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(5/30)深センから佛山へ

中国2日目は今回のメインテーマの一つ、Reference35の受入れ検査。日本にシップする前に数十項目に亘りチェックし、要求仕様に合致しているかを確認する重要な作業です。一旦船に載せてしまったが最後、あとで困るのはお客さんな訳ですから、万一不具合があればこの段階で全て是正しておかなくてはなりません。
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会議室に持ちこまれた抜き取りサンプル。外観はもちろん測定データ,ネットワーク,機構部品,表示関係も全て確認します。この工場は欧米の名だたるハイエンドブランドの製品を一気に引き受けている信頼できる相手であることは重々理解しながらも私にとっては初めてモノづくりを託する相手。先方の社長から”どうしてそこまで訊くんですか?”と言われるほど突っ込んだ内容にまで踏み込みました。
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Referense35用にリファインした社名の銘版。エンクロージャー,サランネットとのマッチングもよく、イメージ通りで気に入りました。
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ソフトドームのツィーター,ポリプロピレンのウーハーも要求仕様通りに量産されていてひと安心。
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背面ターミナル部。太いスピーカーケーブルもガッチリ受け止める大型タイプ。容易にパッシブバイアンプに発展出来るようにバイワイヤリング仕様になっています。シリアルナンバーと測定データを一対一で紐付けて販売後のサポートにも万全を期しています。
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これがネットワーク。能率は決して高くないユニットですが、ネットワークをなるべくシンプルにして真空管アンプでもドライブし易く工夫しています。

製品検品が終わり、続いては工程確認。モノづくりがどのように行われたかを丹念に見て回ります。機密的に問題ない部分のみご紹介していきます。
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ユニット組付ライン。この工場月産10万個という製造規模を誇り、各国のOEMを受託しているだけあってラインもスタッフの動きも整然としています。
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これは某ブランドのウーハー製造工程。人によるバラツキを如何に抑えながらも最終的に人の感覚で厳しくチェックする両輪が重要と説明を受けました。
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目ざとい人はこのノンプレスコーンを見ればどこのブランドか分かるかもしれませんね。5㎝のフルレンジから53㎝のサブウーハーまであらゆるユニットが日々生産されています。
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これは組み上がったユニットの検査工程。予め決められた閾値に収まっているか全数チェックしています。
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画面にGOODが出れば合格。かなり長い間見ていたのですがBADは一度も出ませんでした。
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出荷を待つReference35。様々なプロセスを経て一年がかりで出来上がった文字通り私どもの小型リファレンスモデルです。6月下旬には発送が出来る見込み。

かなり張りつめた雰囲気のなかで行われた検品作業が終わり出荷承認を出して工場の関係者と昼食。連れていって頂いたのが上島珈琲って…(笑)。ブランドはなぜかUBCという。中国版高級カフェという雰囲気。
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昼食を終えチャーターした車で一行は深センから佛山へ。高速道路網が整備されて車での移動も10年前と比べて非常に便利になりました。
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佛山は歴史ある街。旧き良き中国の佇まいがそこかしこに残っている個人的にも好きな街のひとつです。高速道路から見える風景もどこか懐かしさがあります。
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これはSAのコンビニでゲットした謎のスナック。味はビミョー(笑)。
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車が広州市街に差し掛かるとこんな建物が。金色に燦然と輝く”銭形”の巨大なビル。ドライバーさんによれば中国大手の投資会社の建物だとか。分かりやすい(笑)。
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3時間強の移動のすえ、佛山の常宿へ到着したのは陽も落ちかける頃。
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ちょっと中国伝統工芸のお店を見学。木彫りの調度品は見事という他ない素晴らしさ。佛山は繊細な木工製品の産地でもあります。こういうモノを眺めていると合理的大量生産の一方でこういう伝統的な技術もしっかりと残してほしいものだと強く感じます。
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長い一日が終わって今日の夕食。中国は巨大な国家だけあって地域によって味付けにバリエーションがあります。今回は中国東北料理のお店をチョイス。4人でたらふく食べて飲んで約4000円という安さでした。

明日は午前中佛山の工場で打ち合わせをして午後、最後の目的地である珠海へ向かいます。珠海ではJB-320LMの製品検査が今まさに進んでいるところ。今回の出張もいよいよ佳境にさしかかってきました。気を抜かずに最後までやるべきことをやり遂げてこようと思っています。



by audiokaleidoscope | 2016-05-31 02:01 | オーディオ | Comments(0)

(5/29)香港から深センへ

東京から一旦地元へ戻って、こんどは中国。いつものように香港経由で本土へ入ります。以前は香港から本土へはフェリーを使って移動することが一般的でしたが、近年道路(橋梁)の整備がずいぶん進んで今回は陸路で移動することに。目指すは最初の目的地、深センです。

北京市、上海市、広州市に次ぐ中国で四番目に大きな都市で人口は近郊を含んで1500万人程度。電気関係のモノづくりに関わる者にとって非常に重要な製造の拠点の一つであり、今回は私たちはここ深センでReference35の輸入前の受け入れ検査を行うことを目的としています。別部隊は珠海市でJB-320LMLM69の検査に向かっており、現地で落ち合うのは明後日の予定です。明日の検査前を前に夕方からミーティングを行うまで少し時間があったので、ホテル周辺を散策してみました。
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中国経済の減速が懸念されるなかでしたが、街並みは今までと変わらず活況を呈しています。マンション群の建築風景があちこちで見られ、100平米で邦貨換算6000千万(以上)の物件もちらほら。中国という国は1億円以上の収入がある人が一億人以上いるという話…都市部はまだまだ健在のようです。
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街を行き交う車は欧州車と日本車が大半。中国ブランドの車を見かけることは少ないなかで昔から変わらない三輪車もちらほら。雨除けのシェードも健在です。
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道沿いのマンションの一階が店舗になって並んでいるのが一般的。右はコンビニ。左は雀荘です。日曜ということもあって麻雀に興ずる人たちで賑わっていました。
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これも中国のレストランでよく見る風景。ガラス張りのキッチンに仕込み中の鶏が。無数の外食店が軒を並べいて深夜までたくさんの人が食欲を満たす訳ですが、聞くところによると中国は共働きが大半で家で炊事をする方よりも食事は外食ということが一般的とか。
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そして店の前には無造作にカゴに入れられたニワトリが…次に毛をむしられてしまうのは君たち?…と少々不憫になりましたが、これも中国では当たり前の光景です。
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日も暮れてミーティング会場へ向かいます。夜の帳(とばり)が下りてネオンが点くと、”ああ、また中国に来たんだな”という気持ちになります。ありとあらゆるものが混沌としたなかで共存する中国。道ではけたたましくクラクションを鳴らして自己の存在を主張する車がひしめきあっています。雑然としていながら或る調和というかバランスの上に成り立っていくこの国と付き合うためには何が本質で何が本物であるかをしっかりと見極める情報と人的ネットワークが必須です。
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ミーティング会場到着。いうならば”モンゴル風しゃぶしゃぶ”のお店。聞くところによれば東京にも出店しているチェーンだそうです。
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宴が始まる前に明日のチェック項目や重要ポイントを確認。私たちが工場で全数検査を行うには膨大な数ですし、そんな時間はとてもありませんので、事前にチェックリストを工場に渡して一次チェックを済ませておくように依頼していました。今回私の方では検品工程と手順の確認と抜き取り検査によって、所期性能を維持しているかの確認と不適合品抽出が如何に正確に行われていて、それらがどう処置されているかの確認を行います。聞き取りでは事前に行っておくべき事項は全てクリアされているようでひと安心。あとはそれを自分の目で見て認証する作業が残されています。
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大陸式食事後のコミュニケーションは”足裏マッサージ”。中国版健康ランドのようなものです。薬湯が満たされた桶に足を突っ込んでしばらくすると体全体が温まってくるのを丁寧に揉み解してもらうと全身の血行がよくなり、凝りも取れます。今日はしっかり寝て明日からの本番作業に備えることにします。



by audiokaleidoscope | 2016-05-30 02:03 | オーディオ | Comments(2)

(5/27)「半導体 VS 真空管」…究極の比較試聴

今回の上京の主目的であった”真空管・オーディオ大放談”収録はリスナーズスクエスト第二弾!スバリ「半導体 VS 真空管」アンプ対決…誰しもが”実際のところどうなんだろう?”と一度は思ったに違いない疑問に対してズバッと斬り込んでいこうという企画です、同価格帯の半導体アンプと真空管アンプを比較試聴しながら半導体,真空管それぞれのメリットや音質的特徴は何かを前編/後編二回シリーズ、合計4時間かけてゲストTさんと一緒に探っていこうという内容です。
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物量的には過去最大。決して広いとはいえないスタジオが機材で埋めつくされる結果となりました。まず前編(7/22放送)ではプリメイン対決として①10万円台としてONKYO A9000R,②20万円台としてケンブリッジオーディオ Azur 851A class XDをチョイス。いずれも売れ筋であるだけでなく、音質的に評価の高いモデルをピックアップしました。

私の立場から言えば我が子が運動会の徒競走でスタートラインに立っているのを見守る親の気持ちにも似たものがありますが、客観的にそれぞれの個性と魅力を紐解きながらオンエアで実際音の違いを聴いて頂ける訳ですので、そこの判断はリスナーさんにお任せしようというスタンスを貫いたつもりです。音源も含め、アンプ以外の条件は全て揃えるのは勿論ですが今回はSV-353を初めて持ち込んで瞬間的にアンプだけを入れ替えて比較できたのは大きなメリットでした。
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先ずは10万円台プリメイン対決。A9000R VS JB320LMです。
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入力信号をSV-353の入力に入れ、アンプ2台をスイッチング。スピーカー出力をいつものダミーロードに繋いで電圧変換し、ミキサーに送るというシンプルなものですが、背面はこんなことになってしまいました。

音質云々の前に多機能性という点では言うまでもなく半導体アンプに軍配が上がります。例えていうならば半導体プリメインは非常によく考えられたレストランの定食メニュー。内容的にもバランス的にも価格的にも安心して取り組めるというのは大きなメリットです。対して真空管アンプはア・ラ・カルト。レストランでオードブル、スープ、魚料理、肉料理、デザート、ワインを自分のテイストで選ぶようにフォノはこれ、プリはこれ、パワーはこれ…という感じに組合せの妙を楽しむ(追及する)ところが最大の面白さであったりする訳で、そのアプローチが大きく違う訳ですが、そんななかでプリメイン形式の真空管アンプは最も取り組みやすい対象と言えると思います。

因みにアンプの出力も2.5Wから3Wの範囲…つまり私たちが家庭で最も使う領域で両者のゲインも電気的に揃えて試聴に臨みました。ONKYOのプリメインというとその昔は低域に特徴があって高域のヤマハ,ソニー、中域のサンスイ、低域のオンキョーなんて言われた時代もその昔ありましたが、この9000Rは極めてニュートラルで素直な印象を受けました。誇張のないフラットな音の印象です。よくこの値段でこれだけのモノづくりが出来るよね、という点でTさんと意見が一致しました。対してJB320LMは聴感上の厚み、倍音の解れたリアリティ、敢えて言えば僅かに音量感の高さとして感じられた気がします。
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次いで20万円台プリメイン対決。Azur 851A VS SV-2300LM。出力管は2A3をチョイスしました。この851Aというアンプは今回初めて聴かせていただきましたが、さすがUKのプリメイン。非常にジェントルで上品で大変好感を持ちました。対して2300LMは三極管プッシュならではの厚みと倍音…アンプに余計な個性を求めない方は文句なく半導体プリメインで決まり。対してアンプに楽器性(鳴りの個性)を認められるのであれば真空管…という選択になるかもしれません。

記憶が曖昧ですが、確か菅野沖彦さんがステレオサウンド誌のレビューの中で”オーディオには上手に嘘をついてほしい”というような事を書かれていたのを読んだ記憶があります。また五味康祐さんが著書のなかで”あの細い針先でオーケストラのTuttiを拾い上げられる筈がない”というニュアンスの事を書かれていたのを読んだ記憶があります。翻ってなぜ私が真空管アンプを選んだのだろう…と今回の収録を通じて自問自答しながら半導体と真空管それぞれの音を聴いた訳ですが、多分多くの真空管ファンはオーディオにライブハイスでジャズを楽しむようなイリュージョン、オーケストラをホールで聴くようなイメージをより強く感じたい…と思っていらっしゃる方なんだろうな、と思い至りました。或る意味それはデフォルメなのかもしれません。そのデフォルメを最高の調味料と思えるかどうか…ここが今回のポイントと感じました。

二回シリーズ後編(8/5放送)ではより個性ゆたかなセパレート対決です。特に今回は拘って半導体黎明期のセパレートシステムをハイファイ堂さんに無理をお願いしてお借りすることが出来ました。1960年代から70年代初頭の半導体アンプが如何に個性を持っているかを知る絶好の機会になりました。私がオーディオに興味を持ったのは70年代終わり頃。もし10年早くこの音を聴いていたら、ひょっとして私が真空管に転向することはなかった…かも、と思うほど面白い2時間でした。
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まずはケンソニック時代のアキュフェーズ一号機C-200+P-300。迎え撃つはSV-192A/D+SV-501SEです。1973年当時の定価がセットで約40万。今でいうと150万とか200万とかになるのかな?…なんてTさんとお話しなかがら聴いた音は今のアキュフェーズとは明らかに異なるものでした。現在のアキュフェーズの”何も足さない、何も引かない”という感覚とは一線を画する力感と中域の厚み。敢えて言えばエネルギーがモリモリと出てくることに少々驚きました。逆に501SEの方が自然に聴こえるような一幕も…TさんがC-200がマッキンC28に何となく似てるね、と仰っていましたが、ひょっとして当時のアキュサウンドはマッキン的な何を狙っていたのかもしれません。
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続いて出たのが更に年代を遡って1967年。まさに半導体と真空管が共存していた時代の名器QUAD33+303の音。これも今回初めて聴かせて頂きましたが、これが素晴らしかった!!変な言い方ですが半導体とは思えないコクと厚み。決してワイドレンジではないものの自然なハイとローのバランスに支えられて逆に中域の美味しいところが出ているという、私たちが真空管に求めているエッセンスがこのQUADのなかにあるじゃないか!と二人で大いに盛り上がりました。

ヴィンテージという言葉は決して”旧いもの”を指す訳ではありません。”時代を経てなおその価値を失わないだけでなく更にその存在感を高めるもの”だけがヴィンテージ足り得る訳で、このQUAD33+303は当時の価格の約1.5倍のプライスタグをつけられていることからもまさにヴィンテージと言えるでしょう。個人的にはESL辺りの良品を探し出して半導体最初期の音をサブで持ってもいいかな…なんて夢想してしまいましたが、逆にノーイクスキューズで超ワイドレンジ且つ比類なきドライブ力を誇るSV-8800SEが新しい世代の真空管アンプの象徴のようにも感じました。正直後編は予想以上の個性豊かな組合せのオンパレードで私も自社製品を援護することをすっかり忘れて音を楽しむのみ、という感じでありましたが、一点のみ申し上げておくとこの手のヴィンテージ系半導体アンプは一点一点違うもの、ということも同時に覚悟しておく必要があります。

つまり外観は綺麗でも中身は相当程度に草臥れているものも沢山ありますし、見た目はホロでもキッチリとメンテされている個体も幾らでもあります。またパーツ交換によって音も当然変化していることが前提ですので、十把一絡げに評価することはリスキーであることも理解する必要があるでしょう。後編ではトーンやフィルター類は全てバイパスしていますので、皆さんが中古でこれらを聴くことがあれば、必ず可動部分は全て動かして聴いてみるというのを忘れないで頂きたいと思います。後で泣きを見ないためにも。

そんな訳で今回の二回シリーズは本来聴いて頂く側の私がスッカリ楽しんでしまった感も大いにありましたが、実に興味深く楽しい2時間でした。今回の企画に対し試聴機を快くお貸し下さったメーカーさん.代理店さん。販売店さんには心より御礼申し上げます。

別件ですが5/29(日)~6月初めまで中国に出張します。数日不在でご不便をお掛けしますが宜しくお願いいたします。ネット環境如何によってメール,ブログの更新が困難である可能性もありますので、何卒ご容赦頂ければ幸いです。



by audiokaleidoscope | 2016-05-29 04:46 | オーディオ | Comments(0)

(5/26)南房総へ

今日から3日間東京。まずは太平洋側に面した房総半島の南東部、Fさんのお宅へ伺い、真空管の納品とアンプの調整です。
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都内から約2時間。アクアラインを通って目的地を目指します。
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そこは黒潮の影響を受け、冬は暖かく夏は涼しい海洋性気候に恵まれた別荘地。サーファー達の姿も…。
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一区画1000平米(以上)はあろうかという敷地。芝生の緑が美しいFさんのお宅。長くお住まいだったイギリスから帰国されてこの地を選ばれたとか。早速Fさんのリスニングルームにお邪魔します。
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フロントエンドはCEC TL5,SV-192PRO+MC-3+,SV-310など。
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まずはアンプの健康診断から。現用SV-8800SE(KT120仕様)のバイアス,DCバランスよし!
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つづいて今回お持ちしたTung Sol KT150に換装し、時間をかけて調整を行います。
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続いてこれも今回持参したPSVANE WE300BとPSVANE WE274Bを以前メインテナンスさせて頂いた300Bシングルに入れて動作確認。
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そういえばPSVANEに関する興味深い情報を。PSVANEのホームページにこんな一文が。

With venture capital from UK and countless testing by Treasure series’ original design team, a new series called “Psvane” (pronounced as ‘Pavane’ – the brand is created from the inspiration of the 17th century classic music dance) T-series was born in Aug 2010.

お!と思われた方もいらっしゃるかもしれませんね。簡単にいうと表記はPSVANEですが発音はPAVANE(パヴァーヌ)と読め、と言っているんですね。これが商標上あえてこうしていると見るか、少々穿ってキーボード上で’A’と’S’は隣り合わせであることからキーインミスがそのままブランドに化けたか…どちらにしても新発見でした。これからは”パヴァーヌ”と呼ぶことにしましょう(笑)。
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こちらはSV-91B。300Bはver.4。整流管は本家ウエスタン274B(刻印)です。上のアンプと比較すると同じ300Bシングルでもかなり音が違って、91Bの方がグッと音が前に出る印象。やはり前段(電圧増幅段)のゲイン配分が如何に音に影響を与えるか改めて実感しました。

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SV-353で切替えながら300B×2通り,KT150の音を楽しめ快適そのものです。
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JBL4331(D130+075)の2ウェイのイメージからくる豪放磊落さよりも高域と低域の繋がりの良さと滑らかさが主体となったとても聴き易い良い音でした。CDもハイレゾも楽しまれるFさんの次なるターゲットはSV-300LBとのこと。またお邪魔させていただく日も近いことでしょう。※写真は全てFさんの許可を得て掲載させて頂いています。

Fさん宅を失礼して都内へ戻ります。
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MUSIC BIRDスタジオで明日の収準備。今回は究極のテーマ、”半導体アンプ VS 真空管アンプ”。リスナーさんのリクエストで実現した企画です。さてどうなりますことやら…。



by audiokaleidoscope | 2016-05-27 02:47 | オーディオ | Comments(0)

(5/22)スピーカー道場破りからFPGAチューナーへ

5月のショールーム開放日はいつもにも増して賑やかな一日に…まずは青森のWさん自作のスピーカーを皆で聴かせて頂きました。前回Wさんの作品を聴かせて頂いたのは昨年4月の開放日。1年で外観も音質も洗練の度を高めています。
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外側のモデルは側面をリュート型にカーブさせ、且つ上下面も非平行としてエンクロージャー内の定在波を回避しようという意図が感じられます。ユニットは恐らくStereo誌の付録のスキャンスピーク。ユニット自体は200Hz辺りからダラ下がりの特性を持っているようですが、巧みなバスレフポートチューニングで100Hz前後に低域のピークをもってくることでバランス的にも良好で、樹脂製振動板ならではの滑らかな音質も相まって開放的な良い音でした。
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内側のモデルはPARCオーディオのウッドコーン。写真では分かり難いですがエンクロージャー天板に御影石を埋め込んだ凝った造りです。専用スピーカースタンドも見事。重厚でしっかりした音像を聴かせるタイプ。音源はいつもの通りアナログメイン。2種類のスピーカーの音の違いを聴きながら、どちらがWさんの本当の(狙った)音なんだろうね、という意見も。音作りには2通りのいき方があって、素材の魅力をそのまま出す方向性もあるでしょうし、どんな素材をもってきても自分色に染め上げる作者もいます。必ずしもどちらが正解ということはありませんが、いずれにしてもWさんの道場破り第三弾を楽しみに待ちたいと思います。

その後、話題はデジタル関連にシフト。先日のポストでSV-192S/PROにおけるチューブエンハンサ効果の検証やマスタークロックの有無による音の差異についての比較試聴をやったり。こういうA/B比較は実際聴いてみるのが何より一番です。時々お客さんから”次回の開放日はどんなテーマですか?”というご質問を頂くことがありますが、事前にテーマは設定しておりません。当日いらっしゃる方々のニーズや疑問が開放日のテーマそのものであり、それに対するソリューション提供こそが目的だと考えております。つまり参加される皆さんが開放日の中身を作り上げるという訳です。
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今回はこんなものも。先日の収録でダントツのパフォーマンスをみせたPSVANE WE300BとPSVANE WE274BによるSV-91Bのセットアップ。本家ウエスタン300Bが遠い存在になってしまった今、発売当初より格段に良くなっているPSVANE WE300Bにはますます期待が持たれるところです。

最後に今回Yさんが持ってこられたFPGAチューナー…これには個人的にも大変興味を持ちました。極めて簡単に言うとアンテナからのRF信号を直接A/D変換し、デジタ信号処理によって復調する方式のFM受信機です。つまり信号処理を基本的に全てデジタルドメインで行うことにより高音質を得るという考え方で、既に製品として量産もされています
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これはYさんが頒布基板をもとにご自身で作り上げられたものですが、いままで私の周りでは”バリコン方式こそが最も音質的にベター”という意見が圧倒的多数派でPLL以降の方式には若干懐疑的な空気があったことを否定しませんが、今回FPGA方式で受信したFM放送を聴いたところ、違和感もなくセパレーションも良好でしたので、これは次回以降、何らかの形で同一環境を用意してFPGA VS アナログ(バリコン)対決をやってみようではないかという話になりました。

…こんな感じで今回の開放日もあっという間に終わってしまった感じです。来月は東京試聴会がある関係で次回開放日は7月ということになると思います。是非お気に入りの音源をお持ちになってお越し頂ければ幸いです!!



by audiokaleidoscope | 2016-05-23 00:10 | オーディオ | Comments(4)

(5/21)ダン・タイ・ソンからYMOへ

5月2回目の”ようこそ!オーディオルーム”(オンエア5/21土曜22時~,28日再放送)について内容のお知らせを少し。今回もクラシックから70年代ロックまで幅広く登場します!
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今回もミキサーからレコーダーまでフルデジタルのシステムですが、しっかりSV-192A/Dで真空管の音に染め上げていますので、どうぞご期待下さい!プログラムの内容は…

・大橋慎が選ぶクラシックリファレンスセレクション
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ピアノは1849年のエラール。フォルテピアノのチャーミングで転がるような美しいタッチとホール全体に音が解け合うような豊かな響きをお楽しみ下さい。

・ようこそオーディオルーム特選!”ジャズ名盤100”
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1970年にブルーノートを離れCTIレコードへ移籍をして多くの優れたジャズアルバムを残しているレディ・ハバードの素晴らしいトランペットの音色をお楽しみください。

・The Vocal
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鈴木さんの哀愁を帯びたヴォーカルと伴奏を務める木住野さんのピアノのゆったりと響くベーゼンドルファーがまるで溶け合うように豊かに響くところが素晴らしいアルバムです。


・懐かしのあのアルバム
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今聴いても非常にモダンで洗練されていることは勿論、その後のミュージックシーンに多大な影響を与え、コンピューターによる自動演奏やサンプリング音源など極めて先駆的な取り組みを初めて行ったことで現代の音楽の一つのスタンダードを造りだすきっかけとなったYMOの素晴らしさを改めて感じて下さい。

今回の放送ではフレディ・ハバード,YMOでLP音源でお届けします。フォノイコライザはSV-722EQ(マランツタイプ)を使用!ラジオで機器の試聴が出来るなんて良いですね!ではOAでお会いしましょう!!



by audiokaleidoscope | 2016-05-21 21:03 | オーディオ | Comments(0)

(5/17)製造終了製品のお知らせ

今日は少々残念なお知らせを…。

手塩にかけた製品がラインナップから消えるのは本当に寂しいものですが、このたびSV-3,SV-19D,SV-128B,SV-23D/6C6,EF37, SW-20SETBIIを在庫限りで販売終了とすることに決めました。それぞれに想い入れと思い出がありますが。既に後継機種が出ているモデルもありますし、こういう仕事をしている以上、製品との別れは或る意味で宿命でもあります。

今回偶然にもSV-3,20SETBIIを除きオール手配線アンプが並んだのは1616シリーズへの移行と無関係ではありませんが、SV-19Dは2009年度出荷ナンバー1,SV-23Dは2011年度出荷ナンバー1モデルで、どれも音質的にも折り紙つきです。是非最後のチャンスをお見逃がしなくご利用頂ければ幸いです。

なかには在庫が極めて限られているモデルもありますので、お早めにご利用下さい。なお他のキャンペーンとの重複適用は致しませんので予めご了承頂ければ幸いです。
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by audiokaleidoscope | 2016-05-17 21:16 | オーディオ | Comments(0)

(5/14)PA用途での真空管アンプ

貴重な経験をしましたので、そのレポートを…。

地元のカフェでアコースティックギター2本+ヴォーカルのみのライブをやるんだけどPAを真空管アンプで出来ないかな?…とオファを頂いたのが今月初め頃。そりゃもう喜んで!とお応えしました。いままでアウトボード的にSV-192PROSV-192A/Dを大規模PAシステムにインサートして音を滑らかにする経験は何度もありますが、卓の出力の代わりやオモテ(客席)用のアンプを全て真空管で組んだ経験はありませんでしたので、興味半分,心配半分で現場に臨みました。

一本がガット弦,一本がスチール弦で音量差が少なくとも数dB(以上)あること、お店のなかで大袈裟なシステムを組んで雰囲気を壊したくないこと等を勘案し、ギター2本とマイクのバランス調整のみ小型ミキサーで行っておいて、その出力をSV-192A/D(プリ)→SV-8800SE(KT88仕様)へセンドしてみました。つまり家庭用のオーディオセットアップと基本的に変わらない接続方法です。スピーカーは音質と能率を考えて懐かしいY-25を使用するシステムを検討したのが下の写真です。
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マスターレベルはSV-192A/Dで行う訳ですが、ここで192A/Dのリモコンが大活躍。曲や使う楽器によって0.5dB刻みでゲインを調整できるので、人知れず音量管理が出来て大変便利でした。
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パワーアンプの選択は正直迷いました。アコースティックギターの胴鳴りや響きの厚みを優先するなら三極管プッシュプル…ということでSV-2300LMもいいかなと思ったのですが、弦のアタックのスピード感と出力マージンを考えてSV-8800SEに決定。音色を考慮し出力管はKT88に…。結果的に約50Wの出力が大きなメリットとなりました。

日頃、家庭で録音音源を聴く立場でいえば出力は数Wもあれば御の字というケースが大半です。それはエアボリューム(空間)の大きさだけでなく、音源のダイナミックレンジの影響を受けにくいからでもあります。先日のポストでも書きましたが、私たちが聴く音源の大半が何らかの形でピークが圧縮(コンプ)されています。ライブでもしかりで特にロック系のPAでは爆音時に音が頭をぶつけないように、ほぼ100%何らかの形でコンプを効かせて音質管理をすることが必要です。特に最近はPA機器もフルデジタル化に向かっていますので、オーバーロードした際の不快なデジタルノイズは避けるためにかなり深めのコンプを掛けることが普通になっているのが現状。対して今回はノーコンプで出力していますから、静かにアルペジオを弾いている時のニュアンスを大切にすればかなり増幅系(アンプ)のゲインを上げなければなりません、対してジャーン!とストロークした時やヴォーカルがシャウトした時の音圧レベルは弱音時プラス20dB(10倍)以上のエネルギーを持っており、アンプのピークマージンが極めて重要になってくる訳です。

今回会場となったカフェは30坪程度の広さで30人も入れば満席という広さでありながら瞬間的にSV-8800SEがフルパワー近くまで振り込むような状態でした。前半のガットギターと後半のフォークギターでSV-192A/Dのゲインを調整するのは勿論、曲ごとに細かく出力レベルを調整したり、ギターソロで+1dB上げたり…とかなり細かく調整できたのもSV-192A/Dのリモコンのお陰。お客さんの殆どは全く知らずに聴いておられたと思いますが、ノーコンプ音源が実に広大なダイナミックレンジを持ち、常に聴感上の最適音量をキープするのが如何に難しいかを現場体験を通じ勉強させていただきました。

日頃このカフェではノンPAか半導体アンプのPAを使っておられるようですが、本番の最中にお店の方がホールに出てこられて”いつもと全然音が違うので驚きました”と仰っているのを伺って、お手伝いさせて頂いてよかったな…と喜んでいるところです。
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※関係者の方のご了承を得てアップさせて頂いています

終演後、アーティストさんとお店の方と…。同規模の一般的なAシステムからみるとかなり高価なものになりますが、やはり聴いて下さる方の感動と、また来たいと思って頂くための仕掛けとしてPAの高音質化の重要性がもっと広く認知されるといいなと思ったライブでした。とても楽しいひと時でした。



by audiokaleidoscope | 2016-05-16 15:06 | オーディオ | Comments(0)

(5/13)東京試聴会(6/25~26)のデモスケジュールについて

毎年恒例の6月東京試聴会(6/25~26,損保会館三階)まで残すところ一ヶ月半となり、そろそろ本腰で準備を始めるタイミングになってきました。既にデモ機のラインナップが固まり、近日中にホームページにて発表させて頂く予定ですが、今回はデモの進め方を従来と大きく変える予定です。

いままでは時間の長短こそあれ、基本的に同じ流れでデモを進めて参りました。プリアンプ3機種/パワーアンプA群:5機種,B群:5機種/スピーカー:3機種をSV-353で切り替えながら音の違いを確認していただき、自分の環境やお好みに一番適合するアンプを見つけて頂くためのお手伝い…という感じでありましたが、今回は各コマ毎に全てテーマを変えて、みなさんが興味のある内容を絞り込み易くしながら、より突っ込んだ内容に言及出来るようにしたいと考えています。現在はあくまで仮のタイトルですが、2日間を通じてだいたいこんな流れで進めていく予定です。

6/25(土)

12:00~14:30  初めての真空管アンプ選び
※初めて真空管アンプを使う、或いは経験の浅い方に向けてシングル/プッシュプル,三極管/多極管の音の違いを聴いて頂き、自分のスピーカーや好みの音楽ジャンルと合う真空管アンプは何か?についてのソリューション提供を目指します。デモはCD音源を中心に実施します。

14:30~15:30  WINDSタイム
※新機種(30㎝フルレンジシステム)の試聴を行います。デモはペンションウインズの村瀬基行氏が行います。

15:30~18:30  真空管+ハイレゾで至高の音を聴く
※注目高まるハイレゾ音源の魅力は何かを紐解きつつ、ハイレゾ音源の良さを引き出す為に真空管がもつ倍音が如何に有効であるかをPCをトランスポートとして実際に聴いて頂きます。またレコーディングエンジニア界のレジェンド”高田英男氏”をゲストに招き、ハイレゾをとりまく最新の状況について基調講演を行って頂きます。

6/26(日)

10:00~12:00  新アナログプレーヤーを聴く
※前モデル”SV-A1/A2”の販売終了以降、後継機が待たれていたサンバレーの新アナログプレーヤー(試作)が初登場。前モデルからの変更点は何か、音質の特徴や使いこなしのポイントは何か等、2時間フルLPでデモします。

12:00~12:45  WINDSタイム
New 樽スピーカー と新機種(30㎝フルレンジシステム)の試聴を行います。デモはペンションウインズの村瀬基行氏が行います。

12:45~15:00  サンバレー旗艦シリーズモデルを聴く
SV-310EQ(フォノイコライザー)+SV-310(プリアンプ)+SV-91B(300Bシングルパワーアンプ)
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SV-396EQ(フォノイコライザー※新登場)+SV-300LB(300Bプリアンプ)+SV-284D(845シングルパワーアンプ)
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当社二大パワーアンプをリファレンス組み合わせで試聴頂きます。真空管アンプユーザーの憧れともいえる300Bと845、2つの名出力管の音質的特徴と魅力をお伝えしていきます。出力管は当社オリジナルのPrime300Bver.4と目下話題沸騰のPSVANE WE300Bを用意する予定です。また矢沢栄吉,ミスターチルドレン等著名アーティストのサポートで知られるチェリスト四家卯大氏のミニコンサートを行います。

…と、だいたいこんな流れでいこうかと思っています。それぞれのデモの筋書きを考えたり、当日のイメージを膨らませながら選曲を行うのも楽しいこと…しっかり準備を進めて参りたいと思います。来週早々には正式版をアップ予定です。是非ご期待下さい!!



by audiokaleidoscope | 2016-05-13 10:09 | オーディオ | Comments(4)

(5/7)PSVANE WE274Bの音や如何に!!

今日は朝早く家を出て関西へ。目的地は再びKさんのリスニングルームです。
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今回お邪魔した目的は球の交換による音の変化の確認のお手伝いでした。LM91A(PSVANE 300B仕様)をお使いのKさんですが、現在の整流管philips ECG 5R4GAからPSVANE WE274Bに替えてどうなるか…からスタート。
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これがPSVANE 274Bです。PSVANE WE300B同様、製造方法も使用部材も従来の中国球と同列に語れないスペシャルチューブ。従来の中国製274BがST17ケースに入っていたのを本家ウエスタンに倣い、ひと回り小振りのST16ケースに入れただけでなく、フィラメントの吊り構造,プレートの表面処理など限りなくオリジナルに近づけた現行球きっての274Bといえるでしょう。外見だけ真似たもの…という穿った見方も一部にあるようですが、前回の”大放談”収録においてPSVANE WE300Bのズ抜けたパフォーマンスを改めて確認しましたので個人的にも整流管の出来はどうか?という点に私も大変興味を持ちました。

一部の中国整流管で見られる突入電流発生時にスパークし易い側面が改善されているかどうかを確認するために、敢えてアンプ側でコンデンサーインプット容量を上げた過酷な耐久テストを実施したところ、危惧された管内放電もなく整流出力電圧も安定していることを確認したので自信を持って今日お持ちした次第です。私どもではPSVANE WEシリーズはこれまで客注扱いだったのですが、近日中に定番に昇格する予定ですのでお楽しみなさって下さい。SV-91B等ハイクラスモデルではPSVANE WE仕様も登場することになるでしょう。

早速試聴を始めます。先ずは元々のPSVANE WE300B-Philips ECG 5R4GA仕様で聴いてみます。この5R4は80年代後半のNOS最後期の整流管ですが、価格の妥当さ、そして堅牢度の点から導入しています。274Bとの互換性に関して申し上げると、ヒーター定格において274B=5V/2A,5R4=5V/3Aですので、5R4使用アンプで274Bに交換するのは基本的にOKですが逆の場合は電源トランスの仕様確認が必要です。私どもの場合LM91A,LM86B,SV-91B,SV-310,SV-310EQは全て整流管ヒーター巻線が5V/3Aで作ってあるので、いずれも使用可能という訳です。

整流管は今で言えばダイオード。つまり電源部の整流用の真空管ですが、これで音が変わるのか?…と訊かれればモチロン!とお答えします。管種が異なれば勿論、同じ管種でもブランド(製造工場)によってレギュレーションが異なり、整流出力電圧が変化するからです。整流出力電圧は全ての真空管のエネルギーの源ですので、ここが変化すれば音が変わるのは或る意味当然という訳です。

5R4GAは或る意味”野太い”とでも表現すべきしっかりした音像を際立たせる音で音楽ジャンルを問わず楽しめる懐の深さと手軽にヴィンテージ的音色を楽しめるところが魅力です。この音を基準としてPSVANE WE274Bに挿し替えるとどうなるか…真空管アンプファンならば誰しもが興味を持つところですね。
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これがPSVANE WE300B/PSVANE WE274B仕様のLM91Aです。1940年代のアンプのイメージにはやはりST管がよく似合います。音はどうかというと5R4と較べて音像がスレンダーに変化。高域が伸び明るさが出ます。本家ウエスタン274Bが力感よりも繊細感だったりニュアンスだったりをよく出す整流管であることは好事家の間では知られたことですが、PSVANE WE274Bもまさにその特徴を引き継いでいます。弦の高域の冴え冴えとした美しさと音場感は格別です。
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これに気を良くしたKさん。次なるご所望はPrime 300B ver.4。上述の大放談収録時のネタバレになりますが300B編ではTさんも私もNo.1がPSVANE,No.2がこのver.4だったのです。ではPSVANEとPrimeの差異は何かというと倍音の集中する帯域の違い。PSVANE/WEと較べPrime/ver.4は中域~中低域の圧倒的な厚み,豊かなヴォリューム感が最大の特徴と言えると思います。300Bという出力管がなぜ不動の四番打者としてずっと人気トップを維持しているのか…その理由が芳醇で滑らか、そして豊かな倍音感に尽きると思うのですが、まさにこのver.4は最も300Bらしい300Bと言えるかもしれません。
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続いて参考出品の本家ウエスタン300B(デートコード0613)が登場します。これはプラセボでも何でもなく或る意味で禁断の音。力感と繊細感、音像と音場の黄金比ともいえる絶妙なバランスのうえに音楽がたゆたう感じ。敢えて言えばPSVANE WE300Bはこれに輝きを加え僅かにスレンダーな傾向の音。Prime 300B ver.4は厚みとリッチさを足した音と言えるかもしれません。今思うとこの両者に対してPrime 300B ver.5はどう鳴るのか試せば良かった!続きは次回のショールーム開放日にでもやりましょう!

続いてデジタル系も色々と弄ってみます。KさんはPC→NAS→LINNのネットワークプレーヤーを経由して増幅系に繋がるシステムを構築されている訳ですが、ネットワークプレーヤーの同軸D出力からSV-192PROに接続。且つMC-3+でクロック精度を上げて音質比較をしてみました。LINNのネットワークプレーヤーは或る意味で非常に端正で清冽な音。前回お邪魔した際に、”この音で少し艶っぽさが出れば言う事はないのですが…”と仰っていたのを覚えていたので少し裏ワザ的な使いこなし方法を伝授しました。

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SV-192PROの出力は固定(LINE)と可変(MONITOR) の両方が装備されています。192PROの後続機器としてプリがある場合はLINE出力,デジタル入力専用のプリアンプとして使う場合はMONITOR出力として使うのが基本的な姿なのですが…
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VUメーターの右下がMONITOR LEVEL。平たく言えばヴォリュームです。よ~く見ると時計の2時辺りに”Unity"というポイントがあるのが分かるでしょうか。ちょうどこの位置がLINE LEVEL相当…つまり固定(LINE)出力と同じゲインになりますよ、というポイントなのですが、ここから上…つまり更にレベルを上げることでゲインと共に更に”球のアジ”をプラスする効果があるのです。これはSV-192S時代から多くの方が指摘され、積極的に”チューブエンハンサー”的使い方をされていらっしゃいますので、Kさんの音を更にリッチにするためにはこの”隠し味”を使わない手はありません。勢い音に実体感が出てKさんも”良いですねえ!”と納得のご様子でした。

実はこれが一番効いたのはCD再生時でした。Kさんがお使いのエソテリック高級トランスポートは極めて明確でソリッドな音が魅力な訳ですが、これにSV-192PRO(VOLフルテンモード)を接続すると、断然温度感があがりフワッと倍音が乗って優雅ともいうべき世界観が出来(しゅったい)します。CECのベルトトランスポートを常用する私にとってエソテリックの音は少々厳格だなあ、という印象を持っていたのですが、今日の音を聴いて考えをすっかり改めました。極めて情報量の多いエソテリックの強みにSV-192PROの芳醇さが加わって素晴らしいバランスで鳴っていたと思います。Kさんも”CDもまだまだこれから!という感じですね”とご満悦の様子でした。

最後にKさんとお話していたのは「オーディオって趣味は”これでいいや、と思ったらお終い…人間が一層の高みを目指して勉学や仕事に励むように、オーディオも自分自身同様高めていきたいですね」ということ。キリがないといえばそれまでですが、出来る範囲で少しでも良い音を目指したいものです。だからこそオーディオは一生出来る素晴らしい趣味の王様…私にもまだまだやることが沢山あります。



by audiokaleidoscope | 2016-05-07 22:22 | オーディオ | Comments(3)

本ブログ掲載内容は私人の見解であり、(株)サンバレー(ザ・キット屋)の立場,戦略,意見を代表するものではありません。


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