<   2015年 07月 ( 14 )   > この月の画像一覧

(7/30)"ようこそ!オーディオルーム"新装開店!!

皆さん、こんばんは。今日は”ようこそ!オーディオルーム”の収録日。
b0350085_05061579.jpg
今回からようこそ!は新装開店!今までと大きく流れが変わります。

かれこれ1年半ぐらいになりますでしょうか・・・JAZZのオリジナル盤LPを中心にお届けしてきたこの番組ですが、今回から内容を一新!私が店主を務める真空管オーディオ店「ザ・キット屋」のショールームの雰囲気をスタジオで再現…というテーマで、試聴室で毎日流れている私どものリファレンスソースは勿論、ピックアップアーティスト,注目のハイレゾ新譜、またレーベル特集などノンジャンルでお届けしていくことになりました。

毎月第一土曜が前編(翌週は再放送),第三土曜が後編という流れは変わりません。前編(8/2土曜22時~)ではスペシャルピックアップで上間綾乃さん。
b0350085_05413299.jpg
ハイレゾ名盤コーナーは、キャノンボール・アダレイ
b0350085_05422219.jpg
そしてリンダ・ロンシュタット
b0350085_05422840.jpg
注目レーベル特集はVenus(ヴィーナス)。フィル・ウッズ
b0350085_05423353.jpg
エディ・ヒギンズをフィーチャーします。
b0350085_05423698.jpg
…という感じで賑々しく進行していきます。

後編は更に凄いことになっていますので、是非”ようこそ!オーディオルームver.2"にご期待下さい!!

※画像転載許諾:e-onkyo music



by audiokaleidoscope | 2015-07-31 04:04 | オーディオ | Comments(0)

(7/25~26)第二プチ開放日

皆さん、こんばんは。この土日は公私ともにバタバタして忙しい週末になりました。金,土,日と連続で第二でプチオフ的な集まりがありましたので、ちょっとそのレポートを。
b0350085_05001257.jpg
今回用意したアンプは300Bpp,KT88pp,845バランスドシングルという布陣。オートグラフでどういう表現の差になるのか、実際に音を出して確認してみようという企画です。
b0350085_04595672.jpg
私どものお客さんはヴィンテージ指向の方の割合が比較的高く、特にスピーカーに関して1970年代までの大型で高能率なフロアシステムを使っておられる方が多いのが特徴です。アンプによって音が随分変化する反応の良さが魅力で、使うアンプによって音楽表現(受ける印象)が全く変わってくることから、特にこの手のスピーカーを使われる方は常に自分が使っているアンプが自分にとって最良の選択かどうか…どこか気になっている方が多いのです。

ですから距離も厭わず、東に西に良い音あれば実際の音を聴いてみる…そういう方が非常に多いのがこの趣味の特徴。好き嫌いは別として他人(ひと)がどんな音を出しているかは誰にとっても興味あるところでしょう。昔はオーディオ雑誌で自分の住所を公開しあって同好の士として交流する文化もありましたが、昨今は個人情報云々が理由でそうもいかず、結果として知り合いのショップ経由でお客さん同士が繋がって交流が拡がるというケースが多くなりました。キット屋のショールーム開放日も真空管アンプを楽しむ人の輪を広げたいという目的でずっと行っています。

この週末、各真空管の持ち味を客人に楽しんで頂いた訳ですが、三者三様の感想でありながらも其々の真空管の個性(持ち味)については、ほとんど同じ意見というか印象を持たれたようです。KT88はワイドレンジで締まった音。300Bは正反対で柔らかくゆったりと倍音を楽しむ球。845は輝かしくクリアで明るい音…こういう傾向の差異が目に見えるように明らかに把握できます。どの球が好きかは人それぞれで優劣で語れるものではありませんが、やはりオールドタンノイは300Bで…という方が多いようです。逆にスピーカーがB&W辺りになってくるとKT88という選択が一般的でしょうし、イタリアのスピーカーには845が抜群の相性を示す場合があったりして、どの料理にどのワインを合わせるかというのと同じで実に奥の深い、豊かな創造性を秘めた営みである訳です。

ちなみに第二でのアンプ合戦の結果は、ダントツでSV-501SE+SV-284Dに軍配が挙がりました。確かに今まで聴いたことのない音で、300Bと845の良いトコロ取りという表現であったことを申し添えます。

ところで、この時期になると真空管アンプの温度(発熱)を気にされる方が多くなりますので、実際どの程度の温度になるのかを簡易測定してみました。非接触タイプのレーザーポインター付温度計で-50度~+400度まで測定することが出来ます。まずは最も高温になる真空管のプレート温度です。
b0350085_05025832.jpg
さすが845。200度を越えています。
b0350085_05032079.jpg
KT88もそれなりに高くて130度~150度程度。
b0350085_05033398.jpg
300Bは110度~120度前後です。もちろんこれらは真空管の動作環境によって変わります。プレート損失ギリギリで使うのと、25%余裕を持たせて使うのでは陶然プレートの温度も変化します。

次によく皆さんが心配されるトランスの温度です。トランスの温度は絶対的なものというよりも相対的なもので”室温プラス何度”という尺度でみるべきものです。従ってこの時期はトランス温度も高く感じる訳ですね。通電後約1時間後(室温24度)のトランスケースの表面を見てみると…
b0350085_05034484.jpg
おっと70度オーバー!と思われるかもしれませんが、これはトランス自体の発熱ではなく、845の輻射熱によってケース表面温度が上がっている状況です。
b0350085_05035480.jpg
測定部位を変えると…実際はこのくらい。
b0350085_05003506.jpg
300Bppもこの程度。
b0350085_06191970.jpg
KT88ppもあまり変わりません。

トランスが熱的に飽和するのは更に通電が必要ですが、それでも極端に温度上昇がみられるということはありません。大切なのは室温(雰囲気温度といいます)をなるべく下げておく、アンプ周辺の空気の対流を促すことで、これさえ出来ていれば季節に関係なく真空管の美音を楽しんで頂けます。

夏だからオーディオは休憩…というのは勿体ない話。快適な環境で良い音をお楽しみ頂ければ幸いです。



by audiokaleidoscope | 2015-07-27 03:32 | オーディオ | Comments(0)

(7/23)形態(かたち)はどうであれ…

皆さん、こんにちは。今日は某企業の顧客サロンに伺ってきました。ここで音を聴くのは2年ぶり(もっと?)でしょうか。
b0350085_16061016.jpg
4年ほど前、この会社がお客さま用のサロンを作りたい…ついてはサンバレーの真空管アンプで、と仰っていただいたことがきっかけでお手伝いさせて頂きました。プリはSV-192A/D(ver.1),パワーはSV-2(2007)です。

役員さんでオーディオファンの方がいらっしゃってスピーカーはJBL4365をご指名。送出系にはネットワークプレーヤーの先駆けといえるOlive 4HDをトランスポートに採用したいと。その頃は未だネットワークプレーヤーという言葉自体が成熟しておらず、当時私もCDプレーヤーとPC半々の頃でしたので少々戸惑ったことを覚えています。当時の日記が残っていましたので再掲しておきましょう。いま読み返しても何となく動揺している自分の心中が垣間見えるようです。

2011,05,13, Friday
ネットワークオーディオに想う

試聴室に"Olive 4HD"がやって来ましたので早速試用を始めています。ひとことで言えば大変便利なものです。
b0350085_16241960.jpg
今から何年前のことでしょうか・・・最初"LINNがCDプレーヤの製造を止めるらしい"と聞いて"は?"と思ったのは。私だけでなく多くの方がこのニュースを聞いた時"CD止めてどうやってオーディオやるわけ?"と思ったに違いありません。ほどなくリリースされた「LINN DS」の情報に私たちは驚き、同時に戸惑いました。 

音楽が完全にメディアからデータになる時代を予告した"ネットワークオーディオ"の世界。リッピングしたCDデータをNAS(Network Attached Storage:ハードディスクとLANインターフェース、OS、管理用ソフトなどを一体化した単機能ファイルサーバ)からストリーミングするだけでなく、インターネットからダウンロードしたデータを最高音質で再生するという考え方自体は理解できるものの、私のような頑固者には何らかの"カタチ"がないと落ち着かないし、音楽を聴きながらライナーノーツを読むのも楽しみの大きな一つで正直考え方自体に懐けなかったというのが本音でした。せいぜい自分が買ったCDに副次的にPCにリッピングして音楽を持ち歩ける手軽さを享受出来るだけで充分ではないか・・・というスタンスだったことを告白しておきます。自分には関係ないものだ"と。(後略)


今でこそ私のHDDには数百タイトル(数千曲)のハイレゾ音源が格納されていて、ハイレゾを聴かない日はありません。しかし当時はまだ”音楽をデータで買う”ことに馴染めず、もっぱらCD音源をアップサンプリングして楽しんでおりました。…あれから4年。物理(固体)メディアよりもダウンロード(含ストリーミング)音源の方が市場占有率において高い時代になるとは当時どのくらいの人が想像でしたでしょう。Apple Musicの台頭が更にこれに拍車をかけるに違いありません。

1990年代後半にピークであったCDの売上は現在1/3にまで落ち込んだと言われています。CDが売れない=産業としての音楽が益々厳しい時代を迎えるという危惧がある一方、これまで”所有”することのなかった未知の曲をストリーミングサービスで”消費”することで、大々的に宣伝もされずショーレースにも無縁であった無名ミュージシャンに経済的恩恵(チャンス)がもたらされつつある、という報道もあります。

個人的には(定額制)ストリーミングサービスを全面的に肯定するところまで行っていません。でも先日書いた「”買う意味”とは?…Apple Musicが問いかけるもの」を読んで下さった方から、”確かに音楽が「目的」から「手段」になって聴き流しの対象になる、という危惧はあるかもしれませんが、ストリーミングで聴いて本当に気に入ったらCDを買いたいと思う人も沢山いますから!大丈夫ですよ!」と言って下さった方がいて、良い音楽を良い音で聴くことに20年近く賭けてきた自分としては非常に救われた気がしました。

今日伺ったサロンでも、オーディオファンだけでなく一般の方も音楽を愉しんでいかれているとのこと。CDのセールスに関係なく音楽は絶対に無くなることはないし、私たちのような装置屋を必要として下さる方も必ずいらっしゃる筈。だからこそ逆に数よりも質を重んじて良い物を後世に遺していく責任がある…そう感じた今日のひと時でした。



by audiokaleidoscope | 2015-07-23 17:26 | オーディオ | Comments(0)

(7/21)”高音質”の落とし穴

皆さん、こんばんは。昨日からセールが始まり、その準備やご開帳後の超バタバタで更新が遅れてしまいました。

今日は前回の”宅録”ネタの続きですが、幸いタイミングが合って来週スタジオが取れました。その一方でフル真空管アナログシステムの自前録音にチャレンジ出来なかったのが少々心残りだったりするのも本音です。

前にも書きましたが”ようこそ!オーディオルーム”のスタジオ機器が変わったのは半年ぐらい前からでしょうか…それまでのアナログミキサーからデジタルミキサーに変わって音がすっかり変わり、少々違和感を禁じ得ないということも何となく書いた記憶があります。

何もデジタルが全て悪いという訳ではありません。フルデジタル録音でも素晴らしいものは幾らでもありますから。ただアナログと違い、デジタルにはピークマージンがありませんので宿命的に深めのコンプ/リミッターをかけて如何なる状況においてもピークを越えないようにする必要があります。私が新しいスタジオで録られた音に違和感を拭いきれなかったのはこのリミッティングされた音に対する生理的違和感だったと言ってもいいかもしれません。

一方でスタジオという環境を考えるとコンプを使わざるを得ない背景も大いに理解できます。人によって声の大小もありますし、マイクとの距離の取り方にも個人差があります。マイクに接近するが余り”吹かれ”といわれるブレスノイズが大きい人もいる・・・喋る人によって状況がかなり変化することを前提とすれば或る意味コンプ/リミッターは必要不可欠な機材と言えるでしょう。しかし過ぎたるは猶及ばざるが如し…もまた事実です。

皆さんはFM放送を聴かれるでしょうか…聴いていて民放局とNHKで音量が違うな…と感じたことはありませんか?NHKの方が音が小さい…という。実はこれがコンプによるものであることを知る方は少ないかもしれません。

最近はFM放送を車で聴く方が多くなりました。車という空間は予想以上に暗騒音が多く、タイヤを介して伝わるロードノイズも盛大です。その為ローレベルの信号を持ちあげ、その代りピークを潰すコンプ/リミッターによって明瞭な放送が出来る反面、音質的には粗さが目立ち元々の音楽波形がかなり変形されているのです。NHKはそれを嫌い、基本的に必要最小限のコンプしか掛けません。特にクラシック放送などで私たちはその恩恵を少なからず受けているという訳です。チョイ聴きすると元気があって音圧感の高いコンプ音源に私たちの耳が慣らされてしまっている部分も少なからずあります。

実はこれはFM放送に限った話ではありません。少々ショッキングな画像ですがご覧ください。トップエンジニアによる高音質レーベルと宣伝され販売されている或るハイレゾ(96k/24bit)音源のピーク波形です。
b0350085_20065880.jpg
前半は辛うじてセーフですが、後半が見事に波形の頭がぶった切られて潰れているのが誰の目にも明らかです。ローレベルを持ちあげた分ピークが潰された…これがコンプ/リミッターの功と罪です。音圧感とバーターにこんなに変形した音を聴いていると一体どれだけの人が気づいているでしょうか。

そしてもう一つ。これは別の高音質レーベルと言われているところの音源。
b0350085_22032409.jpg
実に見事な波形です。全てのピークが美しく屹立して山と谷がはっきり分かります。これが真のダイナミックレンジというものです。

今日スタジオの責任者の方とお話する機会があったので失礼かもしれないが…と断ったうえで、今のスタジオになってから音について何らかの指摘をされたDJはいませんか?と正直にお尋ねしたところ、誰もいないとのことでした。そこで間違っているかもしれないが…と前置きしながらどうも新しいスタジオの音が馴染まない、ひょっとして深めのコンプが掛かっているのではないでしょうか…私の収録時だけでもコンプを外して頂く訳にはいかないでしょうか…と正直に話させていただきました。素人が何を!とお叱りを受けることを覚悟しながら。

そうしたら、話を聞いて下さった方が、”確かにそうかもしれない。今まで誰からも言われなかったので気付かなかったですが、次回大橋さんの収録の時はミキサーが内蔵しているコンプをオフにして収録できるよう勉強しておきます”と言って下さいました。音に関わる仕事をしている者として貴重なオリジナルLPや高音質なハイレゾ音源を元の鮮度のまま皆さんにお届けするためにも、どうしても何とかしたかったというのが本音でしたので理解いただけて本当に嬉しかった…。

デジタル機器のパラメーターの変更はかなり複雑で慣れた方でないと上手くいかないことも往々にしてあります。収録は一週間後ですが、それまでに良い方策が見つかればいいなと思っています。音源も特別なものを用意しなければいけませんね!それが私の出来る唯一の恩返しですから。




by audiokaleidoscope | 2015-07-21 21:44 | オーディオ | Comments(2)

(7/18)宅録の可能性が…

皆さん、こんばんは。今日は山梨の二人のSさんを第二にお迎えしました。

記憶を辿ってみると最初に会社に遊びに来られたのが2003年の夏で、同年12月にショールームが出来てから年1~2回、定期的に会うようになりました。いつの頃からか場所がショールームから第二に変わり、半日色々なことをお喋りしながら過ごす定例のミニオフのような感じになって10数年。今日もCDを掛けたりe-onkyoでお二人が好きなヴィーナスから何枚かダウンロードしてハイレゾ版の音を聴き直してみたりしながらのひと時でした。

前回いらっしゃった時は確かPX25のパラシングルで明るく華やかな音にチューニングしていたのですが、今回は交流点火の300Bppでしたので、ざっくりとして重厚な音にかなり振れて”ずいぶん柔らかく鳴ってるね”と仰っていました。今日はきっとジャズ中心だから…と思ってオートグラフのEnergyとRoll-Offの設定を少し触っていつもと若干ですが音を変えておいたのも奏功したようです。高能率スピーカーは感度がいいので、アンプによって反応が変わってくるのが魅力。次回はSV-91B+SV-284D辺りで彫りの深い音を狙ってみましょう。

次は10月のフェア会場で再会だね!といいながら二人を駅まで送って一旦帰宅。「ようこそ!オーディオルーム」のバド・パウエル特集(後編)を聴きながら、さて次の収録はいつ頃お願いしようかなあ…と思いながらスケジュールを確認していると、下旬がスタジオの空いている時間帯と私の予定が殆どぶつかっていて非常に厳しい状態であることが分かりました。以前”そのうち宅録になっちゃうかも”と半分冗談で書いたことがありますが、真面目に今回そうなるかもしれません。そこで自前の機材で本当に録れるかどうか仮セッティングして確認。
b0350085_07315487.jpg
ようこそ!の本編を聴きながら音を比較してみるとスタジオのデジタルミキサーと自宅のアナログミキサーの違いがかなり出そうという事と、スタジオでは色々な収録が行われるので、どうしてもハードコンプ設定にならざるを得ない訳ですが宅録でやればノンリミッターで録れる点がプロセス上の違いになります。その他、スタジオ収録ではLPの音を一旦デジタル化してメモリー等に入れてディレクターに渡すのですが、自前の場合はフォノEQの出力をダイレクトにレコーダーに送れるメリットもあります。

スケジュールが何とかなればスタジオで録った方が遥かに楽ではあるのですが、ひょっとして今回はオール自前ということになる…かもしれません。テーマも含めてよく検討してみます。

明日は本家ショールームで試聴対応です。世の中はもう夏休みで三連休なんですね!梅雨明けももうすぐでしょう!良いお休みをお過ごしください!


by audiokaleidoscope | 2015-07-19 05:47 | オーディオ | Comments(0)

(7/16)あの日の感動

皆さん、こんばんは。

今日は長野で打合せでした。今後のデジタルオーディオの動向…というと少々大袈裟ですが、これからの市場予測と製品として求められるものは何かというテーマで議論しました。

遡ると2003年~2008年に96k/24bit対応の真空管D/Aコンバーター”model2"をキット化。その後”ハイレゾ”という言葉すら一般的でなかった2008年に192k/24bit再生+アップ/ダウンサンプリング機能という2つのコンテンツによって当社製品のなかで最大のヒットとなったからSV-192Sをリリース。その後SV-192SはDSD(2.8M)対応を実現したのち、現行のSV-192PROへ移行。PCM専用D/Aコンバーターとして最高の音質と機能の両立を目指しました。

果たしてSV-192PROをバージョンアップする必然性はあるのか?・・・市場を俯瞰すればデジタルオーディオの目覚ましい進化によって、今やスペック的にSV-192PROを凌駕するものも少なくなりませんし、どんどん小型化し低価格化している状況ですが、少々手前味噌ながら開発当時最もこだわった”音質”についてはスペック云々に関係なく充分に自信を持っていますし、今後もその存在感をキープしてくれるという自信もあります。

一方で最近は384kHzだ32bitだ11.2Mだ…という嘗て半導体アンプが音質よりもスペックと価格で競い合った時代を彷彿されるような状況になっています。正直根を張る前に次の種を蒔かざるを得ない業界の苦しさも垣間見えます。

加えてこの2~3年、D/Aコンバーター=USB DACと言っても良い状況になってきていてPCオーディオ重視の傾向が益々顕在化しています。これは時代の趨勢ですし私もPCオーディオ,ハイレゾダウンロードを応援する立場の一人ですが、他方CDなど既存のデジタルメディアの高音質化という眼目が少し後退してきている寂しさも禁じ得ません。

今後ストリーミングサービスの台頭によってCDは更に苦戦を強いられることでしょう。しかし皆さんが一番沢山持っているのはCDである訳で、もしSV-192PROの後継機を作るなら皆さんの家に沢山あるCDを驚くような高音質で鳴らせる真空管D/A…それも飛び切りのスペックと妥当性のある価格でご提供したいという想いがあります。

真空管機器こそがデジタルソースに滑らかさと艶、そして適切な倍音感と温度感を与え、アナログ的な質感を最もよく引き出せると思い続けて今年で18年め。私どもらしい、私どもにしか出来ない次期DACの姿が次第に浮かび上がってきつつあります。今後更に協議を重ねていきます。

打合せが終わってから、SV-192Sが立ち上がった頃のことを思い出していました。予約受付当日の日記が残っていますので抜粋して再掲させて頂きます。

2008,11,12, Wednesday
お待たせしました!

・・・ということで皆さん、改めましてこんばんは。最近あまり寝ていないので本当は結構疲れている筈なのに何だか興奮して全然眠くありません。SV-192Sが1時間半で初回発送分完売,4時間で2回目(年内最終)完売、全く予想していなかった予約開始当日中の追加発注です。今こうして日記を書いている間もどんどん注文が入ってきています。(中略)まさか一晩で200台近い注文が上がってくるとは全く予想していませんでしたので私は他の仕事そっちのけで対応に大わらわという状況です。
b0350085_22290557.jpg
2008,11,13, Thursday
来るべき「至福の時」へ

結局モノを売る(買う)ということはその先にある「こんなに楽しいんだよ」というマインドを共有する事なのだと思います。この間、試聴に来られたお客さんだったかメーカーの方だったか、が言っていたのは何十万という高級カメラが今よく売れているんだそうです。きっとこれも同じで「じゃあこのカメラで何を撮ろう!」とか「こで持って次はどこ行こう!」みたいな気持ちを一緒に手に入れているような気がするのです。(中略)今日、192Sを作って頂いているメーカーの社長が「今までこんな事は一度も経験がない」と驚いていました。世界に名だたるメーカのOEMを引き受ける立派な会社が何を・・・とも思いましたが正直嬉しかったです。確かにネットという環境で特定の、それも未発売の新製品が一晩で200台以上の予約というのは通常ではあり得ないことかもしれません。そういう意味では先方が驚愕するのも無理からぬことです。でも私には予約して下さった皆さんの気持ちがわかります。予約したのは来るべき至福の時間なのだということを。


…当時の興奮が甦ってきますね。皆さん同様、私もSV-192Sにとても大きな期待を寄せ、そしてその音に大きな感動を覚えた一人。機種は何であれ自分自身が欲しくて堪らないという製品でなければ作ってはいけない…改めてそう感じた今日でした。




by audiokaleidoscope | 2015-07-17 04:27 | オーディオ | Comments(2)

(7/12)スピーカーセッティングも様々

皆さん、こんにちは。週末は如何でしたか?私の日曜はかなりハードスケジュールでした。朝4時半に家を出て会社で車を乗り替えて一路東京へ。荷物スペースにはLM755A Classic Floor Systemを載せて・・・。

まず向かったのは都内某ホール。年二回の友人の定期を聴きに。これがなかなか良かった!毎回ゲネプロから聴かせて頂くのですが、2000人近く入る大ホールなので上手(かみて)と下手(しもて)は勿論、前列.中盤,後列で随分受けるニュアンスが異なるので演る方は大変だろうなあ・・・と。

ちなみに私どもの試聴会など大人数の方に一遍に音を聴いていただく時は”面出し(めんだし)”という方法でスピーカー位置を調整しています。通常スピーカーのセッティングは2つのスピーカーが底角を為す正三角形の頂角にリスニングポイントを置くのが基本とされていますが、自分の遥か後ろに位置する状態で聴いておられる方も多いと思います。これが”面出し”の基本です。

一方で内振りがきつく(自分の前でスピーカーが交叉するようなセッティング)をした方が良いスピーカーもあります。かつて試聴室に置いていたソナス・ファベールのCremona Mなどもその典型でした。正対や面出しでは音像が散ってしまって定位が決まりません。

内振り角度が増すほどサービスエリアは狭くなり、オフセンター位置での聴取が厳しくなりますが、音場が深くなり、セッティングが決まるとスピーカーの後ろにポッカリと音が浮かぶような三次元的再生が出来る場合があります。自分専用のリスニングスペースでは有効ですが、試聴会などパブリックアドレスでは面出しにせざるを得ないという訳です。オケも演目によっては”対向配置”(ファーストヴァイオリンとセカンドヴァイオリンをステージの上手(かみて)と下手(しもて)に振り分けることがありますが、私どもオーディオ屋も空間それぞれの広さ,響きを加味して最良の結果が出るようセッティングしているという訳です。

演奏会が終わって港区の瀟洒なタワーマンション高層階へ。単身赴任をされているSさんがサブシステムとしてLM755A Classic Floor Systemを導入されることになったので、その納品です。
b0350085_15043130.jpg
正対ではありませんがかなり面出ししてセッティングしています。これはLM755Aというフルレンジユニットの指向性がかなり広い(振動坂のすり鉢が浅い)こととも関係していますが、この手のスピーカーユニットはそれほど音場的再生に腐心せず、開放的に鳴らしてあげるのが”らしい”といえますし、この状態では20数畳あるリビングどこにいても気兼ねなく音楽を愉しむことが出来ます。

スピーカーはフルレンジだ2ウェイだ、密閉だ、バスレフだと型式で分類しがちですが、実際はスピーカーユニットとエンクロージャーのマッチングによって決まる性格によって決まる個性の方が遥かに影響が大きく一概にどうとは言えません。リジッドで箱鳴りの少ないエンクロージャーの方が内振り効果が高いといえますし、指向性がシャープなスピーカーユニットにも同様のことが言えます。同じ755Aを搭載したシステムでもType 618Cあたりは正対の方が拡がりが出て良いものです。

皆さんも色々と工夫して自分のイメージに一番近い良い音を導き出して下さい!




by audiokaleidoscope | 2015-07-13 16:46 | オーディオ | Comments(0)

(7/11)JB-320LM製作会が決まりました!

皆さん、こんばんは。

早速ですが先日キットの制作会が出来るといいな…的なことを書きましたが、トントン拍子に話が進んで東京で開催が決まりましたのでお知らせします。第一弾としてJB-320LMを題材として実施します。

b0350085_01313441.jpg
JB-320LMキット製作会 募集要項

1)日時

2015年8月29日(土)13時~30日(日)15時

2)場所

株式会社 損保会館 一階会議室
〒101-8335 東京都千代田区神田淡路町2-9

3)企画

・ 機種:JB-320LMキットの製作
・ 初めての方でも完全サポート
・ 正しいハンダの方法から組立後の測定サービスまで

4)参加費用

キット代金のみ

5)申込

・ ご注文時のコメント付記
・ メール(kitorder@sunvalley-e.co.jp)等

6)その他

・ 現地集合,現地解散 (合宿方式ではありません)
・ 一日参加も可
・ 組立済キットは会場からお客様宅へ発送(持ち帰りも可)
・ 未完成の場合は当社にて完成させて後日発送
・ 工具等組立済に必要な備品は当社にて用意(持込歓迎)

7)問合せ先

kitorder@sunvalley-e.co.jp または TEL:0566-24-6881

これまで”キットに挑戦してみたいけど自分に出来るかな?”とか”組めてもチャンと動いているかどうか自信が持てない”と思って逡巡されていた方もいらっしゃったかもしれません。そういう方に是非チャレンジしていただきたい…という気持ちを込めて開催させて頂きます。ご興味のある方が是非ご一報頂ければ幸いです!




by audiokaleidoscope | 2015-07-12 01:38 | オーディオ | Comments(0)

(7/9)”頑張ろう”から”楽しもう”へ

皆さん、こんにちは。今日はまず西麻布のレコーディングスタジオで取材。
b0350085_11205903.jpg
ザ・ベストテン世代の皆さんには想い出深いスター達からジャズ,ロック,演歌まで、このスタジオから産まれた素晴らしい音源の数々をMUSIC BIRDでお届けしようと思っています。収録では半世紀に亘り日本の音楽シーンを牽引してきたトップエンジニア、内沼映二さんをゲストの迎え、音楽業界の変遷から最新のソースまでたっぷりお届けする予定です。
b0350085_11211891.jpg
※写真はご了承のうえ掲載させて頂いています。

その後、MUSIC BIRDスタジオへ。今回の収録ゲストは映画監督そしてキューバ音楽レーベル”KAMITA”の主宰、オーディオ誌などでのフォトグラファー,ライターとして活躍中の高橋慎一さんでした。
b0350085_08583003.jpg
高橋さんの名前は以前から知っていましたが、お会いするのもお話を伺うのも今回が初めて。でも旧知の仲のようなフリートーク炸裂でとても楽しい2時間でした。高校卒業後フリーターを3年間、その後一念発起して大学へ進学して卒業後カメラアシスタントを経験。その後、バックパッカーとしてキューバを放浪(?)されながらキューバ音楽,キューバの文化に心酔していった過程がご自身の言葉で縷々語られています。

今回お話を伺って、高橋さんの本質的な天真爛漫さ、屈託のなさ、何事も否定的に考えないポジティブさが非常に印象に残りました。幾らキューバが好きだからといって、その音楽を文化として伝えるためレーベルを立ち上げたり、更にミュージシャン達と寝食を共にしながらドキュメンタリー映画を撮ろうと(撮れると)誰が思うでしょうか。多くの方が”夢は夢、現実は現実”とトライする前に諦めてしまうだろう、それを高橋さんは具現化できる何かをもっている人だ…と直感的に感じました。

秀でたネゴシエーターでも戦略的なエコノミストでもない、単純にキューバという国と人と音楽を愛した高橋さんが、自らの夢を具現化してきたのは、ご自身の努力は勿論ですが、何故か”この人の為に、この人と一緒に何かをしたい”と思わせる極めて不可思議なオーラ(磁石)を持った人だということが、2時間の収録で実感できました。今までの人生で経験したことのない何かを高橋さんから感じたのです。

よく”頑張ろう”とか、”頑張らないと駄目じゃないか”なんて言います。高橋さんにはその気負いが全くない。その代わりに”楽しもう!”というエネルギーがご自身の周辺に満ち満ちている。頑張ろうでなく、楽しもう…いま私たちに一番欠けている何かを高橋さんは持っていて、だからいつも誰かが高橋さんの力になりたいと思う…そんな感じと言えば良いでしょうか。

とてもシャイで自分を偽ることのない、その極めてピュアな高橋さんの人生がキューバ音楽と映画”Cu-Bop”(キューバップ)に重なっています。封切りは7/19(日)。9月末まで週一トークライブも決まっているようです。皆で応援しましょう!



by audiokaleidoscope | 2015-07-10 06:58 | オーディオ | Comments(0)

(7/8)夢見ごこち

皆さん、こんばんは。今日は東京泊り。降り続く雨が鬱陶しいですが、この時期は仕方ないですね。

明日は午前中表参道に寄ってから午後イチで西麻布のレコーディングスタジオで打合せした後、MUSIC BIRDで収録というスケジュール。今日は前ノリしてFさん宅に久しぶりに伺ってきました。目的は先日お納めしたばかりのLM91Aの音を聴かせていただくため。
b0350085_21522269.jpg
この空間に足を踏み入れるのは久しぶり。少々緊張感も・・・それはここで聴く音が決して他では聴けない何かをもっているから。SV-310EQ,SV-310,SV-192S,SV-86B,LM91Aそしてオートグラフ(モニターゴールド)。装置のラインナップが第二とかなり重複していながら、Fさん宅で鳴る音は第二よりも遥かに音楽的で円熟の境地にあることを毎回思い知らされます。

オーディオ的に言うと音像がしっかりしていながら響きが豊か。低域の申し分ない量感がありながらも音の形がしっかりしていて茫洋とせず、定位も極めてシャープ・・・まさにホールの特等席で聴くシンフォニックな音場と屹立する音像が同居する稀有の世界です。
b0350085_21523693.jpg
LM91Aはオートグラフ用,SV-86Bは上の写真でオートグラフの前にいるレクタンギュラー箱(Monitor Red 12入り)用。センターはType 618C量産のきっけけとなったモノ再生専用BOXです。
b0350085_21522734.jpg
91Aはエレハモ300B/GD 5U4GバージョンとオールWEバージョン両方で聴かせて頂きました。やはりWE300Bの音の襞(ひだ)の重厚さ,低域の踏ん張り,高域の繊細さは申し分ありません。
b0350085_04302510.jpg
274BはJAN(Joint Army and Navy)仕様です。
b0350085_21542145.jpg
現在の入力系はこんな感じ。DSDレコーダー,SACDプレーヤーなど最新のデジタルソースも嗜むFさんですが、キット屋のお客様のなかでも名うてのアナログマニアです。
b0350085_21543066.jpg
左からガラード401,301が2台。その他トーレンス124も。Fさんのシステムで聴くLPはまさに夢見ごこち。まさに”達人の音”を堪能させて頂きました。本当に素晴らしかった!こんな風に自分が企画したアンプで音楽が鳴るんだ・・・そんな歓びと自信を頂けたような気がします。

※写真はFさんのご了承のもと掲載させていただいています。




by audiokaleidoscope | 2015-07-09 03:51 | オーディオ | Comments(0)

本ブログ掲載内容は私人の見解であり、(株)サンバレー(ザ・キット屋)の立場,戦略,意見を代表するものではありません。


by Ohashi
プロフィールを見る
画像一覧