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(3/26)プリ選びの要諦

週末は関西へ納品行脚。メインは滋賀のKさん宅でした。
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瀟洒なマンションの高層階。前回書いた通りのまさに新リビングオーディオを実践されているKさん。写真では液晶TVが見えますがスイッチを入れると130インチのスクリーンが下りてくるプライベートシアターに早変わり。アスペクト比の異なる2種類のスクリーンを用意され4Kプロジェクターで楽しまれているそう。

ピュオーディオ系はLINNのDSを基軸としたものでスピーカーもB&Wの802だった訳ですが、別に使っておられるタンノイを

第一に、バイオリンの倍音が豊かに響くこと。
次に、女性ボーカルが艶っぽく歌うこと。(Kさん談)

を目指した結果、選ばれたのがLM91A(PSVANE WE300B仕様)。ショールームでじっくり比較試聴されたうえで出された結論です。今日はその音を堪能させていただきつつ、音のバランスの確認や更なる高みを目指す為のイメージ作りを一緒に考えました。
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LINNのプリ+LM91Aの組み合せは、ある種、濾過されたような美しさを感じる音でタンノイが非常に清涼な音で鳴ることを確認しました。これはこれで一つの美しさである訳ですが、一定以上のところまでLINNのボリュームを上げないと風船が膨らまないというか、音圧だけでなくタンノイならではの艶めかしさを伴って歌わない感じがあるのは事実です。

どうしてもマンションでは一定以上の音を連続的に出し難い訳で、ここをどうするかがKさん宅の音の成否を分けることが分かってプリをSV-300LBに変更して聴いて頂きました。
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仮置きではありますが、プリをSV-300LBの替えたことでグッと重心が下がり、それまで僅かに感じた中域~中低域の密度感の希薄さが向上することを確認。LINNにはLINNの良さを勿論認めつつ、300Bプリの音の在り様をしっかりご自身の耳で体験頂けたのは良かったです。

プリは単なる入力,音量を制御するコンポーネントでは決してありません。車でいうところのトランスミッション。乗り心地(フィール)全体を司る、言い換えれば音色そのものを作り上げる極めて重要なキーコンポーネントです。先日のMUSIC BIRDでのプリ交換実験の記事を読んで頂ければその要諦を再確認いただけると思います。

Kさん宅を出て日本三大商人の一つと言われる近江商人発祥の地を見学。近江商人の教え”三方よし”(「売り手良し」「買い手良し」「世間良し」)を再度学びに、次の目的地までの僅かな時間を使って資料館等を回りました。
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温故知新な美しい街並みが非常に印象的。これは近江八幡観光物産協会。次回は時間をかけて再度じっくり巡りたいと思います。

その後大阪へ。食事は通天閣近くの串カツ屋さんで舌鼓。
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幸福の神様といわれるビリケンさんがあちこちに居て…Oさんとの打ち合わせも弾みます。
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次回の納品スケジュールも決まって、翌日は京都へ。桜の満開には一週間早かったですが、観光客でごった返す清水寺へ寄ってきました。4月中旬には納品を兼ねて改めて京都へ来ることになりそうです。
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参道から臨む三重塔。美しい!
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恐らく小学校の修学旅行以来…の清水の舞台。素晴らしい眺めでした。

この週末は関西方面を回って、非常にタイトなスケジュールではありましたが、色々な意味で気づきのある有意義な2日間でした。以前にも増して関西通いが今後増えそうです。



by audiokaleidoscope | 2016-03-28 13:13 | オーディオ | Comments(0)

(3/24)Sさんのリスニングルーム

今日は名古屋へパーツの調達に行ったあとSさん宅へ。Sさんとは10年ほどのお付き合いになりますが、数年前からご自宅の建て替えを機にリスニングルームを作りたいというお話を伺ってきて、部屋の縦横比や天井の形状など今まで関わらせて頂いたお客さんの成功事例や私自身の失敗経験をお話ししながらプランを練り上げてきました。そしてついに完成!というご連絡を頂いて今日念願の訪問と相成った訳です。

伺ってみると敷地1000平米以上,建坪約300平米という豪邸にまず驚愕。建屋全体に無垢の天然木が多用され、リビングには薪ストーブを配した別荘のような雰囲気。そして案内されたリビングから続くリスニングルーム。
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定在波を避けるために様々な工夫と対策が施されたリスニングルーム。アンプやスピーカーが小さく見える大空間です。
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入力機器はアナログがメインでデジタルはネットワークプレーヤー。増幅系はSV-310EQ,SV-310,SV-91B という布陣。スピーカーの背後に十分な距離を取り、スピーカーの内振り角度の適切さが奏功して音が完全にポッカリと浮かび上がるさまは快感のひと言でした。
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更に素晴らしかったのが映像系。大型プロジェクター+140インチの大画面でBS放送の録画映像を見せて頂いたのですが黒の沈み込みの深さとタップリとした奥行きを感じさせるフィルムライクな表現には言葉を失いました。プロのインスーラーが一日がかりで追い込んだというのも納得のスーパーリアリズム。
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これはアラビアのロレンス。いまから50年以上の作品とはとても思えない凄い奥行感。まるで3D映画のよう。

今から10年くらい前からでしょうか…リビングオーディオという言葉が聞かれるようになりました。その昔、お父さんが自分の部屋で独りで聴いていたオーディオの居場所がリビングに変わり、薄型液晶TVとオーディオが同居することが一般的になってきました。TVの両脇にトールボーイスピーカーが配され、TVの下のラックの中にDVDプレーヤーと真空管のプリメインアンプが居て音楽も映画も1台のプレーヤーで楽しむ。そしてTVの音楽番組も真空管アンプで…そんな映像と音楽の新たな蜜月が始まった時期です。そしてTVの大型化,低価格化がどんどん進みリビングオーディオも段々規模が大きくなってきたのがここ数年のトレンドです。

一旦大型画面でライブや映画を観てしまうとなかなか元には戻れないのが人の常。最近は単位面積当たりのコストが安いプロジェクター+スクリーンで80インチ以上の大画像を楽しむ方が増えてきています。プロジェクターの高品質化,低価格化が大きな牽引役になっていることも大きな要因です。
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因みに第二試聴室も最近二画面に。音楽系専用の120インチとTV/ゲーム等のインタラクティブ系110インチ。写真では敢えて両方つけていますが、目的によって使い分けています。ご覧の通り照明をONするとSさん宅のような深みのある映像は無理ですが、昔のように暗い,粗いというネガティブな要素は殆ど払拭されてスケール感を意外なほど低価格で楽しむことが可能になったことは大いに歓迎すべきです。

オーディオという産業が縮小化していると嘆く向きもある一方で、映像やネット環境との同居によって真空管アンプにもまだまだ無限の可能性が残されていると感じる昨今。リビングオーディオをという概念を更に超えて、これからは真空管アンプで大画面環境を備えつつCDもアナログもハイレゾもネットラジオも全部楽しめる…そんな時代になったということなのでしょう。考えてみれば凄い可能性と発展性を秘めた新たなオーディオ時代の幕開けが始まっている…そんなことを感じたSさんの素晴らしいリスニングルームでした。



by audiokaleidoscope | 2016-03-25 04:31 | オーディオ | Comments(0)

(3/21)特別な一日

今回のMUSIC BIRD「真空管・オーディオ大放談!」収録は一本目”大型送信管との戯れ~1kVの音を聴く”(4/29放送),二本目”ウエスタンサウンドへのオマージュ~LM91A,LM86Bを聴く”(5/13放送)というテーマで二本録り。今回は大型機&モノアンプが中心で準備も大変でしたが、放送を通じてアンプや真空管の比較試聴が出来るという試みも定着してきて今回も楽しく進めることが出来ました。
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ゲストは今回も”球友”(タマトモ)のTさん。Tさんが”こんな番組他では絶対あり得ないよね!”と仰っていましたが、まさにその通り!こういうチャンスを下さったMUSIC BIRDそしてリスナーの皆さんに大感謝です。

まず一本目はオーディオ用途としてはほぼ最大の規格といえる211/845の音を聴いてみようというテーマ。プレート電圧1KVに近い送信管アンプは近くて遠い存在ということもあり、実際に音を聴いたことはないという方も多いと思います。今回放送を通じて211と845の音の違いをお伝え出来たのは画期的なことといえるかもしれません。
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用意したアンプはSV-2(2010)。既に製造終了となっておりますが、211/845コンパチのプリメリンとして非常に人気のあったモデルです。当社伝統のパワー管ドライブ(EL34/6550/KT88)で出力管をフルスイングすることによって211/845の音の違いが明確に現れました。まずはGolden Dragon 211/VT-4C。外見的には見分けがつかない211と845ですが、211は中域に厚みがあり、音が前に出る感覚です。どちらか言うとジャズファンに人気があるというのも頷ける表現です。
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ついでPrime 845 ver.2。音は一転、高域に煌びやかな輝きが加わり、音場的拡がりが体感できる清冽な音。極めてクリアでハイコントラストな音をオンエアでも楽しんで頂ける筈です。
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これはTさん所有のGE211(NOS)。写真では分かり難いですがフィラメントの光り具合が現行球よりも僅かにオレンジ色で非常に上品な雰囲気を漂わせています。音は更に厚みと量感が加わる感じでサスガ三極管”西の横綱”と言われるだけある堂々とした表現でした。
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そしてこちらが超レアなRCA845。845系NOS球の中でもハイエンドと言っても良いRCA845は高域の質感そのままに中低域の量感を増した感じで実に麗しい音で一同ただ聴き惚れるのみ。Tさんのポリシーは”使ってこそのヴィンテージ”。蒐集を目的とするのではなく、自分のオーディオを更に魅力的に鳴らす為の最も有効かつ近道な手段がこれらNOS球による音のグレードアップという訳です。
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一本目後半は845専用モデル、SV-284Dの登場です。SV-284Dの一つの大きな特徴であるブースターアンプモードの音を聴いていただく為に選んだ前置アンプは懐かしいエレキットTU-870です。まずTU-870を単独で鳴らしたあと、SV-284Dを追加することによって、結果として現れるのは出力アップという電気的特性でなく、SV-284Dを追加したことで増幅系トータルのゲインが上がり、TU-870が単独ドライブ時よりも負荷が軽くなる(歪率が低い領域で動作する)ことによる情報量(聴感上のダイナミックレンジ)の増大,ニュアンスの向上という聴感上メリットでした。SV-284Dを導入する最大の効果は小型アンプの出力増大のみならず、本質的には下方リニアリティ(ローレベルの情報量)の改善であるということをオンエアでお確か頂ければ幸いです。
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そしてSV-284Dの魅力を更に活かす為にはSV-300LBが必須です。SV-300LBはあらゆる真空管パワーアンプと接続可能な汎用プリですが、SV-284D専用のバランス駆動出力を備えており、ブースターでなくパワーアンプとして動作させることが可能です。そのためSV-300LBは当社初のパワー管ドライブのプリである必要がありました。紆余曲折の結果、汎用としてもSV-284D用としても300Bを採用することが必然の選択となった訳で、まさにパワーアンプそのものの外観がSV-300LBの秘められたポテンシャルを暗示しています。

SV-300LB+SV-284D直結の音。これはまさに直熱三極管の王様845と女王様300Bの組み合わせでしか聴くことの出来ない艶やかでキメ細かい、まさに真空管アンプの極致のような音でありました。お互いの長所を伸ばし、引き立て合う”黄金の組み合わせ”の一つです。

続いて二本目。キット屋というよりも私の長年の夢であったウエスタンサウンドの再現のため限定製造したLM91A,LM86B。すでにいずれも完売となり、今後この音を聴けるチャンスも極めて少なくなったので、このタイミングで放送音源として残しておくことの意味もあるのではないかと思い持ってきました。
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まずは標準仕様(Prime300Bver.4)で。オールACオペレーション(全段交流点火)ならではの豊かな倍音と音色の自然さ、そして温度感の高さ…他のアンプからは決して聴くことの出来ない魅惑的な音を是非オンエアでお楽しみ頂きたいと思います。
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そしてTさんのWE300B(刻印)+WE274B。1936年発表のWE91Aの音はかくや…と思わせるスーパーヴィンテージの世界です。静特性的には何ら見るべきところのない、しかしそれでいて限りなく美麗な音。なぜ真空管を志す者が何時しか”ウエスタン”というワードに魅了されていくのか…その秘密がこの音に秘められているかもしれません。
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最後に登場したのがWE86(1934年発表)のレプリカLM86B。トランスドライブの300Bプッシュプルです。これは91Aを更に推し進めた音で”芯のある太さ”が最大の魅力。Tさん曰く”段違い!”…他のいかなる真空管アンプと根本的に異なる何かを感じざるを得ない音がスタジオを満たします。ウエスタン=古臭い音、と思っておられる方も或いはおいでになるかもしれませんが、これは全くの見当違いでWE86が発表されてから80年以上の年月を経て、逆にその後のオーディオが特性の向上と引き換えに失ってしまった何かを教えてくれるような特別の音でした。
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大トリはオールWEバージョン。最後にTさんと話したのが、オーディオは単なる音を聴く道具では決してないということ。機器を所有するという意味を超えて私たちは自らの嗜好を音に置き換えて体現してくれるオーディオ装置と人生を共にする…一緒に暮らしているのだということをLM86Bを聴きながら改めて確認したような2時間でした。

音楽と共にある生活。この素晴らしさを真空管アンプの音を通じてこれからも伝えていきたい…今回ほど強く思ったことはありません。私にとって恐らくずっと忘れない特別な一日になりました。




by audiokaleidoscope | 2016-03-22 11:00 | オーディオ | Comments(0)

(3/18)コリン・メイからビリー・ジョエルへ

恒例の”ようこそ!オーディオルーム”の収録。今回は喉の調子も回復して無事終了しました。
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放送は3/19(土)22:00~23:00。スマホ/タブレット用のアプリが新しくなって更に聴き易くなったようですので、出先でも聴いて頂けるチャンスが増えるのは嬉しいことです!

今回の内容は…

スペシャルピックアップアーティスト:Corrinne May(コリン・メイ)
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Fly Away

ハイレゾ新譜コーナー:重実 徹(しげみ とおる)
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注目レーベルピックアップ:SMOOTHNOTES(イタリア)

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懐かしのあのアルバム:The Stranger/Billy Joel
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今回は特に音の良い音源が揃いました!昨今はヘッドフォンやミニコンポで聴かれることを前提に制作段階で意図的にダイナミックレンジを圧縮した楽曲も多くなり、相応のオーディオシステムでは聴くに堪えないという音源も残念ながら少なからずリリースされています。

この番組ではGood Recording,Good Broadcastingを合言葉に良い音の音源を良い状態で聴いて頂けるよう、細心の注意を払い私どもの真空管機器を収録に使用し、圧縮処理をせずに放送しています。是非音の良さにも注目頂ければ幸いです!


by audiokaleidoscope | 2016-03-19 09:27 | オーディオ | Comments(4)

(3/17)パッシブバイアンプの具体的アプローチ

先日ご紹介したパッシブバイアンプについていろいろと質問を頂いていますので、少し補足しておきます。

Q1:パッシブバイアンプの前提条件は?
A:2台の異なるアンプでパッシブバイアンプを構築する場合、
①スピーカー側に高域,低域それぞれの入力があり、ジャンパーが外せる(分離できる)こと
②少なくとも1台のアンプにゲイン整合用の入力アッテネータ(VOL)が装備されていること
③プリアンプに2系統のプリアウトがあること(プラグで分岐しても可)

が望まれます。

Q2:2台のアンプの出力が大幅に異なりますが問題ありますか?
A:圧倒的にエネルギーを消費するのはウーハー帯域ですので、出力の大きいアンプをウーハー側に持っていくのが一般的セオリーとなります。家庭用途ではツィーター帯域用アンプが1~2W出力で十分なケースも多々あります。

Q3;宗次ホールでは低域側を多極管,高域側を三極管としていますが、その理由は?
A:一般的に低域側に多極管アンプを使用し、しっかりした骨格感とダンピングの効いた低域を引出し、高域側に三極管アンプを使用し真空管アンプならではの繊細感と音場感(拡がり)を得る方が良い結果を得やすいですが、使用するスピーカーによって逆の方が好ましい場合もありますので聴感で決めて問題ありません。

Q4:半導体アンプと真空管アンプの混成パッシブバイアンプは問題ありますか?
A:特に問題ありません。一般的に低域側に半導体アンプ,高域側に真空管アンプを配する方が良い結果が出ますが、注意すべきは半導体アンプの方が入力インピーダンスが著しく低いケースが殆どですので、2台のパワーアンプの合成入力インピーダンス(オームの法則によって求められます)がプリアンプの出力インピーダンスの少なくとも10倍以上は必要なことです。

仮に

真空管パワーアンプの入力インピーダンス=100kΩ
半導体パワーアンプの入力インピーダンス=10kΩ

とすると2台のアンプの合成入力インピーダンスは約9kΩにまで下がり、プリアンプの出力インピーダンスを仮に1kΩすると差分は9倍ですので、最適なマッチングが図られているとはいえません。

Q5:片方のアンプがプリメインなのですが…?
A:プリメイン=複数入力を持つハイゲインなアンプと見做せば電気的な不整合はありませんが、片方に半導体アンプを使った場合、稀に誘導ノイズを引くこともありますので実際接続してみて確認が必要です。またプリメインアンプに”MAIN IN”(パワーアンプ入力)が装備されている場合は、積極的に使用すべきです。

…FAQ的にはだいたいこんな感じです。ひとつ具体的事例をお見せします。これは半月ほど前、東京のYさん宅で撮らせて頂いたスナップですが、元々全帯域をSV-275でドライブされていたのをSV-91Bを高域用としてパッシブバイアンプを実践した事例です。ちなみにプリはSV-722(C22)
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SV-275単体ではかなりシャープでキレの良い音であったJBLが、パッシブバイアンプ化によって弾むような低域に支えられた豊かな音場が現れ、艶(つや)と奥行き感の圧倒的向上が得られました。繰り返しになりますがパッシブバイアンプはネットワークをそのまま使うことで、元々の音のバランスをキープしつつ確実に音質改善が図れる極めて現実的で再現性の高い手法です。ぜひお試し頂きたいと思います。





by audiokaleidoscope | 2016-03-17 09:41 | オーディオ | Comments(0)

(3/13)宗次ホールにて

NAGOYAウィメンズマラソンで賑わう名古屋で楽しみにしていた演奏会。もう一つの目的はホワイエ(ロビー)でのオーディオデモでした。場所は宗次ホール。佐藤勝重さん&根津理恵子さんのコンサートです。ここでデモをさせていただくのは三回目か四回目。今回も沢山のクラシックファンの皆さんと交流できて大変幸せな一日でした。
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開演前、ピアノ調律中に撮影させて頂いた美しい宗次ホール。素晴らしい音響空間です。今回はフルコン2台(スタインウェイD-274/ヤマハCF-IIIS)。コンサートグランドピアノの最高峰をステージ上に2台用意したゴージャスなコンサートになりました。

ホワイエではReference35をSV-S1616D(多極管仕様/300B仕様)2台でドライブする”パッシブバイアンプ”で鳴らします。ウーハー側は多極管(今回は6L6GC)でキッチリした音のエッジを、ツィーター側は300Bで響きと豊かな音場を出そうという狙い。目論見はバッチリ当たって勝重さんのピアノの音色の質感と余韻がかなり良い感じで再現出来たのではないかと…。
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入力系はSWD-CT10で192kHzのアップサンプリングした後、近日発売のニューDACで768kHzに更にサンプリングレートを上げて再生。これも相当効いたと思います。
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これがスピーカー側の結線。パッシブバイアンプ駆動なので当然ツィーター/ウーハー間のショートバーは外します。因みに「パッシブバイアンプってナニ?」という方もいらっしゃると思いますので、旧店主日記から要点のみ再掲しておきます。


2005,10,14, Friday
パッシブバイアンプの効用

バイアンプというと「マルチは憧れるけど調整が大変で・・・」と逡巡される方も多いでしょう。私がやったのはSPの内蔵ネットワークをそのまま使って高音質化を図る「パッシブバイアンプ」です。皆さんのSPが2ウェイ以上で構成されているならチョイと後ろを見てみて下さい。2系統のSPターミナルが装備されている場合が多いんじゃないですか。でその2系統のターミナルがバスバーでショートされている。パッシブバイアンプはこのバスバーを外して低域と高域(ミッド以上)を別々のアンプでドライブしようという試みです。

まずバイアンプのメリットは何でしょう・・・これはエネルギーを一番食う低域を専用アンプでドライブすることによって、より彫りの深い締まった低域を獲得出来ること、また絶えず低域の大入力によって揺さぶられ不安定になる高域に専用アンプをあてがうことで透明感が向上し歪っぽさが取れます。また高域のレベル調整をもう少し細かく追い込みたいなあという場合、それぞれの(或いはどちらか一方の)パワーアンプに入力VOLが装備されていえば自分の思い通りのバランスが得られるのも朗報です。要は必要条件としてはプリ出力が2系統あること,パワーアンプにゲイン調整機能(入力VOL)が少なくとも片方に付いている事くらいでしょう。誰にも簡単に挑戦出来て音質を著しく向上できる極めて合理的なセットアップ法です。

オーディオに全く興味のない女性のお客さんが”良い音ですねえ”と声を掛けて下さったり、目にハンディキャップをお持ちの方が遠くから近づいてこられ、”ホンモノのピアノが鳴ってるかと思いました”なんて仰って下さったり。Reference35は6月発売ながらご予約も好調で喜んでいたのですが、今日更に音に対しての自信を深めることが出来ました。
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これがBGM用に使わせて頂いた勝重さんの新譜販売コーナー。沢山お買い求めいただけて光栄でした!
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終演後の勝重さんのサイン会。大人気!!!イケメンだけあって女性ファンが大多数でしたが、キット屋のお客さんも今回沢山集まって下さってチョットしたオフ会的な雰囲気もありました。

時々はこんな楽しい企画も良いものですね!またお手伝いさせて頂きたい…そんな一日でした。



by audiokaleidoscope | 2016-03-14 15:19 | オーディオ | Comments(0)

(3/11)天空のリスニングルーム

TV等で盛んに報道されている名古屋の新しいランドマークに納品。
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厳重なセキュリティを通って指定された場所に行くと、そこはもう別世界。近郊が一望できる絶景が広がっています。
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お話を頂いたのは去年秋。完全プライベートスペースで食事をしながら音楽を…というニーズで様々打ち合わせを重ねてきました。一番大変だったのはスピーカー。お客さんが選ばれたのはダイヤトーンの完全受注生産品DS-MA1佐伯多門さんに紹介いただき、実質的に製造完了となっていた同モデルを何とか製造いただくことが出来ました。

指定納入時刻ピッタリに運送屋さんが大切に運んできた、これがそのMA1.開梱されるのを固唾をのむような気持で待ちます。
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ついに姿を現しました!これがMA1。
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まるで巨大な木の塊から削り出したような凄い存在感です。B4Cピュアボロンのツイーター。同じくB4Cピュアボロン3インチダイレクトラジーター+イタヤカエデのホーン。そしてアラミド+ペーパー(サンドイッチ構造)の30㎝ウーハーをピアノに使われるスプルースのエンクロージャーにビルトインしたこの超強力なスピーカーシステムを鳴らすアンプとして選んだのは…
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SACD/CDプレーヤーがDENON DCD-SX11。プリがSV-192A/D。パワーはSV-8800SE(KT120仕様)。アラミドのウーハーはパワーをグッと入れた時の追従性の高さが魅力ですので、その良さを引き出す為にも8800SEは必然の選択でした。
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セッティングが終わって早速音出し。写真では分かりませんが何百平米という巨大な空間でアナログもデジタルも咆哮するような音で響き亘ります。内装作業中の他の職人さんも思わず手を止めて”いいねえ!”と仰りながらスピーカーの周りに集まって談笑する場面も。

素晴らしい天空のリスニングルームで音楽を聴く心地よさ…そんなお手伝いをさせていただけただけでも幸せだった今回のプロジェクトでした。



by audiokaleidoscope | 2016-03-12 11:35 | オーディオ | Comments(0)

(3/10)SV-192S/PROのMullard CV4003化

今日はFさんとKさんが第二へ寄って下さいました。
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今日の第二はちょっと気高く…SV-192PRO-SV-300LB-VP2500SEという組み合わせ。
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SV-192Sもまだまだ現役です!DSDオプションは2.8M対応ながら、この美音は他の1bit DACでは聴けないと仰って下さる方が多いのは本当に有難い事。先日Fさんが2台所有されているSV-192Sのうち1台の12AU7/ECC82をMullard CV4003にグレードアップされたところ、その音の変化に驚愕され、今日はもう1台もCV4003仕様にされる為に第二にお越しになられたという訳です。

192シリーズの12AU7をCV4003に替えると非常に効果的という情報は2008年暮れごろからずっと言われ続けている話でありましたが、元々SV-192Sが完成品オンリーという形態ゆえ、保証絡みの問題から私どもとしては正直触れ難い内容であったのは事実です。ただここまでポピュラーになったことですし、Fさんのように”そろそろ新しいDACを…という気持ちもありましたがCV4003に替えた音を聴いて、もう7~8年はこれでいいや!って気持ちになりましたね”という方も多いので、情報として改めてお知らせする次第です。

一緒に来られたKさんはフランコ・セルブリンのスピーカーをお使いなのですが、最近SV-128Bの出力管をKT150に替えたところ、俄かにスピーカーが歌うようになったと仰っていました。真空管のアップグレードによる高音質化というのは旧くて新しいテーマですが、案外知らずにずっと使ってる…という方も多いと思います。もちろん交換して良い球,ダメな球がありますし、電気的ルールを無視して決して好結果は得られませんので、しっかりと互換性を確認して楽しんで頂きたいと思います。

CV4003は世界的に在庫が枯渇に向かっているようで、最近はオーディオ用途だけでなく、オールドギターアンプやヴィンテージスタジオ機器用にCV4003を求められる新規のお客様も随分増えてきました。私どもでは値段は以前のままですが、相場も上がってきているようですので、欲しいと思っておいでの方は早めのゲットがお奨めです!



by audiokaleidoscope | 2016-03-11 06:02 | オーディオ | Comments(0)

(3/4)体験をシェアすること~マスタークロックの魔法

月イチのショールーム開放日…お初の方もいれば毎回必ず顔を見せて下さる方もいる欠かせないマンスリーイベントです。今回ハッピーだったのはいまから10年くらい前、よく交流させて頂いたKさんと久しぶりに再会できたこと。昨年から始まった”原点回帰”プロジェクトもあってか、旧い仲間がたくさん還ってきてくれているようになったと感じる今日このごろ。濃淡はあってもこのように永くお付き合いが出来るのは共通の趣味のお陰…本当に嬉しいことです。

開放日はテーマは事前に決める訳でなく、来られたお客さんが聴きたいアンプや真空管アンプについて質問したいことが、そのままコンテンツ化して試聴室にいる皆で一緒に音を聴きながら議論する…そんなフリースタイル。今回はどちらかいう小物系ネタで盛り上がった感じです。
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一つはマスタークロックありとなし。現行のMC-3+ではフェイルセーフ機構(万一外部リファレンスクロック信号が途切れた場合にも、ノイズ等の混入が回避可能)が追加されたのでクロックのオン/オフを瞬間的に行うことが出来なくなった関係で、敢えて旧モデルMC-3を出してきて音楽再生中に意図的にクロックを入/切して音の変化を実体験して頂きました。

SV-192PROでは水晶発振子を選別し、一般的な民生デジタルオーデイオ機器よりもジッター(時間軸方向での信号波形の揺らぎ)が大幅に低減されています。それを踏まえてもなお、クロック精度が誤差数ppmから1ppm(以下)に向上する効果は或る意味劇的で、MC-3が強制ONされた瞬間に今まで十分だと思っていた音のフォーカスがキリリと引き締まり、音場がパッと拡がるのが誰の耳にも分かるほどの差異が現れます。頭で理解するのと耳で実際に感じるのは大きな違いで立会人の皆さんも音を聴いて十二分に納得されている様子でした。MC-3とMC-3+ではクロック精度も差異があり、MC-3+の公称精度は更に高い0.1ppm(以下)ですから言わずもがなです。いちどクロックを使うともう元へは戻せない事実は”優劣”という言葉の入り込む余地の少ないオーディオという文化の中で、数少ない絶対的優位と言えるのかもしれません。

それともう一つ...Yさんが持ってきて下さったのがこれ。
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前回ホンモノが登場したWE618Bに感化されてYさんが購入されたのはレプリカ。今回本家は残念ながら欠席でしたがSV-310EQの標準MCトランスと比較してみたところ、このレプリカにもしっかりとウエスタントーンが感じられて好感を持ちました。おそらく試聴室のリファレンスカートリッジ(14Ω)よりも更に低いインピーダンスのカートリッジの方が合っているようです。

ネットの書き込みや雑誌の記事からは読み解けない事がたくさんあります。例えば”冷たい音”とか”温かい音”という音のイメージは言葉を超えて人の数だけの意味と拡がりを持つでしょう。短い時間でも実際の音を聴いていただくことで初めて見えてくることがある…こういう体験を共有する(シェアする)場が私どもの試聴会やショールーム開放日の狙いであり、成果と言えるのだろうと思っています。これからも続けていきたいものです。



by audiokaleidoscope | 2016-03-06 19:54 | オーディオ | Comments(0)

(3/5)今晩の”ようこそ!オーディオルーム”は一青 窈からパット・ベネターへ

今日の”ようこそ!オーディオルーム”は昨日録ったばかり。私は仕事で出掛けていたのでオンエアは聴けなかったのですが、どうだったでしょうか?

声もまだ鼻声で体調も決して万全といえない状況のなか、局の皆さんや何よりも毎回楽しみにして下さっている方がいらっしゃるので、ギリギリまで収録を遅らせて頂いてコンディションを戻すことを優先した結果、放送に穴を空けることは回避できました。
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昨日の収録後、何とか終わって良かった...という1枚です。今回の内容を備忘的にアウトラインしておきます。

1.「スペシャルピックアップアーティスト」…一青 窈(ひとと よう)
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ヒトトウタから「ハナミズキ」,「エヴリシング」

2,「ハイレゾ新譜コーナー」…KENNY BARRON TRIO
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Book Of Intuitionから「Magic Dance」,「Bud Life」

3.「注目レーベルピックアップ」…Glossa(Spain)
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Couperin: Pieces de violesから「Couperin: Pieces de violes avec la basse chifree: Suite No. 2」
※キット屋リファレンスディスク認定


4.「懐かしのあのアルバム」…パット・ベネター
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Greatest Hitsから「Heartbreaker」,「Shadows Of The Night」

聴き逃したという方は、ぜひ来週土曜(3/12)22:00からの再放送を!!ネットの方はこちらで!



by audiokaleidoscope | 2016-03-05 23:59 | オーディオ | Comments(0)

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