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(8/30)全員完成!

皆さん、こんにちは。昨日撮れなかった工程の写真を何枚か…。
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基板が完成後、シャーシに実装します。そして渡り配線。
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このようにリードを平たいペンチで支えてあげるとキレイにハンダづけ出来ます。今回皆さん、良い工具をお持ちでちょっと驚きました。良い仕事は良い道具から、ですね。
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渡り配線が終わると、真空管を挿入し、いよいよ電圧測定です。人間でいえば血圧を測るようなもの。正しい電圧が出ているということは、真空管に適切なエネルギーが供給されていることが客観的に証明される訳で、これをせずに組立が完了したとは言えません。600V耐圧程度のデジタルテスターがあれば大半のアンプの測定が可能です。
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測定電圧は記録しておくと後々便利です。
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Tさん、初めての真空管アンプ製作、お疲れさまでした!
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Jさん、細心の注意を払い納得のモノづくりが出来たようですね!

…という訳で楽しかった一日半のアンプ製作会も終わってしまいました。東京では初めての企画でありましたが、皆さんのモノづくりをずっと拝見していて幾つか重要な発見がありました。

作り手である私たちにとってアンプの内容や製作難易度は当然頭に入っています。しかし、今回で言えばJB-320LMが基板アンプで、トランス等の重量部品やヴォリューム,入力セレクター,スピーカーターミナル等の機構部品も予め取付られていて、電源部,高圧部までは組んだ状態で提供させて頂いている…そういう最も基本的な情報が充分お伝え出来ていないという事実…今回JB-320LMの購入をいただいて、製作会にご参加頂いた方ですら、”バラバラのキットかと思ってました”と仰るということは、多くの方にその辺の難易度、工数イメージが充分にお伝え出来ていないということを真摯に反省し、何らかの形でキチンとお伝えすべきであろうと強く思いました。

あとは初めての方でも”やってみれば出来るじゃん!”という安心感、言い換えればもっとハードルを下げる事が求められていることも、完成後の皆さんの穏やかな笑顔を拝見し、改めて教えて頂いた気がします。全員の方がノーミスで出来たことが何より嬉しかったです。

オーディオに限らず最近は”弄る(いじる)楽しさ”を体験できる趣味が段々と少なくなってきたというお話をよく伺います。バイクやカメラもしかり…誰でも知識がなくとも使えることが当たり前の世の中で、モノを触り、慈しむマインドが希薄になっているような不安を感じます。

大量に生産し、大量に消費し、結果的に大量に廃棄することで循環している世の中の片隅で、こんな趣味が一つぐらい残っても良い…今回参加された方は勿論、これまで皆さんに手がけて頂いたキットは全て自分の分身のようなものであり、オンリーワンの存在である訳で、”キング・オブ・ホビー”と言われるこの素晴らしき趣味の世界で仕事をさせて頂いていることを改めて大変誇りに思いました。

”こんな風に一つ一つアドバイスを貰えるなんて滅多にない機会ですからね”とも仰って頂きましたが、こちらこそ、作り手であるお客さまの生の声をダイレクトに聞かせて頂いて、今回は本当にやってよかったな!と思いました。是非またやらせて頂こうと思いました。どうも有難うございました!

私はこれから半蔵門へ移動して、明日の収録の準備です。今回のゲストはレコーディングエンジニア界の超大物と人気女性ヴォーカリスト。頑張らねば!



by audiokaleidoscope | 2015-08-30 12:47 | オーディオ | Comments(0)

(8/29_2)オトナのモノづくり_続編

アンプ製作会、順調に進んでいます!
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これが完成した基板です。JB-320LMは電源部,高圧部は出来上がっている(組付済,動作確認済)ので、作って頂くのはこの基板一枚です。
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いよいよメインシャーシへの組み付けが始めりました。その後、あとは渡り配線(約10箇所)を残すのみ。

このあと、各部の電圧チェックを行い、正しく組立られていることを確認していよいよ音出しです。今日は3人の方が完成されました。実質作業時間6時間弱というところでしょうか。

自分が作ったアンプと一緒に記念撮影です。
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Sさん、万事OKでしたね。おつかれさまでした!
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四家さん、真空管オーディオフェアでのミニコンサート楽しみにしています!
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Uさん、素晴らしいお手並みでした!

…こんな感じで明日も製作会は続いていきます。頑張っていきましょう!




by audiokaleidoscope | 2015-08-30 05:09 | オーディオ | Comments(0)

(8/29)オトナのモノづくり_初日

皆さん、こんにちは。今朝早く会社を出てお昼ごろ損保会館に到着。そう、今日,明日と楽しみにしていたアンプ製作会 in 秋葉原です!

今回は本当に初めてハンダごてを握る方でも大丈夫なように、完全サポートを期して人数を限定させていただき(ご要望にお応え出来なかった方、申し訳ございませんでした)、タップリ時間をとって実施させていただくことに致しました。

先ほどから製作が始まっており、皆さん集中された雰囲気のなかにも和やかな雰囲気で進んでいます。
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マニュアルを見ながら、不安な点は訊きながら、皆さん一工程づつ確実に進めています。
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四家さん(左)はチェロの弓をハンダごてに持ち替えて頑張ってます!
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皆さんも真剣そのもの!
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※写真は許可を得て撮影,掲載させていただいています。

静かに週末の午後のひと時が流れていく、雨の秋葉原です。続きは後ほど…。



by audiokaleidoscope | 2015-08-29 14:43 | オーディオ | Comments(0)

(8/27)三度目の新聞掲載

皆さん、こんばんは。今日の日経新聞にキット屋の記事が掲載されました。

中部経済面での掲載で、タイトルは「中部・音の王国~隠れた実力派~」。アイシン高岳(TAOC)さんと当社を取り上げていただきました。  

自動車や航空機など工業製品の主要産地である中部地方ですが、実は楽器をはじめとする音楽産業の隠れた集積地でもあります。大規模ではないものの、他にない技術で特色ある製品を提供するメーカーが少なくありません。そんな中部企業に焦点を当てるシリーズ企画で、既に星野楽器(ibanez),鈴木バイオリン,高峰楽器などお馴染みの楽器メーカー等がピックアップされてきました。

今シリーズは自動車関連メーカーが手掛ける音楽・楽器関連の製品にスポットを当てるということで冒頭のTAOCと当社という布陣になりました。

これまでも一般紙(朝日さん,読売さん)に取り上げて頂いたことはありましたが、経済紙は初めて。取材時は少々緊張もしましたが、これまでの経緯や市場の反応,戦略,会社のサポート等、簡潔に纏めていただいており、キット屋をご存じない方にも分かりやすい記事になっていると思います。電子版に会員登録されていらっしゃる方にも是非ご覧いただきたいと思います。

事前にはお知らせしていなかったのですが、お昼ごろから電話やメールで”新聞みたよ”というご連絡が入るようになり、反響の大きさを実感。そういえば今から10年ほど前、初めて朝日さんに掲載された当日は私は東京出張で、管球王国の取材を受けていたのですが、会社から電話が入り、”試聴室にお客さんが次々に来て半分パニックになっている。何とかしろ!”と言われて往生したことを思い出しました。今回も新聞のパワーは凄いな、と改めて実感した次第です。

記事のなかで一番嬉しかったのは「ものづくりの精神とオーディオ自作を結びつけたいと大橋が発案。音楽に造詣の深い経営陣も事業化に理解を示した」という下り。色々な人に助けて頂いてここまでやってこれたことを改めて感謝する機会になりました。



by audiokaleidoscope | 2015-08-28 04:06 | オーディオ | Comments(0)

(8/26)聴いたのは”共感”

皆さん、こんばんは。今日は久しぶりにIさんと試聴室で再会しました。

Iさんとはかれこれ15年近いお付き合いになるのでは?と思います。覚えているところでは、2004年の第四回キット屋モノづくりコンテストでTQWT(Tapered Quarter Wave Tube)方式のスピーカーシステムが見事入賞され、SA/80AMGから極めてスケール感のある音を聴かせて頂いたこと。その後、Iさんがアンプ(特にヴィンテージ系)に知悉された方であることを知り、一層仲良しになりました。そんなIさんが久しぶりに持ってこられたのはSV-501SE(改)。
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出力管をVT-2に変更されています。VT-2は1917年から2年間製造された最初期の真空管で、後の名球205D(1924~)の前身ともいえる球です。IさんのVT-2はWesternとは違うブランド製のようでしたが、音は紛うことなきVT-2のそれでした。

音源はIさんご持参のNAGRA(スイス)のテープデッキ"IV-S"です。
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Nagraはスイスのプロ用音響機器メーカー。映画産業によって認められ、アカデミー賞技術功労賞で何度もオスカー受賞しているオーディオマニアにとって憧れのブランドの一つです。メカニズムの極致とヴィンテージテイストが両立した稀有の世界…それがNAGRAなのです。

となればプリはSV-310が相応しいところでしょう。
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因みにこれは2010年5月、Hさんのお宅で聴かせて頂いた時の”IV-SJ”の写真。
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最近は小さくて高機能が流行です。こんな手のかかる方法で音楽を聴こうなんて事を考える人は極く少数です。でも(だからこそ)得られる感動や歓びもあることもあることを私たちは忘れてはならないと思います。

単なる懐古主義ではない、銀塩カメラに通じる本質的な何か…それはテクノロジーとヒューマニズムの高度な融合とでも言えばいいでしょうか。この半世紀、合理性や汎用性を追い求めた結果、私たちが失ってしまった(かもしれない)何かがここに凝縮されているような気がします。

今日Iさんが私に聴かせてくれたのは、”良い音”を超えた”共感”そのものでした。楽しかったなあ!




by audiokaleidoscope | 2015-08-27 04:34 | オーディオ | Comments(0)

(8/24)Yさんのラボにて

皆さん、こんばんは。昨日Mさん宅から向かったのはYさんのラボ。
去年に続いてお邪魔するのは2度目です。
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ここはレコーディングスタジオでもあり、Yさんの実験の場でもあり、仲間との交流の場でもあります。
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場所は”旧軽井沢”といわれる地域。軽井沢駅の喧噪とは隔絶した世界です。鬱蒼とした林の中にポツポツと立派な建屋が並ぶ別荘地。
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朝、散歩していたら見つけました。秋の到来を感じます。

…と言って私は遅めの避暑のため旧軽に来ている訳ではありません。Yさんと色々なテーマで議論したのですが、最近ここでレコーディングされたミキシング前の8ch音源を聴かせて頂くことを一番の楽しみにしていました。

Yさんは1bit(DSD)の泰斗で総元締の一人と言ってもいい方。民生レベルではDSDだ1ビットだと騒がれるようになったのはかれこれ10年ぐらいですが、Yさんは30年(以上)1bitの可能性を研究され、一方で超電導技術をオーディオに応用することに情熱を傾けられています。
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対向面を一切もたない吹き抜けの大空間。レコーディングのない時はリビング兼オーディオルームになっています。
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A7のドライブアンプはSV-18Dを2台。OTLならではのクリアでヌケの良い音を楽しませて頂きました。

今回思ったのがミックス前の音の鮮度感の凄さ。皆さんもよく知っている某女性ヴォーカルのミックス前の8chデータを聴かせて頂いたのですが、素材そのままの”活きのよさ”というか、ミキシング,マスタリングという工程で一歩間違うとこの鮮度が何処かへ行ってしまう危うさも感じました。

いま商用化されている1bitファイルは2.8MHz~11.2MHzですが、実験段階では400MHz環境での運用も既に始まっており、DACレス(ローパスフィルタすらない)スルーサウンドが真空管なら可能であることをテーマとして夜遅くまでディベートが続きました。
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A7の間に並んでいるのがが8ch分のモニターです。四角い窓の向うがコントロールルームで卓やレコーダーがあります。つまりスタジオの中で呑んでいるという訳です(笑)。

Yさんと話していて、去年は正直お話が高度過ぎて私には本質が理解できるところまで行かなかったのですが、やっと目指す姿が見えてきたように思います。

研究段階ではあるものの、Yさんが言う本当の意味での”次世代のオーディオ”が何なのか…真空管をコンベンショナル(旧式)の素子ではなく、最もハイスピードに電子を伝搬できるデバイスとして再注目すべき時代が来るかもしれないなと感じた今日でした。次回ミーティングが楽しみです。



by audiokaleidoscope | 2015-08-25 03:27 | オーディオ | Comments(0)

(8/23)Mさん宅にて

皆さん、こんばんは。今日は軽井沢のMさん宅へ納品に伺ってきました。感覚的には10度以上涼しいのかな、という気がします。

Mさん宅は…なんというか別世界。元々関東近郊にお住まいなのですが、どうしても大きな音が出せない、空間のボリュームが小さい…等の理由から週末オーディオを心ゆくまで楽しめる場として此処を求められたとのこと。何とも素敵なお話です。
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リビングに繋がるベランダからの眺望。最高です!
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LDKだけで100平米はゆうにあろうかという大空間。
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ダイニング側を臨みます。この開放感が堪りません!50人位のライブ(ピアノトリオor室内楽)が出来たら素敵だろうな…と思わず夢想。
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オーディオのための家…とMさんが仰るだけにスピーカーだけでもB&W,Focal,JBLが既に鎮座。そこに今回タンノイが加わりました。
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逆光でちょっと見づらいですが、今日お持ちしたスピーカーは先日書いたこれ。試聴室で見ると大きいなあ、という感じでしたが、ここではちょうど良い収まり方です。
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アンプはJB-320LM(300B)。元々の持ち主SさんがこのスピーカーをJB-300Bで良い音で鳴らしておられたこともありますが、この手のスピーカーにありがちなパワーをぶち込んでドンパチ…ではなく、爽やかに屈託なく上品に鳴らすならむしろこの位がちょうど良い…と思ったから。

部屋の何処にいても開放された扉から入ってくる風とともに、音楽が心地よく耳に入ってくる…そんな鳴り方が最も相応しい、Mさんの素敵なお宅でした。

明日は同じ軽井沢地内のY名誉教授のラボでのひと時をレポートします。

※写真はMさんの許可のもと掲載させて頂いています。



by audiokaleidoscope | 2015-08-24 06:05 | オーディオ | Comments(0)

(8/22)開放日レポート

皆さん、こんばんは。今日は月イチのショールーム開放日。初めての方も何人かいらしゃって今回もとても楽しい一日でした。

今回は300Bアンプ比較(+300Bそのものの比較)をして頂こういうことでJB-320LM,SV-2300LM,SV-501SE,SV-91B,LM91Aを用意し、タマもPrime300Bver.4,Prime300Bver.5,WE300B('99),WE300B('06)を聴き較べて頂きました。能書きは垂れずに、頭で理解することよりも聴いてどう感じるかを優先しましょうよ…という感じで進めていたのですが、特にフィラメントの直流点火/交流点火の違いでは、同じ300BでもDC点火すると明るくクリア,交流点火では陰翳感が出てザックリ鳴ることに、驚かれた方もいらっしゃった様子。何事も自分で体験してみると受けるインパクトも全く違ったものに…次回も何かテーマを決めて楽しく進めていきたいと思います。

今日はいつも以上に皆さんが持ってもられた音源が素敵なものばかり。LPをDSD/5.6Mで取り込んだ音と元のLPの音を比較したり、同タイトルでCDとハイレゾ音源の比較をやったりと大いに盛り上がりました。

最近はLPを自宅でハイレゾ(DSD)録音されて楽しまれる方も随分増えました。その際重要なのは”ピークで0dBをヒットしない範囲でなるべく高く録音レベルを設定する”こと。そしてレコーダーによってはアナログ入力がアンバランスの場合、自動でコンプ/リミッター処理がかかる機種もある(メーカーは公表していません)ことを知っていないと肝心の自作ハイレゾ音源も名ばかり…ということになりかねません。この辺りは一度時間をとってワークショップ的に皆で集まって勉強会をやるのもいいかもしれませんね!

今日聴かせていただいた音源のなかでオーディオ的に良いな!と思ったのがこれ。サラ・オレイン”SARAH”のクリアな音場には少々ビックリです。9月の”ようこそ!オーディオルーム”で採り上げさせて頂こうと思います。
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画像転載許諾:e-onkyo music

CDも良い物を色々と教えていただきました。なかでも下の写真の左側。
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チョン・キョンファのVn協奏曲集が凄いです!AMAZONのリンクに書かれている”大注目盤! ! 聴いて金縛り! ”はあながち嘘じゃない(笑)。特にシベリウス(’73)はヴァイオリンがスピーカーの前に屹立するようなエネルギー感で録音も秀逸。クラシックファンの皆さんには是非お奨めです。

…これから私は軽井沢へ向かいます。まずM邸に納品。その後、Y名誉教授のラボに伺って色々と情報交換させていただく予定です。現地からのレポートをおたのしみに!



by audiokaleidoscope | 2015-08-23 03:29 | オーディオ | Comments(0)

(8/20)惜別の銀箱mini

皆さん、こんばんは。今日はYさんが試聴にいらっしゃった時のことを少し…。

Yさんとはそんなに何度もお会いした訳ではありませんが、何故かとてもウマが合うというか、惹かれる何かをもっていらっしゃるというか、不思議な磁石を持った方。

そのYさんが現在都内に新居を建築中で、そのうち引っ越してしまわれることは伺っていました。メインのオーディオシステムの他、7.1chサラウンド+110インチスクリーン環境に加え、ダイニングでのBGMスピーカーを天井の梁(はり)につけたいが…というお話をいただいて銀箱miniを聴いていただきました。本音で言えば、お引越し前にYさんにもう一度直接お会いしたくて半ば強引にお誘いしたという感じ。

ご自宅天井にスピーカーをつけておられる方はそれほど多くないと思います。よく見るのは店舗。天井に直接埋め込むか、ブラケットを介して吊り下げるかのどちらかです。Yさんは後者の方式。前者はほぼ無指向性的に鳴りますが、後者はスピーカーの間隔と内振り,下振り角度が決まると、本当に空間にポッカリと音像が浮かぶような再生が出来ます。

スピーカーの理想的セッティングは”振動坂が4π空間に共振モードを持たずに浮かんだ状態である”=Free Standingとも言える訳で、私たちが実際出来ているのは2π(半空間)=Flush-mountingかもしくはπ(1/4空間)=Quarter-spaceのいずれかになります。スピーカースタンドのうえに載せてあっても後ろが壁に近接していれば2πですし、フロアスピーカーをベタ置きして且つ背後空間がなければπになります。空間が小さくなれば音圧は上がりますが、音場再生的には不利です。

以前「1:1:1(:1)セッティング」について書いたことがありますが、これも出来ればフリースタンディングモード(に近い状態)で鳴らしましょう、という意味。そういう点からも小型スピーカーの天吊りという方式は非常に理に適っていて自由度も高いといえます。

基本的に天吊りの場合は一般的なオーディオセッティングと異なり、サービスエリア(言い換えればリスニング位置)をかなり広く考える必要がありますので、一般にマルチウェイ(ウーハー/ミッド/ツィーター等による混成システム)は難しいと言えます。タイムアラインメント(位相)管理が難しいですし、どうしてもある程度音量を上げないと聴感上のバランスとスピードが揃いません。自ずと小型フルレンジの独壇場ということになる訳です。

今日はその雰囲気を多少でも味わっていただこうと思い、銀箱miniをなるべく離し、完全に音がスピーカーから離れて中央に音が浮かぶセッティングをしてみました。真ん中で聴くと本当に発音源がどこにあるのか全く分かりません。基本的にこれがフリースタンディングの求める姿です。
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Yさんのダイニングが小粋なカフェのような感じで居心地よく、かつ音楽を小音量でもちゃんと楽しんでいただくために銀箱mini(EV205-8A)はある意味最強だろうと思います。持ってこられたLPを10枚弱を全部聴かせていただきましたがヴォーカル,ジャズ,ロックすべてオーディオ的主張と利便性の両立した良い音で鳴ってくれました。

Yさんが近くから居なくなってしまうのは本当に寂しいことですが、新居が竣工した暁には”出前開放日やってもいいよ”と仰っていたので、是非それを実現させたいものだと思っています。惜別の銀箱miniでなく”再会の銀箱mini"にしたいものです。楽しみです!



by audiokaleidoscope | 2015-08-21 03:38 | オーディオ | Comments(2)

(8/18)Because it's there

皆さん、こんばんは。昨日からいつもの生活に戻ったという方が多く、お休み中の出来事や行楽(帰省)先のお話など楽しいお話をたくさん伺っています。もちろんモノづくりの成果も…。

毎回そうですが長期のお休みにアンプのキットを組立られるという方も多く、”一日で出来ちゃいました”という方もおられれば、それこそ何度となく電話やメールでやりとりして、ああでもない、こうでもない…と大変な努力された末に完成の感動を味わった方も沢山いらっしゃいます。状況を伺って問題点を共有しながら実機を見られないというハンデを乗り越えて音が出たという連絡を頂いた時の嬉しさは私どもにとっても代えがたいもの。”自分で作る”という人間に与えられた根源的能力の素晴らしさを体感できる瞬間でもあります。

確かに自分で作るということは大変なことです。見方によっては”なぜ大枚叩いて(はたいて)リスクを取るのだ?”という方もおられるかもしれません。しかし敢えて言えばそのリスクを乗り越えた時の感動を味わいたくてモノづくりに向かわせるのではないでしょうか。「そこに山があるから(Because it's there. )」と云ったのはジョージ・マロリーでありますが、その山が高ければ高いほど私たちの情熱も高いものになるのだろうと思います。

他方、決して安くないアンプキットを買うという行為によって自分を拠所無い(よんどころない)ところへ追い込むことによって”ここまで来たらやるしかない”という”志”、いいかえれば”覚悟”が人を変えるのかもしれません。人生も同じで楽に越したことはありませんし、オーディオでも誰がどう考えても出来上がったモノを買った方が手間無いことは事は分かったうえで、以前四家さんが仰っていた「リスクがあるからこそ歓びもある」という言葉を行動に移せるのは本当に凄いことです。

今日、名古屋のSさん宅に伺ってきました。
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いつ見ても美しいJBLの3ウェイマルチシステムです。アンプは

プリ:SV-722(C22)
パワー:SV-501SE,SV-2(2007),SV-275

というラインナップ。

今日Sさん宅へお邪魔したのは”どうも左チャンネルのウーハーの音がおかしいんだが…”というご相談から。これだけのシステムを構築されて音がおかしいとなれば、それは一大事。”もう後戻りできない”という”火事場力(かじば・りょく)”によって”原因を追究し、適切に対策し、あわよくば元の状態よりも良くしてやろう…と思うのが趣味の常です。

最初電話でお話を伺った時は真空管の故障?或いは結線の問題(接点の緩み・汚れ)?…マルチアンプともなれば自ずと配線が複雑になりますので、原因究明もタイヘンだ…と思っていたのですが原因は意外やウーハー(JBL2235H)のエッジの劣化であることが分かりましたので、エッジをリフレッシュすれば今まで以上に良い音で楽しんで頂けることをご説明し、Sさんもひと安心。ウーハーだけ外してお預かりしてきました。ウレタンエッジは大体15年で交換時期と考えるべきもので車のタイヤと同じ消耗品なのです。

昨今の”直すより買った方が安いですよ”という事が当たり前の風潮と趣味のオーディオが相容れないのは、モノとしての価値観だけでなく、自分の一部のように大切にしてきた宝物を何とかしなければ!という強い想いがあればこそ。

この”何とかしなければ!”が何事にも通じる”火事場力”=生きざまの要諦で、忘れてはならない何かがそこに秘められているように感じました。

”Because it's there.”…覚えておきたい言葉です。



by audiokaleidoscope | 2015-08-19 00:48 | オーディオ | Comments(0)

本ブログ掲載内容は私人の見解であり、(株)サンバレー(ザ・キット屋)の立場,戦略,意見を代表するものではありません。


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