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(10/26)管球PA & ライブレコーディング

今日は名古屋のカフェでライブ。とはいえお客さんとしてでなく裏方として。
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きっかけはひょんな事から。今から三年ほど前、名古屋のとあるバーに飛び込みで入った時に偶々聴いたアコギ一本のライブ。そのライブがとても良くてCDを買ってからご本人とSNSでも交流させて頂いてきました。全国津々浦々で年間300本以上のライブをやるそのアーティストは森香さん。その森さんから数か月前、”名古屋のカフェで真空管のPAを入れてライブをやりたいんですが…”とご相談を頂きました。この手のノウハウはありますし真空管アンプの響きとアコギの相性の良さは自分が一番よく分かっていますので二つ返事で”喜んで!!”ということになり、当日を迎えたという訳です。
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会場について早速セッティング開始。マイクは空気感を重視しギターでダイナミックマイク2本。一本はネックエンドを狙い、もう一本はサウンドホールを狙います。ヴォーカルはコンデンサーマイク。あともう一本コンデンサーマイクをアンビエンス(残響用)にも立てました。
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アンプはSV-P1616D/KT150。スピーカーはY-25ver.2です。とりあえずセッティングして森さんに弾いてもらって音の感じを掴もうと思ったのですが、ここからが大変。非常に広いカフェで極めてライブな空間であることは良しとして、レイアウト上どうしてもスピーカーを森さんの後ろに置かざるを得ません。これは通常あり得ないことでスピーカーから出た音をマイクが拾いフィードバック(ハウリング)が極めて起きやすい環境です。事実フェーダーを微妙に突くだけで見事に大きなフィードバックが発生します。更に今回は森さんが音に拘ったライブを…ということでギターは曲に合わせ3本持ち替え。ギターを弾く方はよくご存じだと思いますがギター毎に鳴り(音量)が全然違うので、ギターそれぞれでフィードバックレベルも異なるという状態でした。

通常はイコライザーやコンプレッサーを使ってピークを抑えて対策するのですが、今回のチャレンジとしてライブの模様をハイレゾ(96k/24bit)でライブレコーディングすることにしていたので、なるべく余分なプロセッサーを通さずピュアな音で録音する事を優先。とにかく全てを耳と指先に託して本番に臨みました。後から一切いじれないミキサーアウト直のダイレクトカッティングなのでギターとヴォーカルのバランスも極めてクリティカル。幸い本番では一度もフィードバックが起きず本当にホッとしました。

少々意外だったのが、こんな感じでPAを真空管でやっても興味を持たれる方はそんなに多くないのですが、今回は前半と後半のインターバル時にP1616Dの写真を撮られる方や”やっぱり音が違いますねえ”と声を掛けて下さる方が多かったこと。中には真空管アンプのユーザーさんもいて大変心強く感じた次第です。

ライブが終わって同録音源を直ぐプレイバックすると多くの方がライブの余韻に浸るように、森さんのライブを反芻するようにじっと聴いて下さっています。バランス的にも良好で自分としても満足のいく音響担当のお手伝いができたかな、と思っています。

PAは鳴ってないようで実はしっかり鳴っているのが理想。ラウドであるほどクリーンである必要もあります。オールマイク録音の難しさと美しさを体験させていただき、とても楽しい夜になりました。
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マスターのOさん(左)、森さんと一緒に記念撮影。また一緒に出来る日を楽しみにしています!!有難うございました!




by audiokaleidoscope | 2017-10-27 11:57 | オーディオ | Comments(0)

(10/25)自分の味

先週東京でお会いしたMさん宅で聴いたmodel2の音。久しぶりに聴いたその自然な響きに心打たれてブログでご紹介したところ何人かの方から”ウチもまだまだ現役ですよ”とご連絡を頂いています。静岡のIさんからは

先般の大橋様ブログにて、Model Ⅱ についての記載を拝読をし、SV-912 購入後に休眠状態にあるModel Ⅱ をふと思いだし最近Sub的に構築した System内に投入可能であることに気づきました。その状態で、Model Ⅱ をシステムに投入しましたが、久々に感動です。

今まで、バックロードホーンだから、こんな物と思っていたホーン独特のふわっとした音の塊が払拭。きちんと音が分解され細かい粒状が確認でき、8cm のユニットから豊な空気感がこんなに出てきてくれるのかと驚愕でした。
十分 Sub System で満足し音楽が楽しめる状況に変化。やっぱ、凄い D/A コンバータだったですね。改めて Model Ⅱ の実力をまじまじと感じました。ちなみに Amp は樽Amp 、CDプレーヤーは、TEAC PD-301 、SPは東京コーン F77G98=6 (ペアで \500のユニット)をバックロードホーン(自作)に放り込んでいます。

とコメントを頂きました。その他お電話を何本か頂戴して昔話に花が咲いたり…そこで私も試聴室で昔々シリーズに灯を入れてみることにしました。
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常用のSV-192PROをD/Dコンバーター(アップサンプラー)として使用してmodel2にデータを送りD/A変換。model2ならではの繊細感と音がたゆたう感じを味わっています。郷愁にかられてアンプは初代SV-2を投入。正確な製作日は記録されていませんでしたが恐らく1999年~2000年。作ってもう17年も経過したことになりますが音は当時のまま。いい機会なので初代と末っ子の比較試聴も…。これでSV-3があれば完璧でした(笑)。
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1628D(右)は211仕様。845どうしで聴き較べると新旧で違いは感じるものの、共通する部分も多く当時30代だった自分と50代になった自分の変化を見るようで大変興味深い時間を過ごしています。あの頃とは色んな事が変わりました。今の方がずっと良いこともあれば当時の方が良かったこともある…その様々な揺らぎのなかで、でもその時々で自分が正しいと思ったことをやるしかないこの仕事です。

その昔、こんな事を書いたことがあります。オーディオ屋はレストランに似てる…10人お客さんが居て10人全員が常連客になってくれる訳ではない。半分の5人の方から”また行ってみたいな”と思って頂ければその店は大繁盛店に違いない、と。オーディオも同じ。つまるところ優劣を超えた部分での何と言うか自然さ、ずっと聴いていたい感じや自分の音楽観との親和性で判断されてしかるべき世界です。大切なのは”自分の味”を忘れないこと…そんな事を思い出させてくれた今日でした。もう暫くこの世界に浸ろうと思います。




by audiokaleidoscope | 2017-10-25 14:38 | オーディオ | Comments(0)

(10/20)スピーカーの聖地へ

立ち位置は開発主体のメーカー的立場でありながら暇さえあればお客さんの音を聴かせて頂いていただくことが何よりの楽しみ…そんななかでここ数年、或るスピーカーブランドの名前をしばしば聞くようになりました。例えば千葉のFさん。例えば東京のYさん。そういえば昨日のアンソニーさんも…。海外のビッグなブランドではありません。主にJBLのレストアを中心にしながらカスタマイズなども手掛けるそのビルダーが30代の若者と聞いて一度会ってみたいなあ、とずっと思っていたのですが、今回縁あって工房をお邪魔させていただけることになりました。
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その名はケンリックサウンド。業界の大先輩であるS社長が一緒にいかない!?と誘って下さって訪問が実現しました。
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Sさん(右)とSさんがメーカー勤務時代の先輩Kさん(左)。Kさんはケンリックの縁の下の力持ちとして現役バリバリで活躍中。こういう重鎮の皆さんが活躍されるのは私たち後輩としても一番嬉しいこと。

早速音を聴かせていただきました。最初の写真のシステムは一見JBL4343のようでいて中身は全く別物です。ウーハーが替わっているだけでなく、ネットワークも全くの新設計。まず驚いたのが位相特性の良さ。オリジナル4343は良くも悪くも独特の音でウーハーのF0が低いことからサブウーハー的に重く鳴り響きが残る感じ。ミッドバスとの間に聴感上おおきなデイップがあってピアノの左手などは音像が動く鳴り方が個性的です。あとはミッドバスとミッドハイの音色がかなり異なり、多くの場合金属的な尖鋭感が気になるのですが、このオリジナルシステムはユニット間の位相の揺らぎが全くなく、まるで巨大なフルレンジのように2つのスピーカーの間にポッカリと音像が浮かぶような鳴り方。音量を上げるとまさにそこにドラムがいるような、ピアノがあるようなリアリズムが展開しました。
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これが専用ネットワーク。Kさんの力作です。感心したのがミッドバス/ミッドハイの繋がりの良さ。ダイレクトラジエーターとコンプレッションドライバーの発音方式の違いからなかなか上手くいかないものですが、このネットワークではコンデンサー,コイルのヴォイシングを重ね完璧なまでにシームレスに整合しています。システム価格285万(ペア)も納得のサウンドでした。
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左のシステムはオリジナルでしょう。4355のレイアウトを縦型に替えた感じなのかもしれません。15インチのダブルウーハーはオーデイオマニアの憧れですね。
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試聴室にはパラゴンが3セット。レプリカも手掛けられるそうですがこれはオリジナルをカスタマイズしたもので、ネットワークは上の4343改と同じくイチから設計し直しされたとか。ユニットも完全リビルドで着磁からやり直して完璧を目指したもの。価格は驚きの800万オーバーとのことですが既に売約済で納品待ちとか。凄いです!
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そのほか試聴室に現行ハイエンドからヴィンテージまで銘機が勢揃い。そんななかにウチのSV-192Sも並んでいました。

私が今回一番感銘を受けたのはバックヤード。つまり現場です。中古ショップでのスピーカーの売られ方にも色々あって中には買い取って音を出して鳴ればOKという店も現実にありますし、パーツ類を替えて元の音とすっかり変わってしまっているものも少なくありません。正直ケンリックという店がどんなプロセスでモノづくりをしているか全く知らなかったのですが、現場を見て単なるメインテナンス屋ではなく、揺るぎないポリシーと妥協の一切ないオンリーワンのモノづくりをしていることが分かって非常に心打たれました。
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ユニットのメインテナンスは単なるエッジの張替えにとどまらず完全バラバラの状態からスタートする徹底ぶり。
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塗装は塗る前に剥がす…当たり前のようでいて、ここまでやるところはそうはありません。
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これはKさんのワークベンチで撮ったネットワークのバラック。出来上がるまでに気の遠くなるような時間と工数がかかっていることをどのくらいの人が知っているのか分かりませんが、それはお客さんの為であると同時に自分たちの志(こころざし)でもある訳で、こういう光景を見られるのは本当に嬉しいものなのです。

社長のHさんといろいろとお喋りしながら感じたことは、この人は自分に対して全くブレと妥協がない人なんだな、ということ。物事をやっていると”まあ、こんなもんでしょう…”という妥協点が誰にでもあります。そのレベル感こそが人としての生き様に現れるのだと思いますが、Hさんの静かな語り口、真っ直ぐな視線、そしてHさんの真摯な想いを受け止めて真剣に、でも楽しそうに働くスタッフの皆さん…ケンリックサウンドは会社という形をとりながらオーディオが大好きな人たちの夢を結集した、素晴らしいチームなんだと思います。

HさんとKさんから”タマでウチのスピーカーを完璧にドライブできる物がないですか?”とオファを頂いたので、近いうちにまたお邪魔させていただくことになりそうです!楽しみでなりません!!




by audiokaleidoscope | 2017-10-21 10:19 | オーディオ | Comments(0)

(10/19)”SV-8800SE大研究”と”youtuber初めての真空管アンプ選び(プリ編)”

今回の収録は12月オンエア分の二回録り。思えば今年も色々なテーマで真空管アンプの楽しさ,奥深さを放送を通じて感じて頂こうと知恵を絞ってきました。来年も頑張ります!

その師走一回目(12/8放送)は「SV-8800SE大研究」。多極管プッシュプルの高級モデルの魅力を掘り下げています。真空管は3種類を用意。GoldLionKT88,TungSolKT120,TungSolKT150の三種類。
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これは現行KT88で最も人気のあるGoldLionKT88です。SV-8800SEは固定バイアス(出力管を替える場合は必ずバイアス調整が必要)ですので少々敷居は高いように感じられるかもしれませんが、デジタルテスターとドライバー一本で誰でも出来ますし、出力管の持ち味(性能)を最大限引き出せるという点において、車でいえばマニュアルトランスミッションの大型クーペような存在。
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収録ではカップリングコンデンサーの交換実験をやった関係でアンプを90度倒した格好でバイアス調整していますが、通常はシャーシ上からテストポイントにテストリードを挿入すればOKです。

今回オンエアで是非聴いていただきたいのが固定バイアスアンプならではの実験。GoldLionKT88を使用し、市場の一般的な多極管ppの標準的Ip(プレート電流)=40mA~45mAの状態の音とSV-8800SEの標準設定値での音の違いを体験していただけます。前者はAB2級動作。対してSV-8800SE標準設定値は常用出力A級動作になります。A級とかAB級とか言われてもピンと来ないかもしれませんが、A級の方がプレート電流を多く流し出力管を最もリニアリティの高い領域で動作させることになりますがAB級と比べて最大出力が下がる,発熱が大きくなる等のデメリットはありますが音質的には明らかに有利です。多極管ppはどちらか言えば最大出力を優先する側面がありますので、市場の製品の多くがAB級でプレート電流を低く抑えています。電源トランスのB電流巻線容量を低く抑えることができるのでコストダウンにもつながり、多極管ppは大パワーの割に値段が安いという評価にもつながって市場でも人気があるものと思われますが、私どもでは出力よりも音質を優先するというポリシーからプッシュプルでも常用出力ではA級動作であることを条件に設計を行っています。

少々理屈っぽいですが、同じアンプ,同じ出力管,同じ出力で違うのはバイアス調整値のみという条件で音を聴き較べていますが、これが音の潤いや聴感上のダイナミックレンジが大きく変化することに気づいて頂ける筈です。
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続いては恒例カップリングコンデンサーの交換実験。SV-8800SEでは標準でもビタミンQオイルペーパーコンデンサーを採用していますが、これを更にグレードアップしてJENSENの音も聴いて頂いています。
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カップリングのみ直ぐ交換できるようにアンプに手を入れてあります。ミノムシクリップの赤が高圧側(前段プレート側)ですのでJENSENの推奨極性に合わせて試聴。同じオイルコンでもやっぱりJENSENは特別な存在。レベルの違う音をぜひ聴いてみて下さい。

そして最後は恒例ヴィンテージアワー。ゲストTさんのGE6550A(マッキントッシュ向けOEM品)とGECのKT88オリジナル。初段はテレフンケン12AU7,ドライブ段はTungSolオリジナル12BH7A。このアンプは私どもでも独特の存在で現行ハイエンドスピーカー(低能率,低インピーダンス)を真空管アンプで鳴らしたい…という方の指定銘柄。数値上の最大出力を遥かに超えるドライブ力を有しています。今回の収録ではそのSV-8800SEのフルチューンの音を楽しんでいただける絶好のチャンス。ぜひお聴き逃しなく!

二本目(12/22OA)はユーチューバー”アンソニー”さんをスペシャルゲストにお迎えしました。
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チャンネル登録者46,000人。オーデイオ好きなユーチューバーが居るんだけどゲストにどうですか?とお奨めいただいたのが2か月ほど前だったでしょうか。既にMusicBirdには二度出演されているということで私の番組が3回目。テーマはアンソニーさんのリクエストでプリ比較。タイトルは”アンソニーの真空管アンプ選び(プリ編)”ということに。現在は半導体パワーアンプをプリなし(直結)で聴いておられるアンソニーさんにプリとは何なのか、プリはなぜ要るのか、実際音にどんな変化が出るのか…を実際音を聴いて確認していただき、その印象を自ら言葉で語って頂く流れにしました。

まずはプリなしとプリありの比較。SV-192PROからSV-8800SEへダイレクトに信号を送るのとスタジオ常設のSV-192A/Dを通した音の聴き較べからスタート。話に熱中して写真を撮ることも忘れていましたが、オーディオは好きだけど知識がない…と仰る言葉とは裏腹に、それぞれのプリの個性を客観的に理解され、的確な言葉で表現するその姿勢にダテに何万人ものファンを集めている人ではないなということが直ぐ分かりました。

今回登場したプリはSV-Pre1616D,SV-722(C22),SV-300LB,SV-310の4機種であった訳ですが、例えばSV-300LBの音を聴いて”特に個性があるという感じではないけれど、様々なアンプ遍歴を経て最後にたどり着くのがこんな音なんでしょうね”というコメントやSV-Pre1616Dのカソフォロ段12AU7/整流5AR4を聴いて”いつかは違う音に行き着くのかもしれないけれど、回り道してでも聴きたい音ってあるじゃないですか。このプリの熱気はそんな気持ちにさせられます”といった言の葉の選び方にアンソニーという名前を語るこの若者のポテンシャルの高さを感じました。逸材です。

アンソニーさんのチャンネルはすぐ検索できると思いますが一つ実例を。

また機会があればゲストにお迎えしてアンソニーさんのシステムがすべて真空管になるまで見守りたいものです(笑)。



by audiokaleidoscope | 2017-10-21 08:28 | オーディオ | Comments(0)

(10/18)違いは”響き”

今月3回目の東京は杉並のMさん宅からスタート。Mさんとお会いするのは初めてですがお付き合いは15年ほど前から。大半のお客さまとの関係性がメールか電話のお付き合いなので、何かきっかけがあると出来るだけ伺って直接お目にかかってお話を伺うことを楽しみにしているのです。今回は機器を導入してかなり時間が経過しているので真空管の劣化はどうなんだろう?…というお話。私にとってはお目にかかる千載一遇のチャンスです。

素敵な洋館の二階へお邪魔すると、そこはまさに音楽のための空間。
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聞けばMさんは永く音大で教鞭をとられ、ご自身も二期会の会員でいらっしゃる方。1970年の欧州13ケ国66日間の演奏旅行をされた時のお話など楽しく伺いました。今は悠々自適の毎日をお過ごしということですが毎日2時間はピアノに向かい膨大なクラシックのCDを楽しみながら日々お過ごしとか。
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これがMさんのオーデイオ。スピーカーはタンノイ。アンプは懐かしいSuper 8B(EL34pp)とSV-501SE(300Bシングル)がメイン。確認したところ真空管はすべて正常で全く問題ないことが分かってひと安心。
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つい先日終わってしまったSV-501SE。私どもの300Bシングルの代表機種の一つでした。中庸で滑らかでクラシックを聴く方にとってのメートル原器の一つでした。
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プリはSV-3。もう一台のパワーアンプはSuper 8B。最初にSuper 8BがMさんのところへ嫁いだのが2002年というから早いものです。
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D/Aコンバーターはmodel2。いまや11.2MHz/1bit,768kHz/24bitの時代ですが、今でもmodel2をご愛用くださっている方は本当にたくさんいらっしゃいます。データを超えたところにある”鳴り”や”響き”の本質的な良さが真空管にはあるからでしょう。

Mさんはこうも仰っていました。”いまの若い音大生は楽譜通りに演奏するテクニックは高いんです。でも正確に演奏することには長けていてもそれ以上の何かに欠けているような気がします。私がSTEINWAYのピアノを使うのも響き…日本のピアノにない表現力があるからなんです。オーデイオも同じですね。真空管でなければ出ない自然な響きがある…”。

Mさんのオーデイオは小音量でも豊かな響きとスケール感があり、それでいて一音一音のニュアンスがしっかり聴き取れるデリカシーのある表現でした。音楽と共にある歓びにあふれた素敵なMさんの毎日のお話を伺いながらオーデイオ屋であることの幸せを感じた今日でした。明日はMUSIC BIRD二本録り。今回はどんなネタが飛び出すでしょうか?…楽しみです。



by audiokaleidoscope | 2017-10-19 05:52 | オーディオ | Comments(0)

(10/12)これぞまさしくモノづくり

ショールームも元通りに戻って今日から試聴室オープン。最初のお客さんは先月SV-P1616Dの試聴にいらっしゃって早速キットを組まれたUさん。早くも次のターゲットということで今回はSV-S1628Dをショールームで受け取りがてら完成したばかりのP1616Dを持ってお越しになられました。

Uさんは喜寿。40年くらい前に作ったきりでアンプ作りは超ひさびさ…とのことでしたので何らかのサポートが必要かも…と内心思っていたのですが、アンプを拝見して驚愕!!
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左が”素”の状態。右がUさんが組み立てたP1616D。回路変更は全くされていないとのことですが、別のアンプと見間違うほどシックにドレスアップされていています。伺えばトランス類は自分で手塗り、シャーシも黒く塗った上に特注の金メッキの板金を重ねて、サイドにはウォールナット特注の化粧板をお付けになった由。そして銘板もご自身でパソコンでデザインを起こして追加されていらっしゃいます。

驚きはこれだけではありません。フロントパネルに標準にはないスイッチとLEDがあるので「これは?」と伺うと謎が解けました。初段とドライブ段のMT管をLEDでライトアップされたとのこと。
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これがライトアップされた状態。試聴室のダウンライトを少し落とすと更にきれいにグリーンが浮かび上がってきます。Uさんは「1628Dもこんな感じにしようかと思ってるんです」とニコニコされていらっしゃいました。このような言い方が適切かどうかは分かりませんが、傘寿を3年後に控えられた大先輩のどこからこのような情熱が沸き上がってくるのか…先月お会いした時に「手配線なんて出来るだろうか」と仰っていたUさんが別人に見えました。1628Dが出来上がったらまた見せて下さいね!とお願いしておきました。

今日のひと言…人間って凄い!!心からそう思った私でした。




by audiokaleidoscope | 2017-10-12 12:06 | オーディオ | Comments(0)

(10/9)フェア二日目

二日目。今回で18回目の出展ですが毎回予期せぬ出会いと懐かしい再会があって、いつも新鮮な真空管オーディオフェア。
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そういえば初日の高田さんデモの内容に関してたくさんお問い合わせを頂いていますが、youtubeに関連する動画がアップされていますのでお知らせしておきますね。


デモで聴いて頂いた音源の多くは「Stereo Sound Hi-Res Reference Check Disc」に収められているものです。是非スーパーハイレゾの魅力をご自身のシステムで確認してみていただくと最新のデジタル音源の凄さを体感して頂ける筈。

二日目のデモのテーマは初日以上に深くマニアックに進行しました。今回新かわら版で増補した「はじめての真空管アンプ(実践編)」を枕にしてお話をさせて頂いた訳ですが、特に反響のあったのがSV-284Dのブースターモードの音。まずSV-91B単独の音を聴いて頂いたあとで91B+284Dの音を鳴らした時の差異に対して想像以上の反響を頂きました。当然聴く音量は同じ。通常家庭にあっては3W以下。ならば出力10Wの91Bで何の不足もありません。

私が845を出力管としたブースターアンプ構想を思いついた時、結果として得られる出力アップには殆ど興味がありませんでした。では何を期待したかといえば増幅系のゲインが上がることでローレベルの情報量にきっと大きな変化が訪れるのではないか…そんな想像が頭をもたげたから。その後試作,修正を重ねるなかでその想像は確信に変化していきました。真空管・オーディオ大放談(youtubeダイジェスト)ブースターモードの284の実力を垣間見ることも出来ます。


この収録時の前置アンプはSV-2300LM/300Bでした。高田さんが仰っていたビットレンジ(ビットレゾリューション)こそが聴感上のダイナミックレンジ、ひいては高音質に直結するという主張に直結する増幅系の下方(ローレベル)リニアリティ伸長こそが高音質の要であるというのが私の主張です。

二日目のハイライトであった生島さん(ディスクユオン Jazz TOKYO店長)のレコードコンサートもそんなテーマに通じる何かがあったように思います。
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セロニアス・モンクのモノ盤とステレオ盤の比較試聴があったり、アナログ全盛期の真空管機器をフルレストアして再発されたLPの音の良さに感心したり…数々の貴重盤を聴かせてくれた生島さんですが、なかでも白眉だったのが予告編でも少し書いたブライアン・ブロンバーグ”WOOD"のアナログ盤(2枚組)

CDはもう15年くらい前から試聴会でも使っていたのですがハイレゾ版のリリースが一昨年。この時もぶっ飛んだわけですが今回のアナログのダイナミックレンジの深さは尋常ではありませんでした。そして更に凄かったのが、そのWOODのラッカー盤!このラッカー盤からスタンパーが作られ、それがLPになる…その大元であり音の全てがこのラッカー盤に全て入っている訳です。

ラッカー盤の寿命(再生回数限度)は10回~20回。その貴重なラッカー盤のバージントラックを聴かせていただいた訳ですが、この音を聴いた方は千載一遇のチャンスを得たと申し上げてもいいでしょう。音の弾力といい、スタジオの空気感といい音の深みと鮮度の同居したこの世界はなんだ!!と深い感動を覚えたのは私だけはなかった筈。思わずデモ中に携帯で写真を撮ってしまいました。
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ラッカー盤の音を聴きながら無言の二人…いま思い出しても凄い音だったなあ!


今回のフェアについてはいずれWEBやオーディオ雑誌などでも広く広報されることでしょう。残念だったのは他メーカーの音を聴かせていただく時間が全く取れなかったこと。SNSなどで皆さん頑張っておられる様子を拝見させて頂いて、ちょっとでもいいから他のブースを覗きたかったな…というのが唯一の心残りです。

という訳で今回のフェアも無事終わりました。例年ですと次は2月辺りに再び東京で試聴会をやるのが通常の流れですが…久しぶりに違う場所でやってみてもいいかなあ、と思いながら車で会社に戻った今日の私でした。フェアにお越し下さった全ての方に心よりの御礼を申し上げます。どうも有難うございました!!また会いましょう!!





by audiokaleidoscope | 2017-10-10 21:07 | オーディオ | Comments(0)

(10/8)フェア初日

2日間の楽しかったフェアが終わり、余韻に浸っている感じです。写真を中心に今回の真空管オーディオフェアを振り返っていきます。
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デモ中ですね。今回大胆にレイアウト変更した訳ですが結果的には大正解でした。聴きたい人は試聴ブース,製品を見たり質問したりしたい人は展示ブース,買い物したい人は物販ブースとニーズに合わせた配置が出来て良かったです。
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試聴はテーマを決めて機種ごと,カテゴリーごとの比較がしっかりできるように工夫しました。ひとコマでの試聴機種をあらかじめ絞り込んで例えば300Bシングルの比較,多極管プッシュプルの比較,コンパチ機の真空管交換,高級機の音質的,回路的特徴などにフォーカスしました。

スピーカーは画像の3種類メインで鳴らしましたがLM755A Classic Floor Systemはエンクロージャー単売をはじめて今回はエレクトロボイスの409を入れたのですが早くも注文を頂いたり、Vintage S12の音に多くの方が関心をもたれたようです。
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いつものように画像表示して今なにが鳴ってるか分かるように…。
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音源も何かわかるようにLPジャケットやPCの画面を見て頂けるようにしました。今回も素敵なお花を頂きました!有難うございます!
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入力周り。プリは3機種。フォノイコはSV-396EQとSV-310EQを交互に鳴らす感じ。デジタルはMC-3+USBでリクロックモードにしてPCM,DSDいずれも最高の状態で鳴らせるように工夫しました。プリはSV-Pre1616Dが大活躍でしたね!
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Pre1616Dはデモ中にカソフォロ段の交換(12AX7→12AU7)や整流素子の交換(ダイオードモジュール→5AR4)を行って音の太さ,実体感の変化も楽しんでいただけたかと…。
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パワーアンプはSV-S1616D/多極管仕様(Gold Lion KT88),SV-S1616D/300B仕様(Prime300Bver.5)。真空管アンプの出発点にして終着点。
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SV-P1616D/多極管仕様(KT150),SV-P1616D/300B仕様(Prime300Bver.4)。プッシュプルの魅力であるスケール感,響きの良さ,厚みを改めて音で知って頂けて良かったです。
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SV-S1628D(GoldenDragon211),TU-8600SV(JENSEN仕様)。いずれも人気モデルだけにデモ時は大賑わいでした。
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JB-320LM(Prime300Bver.4),SV-2300LM(Prime300Bver.5)。コンパチプリメインは今回注目度大だったようです。
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SV-8800SE(GoldenDragonKT88),SV-91B(PSVANE WE仕様),SV-284D。拘りの高級機の音もバッチリ聴いて頂きました。真空管アンプはスピーカーを選ぶとよく言われますが、このクラスは現行のハイエンド系スピーカーと一緒に使われる方も多く、Focal Grand Utopia, Genesis V, B&W 805 D3など実際のインストール例を交えて説明しました。
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展示ブースではバトラーの人気モデル,エレキットTU-8600そして技術相談コーナーを設置。
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デモ中もスタッフと活発なやりとりが展開されていました。
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これはMUSIC BIRDの高音質な新チューナーの比較試聴コーナー。新規申し込みもバンバン入っているようで嬉しい限りです。
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真空管物販コーナー。Mullard,Telefunkenなどのヴィンテージ球はもちろん現行球も大変な売れ行きだったようです。ロゴ印刷がずれていたりガラスが傾いていたり正規品で販売できない真空管もサービスコーナーは人だかり。

そして初日のハイライトがミキサーズ ラボ高田さんの講演タイム。素晴らしかったです!!
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現場の最前線で活躍するエンジニアのトップがオーディオファンと”良い音とはなにか?”を共有する…こういう機会をいただけて本当に光栄でした。高田さんのデモではスピーカーはLM69固定。アンプはSV-8800SE固定で行いました。
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スライドや動画そしてもちろん384kHz/32bit,11.2MHz/1bitなどのいわゆる”スーパーハイレゾ”音源もたっぷりと聴いて頂きました。
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おもわず二人で聴きいっているところ…。
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門外不出のマイキングノウハウなども披露。TOMA & MAMIのスーパーハイレゾダイレクトカッティング音源は超絶の空気感でした。その後MIXER'S LABOのLPや高田さんの手掛けたAKIRAの 日米同時発売のLPも聴いたりしてあっという間の1時間半でした。
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会場では歌手の井筒香奈江さんにもお会いしました。たくさんの業界の方とも旧交を温めることが出来てフェアならではの楽しさ満載の初日でした。二日目の様子は後ほど…。



by audiokaleidoscope | 2017-10-10 08:38 | オーディオ | Comments(0)

(10/5)フェア直前&追加情報

(訂正連絡)10/9のディスクユニオンJazz TOKYO 生島さんのレコードコンサートですが正しくは14:30スタートでした。訂正してお詫び申し上げます。


前回のポストが先週金曜日。あれからフェアの色々な準備を進めて何とかメドがついてきたところです。当日配らせていただくチラシ関係も段取りが終わり、デモ機材の特性確認も順調であとはトラック積み込み待ちという段階まで来ました。もうひと息!

物販関係では毎年人気のある真空管販売コーナーのリストが出来ました。
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年々ヴィンテージ球の流通が減ってきているなかで今回は輸入元に協力して頂いてMT管の現行球とヴィンテージ両方に力を入れて商品を集めました。数量が限られているものが多いのでお早めにブースへお越し頂ければと思います。

肝心のデモ内容については先日書いた内容から更にパワーアップ。特に初日(10/8)17:30~の高田英男さんのプレゼンテーションに関しては時間を延長して前半スーパーハイレゾ,後半は高田さん/ミキサーズ・ラボ関連の音源として
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二枚組LP「AKIRA」(9/15日米同時発売~現在品切れ中~)


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二枚組LP「MIXER’S LAB SOUND SERIES Vol.2」

の試聴も実施。レコーディングの最前線の現場の裏話だけでなく、最高の音源も楽しめるイベントになりそうですね。

そして二日目(10/9)15:30~のディスクユニオン Jazz TOKYO 生島さんをお招きしてのレコードコンサートも素晴らしい内容になりそうです。ステレオ/モノ両方のSPUを用意いただき名盤,高音質盤のオンパレードに加え、今日飛び込んできた情報では何とラッカー盤と通常LPの比較試聴もあるらしいです!

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二枚組LP「ブライアン・ブロンバーグ / WOOD」(10/6発売)

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二枚組LP「オルケストラ・ド・コントラバス / BASS,BASS,BASS,BASS,BASS&BASS!」


”ザ・低音”シリーズといえばオーディオ好きな方なら知っているサウンドチェック用の定番で、かつて私どもでもリファレンスディスク指定していたテッパン音源でもあります。それが二枚組高音質LPとなって復活するとなれば誰しもが興味を持たれる筈。更にラッカー盤との比較試聴という機会は二度とないと思いますので是非その音を体験頂きたいと思います。


そして忘れちゃいけない私ども自身のデモは「真空管・オーディオ大放談」公開収録ばりの内容で全編お届けする予定です。その他メーカー担当者自らが説明するエレキット「TU-8600コーナー」,MUSIC BIRDの新旧チューナー比較試聴&新キャンペーン紹介コーナーなど、二日間全力で来場者の皆さんをお待ち申し上げております!どうぞお楽しみに!!


by audiokaleidoscope | 2017-10-05 17:26 | オーディオ | Comments(0)

本ブログ掲載内容は私人の見解であり、(株)サンバレー(ザ・キット屋)の立場,戦略,意見を代表するものではありません。


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