<   2016年 01月 ( 13 )   > この月の画像一覧

(1/29)マイクに向かう訳

今日は2月前半分の”ようこそ!オーディオルーム”の収録。オンエアは2/6(土)22時~です。
b0350085_00142898.jpg
最初の頃は公の電波に自分の声が乗ることに違和感がありましたし、今でも相変わらず慣れない収録続きですが、いつも”今回は誰を取り上げよう、何を特集しよう”…と事前に考えるのが楽しくて、毎回朝方までかかって音源を決めたり構成を考えたりする事が自分の中で欠かせないサイクルの一つになってきました。”ようこそ!”では自分の愛聴曲や新たに発見した良い(音の)楽曲を独り語りで紹介させていただき、”大放談”ではゲストと一緒にオーディオと音楽について語り合う…このスタイルもだんだん定着してきたように思います。毎回放送後にいただく感想メールが嬉しくて”次も頑張ろう”と大きな励みになっています。今日の収録では以下の楽曲を紹介しています。

1.スペシャルピックアップアーティスト:手嶌葵
b0350085_21352663.jpg
ランデブー

その透き通るような声の美しさで誰かも愛される手嶌さん。選んだ曲は”明日への手紙”と”あなたのぬくもりを覚えてる”の2曲。

2.ハイレゾコーナー:グレン・フライ
b0350085_21435042.jpg

1/18に訃報が世界を駆け巡ったグレン・フライ。イーグルスとはひと味違う彼ののメローな歌声を味わえるこのアルバムから選んだのは”The Good Life”と”Same Girl”。

そして世界で一番売れた曲”Hotel California”も…ライブバージョンで。
b0350085_22393772.jpg
3.注目レーベルピックアップ:DENON/ORT

3月の”大放談”での対談を聴けない方も多いと思います。単なる帯域拡張技術を超えた芸術性を秘めたORTの素晴らしさの片鱗を感じて頂きたいと思って選んだ曲。大放談と被りますが
b0350085_06112271.jpg

聴いていただくのは”4つのヴァイオリンとチェロのための協奏曲 第1番 ニ長調”。「CDは音が硬い」,「聴き疲れがする」というイメージをORTは打破してくれるに違いありません。そしてもう1タイトルは…
b0350085_23193054.jpg

すっと空間に溶け込んでいくような、極めて繊細でニュアンスに富んだ素晴らしい音色。この空気感こそがORTの神髄と言えるでしょう。①消極的な前奏曲②図式的なインヴェンション③線形のロマンス…この3曲から聴こえてくる快感を是非味わっていただきたいと思います。

最後は”懐かしのあのアルバム”コーナー。前回の”ボズ・スキャッグスに続いて今回お届けするのはドナルド・フェイゲン/The Nightfly
b0350085_23555002.jpg
極めて都会的で洗練の極みともいえる①I.G.Y②The Nightflyの2曲をオンエア。オーディオファンが好むのはクラシックかジャズ…と思うのは早計。最近は特に過去音源の高音質リマスターがどんどん出てくることによって、オーディオの魅力と可能性が更に拡がってきています。

私がマイクに向かう目的は、数多(あまた)ある名曲の魅力を”音”という側面から改めて発見することにあるのかも…最近とみにそう思うようになりました。オンエアを是非お聴き頂ければ幸いです。



by audiokaleidoscope | 2016-01-30 00:40 | オーディオ | Comments(0)

(1/27)自分だけの音を所有するということ

音楽を再生するという手段において広義の”オーディオ”は不可欠な存在である訳ですが、この10年でオーディオを取り巻く環境はまさに激変したといえます。

一つは動画配信サイトの台頭。それまで音楽鑑賞は生演奏を除いては物理メディア(形のあるもの)として購入(所有)するものであった訳ですが、PC/インターネットの普遍化によって音楽は”所有するもの”から”消費されるもの”に劇的に変化し、更にスマートフォンの普及によって動く人間に音楽がついてくるようになりました。つまり音楽は”聴く対象物”から”鳴っている環境”に変異しつつあるといってもいいかもしれません。こちらをご覧ください。この10年で失われた40%は何処へ行ってしまったのでしょうか?本来いいな!と思う音楽を購入して自分のものとして聴くという行為がネット等による代替消費あるいは違法ダウンロード等による機会損失が僅かでも影響しているのであればこれは大変なことです。

音楽を作る人がいて、それを演奏する人がいて、それを再生する私たちがいる…そのサイクルが最後のところで脆くなってはいないか…誰かが対価を支払うことでそのお金が誰かを満たし、次なる創造に向かう事が出来る…それを支えているのは私たち消費者であることを何処かで覚えておきたいものです。そのために我々オーディオ屋は”こんな風に聴くとこんなに良い音で楽しめ、歓びもずっと大きなものになりますよ!”ということを愚直に訴え続ける責任があります。

真空管アンプの世界では昔と変わらず、スピーカーをセッティングし、適切なアンプを配して音楽を大切に聴こうという方がまだまだ多いのは本当に有難いことです。アナログレコードの生産実績が急伸していることはトータルに占める割合からすれば決して大きな値ではありませんが、真空管アンプユーザーを含むピュアオーディオ愛好家層が健在であるという証左で大変心強く思います。

今日はそんな真摯な仲間をご紹介します。まずはSV-353キットを完成されたSさん。
b0350085_09571629.jpg

※Sさんのご了解を頂いて掲載させていただきました


B&W Silver Signature30はB&Wの30周年記念モデル(限定)で恐らく97年頃の製品だったと記憶しておりますが、名前の通り内部ワイヤリングを純銀線で行った極めてデリケートでニュアンスに富んだ再生音のスピーカーです。これを真空管システムで鳴らされるSさんが今回選ばれたSV-353によって更に音の万華鏡が展開することでしょう。Sさんからは”結果からすると接点の増加は全く問題が無いことが判りました。今後の展開に対する不安が解消しました”というメッセージを頂戴しています。SV-310EQ,SV-310とともに末永くご愛用頂ければと思います。

そういえば先日SV-S1616D(多極管仕様)のレポートをご紹介したAさんが”これから作る方の参考になれば…”と仰ってまとめ製作記を書いて下さいました。単に聞くのではなく”聴く”…耳だけでなく心を傾注して自分だけの音を所有するだけでなく、同好の士と歓びを共有できるオーディオという趣味は実に素晴らしいものですね!




by audiokaleidoscope | 2016-01-27 11:43 | オーディオ | Comments(0)

(1/26)理恵子さんの名古屋演奏会~音楽とオーディオがイチバン近い日~

今日は演奏会のご案内…これまで単に機器を売ろうというだけでなく、「良い音楽を良い音で」という想いが常にありました。幸い素晴らしい演奏家の皆さんの知己を得て色んな事を教えて頂いたり、オーディオ好きを超えた音楽ファンの方々と日々交流させて頂き、気が付くと18年目。たくさんの演奏家,ミュージシャンとの交流のなかで特にご縁を頂いたのが根津昭義さん(元N響ヴァイオリニスト)、そしてお嬢様である理恵子さん(第15回ショパン国際ピアノコンクールファイナリスト)のお二人です。

2008年6月15日。表参道カワイホール”パウゼ”で行ったキット屋10周年記念コンサートをご記憶の方はいらっしゃるでしょうか。あの時ステージに立って下さったのが根津さんと理恵子さん。今でもあの日の感激は忘れませんが、その理恵子さんがご主人さまと一緒に名古屋で演奏会をなさると伺いました。
b0350085_20344574.jpg
当日は私も会場に伺います。演奏を楽しませていただくのは勿論ですが、開演前と休憩時にホワイエ(ロビー)で当日の演目を収めたCDのオーディオデモを行わせて頂けることになりました。アンプとスピーカーは何を持ち込もうかな?…今からワクワクしているところです。楽しみですね!

当日お越しいただける方は下の”Comments”欄にお名前,メールアドレス,枚数をお知らせください。チケットを私の方で確保しておきますので。詳細は折り返し私からご連絡させて頂きます。日曜の素敵な午後をご一緒しましょう!!



by audiokaleidoscope | 2016-01-25 21:53 | オーディオ | Comments(0)

(1/23)科学する心を養おう!

そんな訳で東京から戻った翌日は名古屋で親子ペアで体験いただくAMラジオキット製作教室の講師。”AMラジオの製作で科学する心を養おう”と銘打って行っています。今回は32組の募集に対して300組以上の応募があったと伺って驚いた次第。モノづくりという言葉が少しづつ、でも確実に一人歩きしているなかで子供にモノをつくる意味を伝えようと思う親御さんと子供たちが居ることを非常に嬉しく思いました。

日頃どっちか言うと理屈っぽくて重箱の隅を突くような仕事をしている立場にあって、こんな風に根源的で自分のルーツにも繋がるお仕事が頂けるのは本当に有難いこと。色んな場所で10年あまり前からやらせて頂いている取組みですが、今回も新鮮な感動を味わうことが出来た非常に気持ちの良い一日でした。
b0350085_14251377.jpg
恒例の事前お勉強タイム。電波ってなに?中波ってなに?音と電波と光って?…単に作るだけでなく、自分が何をしようとしているのかを事前に共有することが大事と思って毎回やっている事です。
b0350085_14393360.jpg
そして基本動作を理解してもらうためのハンダづけの見本を見てもらいます。みんな真剣!
b0350085_14393831.jpg
早速練習して、そして本番。がんばって!!…最初は手先が震えている子もいますが、だんだん自信がついてキレイなハンダが出来るようになります。子供はみんな天才です。
b0350085_14394001.jpg
会場をグルグル回りながら”センセ~、ここはどうやってやるんですか?”と声がかかるとお助けマンに早変わり。何もかもが初めての経験な訳ですし、初めから上手く出来る子なんて誰もいません。早い子もゆっくりな子も…それで良いんです!
b0350085_14394322.jpg
完成の記念ショット。”組みあがったら見てあげるから持ってきてね~”と言ってあって、自分の作ったラジオを持ってくる時の皆の緊張した顔。部品の方向性,ハンダづけのやり直し箇所の有無を確認してから、いよいよ電池を入れます。ぐっと息詰まるような静寂が流れたのち、電源を入れて受信できた時の子供たちの嬉しそうな顔!!まさに破顔一笑という感じの素晴らしい表情に此方も大切な何かを教えて頂いた気がしました。この中から未来のアイシュタインのような科学者が生まれてくる…のかもしれません。




※掲載写真はすべて参加ご父兄,児童本人の事前掲載承諾のもと主催者事務局が撮影し当ブログに転載しておりますが、念のため一部画像修正を行わせていただいております。




by audiokaleidoscope | 2016-01-24 15:14 | オーディオ | Comments(0)

(1/22)Yさんの新居へ

MUSIC BIRDの収録明けの22日に伺ったのは東京近郊のYさん宅。都心から近い距離でありながら、道幅が広がり駐車場付きのコンビニが見つかり、庭付きの一軒家が現れはじめる…そんなベストなロケーション。Yさんはエンジニアとしての見識の高さ、徹底したプロ意識と同時に人としての暖かさ、懐の深さのある方で、ご新居が竣工したと伺って馳せ参じたという訳です。

お邪魔したYさん宅は完全オリジナル設計のデザイナーズハウス。花梨(かりん)のオイルフィニッシュの床、高い天井、漆喰(しっくい)の内装…白と黒とブラウンの調和が美しい、都会の別荘のような素敵な空間でした。

早速Yさんのリスニングルームで音を聴かせていただきます。元々車両における低域振動(ノイズ)対策のプロであるYさん、リスニングルームのセッティングにも極めてセンシティブ且つ合理的に取り組まれていました。
b0350085_23585073.jpg
二階のリスニングルーム。天井高3.3m。閉空間における定在波の悪さをよくご存じのYさんが施されたのは、最も無防備で後から対策が困難なバーティカル(天井/床間)で起こるスタンディングウェーブ対策。乱反射させるための凹凸部分を設けて空間のSN比を極限まで高める対策を施されています。
b0350085_23584532.jpg
ここは音楽と共に映画を楽しむための空間。110インチスクリーンが下りてくるときは7.1ch(最大9.1ch)のサラウンド空間に早変わり。シネコンも真っ青のプライベートシアターです。オーディオはアナログメイン。プリはSV-722,パワーは懐かしいSV-275(SV-8800SEの前身)。スピーカーはJBLです。
b0350085_23584701.jpg
コントロール系。アナログプレーヤー2台でMM/MC,ステレオ/モノに対応しています。トリオのFMチューナー,カセットテープへの備えも万全!
b0350085_23590056.jpg
で、こちらが銀箱miniのあるダイニング。間接照明が素敵な、いつも爽やかな風は流れているような空間の大きさ…日中は極上のカフェ。夜は最高のワインバーのような何とも羨ましいスペースです。ここで奥さまお手製のカフェご飯のご相伴に預かりながら、気が付いたらあっという間に3時間が過ぎていました。ここでは時計が止まっているのかも…そんな心地の良い場所でした。
b0350085_13473212.jpg
Yさん、有難うございました!またお邪魔させてください!!(※写真はすべてYさんの許可を頂いて掲載させて頂いています)



by audiokaleidoscope | 2016-01-24 13:52 | オーディオ | Comments(0)

(1/21_2)プリアンプは要るの?要らないの?

大放談”二本目は5回目の登場、Tさんと一緒に。今回は”ホントに要るの?…再び真空管プリの魅力を問う!”というテーマで激論を交わしました。
プリアンプの要否についてはCD登場以降、何度も湧き上がっては消え、再び湧き上がるが如く議論されてきています。デジタル時代になりプレーヤーの出力がラインレベルまであがっているのに敢えてプリを繋ぐ必要が何故あるのか…プリが挿入されることによって音の色づけが発生するだけじゃないか…というのが不要派の論拠であったように記憶しています。

対して私は一貫して”プリは必要である”という立場で機器開発を行ってきました。真空管プリメインアンプという形式を考えてみましょう。殆どのものがパワーアンプの入力部にヴォリュームとセレクターを挿入したもので、電気的には”セレクター,ヴォリューム付パワーアンプ”と呼ばれるべきものです。これを”簡易プリメイン”と呼ぶことにします。

ここで重要なのは簡易プリメインについているボリュームは音量を上げるための機構ではなく、アンプに入力される電圧を絞って適正ゲインに調節するための"アッテネータ"であるという点です。つまり簡易プリメインアンプのボリュームは開放(全開)が1:1の関係であり、通常は大幅に絞った状態であることを意味します。

常時ボリュームを絞った状態で音楽を聴くということは即ち信号系に抵抗が直列的に存在することと同義です。試しに通常のパワーアンプ(ボリュームのない直結タイプ)の入力部に電圧制限用(ゲイン調整用)の抵抗を挿入すると、抵抗値が大きくなればなるほど再生音が曇り、真空管ならではの音の質感が損なわれることを経験された方もいると思います。

またアッテネーションの程度(言い換えればヴォリューム位置)によってアンプの入力インピーダンスが変移することも無視できないデメリットの一つです。プリ+メインのセパレート構成で使用する場合、同じ音量でプリアンプのボリュームを全開にしてパワーアンプ側で適正音量(ゲイン)を得る場合と、パワーアンプ側を全開にしてプリアンプ側でゲイン調整するのを比較してみると、明らかに前者の方が音の勢い(闊達さ)が損なわれることに気付きます。これは入力部にボリュームが介在することでパワーアンプからみたプリアンプの見かけ上の出力インピーダンスが上がってしまい、カットオフ周波数が下がり高域の周波数特性が劣化することからも説明が可能です。

やや話がややこしくなりますが、例えばCDを音源として考えた場合、信号は16ビットで記録されています。1ビットの分解能は1/65536であり、最大出力の2Vに対して僅か30μVに過ぎません。この微小電圧を簡易プリメインでは掬い上げることが出来ません。つまりプリの使命とは入力信号の劣化を極力抑えアンプの持つ音質を生かすことであり、如何にパワーアンプを理想に近い状態で使うかということに帰結するとも言えます。

私どもでも試聴室や展示会のデモでも簡易プリメインアンプをよく使います。その場合は必ずパワーアンプのボリュームを開放(全開)してプリアンプ側で音量調整を行っています。これはアンプの音質的魅力を最大限に引き出す為の手段であり、電気的にも有効です。まずは簡易プリメインで真空管アンプの持つ音質の素直さ、倍音の豊かさを十分に味わって頂いたあと、次はプリアンプを追加してみることで、単独使用では聴くことが出来なかった音の瑞々しさや音場(空気感)の淀みない拡がり、また広大なダイナミックレンジ(抑揚感)を満喫できる…これがプリのレゾンデートルであると考えます。

では実際プリによって音がどう変化するのか(或いはしないのか)を実際検証してみましょう、というのが今回の企画。6台のプリをスタジオに持ち込んで比較してみました。ネタバレになりますが、実に興味深い百花繚乱を楽しむことが出来ました。
b0350085_23584231.jpg
今回もTさんには真空管に通暁した鋭いコメントを多数いただきました。どうも有難うございました!収録時に使ったプリを放送順にご紹介していきますと…
b0350085_23582407.jpg
最初はエレキットTU-8500。極めてカラーレーションの少ない、端正で生真面目な音。非常に素性の良い、言い換えればプリの元々の使命であるゲインアップに対しての忠実性に好感が持てる音。興味ある方はこちらもご一読を。
b0350085_23582732.jpg
続いてはSV-3。これはTU-8500とは真反対。トーンコントロールをフラットにした状態でSV-3を通すだけで中低域の量感が増し、明らかに音が解れて温度感が上がる印象。
b0350085_23582964.jpg
続いてはSV-722(マランツ7タイプ)。デビューが2002年でその年の真空管オーディオフェア(プリアンプ部門)で金賞を頂いて賞が廃止されるまでずっと首位を守った思い出深いプリです。音質のため余分なものは全て除去し、ヴォリュームですら左右独立(クリック付)という徹底ぶりですが、今でも”音は722が一番”と言って下さる方も沢山いらっしゃいます。傾向的には”締まって伸びる”。解像度を高め聴感上のダイナミックレンジを伸長させるためのプリと言ってもいいかもしれません。

ここまで3台を比較してリファレンスソースは”My Foolish Heart”。
b0350085_12021841.jpg
オンエアを聴いて頂くと”ブラシの表情がここまで違うとは!”と驚かれるかもしれません。

後半は個性豊かなプリが続々と登場きます。4台目はMUSIC BIRDスタジオでもリファレンスとして使っていただいているSV-192A/D。SV-722と正反対の多機能性が特徴でリモコン付,トーンコン(バイパス可)有。USB(1.1規格)入力有。192k/24bitのA/Dコンバータ内臓で20万という大変な代物な訳ですが、ライン部でECC82を4本(CRフォノEQ部はECC83を2本)で回路構成し、音質的には722の延長線上にありながら若干温度感を上げています。

後半3台で使ったリファレンス曲はこれ。ムローヴァのバッハ
b0350085_12153876.jpg
試聴に使ったのはDisc2,Track14の”ヴァイオリンと通奏低音のためのソナタBWV1021”ですが、コレ!素晴らしいです!!
b0350085_23583269.jpg
言い古された言い回しですが、潤い,響きの良さでスタジオの空気が変わったような印象です。TさんもIプロデユーサーも”買います!”と仰ってCD番号を記録されていました。この辺りのクラスになるとプリ使用の成否よりも、加えることで音楽性がどう変化するかという聴き方に変わってきます。サンバレーで言えば大関クラスのSV-192A/D。大健闘でした。
b0350085_23583477.jpg
いよいよ西の横綱の登場です。SV-300LB(正式発表1月末予定)。形を見てパワーアンプと思わないで頂きたい…10年来プランを温めてきた300Bプリです。初段ECC81,ドライブ12BH7,ファイナル300B,整流5AR4という構成で設計的にはパワーアンプそのものな訳ですが電圧出力に特化した出力トランスを新規に制作し、SV-284Dをダイレクトにドライブできるバランス出力と汎用アンバランス出力の両方を持っています。

これを読んで下さっている方で”音はどんなだろう?”と思っておられる方も多いと思いますが、意外なほどキレ込みがよく余韻だけでなくヌケも向上することにTさんも驚かれていました。SV-300LBではTさんのTELEFUNKEN ECC81,GE 12BH7,WE300B(US NAVY仕様),TELEFUNKEN GZ34のスペシャルチューブでのオンエアもありますが、更にハイがクリアになって非常に好印象であったことを付け加えておきます。
b0350085_23583650.jpg
そして最後に登場したのが東の横綱、SV-310。特に意識した訳ではなかったのすが、私どものパワーアンプだけでなく他社さんの高級パワーアンプにもリファレンス指定いただけるなど、10年余でここまで育てていただけました。まさにプリアンプを音楽再生の最重要な武器と捉え、出力トランスによる豊かな倍音と150kHz(-3dB)に迫る超広帯域を実現したスペシャルモデルです。写真はLM310A,STC 4274Bで聴いた時のものですが、最後に聴いたTさんのWE310B(メッシュプレート刻印),WE274B(40年代刻印)バージョンは何か特別な音を聴いているような錯覚にスタジオが包まれました。

恐らくプリの有用性について漠たる疑問をお持ちの方も沢山おいでと思います。そんな方にこそ3/18(再放送3/25)のオンエアを聴いて頂きたいと思います。この2時間のなかに答えがあると申し上げていいでしょう。





by audiokaleidoscope | 2016-01-24 12:53 | オーディオ | Comments(0)

(1/21_1)”ORTマスタリング”の神髄に迫る

三日間の出張を終え、ほうほうの体(てい)で帰社。バックデートして報告していきます。

21日(木)は”真空管・オーディオ大放談”の収録。一本目は久々の音源モノで今回は日本コロムビアの新技術”ORT”(Overtone Reconstruction Technology)の大特集。
b0350085_23582141.jpg
ゲストはスタジオ技術部の冬木さん(左)とチーフマスタリングエンジニアの田林さん(右)。ORTは文字通り”倍音再構築テクロジー”な訳で、倍音こそが音楽再生の最重要タームであると信じて真空管アンプ一筋にやってきた私だけでなく全てのオーディオファンにとっても必聴の2時間になりました。オンエアは3/4(金)22時~(再放送は11日同時刻です)。

そもそもORTは何なのか…と言うとCD相当のスペックで録音されたデジタルマスター音源の倍音成分を解析し、その高域倍音成分を再構築することより、本来の楽音がもっていた豊かな音色やなめらかさを復活させ、ハイレゾ音源として蘇らせるマスタリング技術。ハイレゾという言葉こそかなり周知されて来ている訳ですが、その本質がどこまで理解頂けているかがやや曖昧な状況のなかで、今回の収録ではORTの独自性と拘りにフォーカスしたつもりです。

正直なところハイレゾであれば全て高音質だという理解は正しくありません。単にビット深度を上げたりサンプリングレートを上げるだけなら今や誰でもPCさえあれば出来る訳です。単純計算で例えば96kbpsのMP3音源をPC上で9216bps(192k/24bit)に変換すればデータ量としては約100倍。じゃ100倍音が良くなったかというと決してそうではない訳ですし、実際市場にリリースされているもののなかにも”名ばかりハイレゾ”も無いわけではありません。まさに玉石混交,群雄割拠という状況にある訳ですが、今回e-onkyo musicの特集ページを見て興味を持ち、実際聴いてみてその音の良さに痺れて直ぐに取材の申し入れをさせて頂いたという訳です。

ORTはCD相当のデジタルで保存されているマスター音源に可聴帯域外の超高域における倍音補完を行い帯域伸長を図っています。ハイレゾに興味のある方は恐らくVICTOR K2HDとどう違うのかな…と思われたことでしょう。両者の目的は同一ベクトル上にありながら、そのプロセスや出音には大きな違いがあります。ひと言でいうならばORTは元々マスターが持っている領域のデータには殆ど触らず(元々の音楽性を重視し)、量子化の過程で失われた(であろう)超高域を独自の倍音再生成技術によって、”作り直す”のではなく、”補う”技術であるということです。それも一義的なパラメータによるオートマチックな処理でなく、音を聴き込んで、ソースそれぞれに相応しい(原音を損なわない)処理をタイトルごとに緻密に行っているところが特徴。対してK2HDは元音源を一つの素材として最先端テクノロジーと職人芸(エンジニアの匠)によって料理し直す技術と言ってもいいかもしれません。

敢えて言えばK2HDが映画館で見る大画面の迫力だとすればORTは超高精細4Kモニターで見る世界観。真空管アンプにおける”上方リニアリティ”がK2で”下方リニアリティ”がORTであると感じました。昨年12月,そして今月リリースされた音源はCDで大ヒットしたものばかり。
b0350085_06112271.jpg
b0350085_06142565.jpg
マーラー5番/インバル※画像転載許可:e-onkyo music

まずは一枚。CDで持っている音源を比較用にダウンロードしてみて下さい。それだけでORTの神髄を十分に理解できる筈。オンエアではなかなか文字には書けないギリギリのところまで突っ込んだ内容に言及していますので是非お聴き頂きたいと思います。2月の試聴会でもORT特集をやろうかな、と思っているところです。乞うご期待!!です。



by audiokaleidoscope | 2016-01-23 06:28 | オーディオ | Comments(0)

(1/17)出足好調!

金曜にアップさせて頂いた東京試聴会の1コマ目(予約枠)の出足が好調でとても嬉しい気持ちです。前回は2時間デモだったのですが、今回は3時間に拡大したことが良かったのか、新製品に興味を持っていただけているのか…いずれにしてもデモさせていただく側としては精いっぱいやるだけです。

今回は久しぶりに新作小型スピーカーもありますし、SV-S1616Dの音を改めてしっかり聴いてみようという方も多いと思いますし、やっと量産に漕ぎ着けたSV-300LB(300Bプリ)の音をどんなかな?と思っている方も多い筈。盛り沢山の内容になりそうです。

そういえばSV-S1616Dの完成連絡もかなり出揃ってきて、改めてどの辺りに苦労されたのかが分かってきました。嬉しかったのは組立レポートが役に立ったと仰って下さった方が多かったこと。なかなか時間が取れなくて大変だったというのが本音ですが、今後もなるべくこういうプロセスを共有出来るようにしたいと思っています。出来上がった時の感動は何度味わっても良いものですし(笑)。

最近多極管仕様を完成されたAさんからは

各工程毎のチェックと最終配線完了時のチェックを徹底することで各部電圧も適正値内に収まり一発で完動してくれました。何度経験しても最初の灯入れの緊張感と音が出た時の感動はこの上ない喜びに満たされますね。出てきた音はまがいもないサンバレーサウンドで充分なゲインに裏打ちされた力強いアンプです。他社のアンプと比べるとVol位置が2ノッチ位は差が出ているようで8時位で充分な音圧が得られます。音はエッジがしっかりして立体的に音像が浮かびこれが本当のKT88の実力なんだということを実感させられました。

という嬉しいレポートとともに写真を頂きました。
b0350085_00022150.jpg
ご立派なワイヤリングですね。JENSENの存在感が凄いです!!
b0350085_07574988.jpg
これはMullard(復刻)EL34実装時の写真

つい先ほどまで復刻ムラードのEL34とKT88の聴き比べをしておりました。1616Dは球の違いをよく描き出すとの言葉通り違いがよくわかりました。球の良し悪しではなく特徴が良く出ていたのだな~という感じです。一聴して解ったのはEL34は音楽的に聴いていて非常に心地良いと言うことです。実に軽快で粘り気のある低音と高域のハイ抜けの良さが印象的です。響きは少なめで音像はややつるんとした感じですが、深々としたチェロの胴鳴りとソプラノの天井まで抜けてゆく感じは大変素晴らしかったです。

これに対してKT88は同じVol.位置でもやや声量があり響きが多めで音像はやや毛羽立った印象です。また、EL34に比べて前後方向に音場が広く展開し奥行き感がありあります。そのせいもあってか、音が2歩くらい近い感じでSPの面一くらいまでグッと音がせり出してくる感じです。

言葉が適切ではないかもしれませんが、EL34はリラックスして純粋に音楽を楽しむのに向いており、KT88はオーディオ的にも聴いていて楽しいという印象です。

というコメントをいただいていますので併せてご紹介しておきます。
第二でも今日はKT150仕様でドライブしている訳ですが、正直ここまで鳴るか!というのが偽らざる印象。オートグラフ=大型直熱三極管で朗々と鳴らすのが常道というイメージがありますが、KT150で鳴らすと繊細感と音の拡がりが増して、凄みは後退するものの、上品さが1ランク上がったように感じられます。ローコストモデルでありながらここまでしっかりと個性を表出しながら鳴ることに正直私自身が一番驚いているというのが正しいかもしれません。

2月の試聴会ではS1616(=シングルいろいろ)の兄貴分P1616(=プッシュいろいろ)の音も聴いていただけるように現在準備中。あと一か月しかありませんが、時間のある限り色々と工夫して当日を迎えたいと思います。どうぞお楽しみに!




by audiokaleidoscope | 2016-01-18 00:40 | オーディオ | Comments(0)

(1/15)次世代D/Aコンバーターへの道のり+東京試聴会開催のお知らせ

昨日は長野へ…2016年度の開発計画の打ち合わせ。オーディオ好きが昂じて真空管アンプ屋になって、音楽好きが昂じて音作りの現場に首を突っ込むようになって、話好きが昂じてラジオ番組を持たせていただけるようになっても、原点はモノづくり。いつも何かを創り出したい気持ちでムズムズしている…そんな私です。

今回は4月以降の製品開発をどんな形で進めていくかということについて協議してきた訳ですが、話題については詳しく申し上げられないのですが、DAC(D/Aコンバーター)…PCM768k/32bit,DSD11.2MHz対応のニューモデルの基板の写真です。

既にショールームで音を出していますがDSD←→PCMのリアルタイム変換による音の違いは非常に大きなものであると同時にSRC(サンプリングレートコンバーター)チップ,DAC(D/A変換)チップによってもかなり表現に違いが出ることを痛感しています。今の業界標準は96kあるいは5.6Mな訳ですが、これからこれがどう変化していくのか非常に興味があるところです。
b0350085_16273669.jpg
”リアルタイム変換”というのはたとえば入力レートが96k/24bit_PCMを一旦11.2M/1bit_DSDに変換したり11.2Mを768kに変換してからアナログ化する…D/Dプロセスを経てからD/Aを行うことを言います。ただ単にレートを上げる(変換)することが目的であれば、調達と周辺設計が出来ればそれほど難しいことではありません。大切なのは音…私どもは一貫して真空管の倍音(Overtone)こそが重要であると申し上げてきましたし、ハイレゾという言葉が一般化してきたこの数年、"究極のデジタルはアナログである”という主張に基づいてハイレゾを補完すべきはまさに真空管の倍音であると訴えてきました。このD/D基板をベースに如何にタマを使って音作りするのか、これこそが私どものシゴトであろうと思っています。
b0350085_13272375.jpg
Wikipediaから転載(パブリックドメイン)

色づけ(Coloration)でなくNormalize(正常化)のための真空管。デジタルドメインにおける真空管の役割について2008年の”SV-192S”以降ずっと申し上げてきた訳ですが、次世代のD/Aコンバーターは単なる量子化競争にとどまらない”音の自然さ”が雌雄を決すると思います。真空管そのものの選択も単なるバッファ的なものでは不十分で音色(ねいろ)の適正化に資するべきものとして益々重要なものであると確信した今回の出張でした。

別件ですが、今日から東京試聴会(2/20~21)の告知をアップさせて頂きました。今回は3時間デモ×2回,恐怖の(!)5時間デモ×1回という構成で初心者の方からマニアの方まで十分にご満足いただける内容を検討していますので、是非ご期待下さい。見慣れないニューモデル名も散見されますが、それぞれに音に託したイメージをしっかりとお聴き頂きたいと思っています。ひょっとしたら768k/32bit,11.2M/1bitの聴き較べなんてのも出来るかもしれませんね(笑)。是非お越し下さい!



by audiokaleidoscope | 2016-01-15 13:52 | オーディオ | Comments(0)

(1/11)今週土曜のようこそ!オーディオルーム

今日で三連休も終わりというなかで、次年度の製品開発について色々と考えていました。国内ではサプライヤーの減少,海外では円安と人件費の高騰という状況のなか、基本的に内製化(自社企画,自社開発,自社管理)をしてきた訳ですが、もう一つ柱が欲しいよね…出来ればもっとロープライスで間口の広いエントリーモデル的なものがないかなあ…ということでこれからしばらく情報収集をすることになりそうです。新しいパートナーが見つかるといいのですが。

そんななか、今日は今週土曜放送分の”ようこそ!オーディオルーム”の収録日。流れ的には

●スペシャルピックアップアーティスト:クリス・コナー
b0350085_05103434.jpg
アルバム”Lullabys Of Birdland ”と”This Is Chris”から二曲づつ。モノラル録音の神髄を楽しんでいただきます。

●ハイレゾ新譜コーナー:Rhythm of Silence/田沢恵里香
b0350085_05103871.jpg
田沢さんの演奏は今回は初見でしたが一発で気に入って即採用!素晴らしいピアノを堪能頂きたいな、と!

●注目レーベル:”低音”
b0350085_05104679.jpg
その名もズバリ”低音”レーベル。ブライアン・ブロンバーグを筆頭に名うてのプレイヤーが勢ぞろい。ドスン!が好きな方は必聴です。
b0350085_05104213.jpg
採りあげたのはブロンバーグの”Wood"と神保彰がリーダーを務めるJBプロジェクトの”ブロンボ”

●懐かしのあのアルバム:Middle Man/ボズ・スキャッグス
b0350085_05334928.jpg
今回から新設のこのコーナー。70年代,80年代の懐かしいロック・ポップス系アーティストの名盤を採りあげていきます。今回はLPでボズ・スキャッグスを!!
b0350085_04425585.jpg
…という訳で無事終わってホッとしたところ。今週土曜22時!ネットの方はこちらで聴いて下さいね!




by audiokaleidoscope | 2016-01-12 03:42 | オーディオ | Comments(0)

本ブログ掲載内容は私人の見解であり、(株)サンバレー(ザ・キット屋)の立場,戦略,意見を代表するものではありません。


by Ohashi
プロフィールを見る
画像一覧