたのが往年の名機”エレキットTU-870”。私どもから何台販売したか分からないくらいのウルトラベストヒットでした。2万円でお釣りのくる真空管プリメインアンプとして多くの方がTU-870によって真空管アンプの虜になった忘れられないモデルです。

このアンプ、音は本当に良かった!ただ出力が2W前後しかとれず、低域のドライブ力が充分とはいえなかったのは或る意味仕方のないところでした。このアンプの音を作っているのは6BM8…じゃあ6BM8シングルに300Bブースターを追加したアンプを作ってみよう!と思って作ったのがSV-501SEであるのも何度も申し上げてきた話です。それをSさんは300Bでなく845(SV-284D)でブーストしてみようというのですから、これは面白い実験です。
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TU-870の魅力は6BM8の魅力そのものと言い換えても良いかもしれません。決して彫琢の深い音ではありませんが、何と言うか…私たちが”真空管”という言葉からイメージする解れた倍音をこれほどまで素直に出す球はなかなか他にありません。SV-284Dを追加すると、その6BM8の魅力そのままに低域のドライブ力が爆発的に上がってMIDを楽々制動しています。測定した訳ではありませんが10Wは軽くクリアしているでしょう。まるで6BM8を大きな拡大鏡で覗き込んだような音の景色に思わず息を呑んだ瞬間でした。
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B&WのSilver SignatureをGoldmund(スイス)のアンプで鳴らされていたSさんがひょんなことから真空管の音の良さに目覚め、今日色々と私どものアンプを聴かれて何を感じられたか…それは私にも分かりません。ただ最後に鳴らしたLM91Aの音に”真空管に出会って良かった”というSさんの気持ちを感じたの事実です。

私が真空管の音の良さを知ったきっかけは先日の雑誌取材の時に書いた通りですが、Sさんがそうであったように一人でも多くの方にこの魅力を知って頂きたい…ショールームを発たれる時に外へ出てふっと金木犀の薫りと共に感じた初秋の一日でした。明日から再び東京です。



by audiokaleidoscope | 2015-09-24 21:35 | オーディオ | Comments(0)

(7/8)夢見ごこち

皆さん、こんばんは。今日は東京泊り。降り続く雨が鬱陶しいですが、この時期は仕方ないですね。

明日は午前中表参道に寄ってから午後イチで西麻布のレコーディングスタジオで打合せした後、MUSIC BIRDで収録というスケジュール。今日は前ノリしてFさん宅に久しぶりに伺ってきました。目的は先日お納めしたばかりのLM91Aの音を聴かせていただくため。
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この空間に足を踏み入れるのは久しぶり。少々緊張感も・・・それはここで聴く音が決して他では聴けない何かをもっているから。SV-310EQ,SV-310,SV-192S,SV-86B,LM91Aそしてオートグラフ(モニターゴールド)。装置のラインナップが第二とかなり重複していながら、Fさん宅で鳴る音は第二よりも遥かに音楽的で円熟の境地にあることを毎回思い知らされます。

オーディオ的に言うと音像がしっかりしていながら響きが豊か。低域の申し分ない量感がありながらも音の形がしっかりしていて茫洋とせず、定位も極めてシャープ・・・まさにホールの特等席で聴くシンフォニックな音場と屹立する音像が同居する稀有の世界です。
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LM91Aはオートグラフ用,SV-86Bは上の写真でオートグラフの前にいるレクタンギュラー箱(Monitor Red 12入り)用。センターはType 618C量産のきっけけとなったモノ再生専用BOXです。
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91Aはエレハモ300B/GD 5U4GバージョンとオールWEバージョン両方で聴かせて頂きました。やはりWE300Bの音の襞(ひだ)の重厚さ,低域の踏ん張り,高域の繊細さは申し分ありません。
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274BはJAN(Joint Army and Navy)仕様です。
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現在の入力系はこんな感じ。DSDレコーダー,SACDプレーヤーなど最新のデジタルソースも嗜むFさんですが、キット屋のお客様のなかでも名うてのアナログマニアです。
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左からガラード401,301が2台。その他トーレンス124も。Fさんのシステムで聴くLPはまさに夢見ごこち。まさに”達人の音”を堪能させて頂きました。本当に素晴らしかった!こんな風に自分が企画したアンプで音楽が鳴るんだ・・・そんな歓びと自信を頂けたような気がします。

※写真はFさんのご了承のもと掲載させていただいています。




by audiokaleidoscope | 2015-07-09 03:51 | オーディオ | Comments(0)

(5/4)クセなのか個性なのか…

皆さん、こんにちは。GWも後半…いかがお過ごしでしょうか?

ワタシの方はといえば、今日から会社に来てGW前に仕上げられなかったあれやこれや…を片付けながら試聴に来る方がいれば対応する感じ。HPに「お休み中です」と書いても知らない人はたくさんいるし、休みだからこそやってると思っている人も少なくないので結構電話も鳴るし、飛び込みで来る人もいる…そんな今日。

飛び込みのお客さんというのは試聴室が予約制ということもご存じない訳で、雑誌の広告を見たか、誰かに紹介されて立ち寄ったという方が殆どで、良い意味で虚心に音を聴いていただけるところがメリットといえばメリット。KT88と300Bという名前は聞いたことがあるけど、音はどう違うか…これから自分の耳で体験してみよう、という新しい仲間に対して自分が出来ることることは唯、自分が愚直に作ってきた音を聴いていただくことだけ。

最近は特に「クチコミ」や「風評」に引っ張られがちな世の中。自分で味わって評価する前に誰かの感想の方が先行されがちな世界は料理屋もオーディオ屋も同じで、中にはお客さんの驚くような反応にこっちがビックリすることもしばしば。今日面白かったのは「真空管の音はクセがある」、初めてタマの音を聴くのに、そういう先入観でガッチガチに固まった初老の男性とのひと時。「良い音なんだなあ、聴くと。でももっと普通じゃないといけないのかな?」と仰るその人に「普通って何を以てそう言うんでしょうね…オーディオで言えば自分が心地よくずっと聴いていたいと思う音が普通なんじゃないんです?」と申し上げても「そうなんだけどね…どうもよく分からないんです」と仰る。初めて真空管の音を聴くのに”クセが強い”という確固たるイメージをお持ちなのも今風といえば今風かも。ネットの威力でしょうか。

私からはこんな事を申し上げました。

「オーディオはラーメン屋と似てるかもしれません。いくら雑誌に”ここの味噌ラーメンは日本一”と書かれていたとしても、それはその方の意見であって自分の舌で味わったものではありません。つまりは人は人、自分は自分じゃないですか。私は外食産業には疎いですが、10人のお客さんが居て5人が”旨かった”と言ってくれる店は大繁盛店だと思うんです。10人が全員旨いと言ってくれれば理想ですが、その為に自分の大切な何かを出さないのは勿体ないし無意味だと思うんです。

仮に”あそこの店のラーメンは自分の口に合わない”という人が居ても、それは仕方のないこと。自分の性格と同じで、いくら誰かに迎合し懐柔したところで、本当の自分の持ち味や魅力が減じられては意味がありません。ラーメンもオーディオも人間も”相性”があると割り切って、自分に合うと思えばまた行けば良いですし、合わなければ行かなければ良いんです。オーディオは誰にも邪魔されない趣味の世界。好きか嫌いか…それで良いと思うんですよね。」

その方にウチのスピーカーやアンプがどう聴こえたか…それは分かりません。でも自分なりにその方の仰るイメージに近い音を出そうと機器を組み合わせて頑張って鳴らしたつもりです。その積み重ねが次につながる何かを残してくれると思いますし、そうでなければ量販店と変わらない。数を売ることは苦手。でもその人にとってのオンリーワンを見つけるお手伝いが自分の仕事であって、その過程で色々な人との出会いが財産となってこれまで続けることが出来たことには感謝以外なにもありません。良い事を言ってくれる人もいればボロクソに言う人もいる…それが人生であり世の中です。

そのお客さんは当初30分と仰っていましたが気が付けば2時間以上も私どもの音を傾聴して下さいました。最初は相当懐疑的だった口ぶりが、お帰りになる時には全く変わって「いやあ、300Bは良かったですねえ、個性があって!!また来ますよ」と意気揚々とお帰りになりました。

最初に「クセ」と仰っていたのが何時のまにか「個性」に。この方は自分の耳を信頼することの大切さを今日初めてお知りになったのかもしれません。これが次の何かを生み出してくれる筈です。

今日その方が一番気に入ったと仰っていたのはLM91A+LM755A。「真空管の音はクセがある」…と仰っていた方が選んだのが最も私どもでも個性的な音だったというところがオーディオの奥深いところです。

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by audiokaleidoscope | 2015-05-04 16:27 | オーディオ | Comments(0)

(4/13)測れる特性,測れない特性

皆さん、こんにちは。

昨日,一昨日と2日連続で「オートグラフを聴く会」が第二で催されました。一昨日は東京から大阪へ取材のため移動中に休憩がてら立ち寄られた某オーディオ雑誌編集者さんご一行。そして昨日は東京のFさんご夫妻,地元からはMさんが参戦されました。

初日は編集長が若い編集者さんと某オーディオ評論家さんを伴ってお越しになったのですが、事前に編集長から「日頃から球アンプを聴く機会はあっても所謂ヴィンテージの音を知らない編集者も多くなったので、ハイエンドとはちょっと違う世界を体験させてやろうと思って」というお話を頂いていた第二のものですから、選りすぐりの三極管アンプで色々と聴いていただこうと思い、会社からアンプを持ち込んで聴いていただいたという訳です。

ソースはCD,アナログ,ハイレゾまで。クラシック,ジャズ,ヴォーカル含めてアンプをとっかえひっかえしながら数時間に亘り、ヴィンテージオーディオの魅力を垣間見ていただけたのではないかと思います。印象に残っているのは編集者さんのひとこと。

「同じ音楽でもいまのオーディオ機器と当時のアンプやスピーカーで聴くのとでは、こんなに世界観が違うんですね。装置の存在感というか佇まいの圧倒的な違いもそうですが、なにより音が響き亘る感じが全く違うように思います」という感想に対して、隣で聴いていた評論家さんが「必ずしも高性能イコール高音質ではない何かがオーディオにはあるということですよ。綺麗にし過ぎるが余り、味わいまで失ってしまってはいけないことを教えてくれる音というか。測れる特性と測れない特性があることが、今日の音を聴いて分かったよね」と仰って下さってとても嬉しく思いました。

これはまさに私がいつも感じていることで、測定器で定量化出来るパラメーターは音のごく一部でしかない、ということ。蒸留水よりもミネラルウォーターの方が旨いということをオーディオの世界ではなかなか認めていただけません。

このことが二日目に更に明示化されます。初日は標準球で聴いていただいたLM91A,LM86BをMさんが持ってこられたWEオールド球に差換えて聴いてみたのです。音源はFさんが持参されたLP。
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レア中のレア。WE262Aです。この球は1931年~1938年に生産されたもので、当時としては画期的な低雑音仕様の傍熱電圧増幅用三極管。この球を作ったのはWE300A(1933年~1937年)の開発で知られるBell Telephone Labolatory(ベル研)のJ.O.McNally(マクナリー)その人です。

美しいペア(梨)・シェイプドの外観をもち、その高性能さから「Quiet Tube」”静かなる真空管”と称賛され、あらゆる用途で活躍した銘球です。当時最高の素材,最高の人材,最高の製造技術による至宝がWestern Electricの球に凝縮されているのです。その他にもWE310A(メッシュ),WE300B(’70年代),WE274B(’40年代刻印)なども勢揃いしました。

まずはLM91Aから。
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第二では通常リボンツィーターをオートグラフにアドオンして聴いていますが300BをPrime300B ver.4からWE300Bに替えると聴感上の高域が伸び、ツィーターを併用する意味が殆どなくなります。事前の実験ではPrime 300B ver.5では高域の情報量はWE300Bに匹敵しますが、中低域の厚み,倍音感が僅かに締まる印象です。これがver.4とver.5の個性とも言える訳ですが、周波数特性上はWE300B含め三者間の違いは殆どありません。つまりこれが先生の仰った「測れない特性」ということになるのでしょう。

更に整流管による変化も実に大きなものでした。元々使っていたのは'70年代製と思われるUSAの5R4で、これ自体も非常に良い球ですが、WE274B(刻印:'40年代)に差換えると倍音が解れ、何ともいえない柔らかさ,ニュアンスに溢れます。敢えて例えるとするならばコンプ/リミッターが全く掛かっていないマスター音源の鮮度感・・・とでも申しましょうか。素直な音、とお伝えするのが近いかもしれません。

Fさん宅にLM91Aがお嫁入りするのは6月の予定です。Fさんご愛用のオートグラフで更に良い音が聴ける日も近いことでしょう。
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次に86BをALL WE仕様にして聴いてみます。これも91Aと同様の音触(音の手触り感)に更に厚みが増す感覚で媚薬的快感が部屋全体に拡がります。決してプラセボ効果ではない、何とも言えない気持ちよさ。Fさんがお帰りになった後もMさんと陶然としながら暫く美しい余韻溢れる音を楽しみました。
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左からMさん,Fさんご夫妻(許可をいただいて掲載させていただいています)

Fさんが持ってきて下さったフランス盤,旧東ドイツ盤などのLPの素晴らしさも今日の美しい音に大きく寄与していることも間違いありません。夢のようなひと時でした。


by audiokaleidoscope | 2015-04-13 12:22 | オーディオ | Comments(0)

(2/24)作り過ぎない…自然であること

皆さん、おはようございます。あと2時間少々で夜明けというところです。

今日は「ようこそ!オーディオルーム」収録があるため、その準備ですっかり時間がかかってしまいました。1時間の番組ですが、毎回あれこれと工夫と想いを巡らせ、少しでも楽しんでいただけるようにと思っておりますが、何度やってもなかなか慣れるということがありません。

今回もLP音源中心でお送りする予定ですが、LPの得失としてタイトル毎の録音レベル,イコライジングの差異がある訳で、今回は特に旧い盤も多いため、聴いて下さる方の違和感を少しでも減らす目的でデジタル・リマスターに挑戦しています。リマスターといっても音を変えようというのはありません。少しでも自然に、違和感なく聴いていただくための味の素一振りです。

そういえば昨日試聴にいらっしゃったKさんが仰っていました。Kさんは弦楽器製作の職人さんでご自身の工房を持たれて、早20年という方。良い楽器を作る秘訣は?とお尋ねすると、まず良い材料と巡り合うこと。そして完全を目指さない・・・ことと仰っていました。

「完全を目指さない」ってどういうことですか?と伺うと、

「良い楽器が出来る時は作っている途中から分かる・・・つまり出来上がって音を出す前から楽器から返ってくる何かが全く違う・・・そのエネルギーを感じたら、その良さが残るように仕上げるんだ・・・細かくあれも、これも・・・とやっているうちに返ってくる力が減ってしまうことがある。やり過ぎない・・・これが大事なんだ」

と身振り手振りを交えて教えてくれました。
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Wikipediaから転載:パブリックドメイン

「オーディオも一緒だよ。聴けば分かる。私は電気のことはトンと分からないが、木の楽器が金属みたいな音で聴こえたり、木造りのホールがコンクリートのように響いたりするアンプやスピーカーが結構ある。良い音なんて感じはなくていいんだ・・・自然にあるがままで鳴ってくれることが一番なんだ。鏡でも何だか自分が細く見えたり、足が長く見えるのがあるよね?あんなものでは駄目なんだ。本当の自分を見せてくれるものが一番なんだよ。その意味ではLM91Aというアンプは実に自然だね。こんなに普通の音がするアンプはあまり聴いたことがない。カンナの跡が僅かに残っている木のような温もりがある。値段を聞いて少し驚いたけど、良い物はそういうもんだ。」

そういって足早に帰っていかれました。会社から2時間くらいのところに工房があるということなので、今度遊びにいかせて頂こうと思っています。作り過ぎない自然さ・・・これを学んできたたいと思います。

明日の収録は音楽の父、バッハのピアノ曲を特集します。クラシック企画は実に久しぶりです。



by audiokaleidoscope | 2015-02-25 03:41 | オーディオ | Comments(0)

LM91Aのキット化検討

皆さん、新年明けましておめでとうございます!本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。

今日は此方は突然吹雪いたりして少々荒れ模様ですが、昨夜書いた通り今日は第二に籠ってLM91Aをバラから組んでみてキット化が可能かどうかの検討。
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回路的には非常にシンプルな91Aですが、かなり三次元的な「やぐら配線」が必要で、それがこのアンプのキット化に関する成否を分けるのではないかと感じています。
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写真では分かりにくいかもしれませんが4階建てのやぐらになっています。更に言えば引き廻しにも様々な工夫(ノウハウ)がありますので、これをどうやって組立マニュアルで再現するかが最大のポイントと言えるかもしれません。

しかしながら91Aをプリント基板化するというのも個人的に抵抗がありますし似て非なる物を作っても仕方ない気がしますので、ここはジックリと検討したいと思っています。

皆さんのメールを拝見しておりますと、多くの方がモノづくりに励まれているようで心強い限り。私も頑張りたいと思います!
by audiokaleidoscope | 2015-01-01 14:01 | オーディオ | Comments(4)

ぶらりと入るライブハウス

皆さん、こんばんは。

今日はOさんがショールームにいらっしゃってLM86B,LM91Bの試聴。OさんのスピーカーはJBL OLYMPUS S8R(1960年代中盤)。中高域の瑞々しさ(91A)を選ぶか、中低域のせり出すような骨格感(86B)を優先するか・・・で3時間以上とっかえひっかえしながらOさんとLPを中心に楽しみながら検討しました。

「要は優劣じゃないんだよね・・・どっちも良いなあ」と悩まれているOさんには慌てて碌なことはないのでじっくりご検討下さい、とお願いしました。わたし的には答えは出ているのですが、こればっかりはお使いになる方の心の鏡が決めること。外野があれこれ口出しすべきではありません。

試聴が終わって名古屋へ。久しぶりに会う友人と「どこ行こう?」なんて話をぶらぶら街を歩いていたら、見知らぬライブハウスを発見。最近はジャズでもロックでも予約もせず、ぶらっと入ってその一期一会を楽しむことが楽しくなってきました。ジャンルを超えて音楽を楽しめる余裕が出来てきた・・・のかもしれません。

店に入ってみると「爆音日和」というイベントの真っ最中で、文字通り爆音(笑)。70人も入れば満員という小さな小屋でしたが、すごく楽しかったです。

数えきれないほどのライブハウスがあって今日も数えきれないほどのバンドが夢をみながら演奏している・・・この感じがとても好き。1万人のアリーナも50人のライブハウスも音楽を演る,観る,聴くということに関しては何も変わらない。

ついさっきまで名前も知らないバンドだったのに、気がつくと頑張って!という気持ちになっているのがハウスライブの醍醐味です。今も耳の奥がキーンと鳴ってますが、また知らない箱で知らないバンドとの出会いを求めてまた街へ繰り出そう・・・今年の忘年会は専らこんな感じになりそうです。

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by audiokaleidoscope | 2014-11-16 08:31 | オーディオ | Comments(0)

本ブログ掲載内容は私人の見解であり、(株)サンバレー(ザ・キット屋)の立場,戦略,意見を代表するものではありません。


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