タグ:球(タマ)で聴く!大橋慎のハイレゾしばり ( 38 ) タグの人気記事

(4/29_1)現行ナンバーワン多極管はこれだ!

今回の”大放談”収録は現行出力管14種類の大競演!SV-P1616Dをテスト機として多極管を7種類,300Bを7種類用意し、私とゲストTさんの独断と偏見で現行球のナンバーワンを決めてしまおうという企画。放送は第一回(多極権編)が6/24(金),第二回(300B編)が7/8(金)の20時~22時です(翌週は再放送)です!
b0350085_19380003.jpg
SV-P1616D(多極管仕様)は6L6GC~KT150まで大半のビーム管,五極管を無調整で差し替え出来る自己バイアスアンプ。出力は6L6GCで25W前後,EL34からKT150で40W前後の出力が取り出せるUL(ウルトラリニア)接続のプッシュプル。定格出力の50%程度まではA級動作で出力よりも音質を重視した手配線のキット専売品です。多極管仕様は真空管別売で88,000円(税別)。6月末の出荷開始予定です。

よくオーディオ雑誌などで同種出力管の聴き較べ特集などが編まれることがありますが、書き方が曖昧だったり音を言語化するプロセスにどうしても無理があったりして、参考にはなっても決め手に欠ける、というお話をよく伺います。その意味でこの番組は実際の音の変化を皆さんのスピーカーでダイレクトに聴けるという点で画期的というか後にも先にも聞いたことがない最もリアルなオーディオガイド。リスナーさんからの感想メールも沢山いただけて出る側としても大いに励みであり、毎回この収録をとても楽しみにしているのです。

では番組を聴きながら一緒にこのブログを読んで頂くことをイメージしながら内容をお知らせしていきましょう。
b0350085_19375787.jpg
まずはTung Sol 6L6GC STR(ロシア製)から。6L6GCはKT88やEL34の陰に隠れて今一つメジャーではありませんが、このTung Solは非常に中庸の美を感じさせる音で高域の尖鋭感がなく、中域の量感も十分で非常に好印象。ジャンルを問わず楽しめる魅力的な球であることが分かりました。
b0350085_19375479.jpg
続いてGolden Dragon 6CA7/EL34 。EL34には太管と細管がありますがオーディオ用途では太管が使われる方が6L6GCと比較して若干モノトーン的な表現で若干音の粒立ちが大きめ。少し旧めのヴォーカル等をフルレンジスピーカーなどで聴くと渋さが出て良い雰囲気になるだろうな…という音でした。
b0350085_19374926.jpg
続いてGolden Dragon KT66 retro。これは英GEC KT66のレプリカバージョンな訳ですが、KT66というとスーパー6L6的な電気的性格を有しながら、その音は繊細にして上品。帯域、高域の開放感とレンジの広さに加え、音の粒立ちの細やかさが出てきました。聴感上のレベル(音量感)は僅かにEL34より下がるのですが、奥行感と繊細感が表に出てTさんがお持ちになってハーンのバッハ/無伴奏がとても良い感じで鳴っていて好印象でした。

b0350085_19374671.jpg
続いてはTung Sol 6550。6550というとKT88互換球という理解されている方が多いと思いますが、実際はKT88よりも最大定格が低く、音質的にも異なることを理解する必要があります。ひとことでいえばKT88よりもしなやかで弾力性のある音です。私どもでは定番化していませんがクラシックコンポーネンツでお借りしてきました。

音を聴いて気づくのはこれまで出てきた球と比較して最も大きな違いは低域の量感。グンと沈み込む感じはオーディオ的快感に満ちています。パワー感を殊更ひけらかすのではなく、スケール感を持ちながらも品位のある表現が印象的でした。ペアで1万円を切るお求め易さも魅力です。
b0350085_19374212.jpg
続いて登場するのはGold Lion KT88。SV-P1616Dの音決めはこの球を使って行ったこともあり、KT88らしさがよく出ました。多極管のなかでダントツの人気球な訳ですが音のエッジがシャープでハイコントラストな表現に人気が集まるのも頷ける音。リファレンス曲”ミスター・ボージャングル”のピアノがグッと前に出るとともにウッドベースのローエンドが曖昧にならずにクッキリと出る快感は他の球にはないものです。陰影感よりもステージの隅々にまで光を当てて細大漏らさず情報を拾い上げるキャラクターが人気の背景にある球です。
b0350085_19373806.jpg
残すところあと二つ。最も多極管らしい音のイメージをもつTung Sol KT120の登場です。スーパーKT88ともいうべき上位互換球です。注意すべきはヒーター定格がKT88よりも20%ほど大きいことで、KT88用に設計されたアンプでは使えない場合がありますから注意が必要です。ヒーター一本あたり2A以上流せるアンプ専用の球です。

音質的にもKT88の特徴を更に推し進めたもので駆動力も抜群。現代の低インピーダンス,低能率なスピーカーを鳴らすのに最適な球です。KT88との比較で言うとベースのボリューム感がグッと増え、余裕綽々という感じで大型スピーカーをスケール感タップリに風圧を感じる低域を楽しんで頂ける球です。
b0350085_19373587.jpg
そしてトリはTung Sol KT150。プレート損失なんと70W!現行多極管のキングです。KT120と同じスーパーKT88的ポジショニングでありながら実際の音はかなり異なります。極めて明晰で近い音を聴かせるKT88/KT120に対してKT150は空気感を含めた音場表現が実に素晴らしい。同じCDを聴いてもホールの天井が高くなって楽器の余韻が非常にリアルに聴こえる快感はKT150ならではのもの。KT150はその意味で他の多極管とは性格の異なる球と理解した方がいいでしょう。トリに相応しい音でした。

…という訳で縷々語って参りました現行多極管の聴き較べ。独断と偏見でナンバーワンはこれだ!と番組のなかで言い切った訳ですがTさんと私は一位が別の球。二位は同じ球という結果になりました。ネタバレになってはいけませんのでここでは触れませんが、OA後にでも改めて書きましょう。

今回SV-P1616D/多極管仕様を使って代表的な現行多極管を総まくりした訳ですが、改めて比較してみると私のなかでも幾つかの大きな発見がありました。番組収録というより試聴室で好き勝手喋っているような楽しさがありました。このあとSV-P1616D/300B仕様で現行300Bの一斉比較試聴になだれ込んでいきます。


by audiokaleidoscope | 2016-05-01 11:26 | オーディオ | Comments(0)

(5/15)悪巧み…www

皆さん、こんにちは。ちょっと面白い悪戯を思いつきました(笑)。

私のラジオ番組「ようこそ!オーディオルーム」と「大橋慎の真空管・オーディオ大放談」ですがいずれも収録時にSV-192A/D(真空管プリ)を通している訳ですが、最近「ようこそ!」のスタジオのミキサーがデジタル化されて音の在り様がかなり変化しました。単にアナログ/デジタルという違いと思われるかもしれませんが、音の質感の変化は相当大きなものです。

粒立ち,滑らかさ,音触(音の手触り感),倍音感…これをなるべく自然なかたちで録るために何か良い方法はないか・・・一つは完全に「宅録」(家で編集まで全部やる)化して完パケを局に持ち込む方法。出来ないことはないけれど結構大変かも。もう一つ…そしてこれが今回の悪巧みですが、プリだけ真空管にするんじゃなくてプリの後に敢えて真空管パワーアンプを繋ぐ…そしてSP出力に8オームのダミーロードをぶら下げてその両端から電圧取り出してミキサーに送る…という未だかつて誰もやったことのない方法です!

これも大変と言えば大変ですし、面倒が増えるだけと言えばそれまでですが、どうせやるなら自分もリスナーさんも楽しめる内容で出来る限りのことをするのが、番組という大きなチャンスを下さった方への恩返しにもなるんじゃないか…そう考えてみた訳です。

問題はパワーアンプから出力を電圧で取り出して、ミキサーとマッチングするかどうか…これはやってみないと分かりません。理論的には8オーム負荷で1W出力時の電圧は2.83Vですのでラインレベル2V以内に収める為には出力0.5W(未満)…計算上は成り立ちます。もし「これが実現すれば「今日はSV-310+SV-91B(300B)の音で聴いて下さい」とか「今日はSV-8800SE(KT88)の音でいきましょう!」的なことも出来るんじゃないか・・・なんて勝手に妄想しておりますが、どんなもんでしょう?(笑)皆さんのリスニングルームがバーチャル真空管化されるなんて考えただけでもワクワクするんですが…。

そういえば今日の”大放談”はお待ちかね!四家さん,小春さんゲストの2時間です。同録を聴きましたが三味線+Vcの生演奏あり、トークも最高!ですのでチューナーをお持ちの方は是非聴いて下さいね!
b0350085_23090320.jpg

by audiokaleidoscope | 2015-05-15 11:11 | オーディオ | Comments(2)

(3/18)四方山話

皆さん、こんにちは。

今日は用事があって午後からずっと出かけていて先ほど帰宅。ホッとしながら自分の部屋でオーディオの灯を入れたら「ハイレゾしばり」がちょうど放送中でした。収録当日に同録音源をいただくので、それを軽くチェックすることはあるのですが、こうやって自分の放送をじっくり聴くというのも新鮮です。

今週の放送は高田さんゲスト。収録時の様子はこちらを読み返していただきたいのですが、高田さんのお話の面白いこと!70年代,80年代の録音の時の裏話やマル秘テク,機材の話などオーディオファンならずとも興味を持たれること間違いなしです。よく考えたら「ハイレゾしばり」今日が最終回で来週の再放送を残すのみ・・・だと思います。その後は「大放談!」に替わる訳ですが、高田さんには是非また出演頂いて色々なお話を伺いたいものです。

そういえば最近MUSIC BIRDの専用チューナーを扱っていないのか?というお問い合わせが入るようになりました。例の特典もまだ生きていますので巷で評判が良いニューモデルを取扱えれば・・・と考えているところです。

ハイレゾしばりが終わって、いま千住さんの新譜「平和への祈り~バッハ:無伴奏ヴァイオリン全曲」をDLして聴いています。
b0350085_00342349.jpg
デビュー40周年記念アルバム第3弾! 私は平和を祈るために、バッハを弾く。

バッハが弾けなくなった時期が、私にはある。
10代の終わりから30歳になるまでだ。
ずいぶん長い期間、私はあまりにも偉大なバッハに、あまりにも崇高なバッハに、押し潰されていた。
愛するあまり、受け止められない、そんな矛盾したバッハへの想い。
30歳を過ぎてから開かれた扉は、真摯に神に向き合う祈りの道だった。
だから私は祈る。バッハを弾くことは、祈ることなのである。
私は祈り続けたいのだ。
まだなし得ない復興にくるしんでらっしゃるかたがたと共に。
大切な人を突然奪われた悲しみから立ち上がれないでいるかたと共に。
海を越えて、貧困にあえいでる人々、戦争に巻き込まれてる人々と共に。
私は平和を祈るために、バッハを弾くー。

録音年:2014年9月1日-4日
録音場所:草津国際音楽の森コンサートホール

※画像およびコメント掲載許諾:e-onkyo music

千住さんのバッハは今まで聴いたことがなかったのですが、とても心打たれました。おすすめです。



by audiokaleidoscope | 2015-03-19 04:06 | オーディオ | Comments(0)

(3/10)年度末キャンペーンのお知らせ【3/11~3/30】

皆さん、こんにちは。

先週e-onkyo musicからDSD256(11.2MHz/1bit)配信が始まったことは既にご存じの方も多いと思います。詳細はこちらをご参照頂ければと思いますが、その紹介文のなかでピックアップされている音源は明日(3/11)の「ハイレゾしばり」でも聴いていただくことが出来ますので、是非お聴きください!

この「ハイパーソニック・ハイレゾ」は山城祥二こと脳科学者・大橋 力さんの永年の研究によって生み出されたものですが、その歩みは1bitオーディオの歴史そのものと申し上げても良いかもしれません。先日の試聴会にもお越し頂いたY名誉教授のお名前も出てきますので、このブログを読んで下さっている皆さんにも是非最新の11.2MHz音源について理解を深めて頂ければ幸いです。

私自身もこれまでは2.8MHz/5.6MHz音源をダウンロードして楽しんで来ましたが、ここ数日は11.2MHzの音を楽しんでいます。目下のお気に入りは「String Quartets vol IV」(Engegard Quartet)。
b0350085_10463627.jpg
掲載許諾:e-onkyo music

これはノルウェイの「2L」レーベルからリリースされており、ホームページでは無料配信ページもありますので、これからハイレゾやってみよう!という方は是非このサービスを利用してみて下さい。つい先日申し上げたPCMハイレゾとDSDの表現の差異をご自身の耳で体験できると思います。

デジタル音源に関しては「高音質=ファイルサイズ大」という宿命がありますので、これからやられる方は2T(テラ)程度のHDDかNASをご用意されると良いと思います。1Tでも充分という方もおられると思いますし、私も最初はそうでしたが気が付くと足らなくなっているというのが現実。結局小さい外部記憶媒体は使わなくなってしまいますので、最初から余裕をみて用意されると良いと思います。今日ご紹介したEngegard Quartetの1タイトルだけでも13.2Gバイトもありますし(笑)。備えあれば憂いなしですね!

今日は最後に毎年恒例の「年度末キャンペーン」の予告をさせて頂きます。これは1年間のご愛顧に対する私どもからの心よりのお礼の気持ちを込めて毎年行わせて頂いているものです。今年度は3/11(水)13:00~3/30(月)8:00までのご注文(ご予約含む:一部除外あり)に対して適用させて頂きます。詳細は明日10:30頃までにはホームページにアップ予定ですので、今しばらくお待ち頂ければ幸いです。このキャンペーンに合わせて真空管などの品揃えも再充実していますので、予めチェックしておいて下さいね!



by audiokaleidoscope | 2015-03-10 10:41 | オーディオ | Comments(0)

今日,明日と東京です!

皆さん、おはようございます(といっても夜明けまでまだ2時間以上ありますが)。

今日,明日と私は東京です。「ハイレゾしばり」の収録と、既に先日お知らせした通り、4月の番組改編で「大橋慎の真空管・オーディオ大放談」という2時間番組にパワーアップしますので、その一回目と二回目の収録が控えています。

その記念すべき第一回目のゲストはレコーディングエンジニア界のレジェンド行方洋一さん、第二回目はジャズオーディオ界の第一人者、寺島靖国さんです。

行方さんはEMI MUSIC JAPAN(旧東芝音楽工業)録音部に入社後、パラダイスキング、坂元九、弘田三枝子、ドリフターズ、欧陽菲菲、渚ゆう子、奥村チヨ、小川知子、浜圭介などの作品を担当され、その後、制作部に移りプロデューサー&ミキサーとしてハイクオリティアルバム プロユースシリーズ、読売交響楽団、徳永二男等のクラシックから、アンリ菅野、前田憲男、ジョニー・ハートマン等のジャズまで幅広く手掛けられた方。

フリー転身後は、太田裕美、平山みき、ゲームソフト「ドラゴンクエスト」等の音楽録音のかたわら、オーディオ雑誌やオーディオイベント等の参加やオーディオ評論活動も行ってこられました。また、東芝EMIよりExMFシリーズを立ち上げ、オフコース、チューリップ、アリス、甲斐バンド等のアルバム全64タイトルをリマスタリングしリリースされた、まさに業界の生き字引ともいえる方。今回は行方さんが新たにリマスタリングを手がけられた「ON THE ROAD」の音源や、行方さんのライフワークともいえる蒸気機関車の生録サウンドなども聴かせていただけるかもしれません。

寺島さんはオーディオファンならきっとご存じだと思いますが、ジャズ喫茶「MEG」のマスターとしてだけでなく、オーディオ界でも孤高の論客として多くのファンを持つ方で、MUSIC BIRDでは常時ナンバー1のパーソナリティとして不動の存在です。

今回は私がMUSIC BIRDを聴き始めた90年代終り頃の「PCMジャス喫茶」の想い出話や寺島さんがいま手がけていらっしゃる「寺島レコード」の音源も交えて進めていきたいと考えています。これはオーディオファンならずとも必聴の番組になることでしょう。

明けて火曜日はN響バイオリニスト時代からキット屋のお客さまにはお馴染みの根津昭義さんがオープンされたサロン「レゾナンス」にお邪魔して一週間後に迫った試聴会のゲスト出演(2/14 15:30~の回)について打合せをしてきます。

演奏家ならではの音楽とオーディオに向けられた温かい眼差しを当日お伝えできるよう、しっかりお話を伺ってきますので!どうぞお楽しみに!



by audiokaleidoscope | 2015-02-09 03:46 | オーディオ | Comments(0)

覚えておきたい「基本」の重要性について

皆さん、おはようございます。東京試聴会が2週間後に迫ってきてデモのストーリーづくりや選曲について具体的に固めるべき時期になってきました。

今までオーディオ屋」として如何に良い音で鳴るアンプやスピーカーを作るか・・・という事に腐心してきた訳ですが、昨年10月から「ハイレゾしばり」をやらさせていただくなかで、音源制作に携わる方々との交流が生まれ、「原音主義」だけで良い音楽は創れない・・・「創る側」と、私たち「再生する側」も含め、いかに”こういう音で鳴らしたいかという想い”を持つことが如何に重要かを更に強く認識するようになりました。

3月のマンスリーゲストで再登場予定の高田英男さんとの収録時の対談では、「最終的に”人”である」という結論が導出されたように思います。演奏者の想い+レコーディングスタジオでフェーダーを握る人の想い+良い音で鳴れ!と思いながらアンプのヴォリュームを上げる私たちの想い・・・そのコラボレーションあって初めてGood Sound,Good Musicが現実のものとなるということ。その為に基本を押さえる大切さについて改めて考えることが多くなりました。

e-onkyo musicのサイトで興味深いインタビュー記事がアップされています。ここで重要なのはバーニー・グランドマンが言う96kHzや192kHzというレートで音質を語ることの危うさです。ハイレゾが音源のメインストリームの一つになってきたことは大変喜ばしいことである訳ですが、その一方で音楽そのものよりもサンプリングレートを過剰に意識するムードがあるのもこれまた事実です。演奏も,録音も再生も人が関わって初めて現実のものとなる芸術である訳ですが、ともすると音源のスペックに目が行ってしまう。

オーディオでも実は同じようなことが起こっています。特に自作派と言われる人達がキットを選ぶ時、抵抗はどこのナニを使っているのか、コンデンサーは?ヴォリュームは?・・・そういうところで音質を推し量ろうとするのは余りにミクロ的視点と言わざるを得ません。もちろん良質なパーツを使うことに何の問題もありません。しかしその一方で良いパーツを使えば良い音が出るというのはやや短絡的であるという理解も私たちは持っている必要があります。

つい最近こんなことがありました。SV-3のヴォリュームが絞り切れない、音量もトーンも多少は効いてはいるが、明らかに音質が変で左右の音量バランスも崩れている・・・これはひょっとしてヴォリュームが悪いのではないか、ユーザーさんはそう思われたかもしれません。

実機をお預かりして拝見すると、実にキチンと作られています。それぞれのハンダもしっかりつけられていて線材の末端処理も適切。パッと見る限り何の問題もないように見えます。しかしオシロで信号の挙動を観測してみると、確かにおかしい・・・明らかに信号系のグランドがどこかで浮いていることを示す波形です。そこで疑わしい箇所を具(つぶさ)に確認していくとヴォリューム基板からシャーシアースに繋がる一本のアース線のハンダ付けが不完全であることがわかりました。0.3SQのたった一本、数cmの、どこでも手に入るビニル被覆線です。ここをハンダし直してみると先ほどまで発生していた様々な問題は全て除去され、ギャングエラー(左右偏差)もゼロになり、ゲインのバラつきも全くなくなりました。当然ですがヴォリュームゼロ位置での漏れ電圧はありません。
b0350085_10300903.jpg
SV-3内部

人間はなかなか自分を客観視できません。何かあると外的要因を理由にして時として自らを正当化したくなるのは誰とて同じです。しかしその一方で自分自身が何らかの原因を構成していることが多いのもこれまた事実。たった一本の線材のハンダづけが、これほどまでが本質的音質に影響を与えること・・・基本を押さえることの大切さを共有することが如何に大切か、世の中のあらゆるものがハイスペック化されていくなかでもう一度考えなおしても良いのではないでしょうか。

オーディオ機器に携わる者として「銘木で作った掘っ建て小屋」だけは創るまい・・・厳しく自分に対して戒めてきたつもりです。192kだから良い音なのではなく、良い音楽を更に良い音源で聴くから感動も倍化する・・・そういう基本が改めて見直されなければならないな、と感じています。



by audiokaleidoscope | 2015-01-31 09:28 | オーディオ | Comments(0)

収録おわりました。サイコーでした!!

皆さん、こんにちは。今日は収録二日目。レギュラー3本録りです。一本目は通常の独り語り。内容は後日のお楽しみとして、今日はゲストをお迎えした2本分の内容について報告させて頂きます。

今回のゲスト、高田英男さんの再登場は、リスナーさんからの熱い要望によって実現しました。MUSIC BIRDはオーディオファンが大半という特徴もあってか、高音質音源だけでなく音源制作(レコーディング,マスタリング,カッティング等)にも興味をお持ちの方が沢山おいでになります。高田さんはまさに最前線の現場の音を知る一人。日本でも最高峰のエンジニアとして高音質音源を持って12月のe-onkyoコーナーにご登場いただいた訳ですが、「もっと話を聞きたい。再登場を望む!」という皆さんの声を受けてお願いしたところ、ご快諾をいただいて本日の収録となりました。
b0350085_16243626.jpg
今回は前回以上に突っ込んで、エンジニア高田さんの音作りのプロセスやその時々の逸話なども含めた極めてリアリティのある内容になっています。ぜひご期待下さい。

今日高田さんとお話して思ったのは、我々オーディオファンがしばしば口にしてしまう「この曲、録音が悪くてね」というような事を軽々に口にしてはいけないな、ということ。私たちが決して気がつくことのない、極めて細かな部分に現場で働く人たちが如何に注意を払い、如何に良い音にしようと想像を絶する気配りをしていることを知り、少々反省にも似た気持ちになりました。

私の仕事でもそうですが、不幸にして音が出ず、メインテナンスのため里帰りしたキットの出来がどうであれ、決して「これはヒドイ」と思う事がないように、音源にももっと敬意を払うべきだと感じた次第です。少なくとも高田さんの音作りにはそういう真摯さがありました。

今日ピックアップ頂いた音源は3/11(水)放送分が「ハイパーソニック」と呼ばれるもので、詳しくはこちらをご参照下さい。VICTOR HDでは192k/24bitですが、3月からe-onkyo musicではDSD配信も行われる予定とか。高田さんによればDSDとPCMではかなり音も変化するということですので、聴き較べも楽しみです。

私が特に興味を持ったのがガムランとオルゴール。脳科学者でもあるオオハシ・ツトムさんが上記リンクの中で書かれているハイレゾでしか聴くことができない超高域周波数が基幹脳に働きかけ、快感を呼び起こすまでのプロセスがスタジオで体現できたこと。耳で聴くというよりも「延髄に効く」というのが適切ともいうべき美音でした。3/18(水)放送分の音源はアナログマスターからダイレクトにハイレゾ変換した音源でした。これも改めてご紹介しますが、高田さんが40年前にミックスした「クレバノフ・ストリングス・ゴールデン・ディスク」の印象派的弦セクションの音作り、ジム・アンダーソンがミックスした「MALTA/マンハッタン・イン・ブルー」におけるスーパーリアリズムの対比も極めて印象的でした。

加えて以前にもかけた「カーメン・マクレー/アズ・タイム・ゴーズ・バイ」(1973)の昨日録ったかのような音像の明確さ,新宿DUGの空気感、また「マイ・ラブ/サリナ・ジョーンズ」でバックメンバーを務めたSTUFFの面々、とりわけスティーブガッドのドラムのキレとリチャード・ティーのエレピの円やかさの対比にノックアウトされました。

一部ではサンプリングレートやビット深度だけで語られがちなハイレゾですが、単なる数値競争ではなく、現場のアーティスト,エンジニアたちの偉業を細大漏らさず聴く為の手段であって決して目的ではないことを再認識した今日の収録でした。

私は今から秋葉に回って客注の球を探しに行きます。小料理屋の裏メニューではないですが店頭に出ていない「お宝」に巡り合えるといいのですが・・・。



by audiokaleidoscope | 2015-01-17 17:31 | オーディオ | Comments(0)

装いも新たに!!

皆さん、おはようございます。昨日は大荒れの天気でしたが今日は晴れそうでホッとしています。

今日から日曜まで東京です。収録と秋葉界隈の取引先を回って情報収集プラス打合せ。今回も大荷物で大変ですが、良いご報告が出来るよう頑張ってきます。

では行ってきます!
b0350085_19421908.jpg
いつものMUSIC BIRDスタジオで

…という訳で今日の収録は無事終了しました!1本は鈴木さんの番組のゲスト,もう1本は自分の番組のレギュラーです。しかし今日の鈴木さんの番組はサイコーでした!スゴいことになってます(笑)。放送は1/22(木)22時から122chで。岩崎Pがつけた今日のタイトルは「オーディオを言葉で語ること」・・・深い!

鈴木さんとご一緒させて頂くのはこれが三回目だと前にも書きましたが、不思議とノリが合うと言うか、鈴木さんのお人柄というか、物腰,口調の柔らかさだけでなく、しっかりとしたポリシーをお持ちで、なにしろ話が面白い!つられてドンドン話が弾む(脱線する?)感じです。鈴木さんはラジオ番組のディレクターとして30年ものキャリアをお持ちの方で、ツボを押さえた構成をちゃんと考えてこられたのに、私がいつものノリで勝手に暴走するので大変だったと思いますが、1時間番組が15分番組ぐらいに思えた楽しいひと時でした。本当にアッという間に終わってしまった感じです。鈴木さんがお使いのSV-192A/D+SV-2PPも絶好調のようで安心しました。

そうそう、そういえば4月の番組改編でMUSIC BIRDが更にパワーアップします。多分初出しですが、局の許可を頂いたので書いてしまうと124ch(現”クロスカルチャー”)が”オーディオチャンネル”(仮称)に衣替えするのです!いわゆるオーディオネタ系番組が全て124chに引越しするだけでなく、新番組も追加してまさにオーディオファン必聴のエルドラド(黄金郷)になることでしょう。

私の「ハイレゾしばり!」も従来の1時間枠から2時間枠に模様替え(翌週リピート)というから嬉しいじゃありませんか!番組名は未定ですが「球で聴く!大橋慎の○○○○」というタイトルでこれまで通りで、ハイレゾ音源は勿論、CDもアナログも何でも掛けちゃおう!という欲張りな番組になる予定です!

基本は対談形式。破天荒に(本音で)オーディオを語り合う番組。音楽界,オーディオ界のオーソリティをゲストに迎え、本音トーク炸裂のトーク番組です。嘗ての伝説番組「PCMジャズ喫茶」ふたたび!という位の意気込みで臨みますので是非ご期待下さい。ジャンルもジャズしばりではなくなりますので、ジャズはもちろん、私の好きなバロック,ヴォーカル,80年代ロック,J-POPまでシームレスに展開していきます!まだMUSIC BIRDの加入をしていないという方は、こちらをもう一度読んで頂いて改めて検討してみて下さい。ありとあらゆるジャンルの音楽を高音質でシームレスに楽しめるメディアはそうそうありませんから。

明日の収録は私が尊敬してやまない、音源制作(レコーディングエンジニア)のレジェンド!高田さんをゲストに迎えます。これが二回目。今回の音源も超強力,超高音質音源ばかりですので乞うご期待です!



by audiokaleidoscope | 2015-01-16 20:45 | オーディオ | Comments(2)

ご縁に感謝!

皆さん、こんばんは。今晩10時から「ハイレゾしばり」新春企画,サンバレー vs トライオード新春タマげた放談スペシャル第2回が始まります。当の山崎さんは今ごろベガスのCESが終わってホッと一息というところかと・・・放送も聴いて下さるものと思います。

私は今週金曜,土曜と東京でスタジ入りですが、今回は結構ハードなスケジュールになりそうです。まずは鈴木裕さんの「オーディオって音楽だ!」にゲスト出演。鈴木さんの番組に出させて頂くのは公録含めて3回目だと思いますが、今回はどんなテーマなのか、とても楽しみです。元バイクレーサー,現オーディオ評論家,ライター,ラジオディレクターという恐るべき引き出しの多さを誇る鈴木さんと楽しいトーク満載になることでしょう。番組で掛ける曲を現在セレクト中。

b0350085_20303155.jpg
私のレギュラー「ハイレゾしばり!」では今回も素晴らしいゲストをお迎えしようと考えています。私が最もリスペクトする音源制作のマイスター、高田英男さんです。高田さんは2回目のご出演で前回は12月。今回収録分のOAはたぶん3月になると思いますが、前回ゲストの時の放送では最前線のスタジオ事情や昭和の頃のマル秘エピソードの加えて、お持ちいただいた音源のクオリティが素晴らしく、収録が終わった直後から「是非また!!」とお願いしていたのです。それがこんなに早く実現するとは、これも今年は年明け早々幸先良いゾ!と大喜びしているところです。

数日前の繰り返しになりますが、オーディオ屋・・・それもスーパーニッチな真空管アンプという小さな小さな世界に棲んでいる私のような者が、この仕事を通じて尊敬する各界のオーソリティの皆さんとご一緒出来るのは本当に有難いこと。色々と大変な事もありますし、心痛む事にも時々遭遇しますが、この仕事をさせて頂いて本当に良かったなあと思っています。ご縁に感謝!

或る人が言っていました。「悲観せず、されど楽観せず、来る者拒まず、去る者追わず、今出来ることを愚直にやるだけ」・・・まだまだ私はその境地に達することは出来ませんが、自分と仲間を信じてモノづくりと共に番組づくりも頑張るつもりです。


by audiokaleidoscope | 2015-01-14 19:59 | オーディオ | Comments(0)

違うようで同じだった「点」と「面」

皆さん、こんばんは。ちょうどいま「ハイレゾしばり」新春企画,サンバレー vs トライオード新春タマげた放談スペシャル第1回が始まりました。

今回はトライオードさんがVP-300BDを大ヒットさせて半年後という早いタイミングで直販から卸売に移行した頃のお話からスタートします。山崎さんがアンプを車に積んで、時に手持ちで全国のオーディオショップを回って自社ブランドを知ってもらうために努力を惜しまなかったという話は非常に興味深いものです。今でもそうですが真空管アンプに対する偏見・・・例えば直ぐ球が切れる?というような誤ったイメージが販売店さんにも根強かった当時、何度も足を運んで少しづつ信用を積み重ねて現在300店舗ものお店と付き合うようになったというエピソードは感動的ですらあります。

キット屋の場合は逆に一つ一つの”点”(お客さんとの繋がり)を大切にしていこうと考え、山崎さんとは逆に一対多の関係(卸売り)よりも一対一(直販)を重視してきた訳です。プロセスは全く違えど、今こうして両方ともがこの世界で存在感を発揮しているというのは本当に素晴らしいことだと放送を聴きながら改めて感じています。

第2期トライオードが飛躍した大きな原動力となった中国の某政府系企業とのコラボがTRVシリーズとしてスタート、キットから完成品にシフトした頃の話も山崎さんが”面”を指向する上で大きな変化点でした。対して今でも大半のお客さんがキットでお求めになる私ども・・・同じ業界でも片や卸売,片や直販・・・片や完成品,片やキット、考えてみたら真逆の道を選んでそれぞれのやり方で一生懸命やってきました。いずれにしても地道に真面目にやってこそ花開くという点では全く変わりません。

いま22時17分。一曲目が終わって、次は若い人に興味を持っていただくかというテーマ。もう少し平たく言えば如何にマーケットを活性化していくかというお話を伺っています。どうやって世の中を刺激していくか・・・については双方決定的な解決策を見出せていない訳ですが、其々の強み・・・私どもであれば演奏家,ミュージシャン,プロオーディオ関係者さんとの緊密な関係のなかで培われた音へのフィードバックが出来ている点を更に推し進めていくことをこれからも大切にしたいと思っています。言い換えれば元々一人のお客さんとの「点」であった関係が次第にお客さん同士の「面」になってきたという点は大いに誇りたいと思います。

今日の放送を自分で聴いてみて思ったことは面と点、トライオードさんと私どもは戦略こそ違えど、実は”面の作り方”が違っているだけで、山崎さんは販売店さんの面、私どもはお客さん同士の面・・・「繋がり」という点では同じであることに気づきました。

ちょうどエンディングテーマがスタートしました。こんなお話が来週,再来週と続いていきます。是非皆さんもお聴きくださいね!



by audiokaleidoscope | 2015-01-07 23:00 | オーディオ | Comments(0)

本ブログ掲載内容は私人の見解であり、(株)サンバレー(ザ・キット屋)の立場,戦略,意見を代表するものではありません。


by Ohashi
プロフィールを見る
画像一覧